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喋る練習してるだけのお部屋
伽羅、口調 拝借
透過、崩壊、独り言 多々
独自解釈 有
会話 好


_楼閣。
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おしらせ無言時間が25分を超えたため、斎宮さんが自動退室しました。  (2022/5/19 23:01:20)

斎宮呪われてしまえ愚者共めッ!あぁッ、忌々しい…!(怨嗟の言葉を連ねながら、二度三度と舌を打ち鳴らす。決定的な言葉を口にしてきたあの一人は絶対に許さないとして、彼の隣に居たにも関わらず、その言葉を否定しなかったお仲間だって同罪としか思えなかった。酷く忌々しい価値観を持っているかどうか、彼らは口にしていないから分からないとはいえ。…いや、きっと持っているに違いない!何せそうでなかったら、確実に、口を挟むはずなのだ。美しいものを貶すのであれば例え友人であろうと真正面から切り捨てるべきなのである。なんと嘆かわしいことだろう。たったの一人だと思っていたかった。本人たちの名誉のためにも、この国のためにも。だから敢えて、静観していた彼らのことは先程もあまり考えないようにしていたのに。だというのに、考えれば考えるほど、どいつもこいつも美的センスの死んだ馬鹿ばかりだと痛感してしまう。神はこの国を見捨てるつもりなのかもしれない。決して腐らせてはならない人材だって、僅かばかりは居るというのに。)   (2022/5/19 22:27:54)

斎宮この…ッ、あぁッ!虫唾が走るッ!あの審美眼の欠片もない、視神経が腐った俗物以下の愚者共め!昆虫の方がよっぽどマトモな美的センスを持っているに違いないッ!(きちんと整えていた髪を乱雑に何度も掻き乱しながら、部屋の中をぐるぐると歩き回る。厄日だ。愛すべき母国の、日本人の、感性が取り返しのつかないところまで腐っていたことを知らされるだなんて。窮屈で古臭いとは思っていたが、伝統文化を重んじる国の気質を悪いものだと思ったことはなかった。けれど、嗚呼、それも今日でお終いらしい。たったの一人だ。酷く忌々しい価値観を持っていたらしい人間は。それでも。どうしようもなく。) 僕のマドモアゼルを…そうだとも、世界中の誰よりも優しく、淑やかで、美しい、僕の愛しい人を!あろうことか蔑むだなんて!(思い出すだけで怒りで頭がどうにかなりそうになる。思い付く限りの罵詈雑言を浴びせても、存在しえる中で最も苦痛の強い責め苦を強いても、この感情が鎮まるとは到底思えなかった。)   (2022/5/19 22:13:04)

おしらせ斎宮さん(iPhone docomo spモード)が入室しました♪  (2022/5/19 21:47:59)

おしらせ無言時間が25分を超えたため、斎宮さんが自動退室しました。  (2022/5/12 01:35:52)

斎宮ここのところ、季節の移り変わりが激しいね。つい先日まで春用のお洋服を繕っていたというのに、もう夏用のものを繕わなければならないのだよ。…まあ、夏用と言っても、この曖昧な時期に短絡的にも袖の短いものばかりを創るわけにはいかないのだけれど。(昼間の気温と夜間の気温差が身に染みる曖昧なこの季節。多少喉を痛めてしまって舌を打ち鳴らしたのは数日前だ。幸い熱までは出なかったし、体調も整ってきたため、こうしてまた芸術活動を再開している。溜息と共に言葉を吐き出せば、小さなトルソーに掛けたお洋服の皺をそっと指で伸ばした。風通しの良い素材で繕った、清潔感のある真っ白なワンピース。フリルがあしらわれた裾には薔薇の刺繍が疎らに咲き誇っている。今しがた完成した、淡い空色をした薄手のカーディガンを合わせると、衣装はより一層涼やかな可憐さを増す。けれどまだ、納得がいかない。) …帽子も創ろうかな。純白の、少しばかり大きいリボンを巻き付けた麦わら帽子。夏らしくて良いんでないかね。(思い付きを呟いてみて、小さく頷いた。我ながら良案ではないだろうか。そうと決まればすぐに取り組まなければ。)   (2022/5/12 00:40:27)

おしらせ斎宮さん(iPhone docomo spモード)が入室しました♪  (2022/5/12 00:16:46)

おしらせ無言時間が25分を超えたため、斎宮さんが自動退室しました。  (2022/4/27 01:59:12)

斎宮…まぁ、兎も角、一着は完成したのだからね。今回はそれで良しとしよう。(目を伏せ、息を吐くように笑いながら口角を上げた。今日はもう当然、彼女も煌びやかで甘やかな優しさに包まれた、穢いものなんて何一つない夢幻の世界に浸ってしまっている。けれど明日になれば、彼女は喜んでくれるだろう。花のように綻んだ笑みを浮かべてすぐにでも着て見せてくれるはずだ。自らが生まれ変わる瞬間を待ち侘びる布に針と糸で息を吹き込む瞬間、完成されたお洋服が着る者を引き立たせるその瞬間が、たまらなく好きだった。何にも代え難いのだ。世界中に隠された眩い宝石が全て目前に晒されたような。宇宙に散らばる美しい光を全て手の内に集めたような。そんな高揚感も、緊張感も、泣きたくなるほどの多幸感も、きっと、人生において、その瞬間ずつにしか用意されていない。それを知っている。)   (2022/4/27 01:31:46)

斎宮(だからこそ時間をかけた。いつもよりもかなり沢山の時間を。元々決して制作に時間を掛けないようなタイプではなかったし、寧ろその逆だったため、そうすると自分が思っていたより更に膨大な時間を使うことになってしまった。自分の体調を鑑みながらの制作となったために、まだまだ図案としてしか存在しないお洋服が有り余ってしまっているわけである。) 早いところ、全てを完成させたいのに、気ばかりが急いて仕方がないね。落ち着かなければならないということくらい、分かっているのだよ。急いては事を仕損じると言うし、そも、芸術というものは効率だけを求めて手早く生み出せば良いというものではないのだから。(意思表明のように呟いてみる。勿論常に優しく穏やかに微笑む彼女に、自分の創り上げた最高のお洋服を着てもらうことも大切だ。けれどそれは、完璧でなければならない。プレゼントしたいから、着てもらいたいからといった幼稚な理由で、美しい彼女に見合わないお洋服を手渡すことの方が恥ずべきことだ。そんなことになった暁には、自身の短絡的な思考と目も当てられない技術を悲嘆して右腕を折り、芸術家を名乗ることを辞めることだろう。)   (2022/4/27 01:02:26)

斎宮(ひとつ。息を吐く。春めく淡い桜色の、小さな小さな衣装がまた一着、掌の中で可憐に微笑んでいた。ふわりと風に舞う柔らかな生地も、まるで花弁のような繊細さで純白の手袋を飾る薄手のレースも、控えめに散らされ光を反射するビーズも、派手過ぎないように大きさの調節された、ドレスを彩る落ち着いた赤色のリボンも。全て想定していた通りだ。芸術的で、我ながら溜め息が零れるほど美しい。けれど。ちらり、と机上の紙面の束に目をやる。今完成したお洋服は、一面に描かれたお洋服の案の内の一つに過ぎなかった。春用の装いを誰より美しく、愛しい彼女に渡したのはほんの数十日前だけれど、たった数着のお洋服だけしか彼女にプレゼントしないだなんて、彼女が許しても自分で自分を許せなくなるのだ。とはいえ。) …季節の変わり目というものに僕の身体が弱くなければ、彼女を待たせずに済むのだけれど。(自覚がないわけではない。あの全て見透かして包み込むようなビードロの瞳で見詰められては、早くお洋服を創ろうと無理をしてしまうことが彼女の喜びに繋がらないことも、言われずとも分かってしまうというものだった。)   (2022/4/27 00:47:46)

おしらせ斎宮さん(iPhone docomo spモード)が入室しました♪  (2022/4/27 00:26:40)

おしらせ無言時間が20分を超えたため、斎宮さんが自動退室しました。  (2022/1/19 01:10:59)

斎宮(一度世に生み落とされた服や人形は、悠久のものであるから変化することがない。汚れたり欠けたり解れたりすることはあるが、綺麗に保管し、丁寧に修繕すれば、半永久的に創り出されたそのままの美しさで在ることが出来る。だが生き物はそうともいかない。諸行無常は世の常だ。全ての物事は移りゆく。そこに美しさを見い出すことが出来るのは、人間のもつ素晴らしい感性だと思う。日本人は花の散り際にさえ美しさを見出す。花は散るからこそ、再びそれが美しく咲き誇った時、その美しさに魅了されるのだと。その考えも感性も、否定したいわけではない。そもそも生きているものの中で、最も移ろい変わりゆくのは人間だ。時にその変化は景色よりも目まぐるしい。人でないと揶揄された僕の友人たちなんかは、その点においてどこの誰よりもずっと人間らしいように感じる。変わることなんて出来ない。変わりたくなんてない。そう考えて、悠久であり続けたいと望むのは、知りうる限り自分自身だけだ。人形と例えられるあの鴉も、環境に合わせて自己を変化させることが存外得意だということを知っている。だからこそ、絶対に変わらない彼女を見ていると、ひどく安堵するのだ。)   (2022/1/19 00:32:49)

斎宮_、『あら、完成したのね。あたしも見て良いかしら』(不意に聞こえた機嫌良く弾む優しい声。洋服から視線を少し横に動かすと、理想も夢も無垢な心も憧れも全て、どの子よりその身に宿して暖かく抱き締めてくれている愛しい彼女と目が合った。穏やかに細められたアイドグレースのような彼女のビードロの双眸に、自分の姿が映っている。) 嗚呼、すまなかったね。僕が邪魔でよく見えなかったろう。よく見たまえ、美しいから。(彼女の視界に居続けることにはなんとも言えない安らぎと心地良さを感じるけれど、芸術家が芸術を鑑賞する邪魔になるのはいただけない。すぐに彼女の視界に洋服が映り込むよう脇に避けると、彼女は嬉しそうに感謝の言葉を述べ、楽しげに洋服を眺め始めた。此方がどうかと聞くまでもなく、彼女は『とっても素敵』だとか『宗くんとみかちゃんに似合いそうだわ』だとか、惜しみなく賛美の言葉を与えてくれる。当然肯定だけしてくれるわけではないから、『でも宗くんは凝り性だから、また時間が沢山かかっちゃったわね。ちゃんと寝ないと駄目なのよ?』なんて心配そうに言われてもしまったけれど。彼女の優しさは、昔から何一つ変わることをしない。)   (2022/1/18 23:46:40)

斎宮(指先が完成した洋服の上をなぞるように滑る。芸術に嘘を吐いたことは勿論、妥協したことも、一度だってない。上質な布で創られた、滑らかで柔らかな肌触りと計算し尽くされ完成された純然たる美しさに、思わず陶然たる面持ちで息を吐いてしまう。作品は可愛くて愛おしい子供たちだ。腹を痛めるわけではないけれど、いつだってこの子たちを生み出す時、文字通り"命を削る"。熱中する姿をそうと言われてまで芸術家たちが創り出すことをやめないのは、そうしなければ生きていけないからだ。少なくとも自分はそう思っている。それは感情を具現化しているのか。世界への批判なのか。それとも自分だけの"アビエニア"を現実にすることを夢見ているのか。どれでもないかもしれないし、これら全てかもしれない。少なからず違わない事実は、作品は変わることのない悠久の美しさを保ち続ける、護らなければならない儚くて甘美な理想だということだ。自らの、現実には決して成り得ることがないのに、思い描いていたもの。夢。潰えることのない無垢な心。憧れ。その全てを一身に背負ってこの世に存在してくれる存在を生み出せるのだと一度知ってしまえば、もうそれを無視出来ない。)   (2022/1/18 22:58:33)

おしらせ斎宮さん(docomo spモード)が入室しました♪  (2022/1/18 22:24:54)

おしらせ無言時間が20分を超えたため、斎宮さんが自動退室しました。  (2022/1/9 04:17:53)

斎宮_、『宗くん』(仄かに震えた、甘美な声。美しく澄んだ彼女の声に、焦りを滲ませ揺れていた心が、現金にもすぐに鎮まってゆくのを感じた。どうして自分には彼女の声がこうも暖かく、柔らかく、安心感のあるものに感じられるのだろうか。彼女が正しくその通りだからなのだろうか。きっと、そうに違いない。) …マドモアゼル。僕、君を探したのだよ。君、今、何処に居るのかね。(まるで迷子の子供だ。自分の声を聞き、まず初めに抱いた感情はそれだった。なんとも情けない話である。たった一つの夢幻の世界に動揺し、優しい彼女を起こしてまで、自分は安心しようとしている。思考する勢いのまま息を吐きたかったけれど、『机の上よ。今日は宗くんがあたしのことをここに置いたままにしたんじゃないの。ほら、見える?宗くんの傍にいるわ』と彼女の噤まれた口の奥から宥めるような言葉が紡がれ、一度吐こうとしていた息を飲み込んだ。まだ何も言っていない。自分は先程、何処に居るのかと彼女に確認しただけだ。それなのに彼女は、まるで心でも読んでいるかのように、囁くように、もう一度音で空気を震わせて此方を安堵させてくる。『宗くんの傍にいるわ』。)   (2022/1/9 03:47:27)

斎宮(意識、が、浮上する。薄らと瞼を持ち上げれば、細まった視界には黒々と闇に沈む部屋が映し出された。淡く、浅く、小さく、息を吐く。本来、低血圧である自分の寝起きはあまり良い方ではない。勿論この家には自分の他に、自分に傾倒している困ったお人形が居るから、彼にだけはバレてしまわないようにと細心の注意を払っているわけなのだけれど。それでも稀に、こうしてふとすんなり目が醒めてしまうことがあった。こういう時、決まって少し、趣味とタチの悪い夢を見ている。立ち向かおうと思うことすらも許されない夢。夢幻の世界は美しくあるべきだというのに。僕という人間は、強くあるべきだというのに。そもそも自分は弱者でないのだ。淘汰されるべきでも、搾取されるべきでもない。強く美しい人間なのだ。そのはずなのに。視線が暗い部屋の中を彷徨う。光を探している。暖かくて優しい光。絶対に裏切らない、悠久の時を隣で過ごしてくれる、変わることのない存在。普段、サイドテーブルの上で、昼夜問わず此方に微笑みを投げかけてくれる愛おしい人は。嗚呼、彼女は何処に。)   (2022/1/9 03:32:34)

おしらせ斎宮さん(docomo spモード)が入室しました♪  (2022/1/9 03:11:33)

おしらせ無言時間が20分を超えたため、斎宮さんが自動退室しました。  (2021/12/22 03:04:35)

斎宮(頭が回るわけではないのだ。霞みがかったような脳内では、情けなくもあらゆる思考の輪郭が滲んでいる。だがそれは眠気ともまた違っていて、目を瞑っても眠ることが出来ないものだから、さて、どうしろというのか。このまま有限である時間を無為に過ごすというのも抵抗があるけれど、それならば仕方がないからと起き出して作業をしだそうものならば、きっと比喩無しに朝まで眠れなくなってしまうことは火を見るより明らかである。お洋服を繕うことも、舞台について思いを馳せることも、ちょっとやそっとの数時間程度では終わらないし、途中で切り上げるだなんて出来るはずもないのだから。とはいえ、眠っている愛おしい人を、自分が眠れないからと揺り起こすことは更に躊躇われる。心優しい彼女は恐らく、そう声を掛ければ柔く笑みながら仕方がないわねと起きてきて、御伽噺の一つでも聴かせてくれるのだろうけれど。彼女の優しさに甘え過ぎて、彼女の睡眠を妨害することはしたくなかった。世界でたった一人の愛しい人にそんなことをしてしまうくらいであれば、迷惑を承知で誰か友人の元を押し掛けてやる方がまだマシなのだ。)   (2021/12/22 02:20:58)

斎宮(眠れない。今現在こうして悩みの種となっているこの事柄に、どうしてそうなったという明確な原因はなかった。それが一番の問題のような気がする。昼間に眠りこけてしまっただとか、最近生活リズムが乱れているだとか、そういうことであればきっともっと物事は単純だったに違いない。自分を律し、今後は意識して正せば良いのだから。けれど原因不明ということであれば、一体何をすれば良いのか。ゴールのない迷路に突き落とされてしまったような感覚に辟易する。そしてなにより、誰も起きていないような深夜に自分一人だけが目を開けているという事実が、どうも厭なのである。世界から締め出されたような、自分が異端であるような、妙な息苦しさがたまらなく嫌いだった。これが仮に自らの意志であったなら、例えばお洋服を作っていたり舞台の構成を練っていたりしていたのであれば、また状況は変わっていたのだろうけれど。そうでないのだから、困るのだ。) …マドモアゼル、(ぽつり。落とされた呟きを、自ら戒めるように咳払って押し流す。こんな夜更けに、女性に声を掛けるのは非常識な行動だということくらい、理解していたはずだというのに。)   (2021/12/22 01:48:26)

おしらせ斎宮さん(docomo spモード)が入室しました♪  (2021/12/22 01:24:20)

おしらせ無言時間が20分を超えたため、斎宮さんが自動退室しました。  (2021/12/12 18:38:00)

斎宮それよりも、マドモアゼル、寒くないかね。そろそろ窓を閉めようか。ついでに飲み物も淹れてくるから、少し待っておいてくれる?(彼女が困ったように息を吐いたため、話題を変えようと椅子から立ち上がって窓を閉めた。彼女を困らせることは本意でない。窓硝子の向こう、薄暗い世界と微かな風の音が寒々しく思えて、クローゼットから出した彼女の着ているお洋服と同じ色をした上着を羽織った。彼女に控えめに手を振ってから部屋を出る。多少広い家の廊下は自室よりも肌寒い。流石に温かいものを飲みたくて、ティーカップには水ではなく紅茶を注いだ。華のような芳香がふわりと台所には広がる。キームンの茶葉がお気に入りなのだけれど、上質でなければ香りの質が落ちてしまうから、きちんとした専門店に足を運ばなければならないというのが玉に瑕だ。世界三大銘茶の一つとはいえ、上質なものは生産量が少ないため仕方がないのかもしれないが、だからといって味や香りに妥協は出来ない。世知辛いところである。本日何度目かの溜息を吐き、紅茶のカップを片手に自室に戻った。)   (2021/12/12 17:36:12)

斎宮_、『心配なら心配って言えば良いのよ。そうしたらみかちゃんにもちゃあんと伝わるし、きっと喜んでくれるわ。宗くんだって、いつもきちんと伝えたら良かったかも、って思ってるじゃないの』(あの子のことも僕のことも気遣うような声。皮肉や嫌味が一欠片だって混ざっていない、母親のような無垢で無償の愛情に満ちた瞳。彼女の瞳を覗き込むと、彼女も『ね?』と甘やかな声で諭してきながら此方に微笑みかけてきた。穢れることのない美しさに少しばかり見蕩れ、目を細めながら首を横に振る。) …その必要はないよ。きみが伝えてくれるからね。あの子にも、あの子以外にも。僕の言葉より、きみの言葉はよっぽど美しいし、優しいし、柔らかいもの。僕は他人に、きみのように優しくなってやろうとは思えないからね。(自分が美しいという自信はある。容姿も立ち振る舞いも言動も何もかも、凡俗共とは比べることさえ馬鹿らしくなるほどの努力と計算を重ねてきている。けれど。親切心や愛情は、全面に出すと付け込まれてしまう危険がある。そのことを知っている。彼女は護られるべき人だから変わる必要なんてないが、護る立場に居る自分自身がそうであってはならないのだ。)   (2021/12/12 17:01:17)

斎宮それにしても冬は日が落ちるのが早いね。もう薄暗い…。あの子は今日もバイトのようだけれど、帰り道で苦労しそうだとは思わないかね。夕暮れ時までバイトを入れているなんて、自分の身体を理解していないのかと思わざるを得ないよ。(葉の擦れる音に気を取られ、窓の外に目をやる。庭に植えられた常緑樹たちは、冬だろうと青々と茂り、鮮やかに庭を彩っていた。それでもそれらが目立ちにくくなりだしてきているのは、単に空が薄暗くなりだしたからだろう。この季節は簡単に日が落ちる。その分夜空を彩る宝石のような煌めきが主張される良い季節ではあるけれど、鳥目なため暗くなると道を把握し辛くなるあのお人形が気がかりになる。心配だとみっともなく騒ぐことなんてしてやらないが、声を掛けられなければ判断出来ないのだろうか。世話がかかる子だ。) _、『んもう、宗くんってば。みかちゃんが立派なのは宗くんとあたしが一番良く知ってることじゃないの。ダメよ、そんなこと言っちゃあ』(愛おしい彼女はそう言って呆れたように息を吐いた。そうは言っても、あの子はとんとあの子自身のことに無頓着なのだ。世話がかかると思われても仕方がない。)   (2021/12/12 16:31:22)

斎宮(肌寒い風が首筋を撫で、顔を上げた視線の先。冬だというのに、換気の名目で開けていた窓が目に入り、思わず少し眉を顰めた。換気の重要性は重々承知なため閉めることはしないけれど、それでも寒すぎやしないだろうか。地球温暖化とは恐ろしいものだ。溜息を吐きながら小さく伸びをする。室内でマフラーを巻くのは些か行儀が悪いだろうか、なんて考えながら、横目で机に腰掛ける愛おしい人を眺めた。淡い色をしたふわりと柔らかい厚手のお洋服に身を包む姿は、さながら御伽噺に出てくる雪国のお姫様だ。風に吹かれている純白の、ウシャンカを模した帽子を、指先で優しく整えてやる。) ……ふふ、。冬の装いはお気に召したかね?マドモアゼル。(目を細めながら声を掛けると、彼女は淡雪のように『勿論よ♪』と優しく笑った。久々のゆったりと落ち着くことが出来る時間と、彼女の甘やかな声に、思わず釣られて気の抜けたような笑みを浮かべてしまう。ほんの少し寒いし、秋から冬にかけての時期は、ハロウィンだクリスマスだと喧しくよくわからない行事が多いため忙しいのだけれど、今日に限っては柔らかな時間に身を置けそうである。)   (2021/12/12 15:48:36)

おしらせ斎宮さん(docomo spモード)が入室しました♪  (2021/12/12 15:22:23)

おしらせ無言時間が20分を超えたため、斎宮さんが自動退室しました。  (2021/11/5 00:37:02)

斎宮(ふ、と我に返ったように口を一度噤む。確かに腹は立てていた。自分のことを、名前ももう覚えていないようなよく知りもしない凡俗に酷使されたのかと思うと、意図せぬ間に舌まで鳴らしてしまったほどだ。けれど。だからといって話し相手も居ないのにぶつくさと独り言ちていたなんて。少しばかり冷静になってしまった所為でその事実が酷く恥じ入るべきものに感じられた。誰かに聞かれてでもいたなら、あまりの羞恥心から、気紛れに花の美しさや空の青さを独り言ちても誰にも嘲笑されないであろう海外の片田舎にでも高飛びをしてしまっただろう。この国の人間は皆余裕が無い。自分自身、有限である時間がどれほど貴重なものかは理解している。けれどこの国の人間は、ほんの些細な独り言すら多忙な一日に殺されてしまっているためなのか、それを言う経験も、それを許容する心も持ち合わせていないようだった。だからこそ聞かれてしまったらと焦るのだ。この国で今後何度ももしかするとこういった思いをしなければならないのなら、そもそもこの国を飛び出してしまった方がマシだというものだろう。)   (2021/11/5 00:10:47)

斎宮あぁッ!もう散々なのだよ!世界の宝たるこの僕を酷使して許されるのは、己の才能を磨くための実りある努力という名の向上心と、溢れ出る芸術への創作意欲だけだというのにッ!(音を立てて自室の扉を閉める。此処が離れでなく、母屋であれば、きっとその音を聞き付けた家族の内の誰かが「はしたない!」と声を荒らげたことだろう。だがこの場には喧しく不愉快なお小言を言ってくるような人間はいない。小さく息を吐く。ここのところさも当然のように次々と仕事が舞い込んでくるのだ。勿論、安請け負いはしたくないため断るべきものはきちんと断っているつもりだが、それでも些か多すぎた。自分たちの存在が広く世間に知れ渡ることは良い。寧ろそうでなければ可笑しいとさえ感じる。自分たちを評価する人間が増えれば増えるほど、生み出すものの美しさや神々しさに傾倒する人間や、仕事だって増える。それは分かっているのだけれど。) ……だからって無遠慮というものだろう。僕に仕事を頼んでくる人間を、プライベートな時間の大切さすら理解出来ないような凡俗共の集まりだなんて思いたくないね。(疲労というものは、積もった不平不満を吐き出させてくるものなのである。)   (2021/11/4 23:52:37)

おしらせ斎宮さん(docomo spモード)が入室しました♪  (2021/11/4 23:32:46)

おしらせ無言時間が20分を超えたため、斎宮さんが自動退室しました。  (2021/10/6 01:49:39)

斎宮…ふあぁ…ふ、。(はくり。噛み殺そうとしてそれでも小さく零れ落ちた欠伸を恥じて、口許を片手で隠した。自室に一人でいるこの瞬間くらい構わないような気もするが、一人の時に行えないことは誰と居ても行えないものである。次はもっと気を付けなければ。生理現象なので、絶対にしないようにしなければとまでは思わないものの、間の抜けた表情をするわけにはいかない。夢幻を体現する非日常感と、格式高い芸術品のような麗しさを誇るユニットを統べているのだから。自分に出来ないことを周囲にやれと強要するなんて恥知らずな真似は出来ない。回らない頭で自分を戒める。眠たいのか眠たくないのか。頭は回らないが目は依然として冴えていて、自分の身体がどうしたいのかを切実に問いたくなった。人間の身体というものは、自分のものであろうと自分が思う風に操ることが難しいものらしい。非常に難儀だと思う。)   (2021/10/6 01:23:17)

斎宮(そもそも、学院に居る時間が楽しいかと問われれば返答を熟考しなければならない。楽しいとすぐに返事が出来ることが理想なのだろうけれど、そう答えてやれるほど今の生活に満足していないため仕方がない。それは自分自身の問題でもあるし、学級の問題でもあるだろう。クラス割りに今更異議申し立てるほど子供ではないが、あのクラス割りで楽しめと言う方が無粋だと思うのだ。神は死んだと強く感じた。"同じクラスで良かった"と大手を振って言ってやることが出来るのは見目が美しい瀬名くらいだ。楽しいだなんて、言ってやることすら勿体ないと感じる。だが、一方で楽しくないと大声で言ってしまうには惜しい、非凡な才能を持つ友人も彼処には存在している。嘆かわしいことに世の大衆の殆どは凡俗であり、自分自身そんな人間と馴れ合うことなんてしたくないため、同じ目線で物事を語り合えるような相手は少なかった。稀有な存在なのだ。手離すことはしたくない。そんな狭間でいつも揺れ、アイドルであり続けたいという心と、こんな自分に盲目的なまでの憧憬を向けてきているあのお人形に、学院まで背を押される。また一つ息を吐いた。自分は存外単純なのかもしれない。)   (2021/10/6 00:51:59)

斎宮(ぼんやりとベッドの天蓋を見上げる。数十分ほど前からずっとそうだ。眠ろう眠ろうと思っているのに眠ることが出来ない。目を瞑って何度も寝返りをうっている間にすっかり目も冴えてしまった。明日も特別行きたいわけでもない学院へ行かなければならないのだし、早く寝ようと思っていたけれど睡魔に襲われる気配は全くしない。息を吐いた。どうしたら良いのだろう。随分と暗闇に慣れてしまった目は、自然とベッド付近にあるサイドテーブルに置かれた硝子のケースの中で、昼夜問わず麗しい微笑を浮かべ続ける愛しい彼女に向く。もう眠ってしまっただろうか。いや、眠ってしまっていなくともこんな夜更けに眠ってしまったかと女性に声を掛けるのは非常識な行動だろう。もうおやすみの挨拶はしたのだから、彼女はきっと今頃塵一つ落ちていない、彼女自身を投影したような美しい世界の夢を見ているに違いない。それがひどく羨ましかった。早く僕も眠ってしまえたら良いのに、と自身へ向けた不満を脳裏で呟く。汚い物も嫌な人間も居ない、優しくて綺麗な世界。そんな存在しない幻影に、せめて浸る時間が欲しかった。悪夢でない限り、夢というものを煙たがる理由はないのだ。)   (2021/10/6 00:21:02)

おしらせ斎宮さん(docomo spモード)が入室しました♪  (2021/10/5 23:44:21)

おしらせ無言時間が20分を超えたため、斎宮さんが自動退室しました。  (2021/10/4 01:24:39)

斎宮……んんッ。僕としたことが噛んでしまうとは…いや、口に出した部分ではないし厳密には噛んでいないんだけれど…。…危なかったね。誰かに勘づかれていたら不要な舌…この場合は脳かね?まぁどちらでも良いけれど、兎も角、切り取っていたところなのだよ。(気付いてしまった失態に咳払いを一つ。あぁ嫌だ。恥だこんなもの。完璧とは程遠い。己の体たらくをこう何度も嘆きたくはないものだ。自分の欠損を見せ付けられているような気持ちになる。彼女はそれこそ楽しげに笑うが、なんだか興が削がれてしまった。)   (2021/10/4 00:48:29)

斎宮_、『それで、何のお話しをしましょうか』(彼女の言葉を聞き、顎に手を添えてふむ、と暫く頭を悩ませる。その美しさと寸分違わない涼やかで愛らしい声は、此方の心を震わせて優しく溶かしてくれる穏やかな熱を持っている。だから正直なんでも良いのだ。架空のお伽噺でも、現実的で難しい問題でも、他愛もない雑談でも。彼女が話して聞かせてくれているという事実だけで此方としては満ち足りた充実感を得られているのだから。包み込まれるような感覚に陥ってしまうのは、美しいものを守るべきなのは此方なのだからどうなのかと思ってしまわないこともないが。_今は良いだろう。モヤモヤとしだした思考を無理矢理抑え込み、息を吐いて再び手を動かす。) まぁ、なんやかんや僕も作業中だからね。…そうだな、お伽噺を話してくれない?よく君が僕に聞かせてくれるあれが良い。(プスり。針が布を貫き、糸が命を吹き込んでいく。『でも宗くん、もうあれ覚えちゃったじゃないの』という不服そうな声は、申し訳ないけれど気にしないことにした。きっと今、拗ねてしまっま幼く無垢な少女のような、愛らしいむくれ方をしているんだろうけれど。あのお話が好きなんだもの。)   (2021/10/4 00:26:09)

斎宮_、『うふふ、勿論良いわよ♪ 宗くんは何のお話しが聴きたいかしら…。あっ、そうそう、寂しいならそっちを向いてあげましょうか?』(返答を分かっているはずの彼女が尋ねてくる。揶揄われているんだろうか。あと数ヶ月もすれば学院を卒業する身であるというのに、小ちゃい子のようなことをしてしまったから。当然彼女は悪意を持ってそんなことをする人ではない。けれど、どこか茶目っ気があるというか、ほんの少しだけ子供のようなところがあるのだ。人に揶揄われることは大嫌いだが、彼女の甘やかな茶目っ気溢れるそれは何故だか許容出来てしまう。幼い子供が大好きな母親に、急に少し苦しいくらいまで抱き締められた程度の衝撃とこそばゆい羞恥心があるのみだ。) ノン!まだ駄目ッ!意地悪を言わないで。完成するまでは見せたくないっていつも言っているじゃないか。それに、良い時は僕の方から此方を向いてとお願いするのだよ。君と少しでも長く目を合わせていたいからね。(とはいえ嫌だと言わないと彼女はもっと揶揄ってくるだろう。やれやれと頭を振りながら腕を組むと、彼女は『はぁい♪』と軽やかな声で、反省の色を滲ませないまま返事をした。)   (2021/10/3 23:50:02)

斎宮(自室に一人。自分の衣装と比べれば随分小さなお洋服が手の中で生まれていく。これからの季節に備えたものも増やしていくべきだろうと繕い始めてから随分と時間が経った。柔らかくて光沢を持った滑るような手触りの布ではなく、暖かくて優しい色合いをしたふんわりと優しい手触りのものを選んだので、愛しい彼女の陶器の肌が冷えてしまう心配も要らないはずだ。この時間が楽しい。自分が手ずから作ったお洋服を着た彼女の姿を想像することが一等好きで、きっと、喜んでもらえたならその瞬間自分自身が世界で一番幸せ者なのだと確信出来るだろうことが、もうこんな前の段階から嬉しくてならない。つい笑がこぼれてしまう。それでもなんだか、今日は静寂が耳に痛かった。) …ねぇ、マドモアゼル、何かお話しをして。(それでつい、小ちゃい子のように、彼方を向いている彼女に強請ってしまう。彼女は初めて可笑しなものを見付けた生娘のように『あら?』と愛らしく声を弾ませた。) _、『どうかしたの?宗くん。最近は強請らなかったのに』。……なんとなくだよ。たまには良いだろう?(彼方を向いたままの彼女の後ろ髪を人差し指で少し掬うと、彼女は擽ったいのか小さく笑った。)   (2021/10/3 23:17:39)

おしらせ斎宮さん(docomo spモード)が入室しました♪  (2021/10/3 22:46:01)

おしらせ無言時間が20分を超えたため、斎宮さんが自動退室しました。  (2021/10/3 03:34:57)

斎宮……今日はこんなところかな。(集中し過ぎた。一息ついて時計を眺める。水を飲み終わったのが一時過ぎだったのに、どうやらもう二時を半分も過ぎてしまっているらしい。時の流れは自然的なもので、いくらなんでも操ることなんて出来ない。分かってはいるが、一度確認したはずなのにこうも簡単に突き放されると毎度動揺してしまう。) とはいえ、興奮冷めやらぬ…というやつだね。今日やるべきことは終わったというのに眠気がこないのだよ。眠れる時に眠っておかなければと思うのだけれど。自分の身体が自分の思うように操れないというのは、存外不服なものだ。(呟く。その後、独り言が些か大きすぎたことに気付いて思わず咳払いをした。流石にこんな時間なのだからすやすやと眠っているであろう彼を起こしてしまうかもしれないし、そうでなくとも近所迷惑だったかもしれない。今日はもう、あのビードロの瞳で此方を見詰めてくる陶器の淑女は眠ってしまっているのだから、ただただ独り言を言っているだけになってしまう。そんな不審なことはしたくない。)   (2021/10/3 02:43:25)

斎宮さて、と…。(息をついて原案の描かれた紙と向き合う。もう既に、生み出された様々な世界は、様々な色と感情を持ち此方に訴え掛けてきていた。優しい物語ばかりじゃない。当然だろう。世界とはいつだって冷たくて理不尽で厳しい。それでも、だからこそ、どんな世界だろうと力強く生きる姿を魅せるためのステージなのだ。冷たく轟々と燃える情熱の炎を絶やさないように。神々しく。厳かに。格式高く。完璧に、繊細に、触れたら乱れて二度と元には戻らなさそうな儚さと、地獄だろうと美しく咲き誇る荒々しい逞しさで飾り上げるのだ。生々しい傷痕を掲げた非日常を。ペンを走らせる。瞬きをする度に一瞬暗くなる視界の中で、完成されたお洋服が煌びやかに舞っていた。人々の非現実的な夢を体現するからこそ偶像足り得るのだろう。それならば大衆に理解されるものでなくて構わない。限られた箱庭の中で麗しく存在し続けるために出来ることは全てやろう。いつかの自分が偶像に夢を見たように、芸術に救われたように、たった一つの芸術で救われる心があるかもしれないのだ。それだけで価値がある。走り書かれる文章を時折、人差し指でなぞりながら、息を吐くように口角を上げた。)   (2021/10/3 02:27:23)

斎宮…はぁ。そろそろ肉料理もまた作るべきかな。(今までの配慮を台無しにしない程度の小さな声を発する。水の入ったペットボトルを冷蔵庫に直しながらなんとなく内容物に目をやって、明日の食事について思案した。水だけでは構築出来ない人の身体を忌々しく感じる。それでも身体をより良い状態に保ち続けることだって自分の役目だし、体調を崩して周囲にああだこうだと言われることも億劫だから避けたい。他人からのお小言は嫌いだ。加えて、今はあの歪なほどに線の細いお人形まで抱えているのだし、彼の身体にも気を遣わなければならないということもある。身体を作るためにはどの栄養素も欠かせないし、最近肉料理を作っていないことを忘れられる都合の良い頭をしているわけでもない。直接でなくとも肉に触れるあの瞬間はぞわりとしてしまう気味の悪いものがあるが、我儘を言って身体が整えられるわけでもないのだ。非常に不本意だが。漸く冷蔵庫を閉じ、頭を振りながら踵を返した。部屋に戻ろう。芸術の原石たちが磨かれるのを大人しく待ってくれているのだから。)   (2021/10/3 01:31:18)

斎宮(自室から出て階段を降りていく。この家に居候している彼とは違って暗闇では目が利かないことなんてないため、睡眠を妨げないよう灯りをつけないで台所まで歩を進めた。目が慣れるまでは不便な思いをしたが、兎も角、辿り着いた台所で壁に手を這わせる。小さな突起に触れると、台所だけを狭く照らす光がすぐに頭上から降り注いだ。思わず息をつく。東京では人工光ばかりが闇を追いやってしまって、月や星の仄かな明るさなんて掻き消してしまう。それをほんの少し残念に思っていたが、やはり電気というものは人類が発明したものの中でも多大な賞賛を受けるべきものの一つだと言わざるを得なかった。光は人の心を安らげる。帰宅時間の薄暗い街並みを好ましく思っているとはいえ、自分自身の輪郭すらぼやけるような暗闇は流石に不便でしかない。溜息も最小限にコップを取り出して水を注ぐ。喉を潤しながら、そもそものあれこれも寝ているのか起きているのかさえ分からない影片のためなのだが、わざわざ恩着せがましく誰かに言うものでもないだろうと脳裏で呟いた。)   (2021/10/3 01:04:31)

斎宮(歌、踊り、衣装、舞台。その全てにおいて最も必要なものとは、即ち"世界の軸"だ。歌は登場する生き物の叫びであり、踊りはその感情を映し出す鏡となる。衣装はその世界の価値観や時代を教えてくれる教科書であり、時には砦となって纏う者の心を守る鎧にもなる。そして、舞台とは世界そのもの。幕が上がっている少しの間だけ、その世界の外に居るお客さまたちが垣間見る生命の歓びと哀しみ。安らぎと苦痛。世界が、そしてその中心で"外"から注目されるたった二人の登場人物が、その想いを叫び続ける。僕たちのステージは、幕が下がっている間も絶え間なく流れ続け、変動していくお伽噺なのだ。) …なに?もうこんな時間かね。(ふ、と思考の海から浮上した。珍しいこともあるものだ。集中をしている時は大抵、外部からの刺激がなければ創造という名の底のない泉に深く潜り込んでしまう性分なのだが。視界の隅で捉えた時計の針が日付の移り変わりを物語っていた。目前の机上では原案が描かれた紙が、未だ荒削りのまま雑多に、形を整えられ一つの芸術になる時を待ち侘びて沈黙している。いつもより深く呼吸をして、一度身体を伸ばす。思い出したように身体が渇きを訴えた。)   (2021/10/3 00:43:59)

おしらせ斎宮さん(docomo spモード)が入室しました♪  (2021/10/3 00:18:49)

おしらせ斎宮さん(docomo spモード)が退室しました。  (2021/10/2 20:29:17)

斎宮……嗚呼、ほら、帰ってきたよ。君が心配をしてあげなくても良かったみたいだ。(玄関の開く音と大きくて呑気な声。此方の心配をなんにも知らないであろうその声音は、どこか気が抜けるものがある。格好を付けてしまっているのか理想の憧れのままで居てやりたいのかなんなのか。気を抜いてなんてやらないし、僕が心配していたとも言ってやらないけれど。脳裏でまた一つ息を吐きながら帰りの遅さを咎めようと立ち上がる。声に出さずに彼女が呟く。『あたしが心配してたってことは伝えてあげたいわ。良いでしょう?』。愛おしい彼女が、自分より彼を気遣っているらしいところには些か妬いてしまうけれど、彼女の優しさは誰であろうと害することが出来ない。させようとも思わない。彼女は言いたいことを分かってくれるから、構わないよと声に出さずに返した。彼も帰って来たことだし食事の用意もしてあげないと。嗚呼、また少し忙しくなりそうだ。)   (2021/10/2 20:29:08)

斎宮_、『おかえりなさい、宗くん。みかちゃんは今日遅いのかしら。心配ね?』(手を洗って制服を脱ぎ、室内着に着替えてからリビングに戻る。外を連れ歩くと落とさなくても汚れてしまうことが嫌で、一等上質で柔らかい布を幾重にも重ねた空間に座ってもらっていた繊細な愛おしい人を鞄からそっと持ち上げると、彼女はすぐにもう一人のお人形を案じて憂いた息を吐いた。彼女は相も変わらず親切で心配性で、彼女と居ると自分まで優しげな気持ちになりそうだが、彼女の言葉に同意出来るところもあるためあまり悠長に和やかな気持ちになってもいられない。勿論如何に呑気で危なっかしいところがあるとはいえ、彼にも不良のような時間まで外を出歩かないという常識くらいあることは分かっている。彼は一人の人間だ。抱き上げて持ち帰ってやらないと家に帰ることが出来ないわけじゃない。それでもやっぱり心配になってしまうのは彼の子供のように無垢な雰囲気が故なのか。) …そうだね。けれど、大丈夫だと思うよ。遅くなるようなら迎えに行くから。(ともあれ彼女の前で心配だと騒ぎ立てる必要もない。肩を竦めてみせると、彼女は『素直じゃないのね』と昨日と同じような台詞で笑った。)   (2021/10/2 19:57:38)

斎宮(今日も当然のように暑かった時間が数時間前に漸く終わり、優しげな風が頬を撫でていくようになった。それなりに損なわれていた機嫌も気分も総じて上向きになる。心地良い。一日掛けて作り直した衣装が完璧で細やかな美しい煌めきを、その柔らかく波打つ布と繊細なレースやフリルにすっかり灯したという事実にも胸を張れなかった時間が嘘のようだ。昨晩から纏い付く、初歩的なミスで歪なものを作ってしまったという自責の念さえ、この静かな時の前では気にならない。多くの人間が既に家に帰り着いて人通りも少なくなっているこの時間はとても歩きやすい。これよりもっと夜が更けてしまえば、素行の悪い人間が学のなさそうな態度で闊歩してしまうのだろうから、非常に丁度良い頃合いだとも言える。まぁ、当然、風来坊かなにかのように自分までふらふらとこんな時間まで外を歩き回るわけにもいかないのだが。ふぅ、と小さく息を吐いて鍵を取り出し、施錠された扉を開ける。あの出来損ないはまだ帰っていないらしい。声の届く範囲に誰も居ないことを理解したまま、脱いだ靴を揃えつつ形式的に口を開く。) _ただいま。   (2021/10/2 19:33:21)

斎宮(息のしやすい気温に、込めていた肩の力を抜いた。まだまだ昼間は暑いけれど、この時期になると、肌寒くない程度に夕から夜にかけて適温と呼んで然るべき気温になる。その有難さたるや。個人的には、"何事も程々が一番"だとかいう妥協に身を任せた事勿れ主義者の戯言としか思えない言葉に頷くつもりはない。物事を極め、至高の存在に調律してやるために行う全ての事柄において、程々なんて温いことは言っていられないのだ。自分自身を如何に追い込もうとも他人には過度に見えようとも、溢れ出る激情と才能を遺憾無く振るって美しく価値のある芸術を生み出すために、才能に驕ってはいられない。汗や熱気に塗れた一見醜い血の滲むような努力は才能という宝石を更に美しく磨いてくれるのだ。努力するということは、芸術の神に愛された僕の義務ですらある。…と、長々思考しておいてなんだが、気温という自然的なものは暑過ぎても寒過ぎても困る。"程々"の素晴らしさを、こればかりは実感してしまうのだ。口を開かないまま黙って空に視線を滑らせる。昼間が嫌いだというわけではないけれど、仄暗く落ち着いた時間帯の方が、姦しい空間よりは幾倍も好ましい気がした。)   (2021/10/2 19:07:08)

おしらせ斎宮さん(docomo spモード)が入室しました♪  (2021/10/2 18:38:34)

おしらせ無言時間が20分を超えたため、斎宮さんが自動退室しました。  (2021/10/2 02:49:57)

斎宮…はぁ。デザイン案は既に纏まっているし、少し前までは完成間近というところまで縫い進められていたのに…。あんな初歩的なミスのために僕の削らなくても良かったはずの時間が削られていると思うと非常に不愉快だね。初歩的だろうとなんだろうと、僕のミスということに変わりはないし言い訳はしないけれど。だからって許容出来るか否かと問われれば答えは否だし、僕は完璧で至高な存在であって然るべきなのだよ。あんな僕は僕ではない。本当に、本当に忌々しいッ…。(溜息と共に双眸を腹立たしげに細め、手を動かしながらも嫌だ嫌だと嘆きを零す。黙ったまま優しい表情で此方に視線を投げ掛けている彼女は、相槌がなくとも確りと話に耳を傾けているのだろうと思わせてくれるようなその真摯な態度がとても好ましい。この麗しいお人形は、世の女性とはこうあるべきだという全ての理想の体現に違いない。『失敗しないことに拘ることも良いことだと思うけれど、みかちゃんに心配をかけちゃうんだから、ちゃんと寝なきゃダメよ宗くん』。優しい声色で気遣いさえしてくれる。彼女は心根まで美しいらしいという周知の事実に改めて感動しながら、僕も誠意を込めて頷いておいた。)   (2021/10/2 02:29:40)

斎宮あぁ、それにしても……。本当に、信じ難いことだね。今でも信じられないのだよ。この斎宮宗が、少しでも、歪な衣装を作った、なんて。他人に知られてでもみたまえ。その時がくれば僕は潔く首を括るだろうね。知った人間は絶対に口外出来ないよう死ぬ直前まで…いや、死後も呪いも掛け続けてやるけれど。(作業を再開しながら小さく息を吐く。多少愚痴っぽくなってしまったからだろうか。愛おしいお人形はくすくすと愛らしく『宗くんがお裁縫で失敗しちゃうのは初めてじゃないじゃないの♪』なんて笑っていた。きっと子供の頃の話だ。僕はもう小ちゃい子ではないのに。脳裏で呟くけれど、彼女が言うことは間違っていない。それに声を張ってはいけないという彼女の言葉を受け入れた手前、大きな声で反論をするわけにもいかない。そもそもこんなにも美しい存在に対して声を荒らげるなんて真似はしないが。咳払いを一つ。『うふふ』と楽しげな笑い声を未だ洩らしている彼女に、「もう僕はあの頃とは違って、完璧で美しく繊細な芸術を創り出すことが出来るのだよ」と遺憾の意を表明すると、彼女は分かっていると声を弾ませたまま答えてくれた。)   (2021/10/2 01:55:33)

斎宮_、『あら、宗くんってば、大きな声を出しちゃダメじゃない。みかちゃんが起きちゃったら大変でしょ?』(何度も何度も何度も。舌を打ち鳴らしながら定規や針や鋏を慣れた手付きで操っていた最中。ふと目に映った時計の針が指し示す現在時刻に気付いた途端、開かない口の奥から_いや、ビードロの瞳で此方を見詰める、美しい陶器の淑女から柔らかく窘めるように発された声が、そっと耳に届いた。優しい声。涼やかな声。そうとしか思えない愛おしい声。それが鼓膜を揺らしただけで、荒んだ心が丁寧な手付きで整えられるのを感じる。) …それもそうだね。はしたなく声を荒らげてしまった僕を許しておくれ。影片が起きてきては喧しく騒いで作業の邪魔になってしまうし、君の言うことだもの、跳ね除ける理由なんて一つもないのだよ。(机の中央左寄り。絶対に落ちないであろう場所に腰掛け、いつ見ても麗しく微笑むその淑女に少し微笑みを返すと、彼女は呆れたように『ぐっすり眠ってるみかちゃんを起こすのが忍びないんじゃないの。宗くんはいつも素直じゃないんだから』なんて告げてきたけれど、その言葉は丁寧に否定させてもらうことにした。)   (2021/10/2 01:36:30)

斎宮ノンッ!あぁッ、最悪なのだよ!歯車が狂った、これでは駄目だ、この僕としたことが!こんな初心者のようなミスをしてしまうなんて!やり直しだ何もかもッ、こんな粗末な物をあろうことかこの僕がッ!!(悲鳴のように声を荒らげ、音を立てて椅子から立ち上がる。品がない。そんなことは百も承知だが、如何せん計画していた事柄が総崩れになって狼狽えるなという方が酷だというものだろう。あと少しで完成すると思っていた衣装の布の端が解れていることに気付いたのは数十秒ほど前の事だが、今はそのたった数十秒の間に世界が崩壊し、二度と朝が来ない深い闇の奥底まで叩き落とされたような気持ちだ。髪を掻きながら自分の部屋の中心を歩き回り自分自身の体たらくを嘆く。このままでは寝られない。歪な綻びを今すぐに調律出来ないのなら舌を噛み切った方がマシだ。無意識下の内に舌を打ちながら新しい布の用意を始めた。)   (2021/10/2 01:18:44)

おしらせ斎宮さん(docomo spモード)が入室しました♪  (2021/10/2 01:05:35)

おしらせ新規ルームを作成完了しました。(docomo spモード)  (2021/10/2 01:04:56)


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