-

"wonder land" は、人々がその存在を認識することで成り立つ不思議の国。しかし本物の "Alice" は大人になったが故に夢を見なくなり、不思議の国は主人公を失った。

何れ人々にも忘れられ始めた "wonder land" は崩壊を辿り、ハートの王、女王、公爵夫人を中心として何人かの住人は姿を消してしまった。薔薇は枯れ、彼方此方と向いた看板は倒れ、いよいよ不思議の国も終わりが近しいだろう。

　＿＿ そんな時。新たな "Alice" は現れた。
　それも四人。認識されれば再生が始まる。

　新しい "Alice" は斑気な娘。
　すぐさまジャックが愛で閉じ込めた。
　二番目 "Alice" は暢気な娘。
　これは白ウサギが好奇で閉じ込める。
　三番目 "Alice" は健気な娘。
　チェシャ猫の語りに何時も惑わされ。
　最後の "Alice" は内気な娘。
　帽子屋との茶会に誘われ断れぬまま。

存在の認識が出来る "Alice" は皆の人気者。
ですが、消えるかもしれない不安からなのか、
四人の "Alice" を狙う輩さえも現れます。

彼等はそんな輩を殺し、"Alice" の事は、
首をはねたりせずに、優しく丁重に扱って。
それなのに彼女は云うのです、「帰らせて」。

いくら愛しい "Alice" の望みだとしても、
それは勿論のこと、叶える訳にいきません。

彼等は答えに悩んだ末に、ゆっくりと答えます。
「 君がこの狂気から目覚められるのならね 」
-