「ディーアンシーの心臓は-過去系小説-」の過去ログ
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2019年06月29日 15時47分 ~ 2019年07月21日 08時58分 の過去ログ
過去ログでは上から下の方向に発言を表示しています
まつり | > | こんなに人が近くにいることは初めてだ。 (2019/6/29 15:47:15) |
まつり | > | 私はやっと口から出たお礼の言葉の最後に噛んでしまった事で、とても恥ずかしくなった。 (2019/6/29 15:48:05) |
まつり | > | 「・・・確か、マフェット、だったよね。」 (2019/6/29 15:48:54) |
まつり | > | 「え」 (2019/6/29 15:48:59) |
まつり | > | 私は恥ずかしさで少し下を向いていた顔を再びあげた。 (2019/6/29 15:49:23) |
まつり | > | 「なっ、なんで、私の名前…知ってるんですか……?」 (2019/6/29 15:49:51) |
まつり | > | 私は驚いて彼にそう聞いてしまった。 (2019/6/29 15:50:30) |
まつり | > | 「えっと………俺、登校中に君のことをよく見かけてて……多分、家が近いと思うんだよね。それで。」 (2019/6/29 15:52:26) |
まつり | > | ……全然、気づかなかった… (2019/6/29 15:53:05) |
まつり | > | いつも人を極力避けながら生活しているから、登校中は誰の顔も見ないようにしていたのだ。 (2019/6/29 15:53:46) |
まつり | > | 「そ、そうなんですね………その………す、すみませんっ私ここいたら邪魔ですよ、ね…」 (2019/6/29 15:56:15) |
まつり | > | 慌てて彼に謝罪する。 (2019/6/29 15:56:29) |
まつり | > | 「?…あっ、大丈夫。3分くらいしたらここから出るつもりだったし。」 (2019/6/29 15:57:58) |
まつり | > | 「…そう、ですか……」 (2019/6/29 15:58:12) |
まつり | > | (2019/6/29 15:58:28) |
まつり | > | 家の鍵を開けて、私はすぐにソファに寝転んだ。 (2019/6/29 15:59:44) |
まつり | > | 「・・・はぁ」 (2019/6/29 16:00:01) |
まつり | > | 付けていたマスクを外す。 (2019/6/29 16:00:18) |
まつり | > | やっぱり、人と話すのには慣れない…… (2019/6/29 16:00:51) |
まつり | > | あれから3分間、少し会話を交わしたけれど、鼓動は高鳴るばかりだった。 (2019/6/29 16:01:18) |
まつり | > | 確かに、人と話せたことは少し嬉しかった。 (2019/6/29 16:01:35) |
まつり | > | でも…… (2019/6/29 16:01:37) |
まつり | > | 「……だめだ…」 (2019/6/29 16:01:43) |
まつり | > | 私と仲良くなったら、きっとあの人が不幸になる日が来てしまう。 (2019/6/29 16:02:04) |
まつり | > | 私の母親のように…… (2019/6/29 16:02:12) |
まつり | > | 「離れて行って欲しくない」と言う気持ちは、もう抱きたくない。 (2019/6/29 16:02:29) |
まつり | > | なのに、どうして (2019/6/29 16:02:33) |
まつり | > | ''『…なんか…ずっと一度は話して見たかったんだ。』'' (2019/6/29 16:03:43) |
まつり | > | あの笑顔が忘れられないの。 (2019/6/29 16:03:54) |
まつり | > | (2019/6/29 16:03:56) |
まつり | > | 青髪の青年のアイザックは、自分の部屋の机に座っていた。 (2019/6/29 16:05:10) |
まつり | > | 「・・・マフェット、か。」 (2019/6/29 16:05:35) |
まつり | > | 彼は小さく呟いた。 (2019/6/29 16:05:45) |
まつり | > | 登校中に見る彼女と話せたことで、何か心の中につっかえていたものが少し取れた気がした。 (2019/6/29 16:06:53) |
まつり | > | しかし、彼は彼女を少し気になっているのは確かだが、疑問に思っていることがあった。 (2019/6/29 16:07:50) |
まつり | > | 「(………やっぱり…)」 (2019/6/29 16:08:09) |
まつり | > | 彼は前までよく流れていた、奇病の少女のニュースを思い出していた。 (2019/6/29 16:08:34) |
まつり | > | -end- (2019/6/29 16:08:38) |
まつり | > | (2019/6/29 16:08:48) |
まつり | > | うへぁ((((((土下座 (2019/6/29 16:09:03) |
まつり | > | 本ルム行くかな (2019/6/29 16:09:49) |
まつり | > | 次は蓮ミルかな…?((長編小説進めろや (2019/6/29 16:10:04) |
おしらせ | > | まつりさんが退室しました。 (2019/6/29 16:10:08) |
おしらせ | > | まつりさんが入室しました♪ (2019/6/30 19:42:39) |
まつり | > | 蓮ミルとか言ってたけどリペまつで行きます(( (2019/6/30 19:42:53) |
まつり | > | (2019/6/30 19:42:56) |
まつり | > | 【君への愛は何千回】 (2019/6/30 19:43:59) |
まつり | > | (2019/6/30 19:44:01) |
まつり | > | 「……舞台に出たい。」 (2019/6/30 19:44:42) |
まつり | > | その言葉を聞いたねえねは、とても驚いた表情をしていた。 (2019/6/30 19:45:03) |
まつり | > | 「ねえねの体の負担になるなら私はいい。正直な返答を頂戴。」 (2019/6/30 19:45:23) |
まつり | > | 「……まつり……お前は入院まで後1週間なんだ……体が危険な状態で舞台に立たせることは」 (2019/6/30 19:46:04) |
まつり | > | 「あの子に」 (2019/6/30 19:46:14) |
まつり | > | 私はねえねの言葉を遮った。 (2019/6/30 19:46:51) |
まつり | > | 「あの子にまだ、私の踊る姿を見せてあげたことがないの。__最後の舞台は、家族にも見て欲しい。」 (2019/6/30 19:47:18) |
まつり | > | ねえねはその言葉を聞いて、言葉を続けようとしていた口をゆっくりと閉じた。 (2019/6/30 19:47:57) |
まつり | > | そして、悲しそうな目で目を下に伏せた。 (2019/6/30 19:48:26) |
まつり | > | (悲しそうな目をですね…(() (2019/6/30 19:50:18) |
まつり | > | そしてしばらく考え込んで、決意がこもった目てこちらを見て来た。 (2019/6/30 19:50:44) |
まつり | > | 「・……分かった。無理はしないようにするんだぞ。」 (2019/6/30 19:51:17) |
まつり | > | 「…うん。ありがとう。」 (2019/6/30 19:51:52) |
まつり | > | 私は微笑んで悲しみを隠そうとしたが、少し失敗してしまった。 (2019/6/30 19:52:29) |
まつり | > | (2019/6/30 19:52:30) |
まつり | > | アイリスが寝ている真夜中。 (2019/6/30 19:55:32) |
まつり | > | 窓の外では数少ない星が輝いていた。 (2019/6/30 19:55:46) |
まつり | > | 私は家の台所で薬を飲んでいた。 (2019/6/30 19:56:01) |
まつり | > | 寿命が縮まるのを防ぐための薬だった。 (2019/6/30 19:56:22) |
まつり | > | こんな姿は娘には見せたくない。 (2019/6/30 19:56:29) |
まつり | > | だから、ずっと隠し通して来た。 (2019/6/30 19:56:44) |
まつり | > | ・・・ (2019/6/30 19:59:26) |
まつり | > | 「…あ」 (2019/6/30 19:59:41) |
まつり | > | 目から何かがこぼれ落ちて来た。 (2019/6/30 20:00:06) |
まつり | > | 勿論それは、「涙」だった。 (2019/6/30 20:00:14) |
まつり | > | 大きい、一粒だけの涙だった… (2019/6/30 20:00:24) |
まつり | > | 「…まつり?」 (2019/6/30 20:00:46) |
まつり | > | 「!」 (2019/6/30 20:00:53) |
まつり | > | 後ろから声が聞こえた。夫だった。 (2019/6/30 20:01:07) |
まつり | > | いつもこの優しい声が大好きだった。 (2019/6/30 20:01:15) |
まつり | > | 「………薬飲んでただけよ。すぐに寝るわ。寝不足もきっと体に悪いし。」 (2019/6/30 20:01:57) |
まつり | > | 今回は微笑みを作るのに成功した。 (2019/6/30 20:02:09) |
まつり | > | 筈だったのに。 (2019/6/30 20:02:13) |
まつり | > | 「無理しなくていいんだよ。」 (2019/6/30 20:02:26) |
まつり | > | 私は寝室に戻ろうとする足を止めた。 (2019/6/30 20:05:31) |
まつり | > | 驚いた。なんで気づかれたんだろう。 (2019/6/30 20:05:38) |
まつり | > | 「前に1週間だけ、入院したことあったでしょ。…アイリスには仕事だって言ったけれど…… (2019/6/30 20:06:37) |
まつり | > | その時俺が見舞いに行った時、まつりは俺を元気付けさせてくれたね。 (2019/6/30 20:07:28) |
まつり | > | でも、俺だけを落ち着かせるだなんて…そんなの俺が許せないんだもん。」 (2019/6/30 20:08:04) |
まつり | > | 「・・・」 (2019/6/30 20:10:45) |
まつり | > | 私は黙ってリーペを見つめていた。 (2019/6/30 20:11:06) |
まつり | > | ずっと前から、気づいてたんだ。 (2019/6/30 20:11:28) |
まつり | > | 自分の頭にリーペの両手が触れた。 (2019/6/30 20:11:57) |
まつり | > | 「…?」 (2019/6/30 20:12:02) |
まつり | > | すると、私の頭を撫でて来た。 (2019/6/30 20:14:21) |
まつり | > | 「!?なっ」 (2019/6/30 20:14:26) |
まつり | > | 私は赤面で両手を退かそうとした。 (2019/6/30 20:14:41) |
まつり | > | でも、リーペの顔を見てそれをやめた。 (2019/6/30 20:14:55) |
まつり | > | とても心惹かれる笑顔だった。 (2019/6/30 20:15:06) |
まつり | > | 「……ね。無理しなくていいんだよ。」 (2019/6/30 20:19:41) |
まつり | > | 「………ぅ…」 (2019/6/30 20:19:57) |
まつり | > | 私は両手で手を隠しながら、声を殺して泣いた。 (2019/6/30 20:20:30) |
まつり | > | リーペはそんな私を見て安心したのか、また優しく頭を撫でてくれた。 (2019/6/30 20:21:25) |
まつり | > | (2019/6/30 20:21:30) |
まつり | > | 2日後の『最後』の舞台は成功した。 (2019/6/30 20:26:34) |
まつり | > | 綺麗な着物に身を纏って、私は精一杯美しさを表現した。 (2019/6/30 20:26:55) |
まつり | > | 途中、アイリスとリーペが此方を見ているのに気づいた。 (2019/6/30 20:27:30) |
まつり | > | アイリスはリーペの腕の中に抱かれ、目をキラキラさせながら此方を見ていた。 (2019/6/30 20:30:10) |
まつり | > | 時々、リーペに何か可愛らしい笑顔で話しているのが見えた。 (2019/6/30 20:30:28) |
まつり | > | リーペもこっちを見て、微笑んでいた。 (2019/6/30 20:35:13) |
まつり | > | アイリスの話しにも、笑顔で答えていた。 (2019/6/30 20:35:30) |
まつり | > | 終わった後の拍手も、とても嬉しくて。 (2019/6/30 20:35:50) |
まつり | > | 「(………なんて最高な舞台なんだろう。)」 (2019/6/30 20:36:00) |
まつり | > | 私は強くそう感じた。 (2019/6/30 20:36:08) |
まつり | > | (2019/6/30 20:37:20) |
まつり | > | 「…ねえ、あの時、何話してたの?」 (2019/6/30 20:37:32) |
まつり | > | 私は三人で夕日が照らす道を歩きながらそう聞いた。 (2019/6/30 20:38:08) |
まつり | > | リーペとアイリスはそれを聞くと、目を見合わせて微笑んだ。 (2019/6/30 20:38:34) |
まつり | > | するとアイリスは此方を向いて、愛らしい声で言った。 (2019/6/30 20:38:54) |
まつり | > | 「あのねっわたし、オトナになったらおかあさんみたいなすごい人になりたいってはなしてたの! (2019/6/30 20:39:50) |
まつり | > | いつもおかあさんはやさしくって、きれいで、おどりもすごいじょーずだった!おひめさまみたいだったよ!」 (2019/6/30 20:40:23) |
まつり | > | アイリスは、「むふーっ」と目をキラキラさせながら息を吐いた。 (2019/6/30 20:43:32) |
まつり | > | するとリーペの方をまた向いた。 (2019/6/30 20:43:49) |
まつり | > | 「ねっおとうさん!『おかあさんとけっこんできてしあわせだよ」っていってたもんねっ!」 (2019/6/30 20:46:20) |
まつり | > | 「ぅぇ!?…ま、まあ……そう、だね。」 (2019/6/30 20:46:45) |
まつり | > | リーペはアイリスとわたしの目線に耐えきれなかったのか、顔を真っ赤にしながら目を逸らして照れていた。 (2019/6/30 20:47:30) |
まつり | > | 「……ふ…ふふっ、あはは」 (2019/6/30 20:47:50) |
まつり | > | わたしはそれが面白くて、我慢できず笑い出した。 (2019/6/30 20:48:05) |
まつり | > | アイリスはきょとんとしていたが、リーペは一瞬驚いた表情をし、すぐに笑った。 (2019/6/30 20:49:35) |
まつり | > | 「ねえ、アイリス。今日はあんたが好きな炊き込みご飯作ってあげよっか。他に何か食べたいものある?」 (2019/6/30 20:50:42) |
まつり | > | 「ほんと!?えっとね、じゃあ、おさかなたべたい!」 (2019/6/30 20:51:15) |
まつり | > | 「アイリス、良かったね。あっそうだ、今日読み聞かせる本も決めないとなぁ…」 (2019/6/30 20:52:19) |
まつり | > | 私は、道を歩きながら、自分の左手を握ってくる娘の小さな手の温もりを感じた。 (2019/6/30 20:53:29) |
まつり | > | 「(……ああ、この人と出会って本当に良かった。)」 (2019/6/30 20:53:54) |
まつり | > | 私は娘のもう片方の手を握る自分の夫を見て、そう思った。 (2019/6/30 20:54:23) |
まつり | > | 【end】 (2019/6/30 20:54:29) |
まつり | > | (2019/6/30 20:54:30) |
まつり | > | 多分これは6年後かそれくらいの話ですね…入院する前の話なので…(( (2019/6/30 20:54:50) |
まつり | > | それにしてもリペまつ小説やっぱ書きやすいな…(( (2019/6/30 20:55:01) |
おしらせ | > | まつりさんが退室しました。 (2019/6/30 20:55:04) |
おしらせ | > | まつりさんが入室しました♪ (2019/7/1 09:13:58) |
まつり | > | 【過去小説の続きですん】 (2019/7/1 09:14:26) |
まつり | > | 私は、父が仕事に行くと伝えられていたの。 (2019/7/1 09:14:51) |
まつり | > | 戦争に行くだなんて、そんな事、当時の小さい私には伝えられないでしょうから。 (2019/7/1 09:15:08) |
まつり | > | だから、私は父に歌をプレゼントしたの。 (2019/7/1 09:15:34) |
まつり | > | 小さい頃に一緒に歌った、良い曲なのよ。 (2019/7/1 09:15:52) |
まつり | > | 父は___それを聞いて私を抱き締めたわ。 (2019/7/1 09:16:12) |
まつり | > | 父が最後に言った言葉は、今でも忘れられないわね。 (2019/7/1 09:16:40) |
まつり | > | 「……チャリティ……お前は優しい子だ。その心、ずっと忘れないでくれ。」 (2019/7/1 09:17:27) |
まつり | > | そう言って翌日、軍服を着て汽車に乗り行ってしまったわ。 (2019/7/1 09:17:57) |
まつり | > | 残された人達が記者に向かって手を振っていて (2019/7/1 09:18:32) |
まつり | > | ___たくさんの人が泣いていたのよ。 (2019/7/1 09:18:48) |
まつり | > | そりゃそうよね。愛していた人がいなくなってしまうんですもの。 (2019/7/1 09:19:10) |
まつり | > | …でも、母は私の前では泣こうとしなかった。 (2019/7/1 09:19:31) |
まつり | > | 母は、その後に、私に「お父さんが帰ってくるまで、しっかり生きようね。」 (2019/7/1 09:20:04) |
まつり | > | …そう言ったわ。 (2019/7/1 09:20:14) |
まつり | > | 当時はあまりその意味がわからなかったけれど、今はわかるわ。 (2019/7/1 09:20:38) |
まつり | > | 母は本当に、強い心を持っているのね。 (2019/7/1 09:20:51) |
まつり | > | …それから、一ヶ月くらい経った日のことだったわ。 (2019/7/1 09:24:07) |
まつり | > | 空に、たくさんの飛行機のようなものが飛んできて (2019/7/1 09:24:44) |
まつり | > | 一つ、何かを町の中心に落とし (2019/7/1 09:25:08) |
まつり | > | 辺りが光という名の炎に覆われたのは。 (2019/7/1 09:25:31) |
まつり | > | 私の住んでいた所は、町から少し離れていた所だったから、少しだけ被害は少なかったわ。 (2019/7/1 09:27:34) |
まつり | > | でも、たちまち辺りは暗くなっていって…人の叫び声が聞こえるだけになってしまったの。 (2019/7/1 09:28:01) |
まつり | > | 母は私を抱いて必死に逃げ出したわ。 (2019/7/1 09:29:03) |
まつり | > | 私は火に怯えて泣いていたんだと思うわ。 (2019/7/1 09:29:16) |
まつり | > | 途中、色々な人の死体があちらこちらにあるのが見えて… (2019/7/1 09:30:03) |
まつり | > | とても辛かったわ。 (2019/7/1 09:30:07) |
まつり | > | だって、その中には母の知人もいるかもしれないじゃない。 (2019/7/1 09:30:23) |
まつり | > | …母は必死に逃げたわ。 (2019/7/1 09:33:20) |
まつり | > | …でも (2019/7/1 09:33:34) |
まつり | > | 「う''っ!?」 (2019/7/1 09:34:00) |
まつり | > | 「!?」 (2019/7/1 09:34:09) |
まつり | > | お母さんがいきなり倒れ込んでしまったの。 (2019/7/1 09:34:35) |
まつり | > | もちろん私はその衝撃で転んでしまったけど、すぐに母に駆け寄ったわ。 (2019/7/1 09:34:54) |
まつり | > | 「お母さん!?お母さん!!起きて!」 (2019/7/1 09:35:05) |
まつり | > | 私は母の肩を揺すった。 (2019/7/1 09:36:30) |
まつり | > | …でも、少しして気がついたわ。 (2019/7/1 09:36:45) |
まつり | > | 母から血が出て来ていたの。 (2019/7/1 09:36:56) |
まつり | > | それも、すごい量だったわ。 (2019/7/1 09:37:02) |
まつり | > | でも、母が掠れた声で最後に「生きて。ごめんね。」と言ったわ。 (2019/7/1 09:37:40) |
まつり | > | 私はショックで何もできなかった。 (2019/7/1 09:37:49) |
まつり | > | でも、私たちと同じように逃げていた人達の中のある女性が、私を連れて行ってくれたわ。 (2019/7/1 09:38:25) |
まつり | > | __母の死体はそのままにされていたけれど。 (2019/7/1 09:38:36) |
まつり | > | 私は最初は必死にその女性の手を振り払おうとしたけれど (2019/7/1 09:41:00) |
まつり | > | 女性が私を見て「逃げなきゃ死ぬわよ」と大きい声で私に言ってきて (2019/7/1 09:41:31) |
まつり | > | …そこで大人しくなったわ。 (2019/7/1 09:41:37) |
おしらせ | > | まつりさんが退室しました。 (2019/7/1 09:41:49) |
おしらせ | > | まつりさんが入室しました♪ (2019/7/5 17:45:40) |
まつり | > | 【観覧車 まわれよまわれ 思ひでは】 (2019/7/5 17:47:20) |
まつり | > | (ヴァレンタイン姉妹の両親の幸せな物語。) (2019/7/5 17:48:00) |
まつり | > | 「お、俺と………つ、付き合ってください!!」 (2019/7/5 17:49:26) |
まつり | > | 「……まあ……」 (2019/7/5 17:50:01) |
まつり | > | アン・ヴァレンタイン。彼女の名前だった。 (2019/7/5 17:52:08) |
おしらせ | > | sexyさんが入室しました♪ (2019/7/5 17:52:34) |
削除 | > | 削除 (2019/7/5 17:52:38) |
おしらせ | > | sexyさんが退室しました。 (2019/7/5 17:52:42) |
まつり | > | んもー嵐さんここのロム好きだなおい (2019/7/5 17:53:00) |
まつり | > | えっどうしようどうすべき?またしりとりするか (2019/7/5 17:53:11) |
まつり | > | りんご (2019/7/5 17:53:27) |
まつり | > | ごりら (2019/7/5 17:53:30) |
まつり | > | ラップ (2019/7/5 17:53:35) |
まつり | > | プリンアラモード (2019/7/5 17:53:41) |
まつり | > | ドリップ (2019/7/5 17:53:47) |
まつり | > | プロレス (2019/7/5 17:53:53) |
まつり | > | スリップ (2019/7/5 17:54:00) |
まつり | > | プラネタリウム (2019/7/5 17:54:05) |
まつり | > | 無限ループ (2019/7/5 17:54:10) |
まつり | > | プールサイド (2019/7/5 17:54:16) |
まつり | > | どら焼き (2019/7/5 17:54:27) |
まつり | > | 切符 (2019/7/5 17:54:31) |
まつり | > | プラチナ (2019/7/5 17:54:41) |
まつり | > | ナイーブ (2019/7/5 17:54:48) |
まつり | > | 無愛想 (2019/7/5 17:54:57) |
まつり | > | ソーラン節 (2019/7/5 17:55:11) |
まつり | > | 湿布 (2019/7/5 17:55:14) |
まつり | > | プティング (2019/7/5 17:55:41) |
まつり | > | グリップ (2019/7/5 17:55:44) |
まつり | > | プロント (2019/7/5 17:55:55) |
まつり | > | トップ (2019/7/5 17:55:58) |
まつり | > | プレゼント (2019/7/5 17:56:03) |
まつり | > | トータル (2019/7/5 17:56:33) |
まつり | > | ループ (2019/7/5 17:56:36) |
まつり | > | プリクラ (2019/7/5 17:56:43) |
まつり | > | ラップ (2019/7/5 17:56:45) |
まつり | > | プログラム (2019/7/5 17:56:50) |
まつり | > | ムービー (2019/7/5 17:56:56) |
まつり | > | VIP (2019/7/5 17:57:00) |
まつり | > | プロレス君 (2019/7/5 17:57:04) |
まつり | > | よしこのくらいでいいや (2019/7/5 17:57:12) |
まつり | > | じゃあまた最初から (2019/7/5 17:57:19) |
まつり | > | 待って (2019/7/5 17:57:49) |
まつり | > | プロレス君じゃねえよ変換お前 (2019/7/5 17:58:07) |
まつり | > | プロセス君だよコンニャロ (2019/7/5 17:58:34) |
まつり | > | 【観覧車 回れよ回れ 思ひでは】 (2019/7/5 17:59:07) |
まつり | > | 「……お、俺と……つ、付き合ってください!!」 (2019/7/5 17:59:32) |
まつり | > | 「……まあ……」 (2019/7/5 18:00:09) |
まつり | > | アン・スチュアート。彼女の名前だった。 (2019/7/5 18:00:40) |
まつり | > | 彼女とは、隔離された街で出会った。 (2019/7/5 18:00:49) |
まつり | > | 俺たちの種族は「ユニコーン」という、幻獣の種類だった。 (2019/7/5 18:01:49) |
まつり | > | 人間のような姿ではあったけど……それとは近くて遠い存在で。 (2019/7/5 18:02:09) |
まつり | > | 共存することは無理だと考えられていた時代で、俺らはそこに住んでいた。 (2019/7/5 18:02:33) |
まつり | > | 父と母という存在すら、俺は知らなかった。 (2019/7/5 18:03:18) |
まつり | > | 両親は俺が産まれてから少ししてどこかに連れていかれた。 (2019/7/5 18:03:37) |
まつり | > | だから、俺は施設で育って来た。 (2019/7/5 18:03:45) |
まつり | > | いつも厳しい指導を受けて育って来たから、自分の意見を尊重する気持ちは無くなってきていて。 (2019/7/5 18:04:58) |
まつり | > | やがて16歳になって檻の中のビルだらけの街に出てきてからも、性格は男らしさなどなかった。 (2019/7/5 18:05:57) |
まつり | > | 街の中では、人間の暮らしと同じような施設や設備が揃っていた。 (2019/7/5 18:06:37) |
まつり | > | しかし、職場としてあるのは、政府関係か学校関係、または俺たちがいたような施設での仕事。 (2019/7/5 18:07:23) |
まつり | > | 後残されているものといえば、「外の世界での仕事」だった。 (2019/7/5 18:07:34) |
まつり | > | 差別される社会の中で、生き残れるものだけが懸命に生きる。 (2019/7/5 18:07:50) |
まつり | > | 俺はそうしたかったけど、自分に自信が持てていなかった。 (2019/7/5 18:08:35) |
まつり | > | 「………」 (2019/7/5 18:08:51) |
まつり | > | 俺は学園という名の''子供を育てるための施設''で壁に貼られた、テストの順位結果を見ていた。 (2019/7/5 18:09:40) |
まつり | > | 「(・・・2位、か。)」 (2019/7/5 18:10:01) |
まつり | > | いつも俺は学年首位を取っていたが、高校2年の夏から、そうではなくなった。 (2019/7/5 18:10:43) |
まつり | > | 少しでも自分に自信を持つために熱心に取り組んでいたもの。それは俺の場合、成績だった。 (2019/7/5 18:11:44) |
まつり | > | 成績を伸ばして、社会に出てから自分の好きな夢を叶えられるようにと……だから、養護施設で自分がいたクラスでは、勉強成績はいつもA+だったのに。 (2019/7/5 18:14:31) |
まつり | > | 首位を取ったのは、夏に遠くの養護施設からやってきた男の子だった。 (2019/7/5 18:15:05) |
まつり | > | 養護施設でとびきり良い成績を残し、飛び級という形でこの高校にやって来たらしい。 (2019/7/5 18:15:32) |
まつり | > | 俺は周りがそれぞれの順位を見て騒いでる間に、こっそりと校庭へ抜け出した。 (2019/7/5 18:16:13) |
まつり | > | 白く冷たい校舎の壁にもたれかかり、俺は芝生に座り込んだ。 (2019/7/5 18:19:39) |
まつり | > | 放課後になるとこの時期は更に蒸し暑くなる。それが嫌で嫌でたまらなかった。 (2019/7/5 18:20:21) |
まつり | > | 「……あった。」 (2019/7/5 18:20:33) |
まつり | > | 俺はガサゴソと自分の鞄を探り出し、テストを取り出す。 (2019/7/5 18:20:54) |
まつり | > | 俺はそれをすっかり破り捨ててしまった。 (2019/7/5 18:21:12) |
まつり | > | 自分の成績が見られたし、俺はもうそれで良い。 (2019/7/5 18:21:33) |
まつり | > | それに今回もまた二位止まりだった。 (2019/7/5 18:21:45) |
まつり | > | きっとあいつは、当たり前のような顔をして帰っていくのだろう。 (2019/7/5 18:21:58) |
まつり | > | 自分を責める言葉が、心の中で溢れ出してくる。 (2019/7/5 18:23:25) |
まつり | > | 俺は深くため息をついた。 (2019/7/5 18:23:40) |
まつり | > | その時だった。 (2019/7/5 18:23:46) |
まつり | > | ビリッ__ (2019/7/5 18:23:51) |
まつり | > | 「・・・え?」 (2019/7/5 18:23:57) |
まつり | > | いきなり後ろから紙を破る大きな音が聞こえ、俺は思わず振り返る。 (2019/7/5 18:24:26) |
まつり | > | ビリッ_ビリッ____ (2019/7/5 18:24:36) |
まつり | > | 「…ええなあ、この方法。うちも真似してええ?」 (2019/7/5 18:26:26) |
まつり | > | 明るく、悪戯っぽい声だった。 (2019/7/5 18:27:17) |
まつり | > | その声の正体は、小柄な女だった。多分、同年代だと思う。 (2019/7/5 18:29:40) |
まつり | > | 俺の炭みたいに真っ黒な髪とは対照的な、ふわふわしたベージュ色の髪を持っていて、下の位置で二つ結いにしていた。 (2019/7/5 18:31:58) |
まつり | > | 自信がこもった赤紫色の目をしていて、ユニコーンの種族の特徴である角には小さな星の模様がついていた。 (2019/7/5 18:37:57) |
まつり | > | 明らかに友達が多そうで、充実した生活を送っているような子だった。 (2019/7/5 18:39:54) |
まつり | > | 「…………べ、つに、良いけど。」 (2019/7/5 18:40:10) |
まつり | > | だから、俺は動揺してしまった。 (2019/7/5 18:40:16) |
まつり | > | 「ほんまに?おおきになあ!あ、隣座ってもええやろか。」 (2019/7/5 18:41:53) |
まつり | > | 俺が渋々頷くと、笑顔で彼女は隣に座った。 (2019/7/5 18:42:18) |
まつり | > | 「…………あ、あの。」 (2019/7/5 18:42:45) |
まつり | > | 「なに〜?」 (2019/7/5 18:43:14) |
まつり | > | 「………構わないとは、言ったけど。…その、なんで、破り捨てたりなんか…」 (2019/7/5 18:43:44) |
まつり | > | そう聞くと、彼女は「にししっ」と悪戯っぽい笑みを浮かべた。 (2019/7/5 18:47:20) |
まつり | > | 「だって、うち、養護施設に成績がバレるのが嫌なんやもん。ずっと監視されてる人生なんかそんなんおもしろくなんかないなぁ、って思ったんよー。」 (2019/7/5 18:49:46) |
まつり | > | 「(・・・嗚呼、この子、別の街の養護施設から来たのか。それに結構政府の力が強い方の。)」 (2019/7/5 18:50:31) |
まつり | > | 政府の力が強い街の養護施設で育って来た子どもは、一生その町の呪縛から逃げられない。そう聞いたことがある。 (2019/7/5 18:51:55) |
まつり | > | …それなのにこの子、周りと同じような格好して、テストも破り捨てたりしてんのか。 (2019/7/5 18:52:21) |
まつり | > | 「………そう。…でも、俺に関わっても………」 (2019/7/5 18:52:44) |
まつり | > | 「え''っもしかして、あかんかった…?え、えっと、かんにんな?」 (2019/7/5 18:53:28) |
まつり | > | 「いっいやっそうじゃ、なくて……その…… (2019/7/5 18:53:55) |
まつり | > | 俺は口ごもり、目を逸らしてしまった。 (2019/7/5 18:54:15) |
まつり | > | 「ほんまに!?なら良いんやね!嬉しいわぁあんたみたいなこクラスに全然おらんのよ………あっ、クラス (2019/7/5 18:56:06) |
まつり | > | 教えてや!」 (2019/7/5 18:56:13) |
まつり | > | 「えっく……クラス?」 (2019/7/5 18:56:31) |
まつり | > | 俺は次々と彼女が俺に話してくるもんだから少し照れてしまい、小声で目を逸らしながら、「……C…」と答えた。 (2019/7/5 18:57:30) |
まつり | > | すると彼女は俺の両手を強く握り、「おおきに!あっ、うちそろそろ行くなぁ。」 (2019/7/5 18:58:22) |
まつり | > | と言って、校門の方に戻っていった。 (2019/7/5 18:58:56) |
まつり | > | 俺はただその場で呆然としていた。 (2019/7/5 19:02:34) |
まつり | > | 「……なんだあいつ。」 (2019/7/5 19:02:41) |
まつり | > | 俺は彼女のことが不思議でたまらなかった。 (2019/7/5 19:03:13) |
まつり | > | 『…ええなあ、この方法。うちも真似してええ?』 (2019/7/5 19:03:38) |
まつり | > | テストを思いっきり破っていた時の彼女の顔を思い出す。 (2019/7/5 19:04:12) |
まつり | > | 「(…………一体、どんな考え方してるんだろう。)」 (2019/7/5 19:04:57) |
まつり | > | 俺は混乱している頭を少しずつ整理し、落ち着いた後にマンションに帰った。 (2019/7/5 19:05:27) |
まつり | > | 【続く?】 (2019/7/5 19:05:34) |
おしらせ | > | まつりさんが退室しました。 (2019/7/5 19:05:37) |
おしらせ | > | まつりさんが入室しました♪ (2019/7/6 10:32:10) |
まつり | > | 翌日のことだった。 (2019/7/6 10:32:26) |
まつり | > | その時は放課後で、一人で帰り道を歩いていた。 (2019/7/6 10:33:13) |
まつり | > | すると、いきなり後ろから声をかけられた。 (2019/7/6 10:33:28) |
まつり | > | 「やっと会えた……!!案外会いに行けないもんやなぁ…」 (2019/7/6 10:34:20) |
おしらせ | > | 無言時間が20分を超えたため、まつりさんが自動退室しました。 (2019/7/6 11:02:35) |
おしらせ | > | まつりさんが入室しました♪ (2019/7/7 17:32:15) |
まつり | > | 「・・・」 (2019/7/7 17:32:22) |
まつり | > | まさか本当にまた話すことになるとは思ってなかった。 (2019/7/7 17:32:41) |
まつり | > | 俺は目を見開いて彼女を見ていたが、すぐにまた正面を向いた。 (2019/7/7 17:33:19) |
まつり | > | そして、小さく口を開いた。 (2019/7/7 17:33:49) |
まつり | > | 「…あのさ。なんで俺とそんなに仲良くしようとするの。」 (2019/7/7 17:34:33) |
まつり | > | ちょっと言い方がきつかったか、と思ったが、意外なことに彼女にそういう様子は見られなかった。 (2019/7/7 17:35:04) |
まつり | > | 「もう、だから昨日答えたじゃんか。君と仲良くなりたいさかい。それだけや!」 (2019/7/7 17:37:02) |
まつり | > | 俺は、その言葉を素直に喜べなかった。 (2019/7/7 17:37:54) |
まつり | > | 今までの俺と仲良くしようとしてくる奴らは、大体俺の内面にを好くことはなかったからだ。 (2019/7/7 17:38:27) |
まつり | > | 頭の良さ。それだけだ。 (2019/7/7 17:38:35) |
まつり | > | 「……俺、そんなにいい奴じゃないよ。周りが何か話してたから話しかけてきたんだったら、もう俺に近づかない方がいい。」 (2019/7/7 17:39:48) |
まつり | > | 「へ?」 (2019/7/7 17:40:24) |
まつり | > | …この反応、図星だな。 (2019/7/7 17:40:39) |
まつり | > | 「・・・じゃ。」 (2019/7/7 17:41:41) |
まつり | > | そう言って俺は曲がり角を曲がろうとする。 (2019/7/7 17:41:54) |
まつり | > | 「うち、君のこと知ったのあの時が初めてなんよ?」 (2019/7/7 17:42:26) |
まつり | > | 「は?」 (2019/7/7 17:42:38) |
おしらせ | > | 無言時間が20分を超えたため、まつりさんが自動退室しました。 (2019/7/7 18:02:39) |
おしらせ | > | まつこさんが入室しました♪ (2019/7/8 19:37:28) |
まつこ | > | 「え、な、なんでそんな驚いてるん…?」 (2019/7/8 19:38:04) |
まつこ | > | きょとんとしている彼女。 (2019/7/8 19:38:18) |
まつこ | > | 俺は頭の中は混乱していた。 (2019/7/8 19:38:35) |
まつこ | > | (俺の!!(() (2019/7/8 19:38:41) |
まつこ | > | 「…本当か?」 (2019/7/8 19:38:56) |
まつこ | > | 「本当」 (2019/7/8 19:39:04) |
まつこ | > | 「…っじゃ、じゃあ、俺なんかのどこが良いんだよ」 (2019/7/8 19:39:24) |
まつこ | > | 俺は自分の事を震える指で指差して言った。 (2019/7/8 19:40:24) |
まつこ | > | すると、彼女は両手を広げ、指を折りながらこう言い始めた。 (2019/7/8 19:41:02) |
まつこ | > | 「うーん………色々あるんやけど……やっぱり一番私が仲良くしたいって思った所は、テストを破り捨てるっていうその度胸かな。」 (2019/7/8 19:42:58) |
まつこ | > | 「・・・」 (2019/7/8 19:43:46) |
まつこ | > | 「うちなあ、君のこと何にも知らんけど…でも、なんか気が合いそうな感じがしたっていうか。……あー整理できひんなぁもう!!」 (2019/7/8 19:45:18) |
まつこ | > | 頭を掻きながら彼女は言った。 (2019/7/8 19:45:54) |
まつこ | > | ……もしかして……気が合いそうって、そういうことなのか? (2019/7/8 19:46:19) |
まつこ | > | 「・・・ふ」 (2019/7/8 19:46:32) |
まつこ | > | 「?なっ何、どしたん」 (2019/7/8 19:46:58) |
まつこ | > | 「……いや……君のその考え方、多分間違いじゃないよ。」 (2019/7/8 19:47:24) |
まつこ | > | 笑いを堪えながら彼女に言う。 (2019/7/8 19:47:57) |
まつこ | > | 彼女はその言葉を聞いて、表情がぱっと明るくなった。 (2019/7/8 19:48:25) |
まつこ | > | 「!!じゃっじゃあ、良いってことやな!?」 (2019/7/8 19:48:49) |
まつこ | > | 「良いよ。俺も君みたいなやつに初めて会ったから、ちょっと驚いた。良い意味だよ。」 (2019/7/8 19:49:30) |
まつこ | > | 彼女の方を見て、小さく微笑む。 (2019/7/8 19:49:57) |
まつこ | > | 「よかったぁ〜!!んもう、本当ドキドキしたわ!責任取るためにちゃんと仲良くしてなあ!」 (2019/7/8 19:51:30) |
まつこ | > | 「いや、まず君の名前まだ知らないから。」 (2019/7/8 19:51:53) |
まつこ | > | 「あっそやな!うちの名前はアン!君の名前も!」 (2019/7/8 19:53:42) |
まつこ | > | 「あー……レイ。」 (2019/7/8 19:56:24) |
まつこ | > | 「どっちも二文字なんやな!よろしくなぁレイ君!」 (2019/7/8 19:57:00) |
まつこ | > | 「うわっちょっ……ほ、頰つつくなよっくすぐった「えっへへー」…阿呆面。」 (2019/7/8 19:58:22) |
まつこ | > | そんな会話を人と交わしたのは、それが初めてだった。 (2019/7/8 19:58:45) |
まつこ | > | それで、その後に最初に書いたような告白をしたって事だ。 (2019/7/8 19:59:05) |
まつこ | > | 勿論、皆が知ってる通り、俺らは結婚して二人の子供を授かった。 (2019/7/8 20:00:06) |
まつこ | > | なんで知ってるのかって? (2019/7/8 20:00:15) |
まつこ | > | そりゃあ、俺が天国にいるからさ。 (2019/7/8 20:00:33) |
まつこ | > | そっちの国のやり取りも、全部鮮明に見えている。 (2019/7/8 20:00:56) |
まつこ | > | アンも一緒だからな。あいつはいつも俺に寄り添ってくるけど。 (2019/7/8 20:01:22) |
まつこ | > | ……二人には悲しい思いをさせてしまったけど (2019/7/8 20:01:56) |
まつこ | > | 今、彼女たちが幸せで本当に良かった。 (2019/7/8 20:02:13) |
まつこ | > | この隔離されていない人生を送る夢を、アンと一緒に叶えられたしな。 (2019/7/8 20:02:40) |
まつこ | > | 【end】 (2019/7/8 20:02:47) |
まつこ | > | ヴァレンタイン姉妹の両親は少しは幸せにしてあげたいなって…(( (2019/7/8 20:03:22) |
おしらせ | > | まつこさんが退室しました。 (2019/7/8 20:03:36) |
おしらせ | > | まつこさんが入室しました♪ (2019/7/8 20:32:51) |
まつこ | > | 【99本の赤薔薇に埋もれた君はなんと美しいことか】 (2019/7/8 20:35:40) |
まつこ | > | とある昼下がりの魔女花専門店。 (2019/7/8 20:37:35) |
まつこ | > | 二階にある窓から、甘い檸檬の匂いが漂っていた。 (2019/7/8 20:40:10) |
まつこ | > | 「あら、今日は一段と上手に焼けたみたいね…今下にいるジョイスと二切れ食べてしまいましょ。」 (2019/7/8 20:42:37) |
まつこ | > | メレンゲがのった見事なレモンパイをのせた天板をオーブンから取り出し、お気に入りの花柄のミトンを外す。 (2019/7/8 20:44:47) |
まつこ | > | 棚からお菓子を切る用の包丁を取り出し、綺麗にパイから二人分切り取った。 (2019/7/8 20:46:04) |
まつこ | > | チャリティはパイを作る天才であり、そのパイの断面はとても綺麗だった。 (2019/7/8 20:46:40) |
まつこ | > | チャリティは下の階で花の手入れをしているジョイスを幸せな気持ちで降りていく。 (2019/7/8 20:47:45) |
まつこ | > | ちょうどその時、ジョイスも花の手入れが終わり、エプロンを外している所だった。 (2019/7/8 20:48:35) |
まつこ | > | 「ジョイス!今日のレモンパイ、一段と上手に焼けたのよ!是非一緒に食べましょう!」 (2019/7/8 20:49:16) |
まつこ | > | 嬉しさで満ちた子犬のような笑顔でチャリティはジョイスにそう言った。 (2019/7/8 20:49:49) |
まつこ | > | 「ふふっさっきから良い檸檬の匂いがすると思っていたよ。今行くからちょっと上で待っていてくれ。」 (2019/7/8 20:51:46) |
まつこ | > | 落ち着いた口調で、チャリティの家族の一員のジョイスはそう答えた。 (2019/7/8 20:53:36) |
まつこ | > | 「ねえ、どうかしら?美味しい?」 (2019/7/8 20:54:41) |
まつこ | > | 「勿論だよ。というよら、チャリティのパイが失敗したことなどないだろう?いつも美味しいじゃあないか。今日のは一段とね。」 (2019/7/8 20:55:24) |
まつこ | > | (というより…(() (2019/7/8 20:55:36) |
まつこ | > | そう言うとジョイスは二口目を頬張った。流石、上品な食べ方をするものだ。 (2019/7/8 20:56:44) |
まつこ | > | 「ふふっ貴方、いつもターニャさんの前でそういう感じなの?」 (2019/7/8 20:57:50) |
まつこ | > | いつもジョイスが近くに寄ってくると顔を赤く染める可愛らしい子を思い出し、くすくすと笑いながら言った。 (2019/7/8 20:59:09) |
まつこ | > | 「?ああ、そうだけど……もしかして嫌かい?」 (2019/7/8 20:59:31) |
まつこ | > | 「あら、嫌だなんて。んー…でも、そうね……いいえ、やっぱり内緒!」 (2019/7/8 21:01:02) |
まつこ | > | また、チャリティは悪戯っぽく、くすくすと笑った。 (2019/7/8 21:01:24) |
まつこ | > | ジョイスは首を傾げたが、すぐに頰をぷくーっとさせて反論した。 (2019/7/8 21:02:19) |
まつこ | > | 「全く、君は…………まあ、パイで人を虜にしてしまうくらいだ。今日だって私以外の人を虜にしたからね。」 (2019/7/8 21:03:16) |
まつこ | > | 「まあ、貴方以外の人?ミルかマリーかしら。」 (2019/7/8 21:03:37) |
まつこ | > | チャリティにとって、検討のつく人物といえばその位だった。 (2019/7/8 21:05:13) |
まつこ | > | ジョイスは両手で頬杖をついて、正午にあったことを語り始めた。 (2019/7/8 21:08:59) |
まつこ | > | 「うーん……私はその時、ちょうど店前で花の手入れをしていてね。その時…えーと、20代前半くらいかな。男の人が通りかかったんだよ。 (2019/7/8 21:13:16) |
まつこ | > | 金髪で牧師のような格好をしていて……ふと店の前で立ち止まったんだ。彼が見ていたのは店の二階の窓だった。 (2019/7/8 21:14:30) |
まつこ | > | 10秒くらい立ち止まって、歩き出して何処かに行ってしまったけれど………彼は初めて見たなあ…なんという子だったんだろう。声もかけられなかったし。」 (2019/7/8 21:15:25) |
まつこ | > | 「へえ……ふふっ、なんだか嬉しいわね。その人と会ってみたかったわ…」 (2019/7/8 21:16:10) |
まつこ | > | チャリティがにっこり笑ってそう口にすると、ジョイスは少し驚いた表情をした。 (2019/7/8 21:16:48) |
まつこ | > | 「君が人に会いたいだなんて、珍しいね。あまり外に出ていないようだったから。」 (2019/7/8 21:17:14) |
まつこ | > | 「まあ、ね。私が空想を広げるには、我が家が一番なんですもの。話し相手だって3人いるじゃない?」 (2019/7/8 21:18:00) |
おしらせ | > | まつこさんが退室しました。 (2019/7/8 21:18:20) |
おしらせ | > | まつこさんが入室しました♪ (2019/7/10 15:59:10) |
まつこ | > | (2019/7/10 15:59:17) |
まつこ | > | それから暫くたったある日 (2019/7/10 15:59:46) |
まつこ | > | チャリティはある場所にやってきていた。 (2019/7/10 15:59:58) |
まつこ | > | たった一人で、遥か遠い場所へ。 (2019/7/10 16:00:32) |
まつこ | > | そこは人気が少ない静かな街だった。 (2019/7/10 16:00:56) |
まつこ | > | ……といっても、街とは言い難いくらい、荒れ果てていて、建物も少なかった。 (2019/7/10 16:02:07) |
まつこ | > | 髪に小さな金色の薔薇の細工が施されているピンを刺し、真っ白なシフォンドレスを着たチャリティは、その道をゆっくり歩いていた。 (2019/7/10 16:05:29) |
まつこ | > | そして、海が見える崖の上で立ち止まった。 (2019/7/10 16:07:40) |
まつこ | > | そこには、赤い蔓薔薇が元気よく伸びていて、まるで大きな庭園のようだった。 (2019/7/10 16:08:25) |
まつこ | > | しかし、その真ん中にあったのは''墓''だった。 (2019/7/10 16:09:17) |
まつこ | > | 一体全部で何個の墓があるのだろうか。 (2019/7/10 16:10:23) |
まつこ | > | それくらい、たくさんの冷たい白い石でできた墓が並んでいた。 (2019/7/10 16:11:06) |
まつこ | > | チャリティは、その中にある一つの墓の前にしゃがみ込んだ。 (2019/7/10 16:13:09) |
まつこ | > | そこは、彼女の母の墓だった。 (2019/7/10 16:13:30) |
まつこ | > | 父の遺体は、今一体どこにあるのか彼女は今でも分かっていない。 (2019/7/10 16:14:27) |
まつこ | > | (わ放置してた) (2019/7/10 16:33:34) |
まつこ | > | 墓の手前に、チャリティは一本の''紫色''のバラを置いた。 (2019/7/10 16:36:29) |
まつこ | > | 「…………紫の薔薇の花言葉、『尊敬』っていうのよ、お母さん。」 (2019/7/10 16:37:39) |
まつこ | > | チャリティは、花についてとても詳しかった。 (2019/7/10 16:37:52) |
まつこ | > | 戦時中に疎外し、預けられた家が祖母の魔法花専門店だった事がそのきっかけだった。 (2019/7/10 16:38:25) |
まつこ | > | そしてチャリティは、静かに手と手を合わせ、目を閉じる。 (2019/7/10 16:40:24) |
まつこ | > | 優しい風に吹かれた水色の髪から見える彼女はとても美しかった。 (2019/7/10 16:44:01) |
まつこ | > | 「…………また来るからね。」 (2019/7/10 16:45:56) |
まつこ | > | そう言い立ち上がり、街の外にあるバス停に向かって歩いていった。 (2019/7/10 16:48:04) |
まつこ | > | ------------------------------------------- (2019/7/10 16:50:45) |
まつこ | > | 「(……少し寄り道でもしていこうかしら。)」 (2019/7/10 16:51:09) |
まつこ | > | 変な国に着いてからふとそう思い、街を少し歩き回ってすることにした。 (2019/7/10 16:52:47) |
まつこ | > | いつのまにか空は夕日で染まっていた。 (2019/7/10 16:58:52) |
まつこ | > | そのうち、周りが少しずつ静かになっていき、辺りには自分しかいなくなっていた。 (2019/7/10 17:01:10) |
まつこ | > | 「………… (2019/7/10 17:03:26) |
まつこ | > | ・・・They wrote in the old days that it is sweet and fitting to die for ones country. But in modern war there is nothing sweet nor fitting in your dying.…………You will die like a dog for no good reason.」 (2019/7/10 17:07:32) |
まつこ | > | 『往時においては、母国のために死ぬことは心地よく、ふさわしいものであると書かれた。しかし近代戦争では、戦死が心地よく、ふさわしいものは何もない。諸君は犬のように死ぬであろう。』 (2019/7/10 17:08:10) |
まつこ | > | 10代の頃、この言葉を私は知った。 (2019/7/10 17:09:04) |
まつこ | > | 小さな細い声で、チャリティはそれをつぶやいたのだ。 (2019/7/10 17:09:45) |
まつこ | > | (一旦切ります) (2019/7/10 17:11:45) |
おしらせ | > | まつこさんが退室しました。 (2019/7/10 17:11:49) |
おしらせ | > | まつ太郎さんが入室しました♪ (2019/7/12 19:20:54) |
まつ太郎 | > | 幼少時代のその思い出は、彼女の今の「想像家」という性格を生みだした。 (2019/7/12 19:23:55) |
まつ太郎 | > | しかし、それと同時に、トラウマと人に対する少しばかりの恐怖も植え付けたのだ。 (2019/7/12 19:24:34) |
まつ太郎 | > | ふとチャリティは、立ち止まり顔を上げた。 (2019/7/12 19:26:13) |
まつ太郎 | > | 「・・・あら?」 (2019/7/12 19:27:38) |
まつ太郎 | > | 気づくと、チャリティは知らない場所に立っていたのだ。 (2019/7/12 19:30:34) |
まつ太郎 | > | 彼女は、何かを考え出すと止まらない。だから周りを見ないで歩いてしまっていたのだろう。 (2019/7/12 19:32:13) |
まつ太郎 | > | 「え、えぇ……どうしようかしら……」 (2019/7/12 19:34:23) |
まつ太郎 | > | あたふたしながら周りを見渡す。 (2019/7/12 19:34:49) |
まつ太郎 | > | すると、誰を一人の男性を見つけた。 (2019/7/12 19:35:45) |
まつ太郎 | > | (誰をってなんや) (2019/7/12 19:35:51) |
まつ太郎 | > | 神父の服を着ていて、目は「信」と書かれた布のようなもので隠れて見えなかった。 (2019/7/12 19:36:50) |
まつ太郎 | > | でも、教会の前に広がる庭のベンチに座っていた。 (2019/7/12 19:38:01) |
まつ太郎 | > | チャリティはその時は、変な国にいる男性と話したことが全くなかった。 (2019/7/12 19:41:30) |
まつ太郎 | > | そのため、声をかけるか躊躇った。 (2019/7/12 19:41:42) |
まつ太郎 | > | 「(…い、いえ、でもしょうがないわよね。声をかけてみるしか…)」 (2019/7/12 19:44:17) |
まつ太郎 | > | ゆっくりと男性に歩み寄る。 (2019/7/12 19:45:07) |
まつ太郎 | > | そして、近づいて来たところで、声をかけた。 (2019/7/12 19:45:30) |
まつ太郎 | > | 「………あ…あのう…」 (2019/7/12 19:45:47) |
まつ太郎 | > | 「!?」 (2019/7/12 19:46:42) |
まつ太郎 | > | 男性はいきなりのことに驚いて、反射的に後ろを振り向いた。 (2019/7/12 19:47:57) |
まつ太郎 | > | チャリティはその動きに少しびっくりしてしまい、少し口ごもってしまった。 (2019/7/12 19:49:10) |
まつ太郎 | > | 一旦咳払いをして、彼女は話し始める。 (2019/7/12 19:50:24) |
まつ太郎 | > | 「ご、ごめんなさい、びっくりさせてしまいましたわね…その……道に迷ってしまって…教えてくださらないかしら…?」 (2019/7/12 19:51:04) |
まつ太郎 | > | 「えっ、あ……え、ええ。良いですよ。」 (2019/7/12 19:51:54) |
まつ太郎 | > | 「本当に?有難うございます!えっと、水の都市に行きたくて……」 (2019/7/12 19:54:21) |
まつ太郎 | > | 「・・・水の都市・・・。」 (2019/7/12 19:54:48) |
まつ太郎 | > | 「?…どうかしたんですか?」 (2019/7/12 19:55:03) |
まつ太郎 | > | 「あ……いいえ。」 (2019/7/12 19:55:24) |
まつ太郎 | > | (2019/7/12 19:56:08) |
まつ太郎 | > | 「どうも有難うございます…本当に、急にごめんなさい。」 (2019/7/12 19:56:26) |
まつ太郎 | > | チャリティと男性は水の都市に着いていたのだが、「折角だからお礼をしたい」とチャリティが言ったので、店に二人で寄ることにしたのだ。 (2019/7/12 19:57:58) |
まつ太郎 | > | 男性は友好的というわけでもなく、どちらかというとシャイな性格だった。 (2019/7/12 19:59:48) |
まつ太郎 | > | しかし、会話をしている時の彼に、なぜかチャリティは「信頼」を覚えた。 (2019/7/12 20:00:45) |
まつ太郎 | > | 「いえ、私は…………その、お礼なんて頂いていいんでしょうか。」 (2019/7/12 20:03:48) |
まつ太郎 | > | 「まあ、勿論よ!といっても、お菓子にはなってしまうのだけれど……レモンパイはお好きかしら。」 (2019/7/12 20:06:59) |
まつ太郎 | > | チャリティは、前に作ったレモンパイがとても上手くいったので、もう一度昨日作っていたのだ。 (2019/7/12 20:07:26) |
まつ太郎 | > | それも前のように成功したので、誰かに食べてもらいたい気持ちで一杯だったのだ。 (2019/7/12 20:08:02) |
まつ太郎 | > | 「・・・はい。」 (2019/7/12 20:08:52) |
まつ太郎 | > | 彼は一度何かを考えたかのように見えた。 (2019/7/12 20:09:32) |
まつ太郎 | > | でも、チャリティはそのことはあまり気にしなかった。 (2019/7/12 20:09:39) |
まつ太郎 | > | 「ふふっなら良かったですわ。自分で言うのもあれなんですが…パイ料理には昔から自信があるの。あっ、ここです、私の家。」 (2019/7/12 20:11:31) |
まつ太郎 | > | そう言いチャリティは自分の店を指差した。 (2019/7/12 20:11:57) |
まつ太郎 | > | すると、男性は店を見て少し驚いたような顔をした。 (2019/7/12 20:12:23) |
まつ太郎 | > | 「ちょっと待っていてくださいね、今パイを取ってきますから。」 (2019/7/12 20:12:58) |
まつ太郎 | > | チャリティは優しく微笑み、店の中に入っていった。 (2019/7/12 20:13:25) |
まつ太郎 | > | そして1分くらい経ち、小さな手提げ籠にラッピングを施したレモンパイを一切れ入れて帰ってきた。 (2019/7/12 20:14:28) |
まつ太郎 | > | 「はい、どうぞ!あの、今日は本当に有難うございました。このご恩、ずっと忘れないわ。」 (2019/7/12 20:15:01) |
まつ太郎 | > | (恩じゃないや。なんだっけ。((日本語) (2019/7/12 20:15:15) |
まつ太郎 | > | そう言ってまた微笑み、籠を男性に差し出す。 (2019/7/12 20:15:36) |
まつ太郎 | > | 男性は籠を受け取った。 (2019/7/12 20:16:47) |
まつ太郎 | > | 「・・・やっぱり」 (2019/7/12 20:17:21) |
まつ太郎 | > | 「え?」 (2019/7/12 20:17:27) |
まつ太郎 | > | 予想外の男性の言葉に、チャリティは首を傾げた。 (2019/7/12 20:18:02) |
まつ太郎 | > | しかし、男性はこう続けた。 (2019/7/12 20:18:09) |
まつ太郎 | > | 「ああ、いえ………実は私、前にここを通ったことがありまして……この店からレモンパイの良い香りが漂ってきたものだから… (2019/7/12 20:18:51) |
まつ太郎 | > | それから、少し、その人に会ってみたいと思っていたんです。…先ほどの話から、もしかしてと思っていて…」 (2019/7/12 20:19:58) |
まつ太郎 | > | チャリティは前日のことを思い出しはっとした。 (2019/7/12 20:20:15) |
まつ太郎 | > | もしかして、ジョイスの言っていた人はこの人のことだったの? (2019/7/12 20:20:31) |
まつ太郎 | > | すると、チャリティの顔は今までの微笑み以上に、パァッと明るくなった。 (2019/7/12 20:22:13) |
まつ太郎 | > | 「あの、もし良かったら私、またあなたに会って話をしてみたいの…実は、貴方の話を私の双子の姉から聞いたことがあって…それから私もずっと会ってみたいなと思っていたの」 (2019/7/12 20:23:56) |
まつ太郎 | > | 「えっ!?あ、もっ勿論です!」 (2019/7/12 20:24:57) |
まつ太郎 | > | 男性は驚いて少し顔を赤くしていた。 (2019/7/12 20:25:28) |
まつ太郎 | > | しかし、またその人と話せると言うことが、チャリティにとってとても嬉しかったようだ。 (2019/7/12 20:25:56) |
まつ太郎 | > | (2019/7/12 20:25:59) |
まつ太郎 | > | その二人が夫婦となるのは、まだ少し先の話。 (2019/7/12 20:26:09) |
まつ太郎 | > | -end- (2019/7/12 20:26:18) |
まつ太郎 | > | (2019/7/12 20:26:21) |
まつ太郎 | > | す''い''ま''せ''ん((((((テトリス (2019/7/12 20:26:33) |
おしらせ | > | まつ太郎さんが退室しました。 (2019/7/12 20:26:37) |
おしらせ | > | フフンの鬼太郎さんが入室しました♪ (2019/7/20 22:48:14) |
フフンの鬼太郎 | > | (過去小説の続きも (2019/7/20 22:48:21) |
フフンの鬼太郎 | > | もってなんだ (2019/7/20 22:48:26) |
フフンの鬼太郎 | > | (2019/7/20 22:48:29) |
フフンの鬼太郎 | > | 母の死を目にしてしまった私は、毎日泣いてばかりだった。 (2019/7/20 22:49:08) |
フフンの鬼太郎 | > | それは、阻害先が決まってからもずっとだった。 (2019/7/20 22:49:31) |
フフンの鬼太郎 | > | (疎外) (2019/7/20 22:49:35) |
フフンの鬼太郎 | > | 疎外先は、私の祖母の家だったの。 (2019/7/20 22:49:44) |
フフンの鬼太郎 | > | そこが「魔法花専門店」だったわ。 (2019/7/20 22:50:04) |
フフンの鬼太郎 | > | でも、私は最初からそこでは暮らせなかった。 (2019/7/20 22:50:22) |
フフンの鬼太郎 | > | 私は精神的ショックで、声に関する障害を持ってしまったから。 (2019/7/20 22:50:55) |
フフンの鬼太郎 | > | ああ、でも、普通に喋ることは大丈夫なのよ。 (2019/7/20 22:51:33) |
フフンの鬼太郎 | > | ただ、歌うことだけがダメだったの。 (2019/7/20 22:51:43) |
フフンの鬼太郎 | > | 母と父のことを思い出してしまうから。今だったらそう思うわ。 (2019/7/20 22:52:07) |
フフンの鬼太郎 | > | 祖母はそんな私にとても良くしてくれた。 (2019/7/20 22:52:34) |
フフンの鬼太郎 | > | 私は祖母の優しい笑顔が大好きだったわ。 (2019/7/20 22:52:59) |
フフンの鬼太郎 | > | 穏やかな目を少し細くして笑うのよ。とても可愛らしかった。 (2019/7/20 22:53:34) |
フフンの鬼太郎 | > | 私が17歳になった頃。 (2019/7/20 22:55:36) |
フフンの鬼太郎 | > | ちょうどその時に、戦争が終わったの。何年もかけて、ようやくね。 (2019/7/20 22:56:01) |
フフンの鬼太郎 | > | 私は汽車から父が戻って来るのを、なんども待ち続けた_____ (2019/7/20 22:56:23) |
フフンの鬼太郎 | > | ____でも、帰って来るわけがなかったのよね。大砲で打たれて、既に戦地で亡くなってしまっていたんだもの。 (2019/7/20 22:56:55) |
フフンの鬼太郎 | > | そして、私は祖母の家から旅立つことを決意したの。 (2019/7/20 22:58:03) |
フフンの鬼太郎 | > | 少し離れた街の汽車に乗って、遠い国へ。 (2019/7/20 22:58:23) |
フフンの鬼太郎 | > | でも、まだそこは変な国ではないわ。 (2019/7/20 22:58:32) |
フフンの鬼太郎 | > | また別の、穏やかな街よ。 (2019/7/20 22:58:47) |
フフンの鬼太郎 | > | そこが、ミルとマリーとの出会いの場だったのね。 (2019/7/20 22:59:35) |
フフンの鬼太郎 | > | 今思えば、あれは奇跡だったわね。 (2019/7/20 22:59:58) |
フフンの鬼太郎 | > | 彼女達が馬車の中に逃げ込んで、そこで偶然私の家の前に止まったんだから。 (2019/7/20 23:00:23) |
フフンの鬼太郎 | > | 彼女達との暮らしは、本当に楽しかった。 (2019/7/20 23:00:38) |
フフンの鬼太郎 | > | でも、急に出来事は訪れたの。 (2019/7/20 23:01:13) |
フフンの鬼太郎 | > | (2019/7/20 23:01:16) |
フフンの鬼太郎 | > | その時、私はマリーと一緒に洗濯物を干していた。 (2019/7/20 23:03:01) |
フフンの鬼太郎 | > | ミルは一階で、次の日に行くことになっていたピクニックに向けて準備をしていたの。 (2019/7/20 23:04:19) |
フフンの鬼太郎 | > | フルーツサンドイッチを作るから、苺の砂糖漬けの甕から少量取っておいて、と''私''が頼んだの。 (2019/7/20 23:05:29) |
フフンの鬼太郎 | > | でも、ミルは……私達のことが大好きだったから… (2019/7/20 23:08:16) |
フフンの鬼太郎 | > | 一度外に出て、庭に生えているバターカップ(きんぽうけ)やメイフラワーを摘もうとしたのよ。 (2019/7/20 23:11:59) |
フフンの鬼太郎 | > | ミルは、私達を喜ばせようとしてくれた。 (2019/7/20 23:12:26) |
フフンの鬼太郎 | > | ただ、それだけだったのに。 (2019/7/20 23:12:30) |
フフンの鬼太郎 | > | 10分くらい経って、マリーがミルを呼びに行ったけど、血の気の引いた顔で走ってきて… (2019/7/20 23:13:31) |
フフンの鬼太郎 | > | 「お………お姉ちゃん……どうしよう……ミルが、い、いなくなっちゃって…」 (2019/7/20 23:14:09) |
フフンの鬼太郎 | > | 震えた声で私にそう伝えてきた。 (2019/7/20 23:14:52) |
フフンの鬼太郎 | > | その目からは大粒の涙が溢れそうになっていたのよ。……まだ、あんなに幼い子供なのに… (2019/7/20 23:15:55) |
フフンの鬼太郎 | > | それから私とマリーは何日もミルを探し続けたわ。 (2019/7/20 23:16:22) |
フフンの鬼太郎 | > | 街の人たちにも協力してもらって。 (2019/7/20 23:16:48) |
フフンの鬼太郎 | > | でも、一向にミルは見つからなかった… (2019/7/20 23:17:02) |
フフンの鬼太郎 | > | もう、街の人たちの大半は諦めかけている様子だったわ。 (2019/7/20 23:17:19) |
フフンの鬼太郎 | > | それでも、私とマリーは必死に探し続けた。 (2019/7/20 23:17:33) |
フフンの鬼太郎 | > | 心が折れそうになっているマリーを…そして、自分自身を時々私が慰めながら…… (2019/7/20 23:17:59) |
フフンの鬼太郎 | > | でも、ある時、街の一人の女性がぽつんと言葉を漏らしたの。 (2019/7/20 23:18:48) |
フフンの鬼太郎 | > | 「『子連れ屋』に…連れていかれたんじゃないかしら…」 (2019/7/20 23:19:23) |
フフンの鬼太郎 | > | その名前は、何度か聞いたことがあったし…私もそうなんじゃないかと思い始めていた頃だった。 (2019/7/20 23:20:59) |
フフンの鬼太郎 | > | 子を攫って、孤児院や他の街に売り飛ばして、お金をもらう… (2019/7/20 23:21:40) |
フフンの鬼太郎 | > | そんな恐ろしい集団で、その時代には少しずつ増えていたのよ。 (2019/7/20 23:21:59) |
フフンの鬼太郎 | > | …でも、その集団は、決して捕まることはなかったの。 (2019/7/20 23:22:36) |
フフンの鬼太郎 | > | 急に現れて、一瞬で姿を消してしまうんですもの。 (2019/7/20 23:23:11) |
フフンの鬼太郎 | > | …だから、街の人達は諦めかけていたのかもしれないわね。 (2019/7/20 23:23:27) |
フフンの鬼太郎 | > | 私自身も、必死に探しながら自分を責めていたんですもの。 (2019/7/20 23:24:17) |
フフンの鬼太郎 | > | (2019/7/20 23:24:19) |
フフンの鬼太郎 | > | ミルが失踪してから半月が経とうとしていた時。 (2019/7/20 23:25:01) |
フフンの鬼太郎 | > | (あっ違う半年だ) (2019/7/20 23:25:10) |
フフンの鬼太郎 | > | 街の一部を仕切る一族の方から、私に手紙が届いたの。 (2019/7/20 23:25:51) |
フフンの鬼太郎 | > | 『ミルティア・メイの目撃情報が入った。今、そこで警察が調べてくれているらしい。』 (2019/7/20 23:27:14) |
フフンの鬼太郎 | > | ミルが、目撃された? (2019/7/20 23:27:25) |
フフンの鬼太郎 | > | じゃあ…ミルは生きているということ…? (2019/7/20 23:27:35) |
フフンの鬼太郎 | > | マリーはその手紙を見ると、そのまま固まってしまった。 (2019/7/20 23:28:09) |
フフンの鬼太郎 | > | 信じられない、というような顔をしてね。 (2019/7/20 23:28:23) |
フフンの鬼太郎 | > | 「(……マリーの為にも…………早く、ミルを探さないと…)」 (2019/7/20 23:28:55) |
フフンの鬼太郎 | > | そんな気持ちが強くなりすぎてしまった私は、その夕方、コートを着込んで外に出てしまったの。 (2019/7/20 23:29:26) |
フフンの鬼太郎 | > | 家の鍵も窓も全て閉めて、2階の自分の部屋にマリーを寝かせて、絶対外に出ないようにと言い聞かせて。 (2019/7/20 23:30:04) |
フフンの鬼太郎 | > | 外には雪が積もっていて、大きなヒューという音を立てながら冷たい風が吹いていた。 (2019/7/20 23:30:52) |
フフンの鬼太郎 | > | 私は駆け足で、早く警察のところに行って話を聞くために汽車に向かっていた。 (2019/7/20 23:32:06) |
フフンの鬼太郎 | > | あともう少しで駅に着く。 (2019/7/20 23:32:56) |
フフンの鬼太郎 | > | そう思っていた時だったの。 (2019/7/20 23:33:03) |
フフンの鬼太郎 | > | 上から聞こえてくる誰かの悲鳴。 (2019/7/20 23:34:34) |
フフンの鬼太郎 | > | それに気づいて上を向いた時には、もう… (2019/7/20 23:36:22) |
フフンの鬼太郎 | > | 私は、その「誰か」の下敷きになっていた。 (2019/7/20 23:36:38) |
フフンの鬼太郎 | > | (2019/7/20 23:36:46) |
フフンの鬼太郎 | > | 「………ん…」 (2019/7/20 23:37:17) |
フフンの鬼太郎 | > | …私は、確か… (2019/7/20 23:37:50) |
フフンの鬼太郎 | > | 頭の中を整理して、起き上がる。 (2019/7/20 23:38:13) |
フフンの鬼太郎 | > | 「(・・・起き上がる?)」 (2019/7/20 23:38:21) |
フフンの鬼太郎 | > | 私はびっくりして、自分の体を見た。 (2019/7/20 23:38:35) |
フフンの鬼太郎 | > | 「…嘘でしょう………」 (2019/7/20 23:39:01) |
フフンの鬼太郎 | > | 私の体は、薄い色になり、まるで幽霊のようになっていた。 (2019/7/20 23:39:32) |
フフンの鬼太郎 | > | でも、確かに自分の声は聞こえていて… (2019/7/20 23:39:54) |
フフンの鬼太郎 | > | あまりにも奇妙な出来事で、折角頭の中を整理していたのに再び真っ白になってしまった。 (2019/7/20 23:40:49) |
フフンの鬼太郎 | > | すると、再び、あることに私は気づいたわ。 (2019/7/20 23:41:17) |
フフンの鬼太郎 | > | 「…ここ、私の家……?」 (2019/7/20 23:41:26) |
フフンの鬼太郎 | > | そう、私がいた場所は、かつては3人で暮らしていた、私の家だった。 (2019/7/20 23:42:06) |
フフンの鬼太郎 | > | 古い時計がチクタク音を立てているだけの空間だった。 (2019/7/20 23:43:04) |
フフンの鬼太郎 | > | 私はハッとして、とりあえず自分の寝ていたベッドから起き上がったわ。 (2019/7/20 23:46:21) |
フフンの鬼太郎 | > | そして、近くに置いてあった全身が見える鏡で、写っている自分の姿を見た。 (2019/7/20 23:47:25) |
フフンの鬼太郎 | > | 「…………まさか、本当に、私… (2019/7/20 23:47:39) |
フフンの鬼太郎 | > | すると、ドアを叩く音が聞こえた。 (2019/7/20 23:48:01) |
フフンの鬼太郎 | > | 私は驚いて数秒間その場にいたけれど、急いで一階に降りて玄関の戸を開けたの。 (2019/7/20 23:48:34) |
フフンの鬼太郎 | > | ___そこには、ある女性が立っていた。 (2019/7/20 23:48:53) |
フフンの鬼太郎 | > | 一見、少し不思議な服装の女性だったわ。 (2019/7/20 23:49:04) |
フフンの鬼太郎 | > | 黒色の青い小さな宝石が二つ付いた目隠しをしていて、袖が膨らんだ半袖の黒い服の上に白い布のようなものを羽織っているし… (2019/7/20 23:53:08) |
フフンの鬼太郎 | > | 私と同じ髪型だったけれど、髪の色は私と正反対。宝石のような赤紫色なの。 (2019/7/20 23:54:15) |
フフンの鬼太郎 | > | 「……すまない。君に説明したいことがあるんだ。少し話をさせてくれないだろうか。」 (2019/7/20 23:55:33) |
フフンの鬼太郎 | > | 落ち着いているけれど、少し焦りを感じられる、大人の女性の声だった。 (2019/7/20 23:56:10) |
フフンの鬼太郎 | > | きっと、この体のことだろう。 (2019/7/20 23:57:01) |
フフンの鬼太郎 | > | なんだかそんな気がして、断るわけにはいかなくなってしまった。 (2019/7/20 23:57:28) |
フフンの鬼太郎 | > | (2019/7/20 23:57:30) |
おしらせ | > | フフンの鬼太郎さんが退室しました。 (2019/7/21 00:05:24) |
おしらせ | > | フフンの鬼太郎さんが入室しました♪ (2019/7/21 07:39:57) |
フフンの鬼太郎 | > | 「・・・ダージリンで良いかしら?」 (2019/7/21 07:40:50) |
フフンの鬼太郎 | > | 私が椅子に座っている彼女に笑顔で問いかけると、彼女は少し驚いたような顔をした。 (2019/7/21 07:41:14) |
フフンの鬼太郎 | > | でも、「ああ…構わないよ。お茶は好きだから…」と、返してくれた。 (2019/7/21 07:42:04) |
フフンの鬼太郎 | > | 今自分が台所に立っているということが、信じられない事実だとふと思った。 (2019/7/21 07:43:06) |
フフンの鬼太郎 | > | 「・・・驚いているかい。今の事実についてのこと。」 (2019/7/21 07:43:47) |
フフンの鬼太郎 | > | 私は手を止め、数秒くらい経ってから彼女の方に振り向いた。 (2019/7/21 07:44:10) |
フフンの鬼太郎 | > | 彼女の顔は至って真面目で、しっかり私の方を見ていた。 (2019/7/21 07:44:59) |
フフンの鬼太郎 | > | 「……本当に申し訳ないと思っている。1週間前に、君が死んでいるのを見つけて…あ、気を悪くさせてしまうね…申し訳ない。 (2019/7/21 07:47:04) |
フフンの鬼太郎 | > | 私の、能力なんだ。体と心を操る能力___この能力で人生で一度は人を救いたいという、ただの願いで。私の魂を君に半分分け与えた。」 (2019/7/21 07:49:27) |
フフンの鬼太郎 | > | 「………じゃあ…私は、あの場所で確かに死んでいたのね。」 (2019/7/21 07:50:30) |
フフンの鬼太郎 | > | 家族を探していた日の、強い吹雪を思い出す。 (2019/7/21 07:51:26) |
フフンの鬼太郎 | > | どうぞと言って、彼女の前にお茶の入ったカップを置く。 (2019/7/21 07:53:09) |
フフンの鬼太郎 | > | 茶葉の香りが、辺りに漂っていた。 (2019/7/21 07:53:24) |
フフンの鬼太郎 | > | ありがとう、と彼女は私に言い、紅茶を飲んだ。 (2019/7/21 07:55:04) |
フフンの鬼太郎 | > | 「…お茶を淹れるのが上手だね…とても美味しいです。」 (2019/7/21 07:55:50) |
フフンの鬼太郎 | > | 彼女は小さく、少し悲しそうな笑顔を浮かべた。 (2019/7/21 07:56:15) |
フフンの鬼太郎 | > | 私は、そんな顔を見て、自分の意見を言いたくて堪らなくなった。 (2019/7/21 07:56:43) |
フフンの鬼太郎 | > | _そして、遂に自分が言葉を発することに成功した。 (2019/7/21 07:57:19) |
フフンの鬼太郎 | > | 「私、あなたを悪くなんか思っていないわ。むしろ嬉しいのよ。」 (2019/7/21 07:57:43) |
フフンの鬼太郎 | > | 彼女の少し下を向き気味だった顔が、こちらを見た。 (2019/7/21 07:58:24) |
フフンの鬼太郎 | > | 目は見えなかったが、今までで一番驚いていることは感じ取れた。 (2019/7/21 07:58:44) |
フフンの鬼太郎 | > | 「…私、家族がいるのよ。小さい女の子が2人。私の大切な妹達___でも、完全に死んでしまったら、その子達とまた話すことすらできないじゃない。」 (2019/7/21 08:03:08) |
フフンの鬼太郎 | > | 私は目を閉じ、笑顔で話し始める。 (2019/7/21 08:03:33) |
フフンの鬼太郎 | > | それは私の本心であり、今までの経緯を聞いた中で私が最終的に至った、私が決めた結論だった。 (2019/7/21 08:04:06) |
フフンの鬼太郎 | > | 「………明るい心を持った人だ。貴方みたいな人に会ったのは、生まれて初めてなんじゃないかな。」 (2019/7/21 08:05:31) |
フフンの鬼太郎 | > | 「貴方だなんて呼ばないで。チャリティで良いわ。貴方は私の恩人なんですもの。あっもしかして、苗字で呼ぶ方がお好きかしら?」 (2019/7/21 08:06:35) |
フフンの鬼太郎 | > | 彼女は私の言葉を聞いて、小さく笑った。 (2019/7/21 08:07:01) |
フフンの鬼太郎 | > | その顔からは、悲しみは消えてきているように思えた。 (2019/7/21 08:07:25) |
フフンの鬼太郎 | > | 「じゃあ…チャリティ、でも良いだろうか。」 (2019/7/21 08:09:47) |
フフンの鬼太郎 | > | 彼女は、少し照れながらも微笑んでそう言った。 (2019/7/21 08:10:17) |
フフンの鬼太郎 | > | 「あっ、貴方の名前も教えてくださらない?嫌でなければだけれど…」 (2019/7/21 08:10:45) |
フフンの鬼太郎 | > | 「私の名前かい?ジョイスだよ。苗字はない。」 (2019/7/21 08:11:32) |
フフンの鬼太郎 | > | 苗字がない…… (2019/7/21 08:11:52) |
フフンの鬼太郎 | > | 実親と暮らすことができなかったのだと、私は悟った。 (2019/7/21 08:12:27) |
フフンの鬼太郎 | > | 「じゃあ、ジョイスさんと呼ばせてもらうわ。これから、2日に一回は会うことになるかもしれないわね。」 (2019/7/21 08:13:40) |
フフンの鬼太郎 | > | 「そうだね。困ったことがあれば、何でも言って。」 (2019/7/21 08:14:22) |
フフンの鬼太郎 | > | まるで紳士のような性格なのね、と思った。 (2019/7/21 08:14:45) |
フフンの鬼太郎 | > | それが、今のジョイス・''メイ''との出会いよ。 (2019/7/21 08:15:41) |
フフンの鬼太郎 | > | (2019/7/21 08:15:44) |
フフンの鬼太郎 | > | それから、彼女とはいろいろなことを語り合ったわ。 (2019/7/21 08:18:42) |
フフンの鬼太郎 | > | 昔から植物に対する知識が少し会ったということ、ピアノを弾くのがとても上手だということ…しかも、彼女は「左手のピアニスト」だという事。他にもたくさんあるのよ。 (2019/7/21 08:19:52) |
フフンの鬼太郎 | > | 私とジョイスはお互い、姉妹のような関係で… (2019/7/21 08:20:25) |
フフンの鬼太郎 | > | 私は、また誰かと心を打ち明けて話せることを、とても嬉しく思っていたわ。 (2019/7/21 08:20:50) |
フフンの鬼太郎 | > | そして、私とジョイスが出会ってから一ヶ月半くらいになった時、私は彼女にある提案をすることにしたの。 (2019/7/21 08:22:04) |
フフンの鬼太郎 | > | 「妹達を、探しに行こうと思うの。」 (2019/7/21 08:22:24) |
フフンの鬼太郎 | > | 小さなルバーブのクランブルケーキを二人で食べている時、私はその提案をした。 (2019/7/21 08:24:46) |
フフンの鬼太郎 | > | 「…確か、妹の方はずっと前に行方不明になっていて…姉の方は自分の死後に何処かに行ってしまっていたんだったね。」 (2019/7/21 08:27:21) |
フフンの鬼太郎 | > | ジョイスには、自分の妹達のことも話していたので、いつか探しに行きたいという私の願いも知っていた。 (2019/7/21 08:29:35) |
フフンの鬼太郎 | > | 「…3日後には、探しに行こうと思っているのだけど………」 (2019/7/21 08:33:31) |
フフンの鬼太郎 | > | 「………もしかして、自分の体の事かい?」 (2019/7/21 08:34:02) |
フフンの鬼太郎 | > | 私は渋々頷いた。 (2019/7/21 08:34:11) |
フフンの鬼太郎 | > | 「今はコートを羽織って隠しているけれど……やっぱり、人に尋ねたりもするから…」 (2019/7/21 08:37:13) |
フフンの鬼太郎 | > | それを聞いてジョイスは、左手を顎に添えて、考える素ぶりをした。 (2019/7/21 08:38:28) |
フフンの鬼太郎 | > | そして少し経ってから、「あっ」と何か思いついたように言った。 (2019/7/21 08:39:30) |
フフンの鬼太郎 | > | 「………確か、ミルティアが居た孤児院はエリストア街にあるんだったよね。」 (2019/7/21 08:43:15) |
フフンの鬼太郎 | > | 「?ええ…エリストア街4番地にある、フィルクリア教会だって聞いてるわ。」 (2019/7/21 08:45:31) |
フフンの鬼太郎 | > | 「………なら、その近くに、何年か前にできた珍しい国があるんだ。」 (2019/7/21 08:47:07) |
フフンの鬼太郎 | > | ジョイスは、私に地図を広げて見せてくれた。 (2019/7/21 08:48:23) |
フフンの鬼太郎 | > | ジョイスが指差した場所には、確かに国名が記されていた。 (2019/7/21 08:49:08) |
フフンの鬼太郎 | > | 「…………『変な国』?」 (2019/7/21 08:49:15) |
フフンの鬼太郎 | > | 「……私たちが住んできたような地域だったり、砂漠だったり…経済が発展している都市のような所が集まっているらしいんだ。 (2019/7/21 08:50:32) |
フフンの鬼太郎 | > | そして…………種族も同じらしい。」 (2019/7/21 08:51:21) |
フフンの鬼太郎 | > | 「………つまり…私たちみたいな人もいるかもしれないのね…!」 (2019/7/21 08:53:17) |
フフンの鬼太郎 | > | ジョイスは、小さく頷いた。 (2019/7/21 08:53:23) |
フフンの鬼太郎 | > | 「…分かったわ。じゃあ、そこにしましょう。」 (2019/7/21 08:53:51) |
フフンの鬼太郎 | > | 「私も、君の幸せを願っているよ。」 (2019/7/21 08:54:35) |
フフンの鬼太郎 | > | 「…?貴方も一緒に来るのよ?」 (2019/7/21 08:54:53) |
フフンの鬼太郎 | > | 「え?」 (2019/7/21 08:55:12) |
フフンの鬼太郎 | > | ジョイスのあんなに間抜けな反応を見たのは初めてだったかもしれないわね。 (2019/7/21 08:55:47) |
フフンの鬼太郎 | > | 私は、思わず笑ってしまった。 (2019/7/21 08:56:29) |
フフンの鬼太郎 | > | そして、ジョイスは私にこう問いかけたの。 (2019/7/21 08:56:52) |
フフンの鬼太郎 | > | 「…わ、私も一緒に行っていいのか?」 (2019/7/21 08:57:04) |
フフンの鬼太郎 | > | まあ、この人は一体何を言っているんだろう! (2019/7/21 08:57:32) |
フフンの鬼太郎 | > | 私は驚いた。 (2019/7/21 08:57:42) |
フフンの鬼太郎 | > | そして、すぐに明るい笑顔でその質問の答えを返した。 (2019/7/21 08:58:06) |
フフンの鬼太郎 | > | 「勿論よ!貴方が私にとってどれだけ大切な家族であるか、もうわかっているでしょう?貴方と一緒にまだいたいの。私の我儘、聞いてくれて?」 (2019/7/21 08:58:55) |
2019年06月29日 15時47分 ~ 2019年07月21日 08時58分 の過去ログ
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