「ディーアンシーの心臓は-過去系小説-」の過去ログ
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2019年08月08日 21時40分 ~ 2019年09月22日 15時54分 の過去ログ
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親馬鹿まつり | > | 「・・・ (2019/8/8 21:40:36) |
親馬鹿まつり | > | ………ふっ (2019/8/8 21:40:45) |
親馬鹿まつり | > | (本当、変な''妹''なところは変わらねえなあ。)」 (2019/8/8 21:41:29) |
親馬鹿まつり | > | 【end】 (2019/8/8 21:41:45) |
親馬鹿まつり | > | (2019/8/8 21:41:59) |
親馬鹿まつり | > | なっが…(( (2019/8/8 21:42:09) |
おしらせ | > | 親馬鹿まつりさんが退室しました。 (2019/8/8 21:42:11) |
おしらせ | > | 荒川まつりさんが入室しました♪ (2019/8/10 18:31:10) |
荒川まつり | > | 【虹色プリズム】 (2019/8/10 18:33:35) |
荒川まつり | > | (2019/8/10 18:33:44) |
荒川まつり | > | 一ヶ月前、私の母が亡くなった。 (2019/8/10 18:34:13) |
荒川まつり | > | とても綺麗で、優し伊、心が強い人だった。 (2019/8/10 18:34:24) |
荒川まつり | > | (優しい…) (2019/8/10 18:34:29) |
荒川まつり | > | 私は、自分の生涯の内の16年間、母が生きている人生を過ごしてきた。 (2019/8/10 18:35:04) |
荒川まつり | > | 生まれてから、今まで当たり前のようにいた存在が (2019/8/10 18:35:46) |
荒川まつり | > | 急に消えてしまったことは、私は耐えられないようだった。 (2019/8/10 18:35:58) |
荒川まつり | > | 今でも、半年前まで病院で寝ていた母の姿は目に焼き付いたままである。 (2019/8/10 18:36:30) |
荒川まつり | > | 本当に美しい人だったと思う。 (2019/8/10 18:41:36) |
荒川まつり | > | 母の夫___つまり私の父は、最期まで母のそばにいた。 (2019/8/10 18:42:37) |
荒川まつり | > | 微笑んで、面白い話をして、時には慰めて。 (2019/8/10 18:43:02) |
荒川まつり | > | 母が死ぬまで、一番近くにいた。 (2019/8/10 18:43:18) |
荒川まつり | > | でも、私は…わかってた。 (2019/8/10 18:43:46) |
荒川まつり | > | 父が一番苦しんでいたことを。 (2019/8/10 18:44:01) |
荒川まつり | > | しかしそんな父も、今は家族を支えながら、母の生前の時のように生きている。 (2019/8/10 18:48:08) |
荒川まつり | > | きっと、母の遺言のおかげなんだとは思う… (2019/8/10 18:48:21) |
荒川まつり | > | ………私だけこんなに心が崩れたままでいいのだろうか。 (2019/8/10 18:48:44) |
荒川まつり | > | (2019/8/10 18:48:46) |
荒川まつり | > | 「パパ、本当に行ってきていいの?」 (2019/8/10 18:51:08) |
荒川まつり | > | 家の廊下と頼まれたおもちゃを修理する部屋の戸を境に、私は聞く。 (2019/8/10 18:52:19) |
荒川まつり | > | 「もー、良いって言ってるだろ?昨日から何回も聞くんだからー」 (2019/8/10 18:53:08) |
荒川まつり | > | 父は笑いながら答える。ネジを巻く音に混じって聞こえてくるその声は、いつも明るい。 (2019/8/10 18:53:43) |
荒川まつり | > | 私はその声が大好きだった。 (2019/8/10 19:08:59) |
荒川まつり | > | 「だってお父さん、今日仕事いっぱいあったじゃん!手伝わなくて良いのかなって…」 (2019/8/10 19:11:39) |
荒川まつり | > | お父さんも今は34歳だし、少しきつくなってきているんだと思う。 (2019/8/10 19:19:21) |
荒川まつり | > | なのに、お父さんはむしろ仕事を楽しいと思っているようだ。 (2019/8/10 19:19:34) |
荒川まつり | > | (ぱぱだった…(() (2019/8/10 19:20:57) |
荒川まつり | > | そして、パパの優しい笑い声が聞こえてきたと思うと、パパは部屋から出てきた。 (2019/8/10 19:21:48) |
荒川まつり | > | 顔にはすすが付いていて、髪をいつものように後ろで束ねていた。 (2019/8/10 19:23:01) |
荒川まつり | > | (一旦終わるます(() (2019/8/10 19:27:45) |
おしらせ | > | 荒川まつりさんが退室しました。 (2019/8/10 19:27:48) |
おしらせ | > | 荒川まつりさんが入室しました♪ (2019/8/11 09:00:53) |
荒川まつり | > | そして、16年前から変わらない、無邪気な笑顔だった。 (2019/8/11 09:02:00) |
荒川まつり | > | 「パパのことは心配しなくて大丈夫!クラウド君とアイリス、昔から仲良しだろう? (2019/8/11 09:02:49) |
荒川まつり | > | 心配しなくて大丈夫だから。いっぱい遊んできなさい。」 (2019/8/11 09:03:30) |
荒川まつり | > | そういうと、パパは頭を撫でようとしたが、自分が修理中だったことに気づき、自分でその手を引っ込めた。 (2019/8/11 09:04:11) |
荒川まつり | > | 私は思わず笑ってしまった。 (2019/8/11 09:04:26) |
荒川まつり | > | 私が外に出るまで、パパは見送りについてきてくれた。 (2019/8/11 09:05:38) |
荒川まつり | > | 今日は、ママが生きていた頃買ってくれた紫色のロングスカートに、シャツと黒いビスチェを着た。 (2019/8/11 09:17:31) |
荒川まつり | > | そして、久しぶりに髪を下ろしていくことにした。 (2019/8/11 09:18:23) |
荒川まつり | > | 私の髪はパパと同じでふわふわしてる金髪だった。 (2019/8/11 09:19:02) |
荒川まつり | > | 髪につけた金色の星が型どられたバレッタを、パパは「似合ってる」と言ってくれた。 (2019/8/11 09:24:26) |
荒川まつり | > | 「じゃあ……行ってきます。」 (2019/8/11 09:25:02) |
荒川まつり | > | 私は照れながらも、笑顔でパパに手を振った。 (2019/8/11 09:25:22) |
荒川まつり | > | 「気をつけるんだぞ〜。」 (2019/8/11 09:26:25) |
荒川まつり | > | パパも手を振り返してくれた。 (2019/8/11 09:26:35) |
荒川まつり | > | (2019/8/11 09:26:36) |
荒川まつり | > | 私が行った先は、クラウド君の家だった。まあ、つまりアスルさんの家。 (2019/8/11 09:28:44) |
荒川まつり | > | お父さんのクルスさんも、お母さんの浮村さんも、昔からうちのパパとママと仲良しだった。 (2019/8/11 09:29:18) |
荒川まつり | > | そのこともあって、私は小さい頃からずっとクラウド君と遊んだりしてきていた。 (2019/8/11 09:29:59) |
荒川まつり | > | だから、私はこの家の人たちも大好きなのだ。 (2019/8/11 09:30:15) |
荒川まつり | > | 私は、家のピンポンを押す。 (2019/8/11 09:33:11) |
荒川まつり | > | すると、すぐに家から足音が聞こえてきた。 (2019/8/11 09:34:27) |
荒川まつり | > | 扉が開くと、出てきたのはクラウド君だった。 (2019/8/11 09:35:00) |
荒川まつり | > | こうして見ると、やっぱり背が高くて、男の子なんだなーって実感させられる。 (2019/8/11 09:38:36) |
荒川まつり | > | 「ごめんアイリス!待った?」 (2019/8/11 09:42:43) |
荒川まつり | > | 「う、ううん!本当に今来たばかりだから大丈夫!」 (2019/8/11 09:47:25) |
荒川まつり | > | 当然声も年頃の男の子の声になっていて、少し緊張するときもある。 (2019/8/11 09:48:38) |
荒川まつり | > | 「じゃあ、行こう!確か行きたいところがあるって行ってたよね?」 (2019/8/11 09:51:50) |
荒川まつり | > | クラウド君と遊ぶのはとても楽しいから、多分今の私からは明るいオーラが凄い出されていると思う。 (2019/8/11 09:52:50) |
おしらせ | > | 無言時間が20分を超えたため、荒川まつりさんが自動退室しました。 (2019/8/11 10:45:42) |
おしらせ | > | 荒川まつりさんが入室しました♪ (2019/8/13 10:24:39) |
荒川まつり | > | 「うん、小さかった頃に行った場所なんだけど……覚えてるかな。」 (2019/8/13 10:26:28) |
荒川まつり | > | クラウド君は苦笑いしながら私に聞いてきた。 (2019/8/13 10:26:54) |
荒川まつり | > | 「当たり前だよ!!あっまだ何処かは聞いてないけどね…クラウド君と行った場所、私ほぼ全部覚えてる自信あるからっ!」 (2019/8/13 10:27:52) |
荒川まつり | > | 私は思わず、大きい声でそう言ってしまった。 (2019/8/13 10:29:14) |
荒川まつり | > | でも、クラウド君と出かけるということが楽しくって、その時の私はそのことで頭がいっぱいだった。 (2019/8/13 10:29:46) |
荒川まつり | > | クラウド君はそれを聞くと、笑って「そっか、良かった!」と言った。 (2019/8/13 10:30:32) |
荒川まつり | > | 「あ、でも、まだその景色が見られるまでちょっと時間あるんだよな…他のところにも行くか。」 (2019/8/13 10:32:24) |
荒川まつり | > | 「本当?じゃあ私、かき氷食べに行きたい!」 (2019/8/13 10:37:22) |
荒川まつり | > | 「あははっアイリスって小さい頃から夏にはかき氷食うよなぁ〜、いちごミルク味食べるんだろ?」 (2019/8/13 10:40:43) |
荒川まつり | > | 「え!?なんで分かったの!?」 (2019/8/13 10:41:06) |
荒川まつり | > | 「なんでって、毎回食いにきた時に『新しいやつ食べる!』とか言って気づいたらいちごミルク頼んでただろ?」 (2019/8/13 10:41:46) |
荒川まつり | > | 「うっ、覚えてたのかー……」 (2019/8/13 10:42:28) |
荒川まつり | > | 私達は会話をしながら、昔からよく行くかき氷屋さんに向かった。 (2019/8/13 10:43:18) |
荒川まつり | > | クラウド君の予想通り、私はいちごミルクを注文した。 (2019/8/13 10:43:57) |
荒川まつり | > | (2019/8/13 10:44:15) |
荒川まつり | > | 「あっ、この道よく通ったよね!四つ葉のクローバー見つけて、私に見せてきたの覚えてる。」 (2019/8/13 10:46:49) |
荒川まつり | > | 私達は、目的地に続く、街灯がついた野道を歩いていた。 (2019/8/13 10:47:58) |
荒川まつり | > | 昔はよく、ここでクラウド君がくれた四葉のクローバーを、家でお母さんにしおりにしてもらったものだ。 (2019/8/13 10:48:43) |
荒川まつり | > | 「良かった、じゃあ……こっちも覚えてるかな。」 (2019/8/13 10:49:19) |
荒川まつり | > | 「?」 (2019/8/13 10:49:27) |
荒川まつり | > | 私はクラウド君の方に振り向いた。 (2019/8/13 10:49:40) |
荒川まつり | > | その景色に、私は自分に感動が押し寄せてくるのを感じた。 (2019/8/13 10:52:28) |
荒川まつり | > | 夕焼けと少しばかりの夜空が混ざって綺麗なグラデーションになっていて、そこから差し込む夕日に、千日紅やマリーゴールドが染まっていた。 (2019/8/13 10:58:11) |
荒川まつり | > | 「・・・すてき」 (2019/8/13 10:59:44) |
荒川まつり | > | その空の色、花畑__ (2019/8/13 11:01:27) |
荒川まつり | > | それをなぜか、昔からずっと見てきた''色''に置き換えている自分がいた。 (2019/8/13 11:01:55) |
荒川まつり | > | 16年前から見てきた (2019/8/13 11:03:04) |
荒川まつり | > | 母の色に。 (2019/8/13 11:03:09) |
荒川まつり | > | 「?……アイリス!?どうしたんだよ…?」 (2019/8/13 11:04:48) |
荒川まつり | > | 「…え」 (2019/8/13 11:07:06) |
荒川まつり | > | 私は泣いていた。 (2019/8/13 11:08:37) |
荒川まつり | > | 自分も気づいていなかったので、自分も驚いた。 (2019/8/13 11:09:27) |
荒川まつり | > | 「あッごめん……こういうつもりじゃなかったんだけど、あはは…」 (2019/8/13 11:11:05) |
荒川まつり | > | 私は作り笑いをして、急いで涙を拭こうとした。 (2019/8/13 11:12:43) |
荒川まつり | > | 「……いや…無理しなくていい。」 (2019/8/13 11:13:10) |
荒川まつり | > | その言葉に、私の心は簡単に影響された。 (2019/8/13 11:14:58) |
荒川まつり | > | この人になら、家族以外でも打ち明けてもいいかもしれない。 (2019/8/13 11:15:20) |
荒川まつり | > | そう感じてしまったら、もう私には歯止めが効かなくなってしまった。 (2019/8/13 11:16:48) |
荒川まつり | > | 「…………私のママがなくなったの、知ってるでしょ?」 (2019/8/13 11:19:49) |
荒川まつり | > | 「うん。……凄い良い人だったな。」 (2019/8/13 11:21:25) |
荒川まつり | > | 「…それから、私……全然立ち直れなくって。折角パパも立ち直りながら支えてくれて、 (2019/8/13 11:24:28) |
荒川まつり | > | ママも私たちに勇気をつけていってくれたはずなのに。」 (2019/8/13 11:24:50) |
荒川まつり | > | 私の声はだんだん震えていった。 (2019/8/13 11:25:22) |
荒川まつり | > | 「……私、やっぱりダメだなって。パパもいなくなっちゃったら………私、どうなるのかなぁ。」 (2019/8/13 11:27:41) |
荒川まつり | > | 遂に、大粒の涙がどんどん零れ落ちてくるまでになった。 (2019/8/13 11:29:35) |
荒川まつり | > | その時、私の頭に手が置かれた。 (2019/8/13 11:34:04) |
荒川まつり | > | __クラウド君の手だった。 (2019/8/13 11:34:14) |
荒川まつり | > | 「…大丈夫だぞ。まつりさんは、今でもアイリスの近くで、アイリスのこと見てるから。 (2019/8/13 11:37:59) |
荒川まつり | > | それに、俺が代わりに…アイリスのそばにいるから……さ。」 (2019/8/13 11:44:08) |
荒川まつり | > | 「……クラウド君。」 (2019/8/13 11:47:21) |
荒川まつり | > | 私は、顔を上げた。 (2019/8/13 11:48:41) |
荒川まつり | > | 「ありがとう。 (2019/8/13 11:49:28) |
荒川まつり | > | やっぱりクラウド君…私のお兄ちゃんみたいだね!」 (2019/8/13 11:50:09) |
荒川まつり | > | 「えっ?」 (2019/8/13 11:50:19) |
荒川まつり | > | 「?」 (2019/8/13 11:50:30) |
荒川まつり | > | 私は首を傾げた。 (2019/8/13 11:50:36) |
荒川まつり | > | クラウド君、どうしたんだろ。がくってなったけど… (2019/8/13 11:50:51) |
荒川まつり | > | 「……あーっもう、いつか絶対…」 (2019/8/13 11:54:04) |
荒川まつり | > | 「?何が?」 (2019/8/13 11:54:17) |
荒川まつり | > | 「い、いや…あっほ、ほら、元気出た!?」 (2019/8/13 11:55:37) |
荒川まつり | > | 「あ…うん!私、自信取り戻したよ!」 (2019/8/13 11:56:13) |
荒川まつり | > | 私は、クラウド君に救われた気持ちでいっぱいだった。 (2019/8/13 11:56:31) |
荒川まつり | > | それが、とても嬉しかった。 (2019/8/13 11:56:38) |
荒川まつり | > | 「…そっか。」 (2019/8/13 11:58:11) |
荒川まつり | > | 「うん!」 (2019/8/13 11:58:26) |
荒川まつり | > | クラウド君も、私を見て微笑んだ。 (2019/8/13 11:58:38) |
荒川まつり | > | 「…あ、写真撮るか?それ似合ってるし、多分凄い綺麗に映ると思うんだよなぁ」 (2019/8/13 12:01:24) |
荒川まつり | > | 「似合ってる!?ありがとう!撮ろう撮ろう!」 (2019/8/13 12:02:37) |
荒川まつり | > | そして、カメラのシャッターは私達と後ろの景色を写して切られた。 (2019/8/13 12:03:08) |
荒川まつり | > | (2019/8/13 12:03:12) |
荒川まつり | > | 浮村「アアアァァァアアクラアイ!!!!!!アイリスちゃんもうちの息子もカ''ワ''イ''イ''!!!!!もちろんクルス君が一番だけどね!!!!」 (2019/8/13 12:04:57) |
荒川まつり | > | クルス「ちょっ浮村さん落ち着いてッ見つかっちゃうから!」 (2019/8/13 12:06:03) |
荒川まつり | > | リーペ「…アイリス、いつ自分の気持ちに気付くんだろう……」 (2019/8/13 12:06:55) |
荒川まつり | > | 『……そうね。』 (2019/8/13 12:07:19) |
荒川まつり | > | リーペ「えっ?……… (2019/8/13 12:07:29) |
荒川まつり | > | …ふふ、まつりもそう思う?」 (2019/8/13 12:07:59) |
荒川まつり | > | 【end】 (2019/8/13 12:08:11) |
おしらせ | > | 荒川まつりさんが退室しました。 (2019/8/13 12:08:15) |
おしらせ | > | まつりさんが入室しました♪ (2019/8/18 17:51:35) |
まつり | > | 【硝子世界の中の君と、共に心から笑いたい】 (2019/8/18 17:54:10) |
まつり | > | (2019/8/18 17:54:17) |
まつり | > | 急に、私の声が出なくなった。 (2019/8/18 17:54:56) |
まつり | > | 何度声を出そうとしても、出てくるのは息だけ。 (2019/8/18 17:55:25) |
まつり | > | もちろん、歌うこともできなかった。 (2019/8/18 17:56:39) |
まつり | > | 「鈴を転がすような、美しい歌声だよ」と、あの人が___エリアスが言ってくれたことを覚えている。 (2019/8/18 17:57:32) |
まつり | > | その言葉はとても嬉しかった。あまりにも嬉しくって、ジョイスに子供みたいにはしゃぎながら話したくらいだったから。 (2019/8/18 17:58:40) |
まつり | > | 電話越しに話を聞きながら、ジョイスが「愛されているんだね。」と言ってくれたことも覚えている。 (2019/8/18 17:59:22) |
まつり | > | 「(……今の私、何ができるのかしら。)」 (2019/8/18 18:00:30) |
まつり | > | もう何日も声を出していない。 (2019/8/18 18:00:39) |
まつり | > | 会話をする時は、紙とペンを使っている。 (2019/8/18 18:02:24) |
まつり | > | でも、異常が起きるかもしれないため、最近はずっと自室で寝たきりの生活を送っていた。 (2019/8/18 18:02:57) |
まつり | > | 幼少期の喉の病気が再発して、悪化してしまったのかと考えていた。 (2019/8/18 18:04:44) |
まつり | > | しかし診察を受けてみれば、「原因はわからない」とのことだそうだ。 (2019/8/18 18:11:40) |
まつり | > | 「(……これだったら、再発の方がまだ……………いえ、そんなこと思っちゃダメよね。)」 (2019/8/18 18:12:10) |
まつり | > | 自分に心の中でしっかり言い聞かせたものの、前のような明るい心が戻るわけがなかった。 (2019/8/18 18:14:00) |
まつり | > | ガチャ___ (2019/8/18 18:14:36) |
まつり | > | 「…チャリティ?」 (2019/8/18 18:17:21) |
まつり | > | 「!」 (2019/8/18 18:17:29) |
まつり | > | 彼の声で、やっと我に返った。 (2019/8/18 18:17:42) |
まつり | > | 私の名前を呼んでくれるこの人が、私は大好きだ。 (2019/8/18 18:18:23) |
まつり | > | 「…!………?…」 (2019/8/18 18:18:51) |
まつり | > | 私は紙とペンを急いで探した。それはあっさりと、ベッドの横の木棚から見つけられた。 (2019/8/18 18:19:23) |
まつり | > | 私はエリアスに向けて、また今日も文字を書く。 (2019/8/18 18:20:07) |
まつり | > | 『おはよう、エリアス!いい朝ね。』 (2019/8/18 18:20:20) |
まつり | > | 文面だけは、彼に心配をかけさせないようにしておきたかった。 (2019/8/18 18:20:44) |
まつり | > | 「おはよう、チャリティ。喉の調子はどうだい?」 (2019/8/18 18:21:25) |
まつり | > | エリアスは心配そうに聞く。 (2019/8/18 18:21:37) |
まつり | > | 私はそんな彼を笑顔にさせたくて、急いで文章を書いた。 (2019/8/18 18:22:56) |
まつり | > | 『ごめんなさい、まだ治らないの。でも、すぐに元気になってみせるわ。そうしたら、貴方に「愛してる」ってはっきり言ってみせるわ!」 (2019/8/18 18:24:43) |
まつり | > | 彼の目を見て、私は微笑む。 (2019/8/18 18:25:05) |
まつり | > | …ちゃんと微笑むことが成功しているかどうかは、分からないが。 (2019/8/18 18:25:30) |
まつり | > | でも、彼は笑ってくれた。 (2019/8/18 18:27:04) |
まつり | > | 「本当に君は素敵だね。治ったら、また一緒に花を買いに行こうか。」 (2019/8/18 18:27:54) |
まつり | > | 暫くおろしたままの私の長い髪を、エリアスは優しく撫でた。 (2019/8/18 18:28:34) |
まつり | > | それは嬉しくて、幸せで____ (2019/8/18 18:34:45) |
まつり | > | ____悲しかった。 (2019/8/18 18:34:50) |
まつり | > | 声を出すことができない人はストレスを溜めすぎてしまうことがあると聞いたことがある。 (2019/8/18 18:38:29) |
まつり | > | でも、それとは違う。 (2019/8/18 18:38:32) |
まつり | > | 私は、彼に無理をさせているんじゃないか… (2019/8/18 18:39:38) |
まつり | > | そう思っていたのだ。 (2019/8/18 18:39:45) |
まつり | > | 前までの世界が、透明な硝子で分けられてしまったような… (2019/8/18 18:41:10) |
まつり | > | エリアスのことがはっきり見えているのに、その愛は跳ね返されて消えるのだ。 (2019/8/18 18:41:51) |
まつり | > | 「(……ごめんなさい。)」 (2019/8/18 18:42:22) |
まつり | > | そう思っていても、私の手はその言葉を描くことを許さないのだ。 (2019/8/18 18:43:16) |
まつり | > | だって、それで彼に負担をかけてしまったら (2019/8/18 18:43:24) |
まつり | > | 私はどうすればいいの? (2019/8/18 18:43:28) |
まつり | > | (2019/8/18 18:43:50) |
まつり | > | -------------------【一ヶ月後】------------------- (2019/8/18 18:44:20) |
まつり | > | (2019/8/18 18:44:28) |
まつり | > | プルルルル____プルルルル____ (2019/8/18 18:44:37) |
まつり | > | ガチャッ (2019/8/18 18:45:50) |
まつり | > | 「チャ……チャリティ!!」 (2019/8/18 18:46:25) |
まつり | > | 「……違います。私です。」 (2019/8/18 18:47:02) |
まつり | > | 「!……ああ……す、すまない…」 (2019/8/18 18:48:17) |
まつり | > | 「……お姉ちゃん、うちにも来ていないんです。…でも、貴方のせいではありません。 (2019/8/18 18:48:59) |
まつり | > | お姉ちゃんの…心の問題なんだと思います。」 (2019/8/18 18:49:46) |
まつり | > | 「………いや、しかし……私が、チャリティの気持ちに気付いてやれなかったのもいけなかった。私の責任でもある…」 (2019/8/18 18:50:35) |
まつり | > | 「………思い詰めないようにしてくださいね。………また、電話します。」 (2019/8/18 18:51:14) |
まつり | > | ガチャ___ (2019/8/18 18:51:24) |
まつり | > | (2019/8/18 18:51:27) |
まつり | > | 「………チャリティ…………」 (2019/8/18 18:51:35) |
まつり | > | 妻が、姿を消した。 (2019/8/18 18:51:47) |
まつり | > | ベッドに寝ていた筈だったのに、私が帰ってきた時には、姿を消していたのだ。 (2019/8/18 18:52:16) |
まつり | > | 最近少しずつ元気が無くなっているのには、薄々気づいていた。 (2019/8/18 18:52:30) |
まつり | > | だから、少しでも彼女を元気にしようとしていた。 (2019/8/18 18:52:42) |
まつり | > | ____でも、それは逆効果だったのかもしれない。 (2019/8/18 18:53:00) |
まつり | > | 彼女の本心に気づいてやれなかった、私の責任だ。 (2019/8/18 18:53:15) |
まつり | > | 「………私も探しに行かなければ。」 (2019/8/18 18:54:11) |
まつり | > | 私は、街頭で照らされた夜の道へと出て行った。 (2019/8/18 18:54:52) |
まつり | > | 幸い今は夏だから、まだ完全に人がいない訳ではなかった。 (2019/8/18 18:56:45) |
まつり | > | 走り続け、段々と脚が痛くなってくる。 (2019/8/18 18:59:17) |
まつり | > | 一度止まろうとしたその時、連絡がきた。 (2019/8/18 18:59:48) |
まつり | > | 「っ……もしもし。」 (2019/8/18 19:01:37) |
まつり | > | 「……お、出たか。もしもし?」 (2019/8/18 19:02:24) |
まつり | > | 出たのは、マリーさんの恋人のアーテルだった。 (2019/8/18 19:02:51) |
まつり | > | 「………すまない、今少し急いでいて……」 (2019/8/18 19:03:05) |
まつり | > | 「…もしかして、お前の嫁さんのことか?」 (2019/8/18 19:03:32) |
まつり | > | 私はその言葉を聞いた瞬間、体に電流が流れたような感覚に襲われた。 (2019/8/18 19:04:04) |
まつり | > | 「な、何故ッ」 (2019/8/18 19:04:26) |
まつり | > | 「そのことで連絡したんだ。マリーから連絡がきてから少し経った後に、さっき見かけて……」 (2019/8/18 19:07:08) |
まつり | > | 「どこで見かけたんだッ!?」 (2019/8/18 19:08:28) |
まつり | > | 私の声は焦りで大きくなっていた。 (2019/8/18 19:08:42) |
おしらせ | > | 無言時間が20分を超えたため、まつりさんが自動退室しました。 (2019/8/18 19:29:05) |
おしらせ | > | まさんが入室しました♪ (2019/8/21 18:17:13) |
ま | > | (あのですね…あのですね……) (2019/8/21 18:19:31) |
ま | > | (エリチャリ小説書きたいんですけど……結末を忘れてしまいまして…((このやろう) (2019/8/21 18:19:55) |
ま | > | (だから思い出しながら別の小説書くことにします…(((はなちゃんごめんよ) (2019/8/21 18:20:16) |
ま | > | (ちゃんと思い出したら書きます!!!!書く書く詐欺じゃないからね!!!!!) (2019/8/21 18:20:36) |
ま | > | (あっ小説書くんだった…((え) (2019/8/21 18:22:15) |
ま | > | 【喜劇は幕を閉じたまま、あの人は帰ってこなかった。】 (2019/8/21 18:25:36) |
ま | > | その街並みの印象は、一言で言うと「最悪」だった。 (2019/8/21 18:27:38) |
ま | > | 周りの奴らから見たら、豪華で上品な都に見えるのだろう。 (2019/8/21 18:31:03) |
ま | > | でも、本当の姿はそんなもんじゃあない。 (2019/8/21 18:32:31) |
ま | > | 下の立場の奴らはとにかく貧しくて、下に見られる。いわゆる''奴隷''ってやつなのかもしれない。 (2019/8/21 18:32:56) |
ま | > | その中に俺は、赤ん坊の頃から入っていた。 (2019/8/21 18:34:16) |
ま | > | 宝石もフリルも、俺の服には一つもついていなかった。土色の、麻袋みたいな、最低な服。 (2019/8/21 18:36:25) |
ま | > | 一応家は持っていたし、食料も風呂もあったから、まだ俺の生活はマシな方だったのかもしれない。 (2019/8/21 18:37:20) |
ま | > | でも、その家は『奴隷市場』だった。 (2019/8/21 18:37:40) |
ま | > | 成長した奴らは、だんだん仕事を任せられるようになり、最終的にはどこかに引き取られる。 (2019/8/21 18:38:26) |
ま | > | それに、一度引き取った子供をまた市場に戻すことは許されない。 (2019/8/21 18:39:41) |
ま | > | つまり、捨てられたら確実に''死ぬ''。 (2019/8/21 18:39:57) |
ま | > | 子供達からは、「お腹空いた」だの、「頭がいたい」だの、そういう言葉は一切出ない。 (2019/8/21 18:42:26) |
ま | > | 自分の現状を知らないのも居るが、知ってるやつらは、周りの大人が怖くて言い出せなかったからだ。 (2019/8/21 18:43:26) |
ま | > | 周りの大人___市場の店員共は、市場の経営の話や値付けの話をしてるところしか見たことがない。 (2019/8/21 18:44:45) |
ま | > | 大人になるとそんな話をするようになるもんなのかと、ずっと俺は思っていた。 (2019/8/21 18:46:38) |
ま | > | 赤ん坊の頃から、そんな世界しか見てこなかったから、違和感なんて一つも感じていなかった。 (2019/8/21 18:47:40) |
ま | > | 憧憬する気持ちなんか、一度も生まれたことがなぃ (2019/8/21 18:49:17) |
ま | > | (キーボード…) (2019/8/21 18:49:23) |
ま | > | 知ってたやつらは、少しずつ買われていってしまった。 (2019/8/21 18:50:24) |
ま | > | それでも、寂しさを感じたことはなかった。 (2019/8/21 18:50:45) |
ま | > | 実際は、少しは感じていたのだろうか?そんなことも覚えていなかった。 (2019/8/21 18:51:42) |
ま | > | 「これが世界の掟なんだ、しょうがないんだ。」と自分に、当然のように言い聞かせていたせいだろうか。 (2019/8/21 18:52:05) |
ま | > | 俺は、大人になったらどうなるんだろうと時々考えた。 (2019/8/21 18:55:47) |
ま | > | まだ奴隷として生き残っているのか?仲間達に会えているのだろうか? (2019/8/21 18:56:07) |
ま | > | それとも、俺にはそんな未来なんか存在しないのか。 (2019/8/21 18:56:24) |
ま | > | こんな考え方をし始めたのは、何時だっただろう。 (2019/8/21 18:58:07) |
ま | > | --------------------------------------------------------------------------------------------------- (2019/8/21 18:58:26) |
ま | > | 俺がこの世に産まれ、14年の月日が経った。 (2019/8/21 19:01:01) |
ま | > | その歳になると、市場の子供達は働き始める。 (2019/8/21 19:03:51) |
ま | > | 俺は正直、働くのが楽しみだった。 (2019/8/21 19:04:00) |
ま | > | こんなことを大人達に話したら、更に軽蔑されてしまうだろうから、決して口には出さなかった。 (2019/8/21 19:04:31) |
ま | > | 理由は、俺が働くということは、俺の''相棒''が働いている場所へ行けるからだった。 (2019/8/21 19:09:43) |
ま | > | 市場の子供達に与えられる仕事は、まさに「庶民」といった感じだった。 (2019/8/21 19:13:07) |
ま | > | 一つは果物を売る仕事だった。 (2019/8/21 19:16:41) |
ま | > | 街を歩きながら、籠いっぱいに入った果物を売り続ける。 (2019/8/21 19:18:22) |
ま | > | そのまま街の奴らに何処かに連れていかれようが、それは市場にとって''他人になった''と見做される。 (2019/8/21 19:21:43) |
ま | > | 金になる奴なんていくらでもいたから、切り捨てられるものは切り捨てていたのだ。 (2019/8/21 19:23:13) |
ま | > | 俺はその仕事を任された。 (2019/8/21 19:24:00) |
ま | > | 俺は相棒と夜の街中を歩いていた。 (2019/8/21 19:27:52) |
ま | > | 因みに俺の相棒は、俗に言う''トランスジェンダー''だった。 (2019/8/21 19:31:31) |
ま | > | というか、無理やりそう育てられたらしい。 (2019/8/21 19:31:40) |
ま | > | 歳は16で、本当に女みたいに綺麗な顔立ちの、優しい男だった。 (2019/8/21 19:33:07) |
ま | > | エプロンと麻布の袖なしのワンピースを着て、長いベージュ色の髪は高い位置で結われていた。 (2019/8/21 19:39:20) |
ま | > | 俺は、トランスジェンダーのことについては全く知らない。 (2019/8/21 19:39:53) |
ま | > | でも、そいつは____俺の呼び方でいうと、兄さんは確かにいい奴だった。 (2019/8/21 19:40:27) |
ま | > | トランスジェンダーのような考え方を持つだけで人を判断する奴を嫌いになったのは、確かこいつと出会ってからだった。 (2019/8/21 19:45:24) |
ま | > | 兄さんは、仕事がひと段落すると、人目がつかない路地裏で、俺の頭を自分の方に寄せてこう言った。 (2019/8/21 19:51:33) |
ま | > | 「いつか一緒に、ここから逃げ出そう。私がどうなろうとも、アルヴァだけは絶対に逃げてちょうだいね。約束できる?」 (2019/8/21 19:55:32) |
ま | > | 「(………… (2019/8/21 19:57:02) |
ま | > | 分かんねえよ……。未来なんて。)」 (2019/8/21 19:57:17) |
ま | > | 俺はゆっくり頷きながら、兄さんの肩に顔を埋めた。 (2019/8/21 19:58:43) |
ま | > | そんな日々が続いて、俺は15になった。 (2019/8/21 20:02:30) |
ま | > | 俺はその日は仕事がなかった。 (2019/8/21 20:04:48) |
ま | > | 自分の寝床で、仕事のことを考えながら眠りにつこうとしていた。 (2019/8/21 20:05:31) |
おしらせ | > | 無言時間が20分を超えたため、まさんが自動退室しました。 (2019/8/21 20:26:22) |
おしらせ | > | まさんが入室しました♪ (2019/8/22 19:31:56) |
ま | > | すると、既にヒビが入り欠けている窓の向こうから、柑橘類の匂いがするのを感じた。 (2019/8/22 19:32:35) |
ま | > | 自分が今まで兄さんと売っていた果物の匂いだと、俺はすぐに気づいた。 (2019/8/22 19:32:54) |
ま | > | 昔から人より何倍も嗅覚が鋭く、「犬」と言われたこともあった。 (2019/8/22 19:33:28) |
ま | > | だから、その分____ (2019/8/22 19:35:15) |
ま | > | 「(…そういえば今日、何も食べてねえ。)」 (2019/8/22 19:35:31) |
ま | > | 匂いを強く感じることで、「食べたい」という感情も大きくなるものだ。 (2019/8/22 19:36:07) |
ま | > | 「(匂いの正体はクレメンタイン……匂いの強さ的に、結構窓から近い位置にあんな。)」 (2019/8/22 19:39:05) |
ま | > | 市場の子供達は、孤児院や施設の子供とは違い、拾い食いをしようが関係ない。ただ金になればそれで良いのだ。 (2019/8/22 19:40:15) |
ま | > | ただ駄目なことといえば、''大人たちの機嫌を妨げる行為をすること''だろうか。 (2019/8/22 19:42:14) |
ま | > | 俺は足音を立てないように気をつけながら、汚れな煉瓦の壁に手をつけて外へ出て行く。 (2019/8/22 19:44:01) |
ま | > | (汚れただよ…変換…) (2019/8/22 19:44:10) |
ま | > | 音を立てないようにすることは得意だった。 (2019/8/22 19:45:38) |
ま | > | 余裕で俺は外に繋がる扉の前に辿り着いた。 (2019/8/22 19:50:03) |
ま | > | 扉を開けると、生温い風がゆっくりと吹いていた。 (2019/8/22 19:52:13) |
ま | > | 勿論、外には誰もいない。もしいたとすれば、意地の悪いやつだったらすぐに俺のことを連れて行くだろうし。 (2019/8/22 19:54:11) |
ま | > | 俺はそのまま、匂いの元へと歩いて行く。 (2019/8/22 19:55:07) |
ま | > | すぐにクレメンタインは見つかった。 (2019/8/22 19:55:22) |
ま | > | しかし、俺は疑問を覚えた。 (2019/8/22 19:55:30) |
ま | > | 「(………なんで3個も落ちてるんだ?)」 (2019/8/22 19:57:12) |
ま | > | そもそも、道端に落ちてることの方が不思議だった。 (2019/8/22 19:59:10) |
ま | > | 籠から落ちたとしても、今日の仕事は兄さん一人でやっていた筈だ。 (2019/8/22 20:01:17) |
ま | > | 兄さんは仕事に一番熱心で、適当なことは何一つしなかった。仕事をし始めた日から一度もだ。それほど、俺が尊敬したがるような人だったんだ。 (2019/8/22 20:02:05) |
ま | > | …俺は、自分の血の気がサーっと引いて行くのを感じた。 (2019/8/22 20:03:42) |
ま | > | 「(まさか、兄さん………連れていかれたのか)」 (2019/8/22 20:05:33) |
ま | > | 一瞬、一人でこの街から逃げたのではないかと考えたが、その可能性は低い。 (2019/8/22 20:06:18) |
ま | > | 兄さんは、夜が嫌いだからだ。 (2019/8/22 20:07:41) |
ま | > | 兄さんは実は能力持ちで、そのことを俺だけに打ち明けてくれたのだ。 (2019/8/22 20:08:18) |
ま | > | ここに来る前、兄さんはトランスジェンダーで捨て子という事から、別の街で馬鹿にされていたらしい。 (2019/8/22 20:10:19) |
ま | > | そんな中、2匹の小さな狼を拾ったそうだ。 (2019/8/22 20:10:49) |
ま | > | その姿は俺もまだ見たことがない。紋章の様なものが額についていて、兄さんは一緒にいるうちに''幻獣''だと悟ったそうだ。 (2019/8/22 20:11:52) |
ま | > | 名前は、兄さんが知っていた神話から、黒の方がの''ハティ''、白の方が''スコル''になったらしい。 (2019/8/22 20:13:01) |
ま | > | それから兄さんは、自然とその2匹を操る能力を貰ったらしい。 (2019/8/22 20:14:10) |
ま | > | 名前は、「月影の小唄」と言った。 (2019/8/22 20:14:33) |
ま | > | でも、兄さんは元々普通の人間で、体力もあまりない。 (2019/8/22 20:14:54) |
ま | > | 能力がついたことで、何故か''闇''も怖くなったらしい。 (2019/8/22 20:15:20) |
ま | > | でも、その理由は聞かなかった。あんまり深掘りして聞くことは好きじゃないからだ。 (2019/8/22 20:20:31) |
ま | > | 俺は、足元に落ちているクレメンタインを拾う。 (2019/8/22 20:21:17) |
ま | > | 「(………… (2019/8/22 20:24:53) |
ま | > | ………あ?)」 (2019/8/22 20:25:36) |
ま | > | 慣れていたはずの爽やかなクレメンタインの香りに、何故か''違和感''を覚えた。 (2019/8/22 20:26:14) |
ま | > | 「…………ゔ''ぇっ…」 (2019/8/22 20:26:50) |
ま | > | それは、花の匂いを混ぜた様な匂いだった。 (2019/8/22 20:27:21) |
ま | > | 俺はその匂いをとても気味悪く感じた。それはもう、思わず声が出てしまう位。 (2019/8/22 20:28:13) |
ま | > | 「(………んだよこの匂い…今まで街を歩いててもこんな匂い感じたことねェ。 (2019/8/22 20:28:58) |
ま | > | ……やっぱり、兄さんは)」 (2019/8/22 20:29:08) |
ま | > | ???「そこの君。」 (2019/8/22 20:31:01) |
ま | > | 「…は」 (2019/8/22 20:31:39) |
ま | > | その時ほど、俺がこんなに恐怖心を抱いたことはなかったと思う。 (2019/8/22 20:32:33) |
ま | > | 氷の様に固まって動かなくなってしまった体を、無理やり俺は動かした。 (2019/8/22 20:34:29) |
ま | > | そこにいたのは、貴族みたいな男だった。 (2019/8/22 20:34:50) |
ま | > | 黒い艶やかな髪の、毛先より少し上の位置を紫色のリボンでまとめている。 (2019/8/22 20:37:27) |
ま | > | 仕事中に街の奴らが付けている宝石の様な、至極色の優しい目を持っていて、とても背が高い。顔には微笑を浮かべていた。 (2019/8/22 20:39:59) |
ま | > | ???「君、市場の子だろう。悪いことはしないさ。…君を一目見て気に入った。 (2019/8/22 20:41:23) |
ま | > | どうだい、うちの店に来てくれないか。」 (2019/8/22 20:41:35) |
ま | > | 「………誰が……ッ………俺は…」 (2019/8/22 20:42:57) |
ま | > | 俺は現状に耐えきれず、思わず後ずさりした。 (2019/8/22 20:43:38) |
ま | > | それが失敗だった。 (2019/8/22 20:53:03) |
ま | > | グラッ (2019/8/22 20:53:26) |
ま | > | 「…あ」 (2019/8/22 20:53:46) |
ま | > | 俺の後ろには、崩れかけの石壁があった。 (2019/8/22 20:54:41) |
ま | > | (石壁じゃないよ……積み上げられた煉瓦だよ…) (2019/8/22 20:57:44) |
ま | > | それに運悪く強くぶつかってしまい、当然、後ろの煉瓦は______ (2019/8/22 21:00:23) |
ま | > | ___俺に向かい、崩れ落ちてきた。 (2019/8/22 21:03:23) |
ま | > | -------------------------------------------------------------- (2019/8/22 21:03:42) |
おしらせ | > | まさんが退室しました。 (2019/8/22 21:05:14) |
おしらせ | > | まつ。さんが入室しました♪ (2019/9/1 15:33:54) |
まつ。 | > | 【 (2019/9/1 15:36:48) |
まつ。 | > | (うわ誤爆) (2019/9/1 15:36:55) |
まつ。 | > | 1.月下美人の足跡追って (2019/9/1 15:39:56) |
まつ。 | > | 「…………ッ」 (2019/9/1 15:42:54) |
まつ。 | > | 右目を擦り、数秒間そのままぼーっと斜め下を見つめる。 (2019/9/1 15:46:38) |
まつ。 | > | 「いっ………!?…は?」 (2019/9/1 15:49:37) |
まつ。 | > | 突然下腹辺りに激痛が走り、そこでようやく目が覚めた。 (2019/9/1 15:50:47) |
まつ。 | > | 痛みは一瞬強く起こるとすぐにゆっくりやみはじめていった。 (2019/9/1 15:52:24) |
まつ。 | > | 「(………待てよ。)」 (2019/9/1 15:54:39) |
まつ。 | > | そう、俺には、その時痛みより驚くものがあった。 (2019/9/1 15:55:54) |
まつ。 | > | 俺の今いる場所だ。 (2019/9/1 15:56:06) |
まつ。 | > | 今まで寝たことがないくらい柔らかく、光沢があってザラザラしていないベッド。 (2019/9/1 15:58:24) |
まつ。 | > | 市場の子供達が使い破れてしまった服以外を被って寝ることも初めてだ。 (2019/9/1 15:59:38) |
まつ。 | > | 若菜色の壁には草花の模様が描かれていて、金色の縁のある汚れがないガラス窓からは、優しい日光が注がれていた。 (2019/9/1 16:06:19) |
まつ。 | > | そんな光景に目を見開いていると、部屋の戸が開いた。 (2019/9/1 16:14:54) |
まつ。 | > | 入ってきたのは、優しい微笑みを浮かべ、飲み物を持った男だった。 (2019/9/1 16:20:02) |
まつ。 | > | そこで俺の心から、興味や好奇心など消え去った。 (2019/9/1 16:22:55) |
まつ。 | > | 俺は遂に、人間に買われてしまったのだ。 (2019/9/1 16:23:47) |
まつ。 | > | 「……回復したみたいだね。」 (2019/9/1 16:26:03) |
まつ。 | > | 「(………… (2019/9/1 16:29:21) |
まつ。 | > | さっきの匂いだ。)」 (2019/9/1 16:30:52) |
まつ。 | > | さっき、クレメンタインから感じた、あの匂いだ。 (2019/9/1 16:32:29) |
まつ。 | > | たしかにこの男からその匂いは漂っていた。街中の女性はこんな匂いが好きなのだと思うと、吐き気がする。 (2019/9/1 16:33:29) |
まつ。 | > | 確かに、この男は顔立ちはいいのだろうが…… (2019/9/1 16:34:49) |
まつ。 | > | どうせ人に好かれたいだけの気取り屋なんだろう。 (2019/9/1 16:36:06) |
まつ。 | > | 俺が心が腐っているだけなのだろうか。 (2019/9/1 16:36:37) |
まつ。 | > | 男は俺の方に歩み寄ってくる。 (2019/9/1 16:38:44) |
まつ。 | > | 「………ここ、痛むかい。」 (2019/9/1 16:39:26) |
まつ。 | > | 心配そうな顔でそういうと、男は下腹を触ってこようとした。 (2019/9/1 16:42:34) |
まつ。 | > | 俺はその瞬間ゾッとして、後ずさりしようとした。 (2019/9/1 16:46:08) |
まつ。 | > | すると、また下腹に激痛が走り、俺は思わず「うぐッ…」と声をあげ、下腹を抑えた。 (2019/9/1 16:47:22) |
まつ。 | > | 男は俺の行動を見て下腹の状態を理解したようで、手を引っ込めた。 (2019/9/1 16:47:58) |
まつ。 | > | 「…困ったな。やはり、あの数の煉瓦では全完治は不可能だったか。」 (2019/9/1 16:51:35) |
まつ。 | > | 男は顎に指を当て、「うーん…」と小声で唸った。 (2019/9/1 16:52:56) |
まつ。 | > | 俺はその男をじっと見つめていた。 (2019/9/1 16:54:57) |
まつ。 | > | すると、男は俺の視線に気づき、また微笑んだ。さっきより、更に優しい微笑だった。 (2019/9/1 16:56:30) |
まつ。 | > | 「…僕は、君に手荒な真似をしたりしないよ。我が子のように、自由に暮らしてくれれば良い。 (2019/9/1 16:57:59) |
まつ。 | > | 「……。」 (2019/9/1 16:59:48) |
まつ。 | > | 「………君は、僕の思い人に似ている。」 (2019/9/1 17:00:52) |
まつ。 | > | すると、男はマホガニーの小さな机の方を見た。 (2019/9/1 17:03:24) |
まつ。 | > | そこには、俺と髪の色、長さ、目の色も一致している、小柄で冷たい表情をしている女の写真があった。 (2019/9/1 17:05:31) |
まつ。 | > | 「………女じゃねえか。」 (2019/9/1 17:05:43) |
まつ。 | > | すると男は、「まあ、そうなんだけれど。」と付け加えた。 (2019/9/1 17:06:32) |
まつ。 | > | 「この人は、私の従姉妹に当たる人だったんだ。でも、一度しか会ったことがない。 (2019/9/1 17:13:07) |
まつ。 | > | この写真は、写真家だった姉から貰ったんだ。会おうとしても、もうこの世界にはいないから。」 (2019/9/1 17:15:32) |
まつ。 | > | 「(…………従姉妹の上に、死人なのかよ。思い人ってことは………そういうことなんだろうな。)」 (2019/9/1 17:27:34) |
まつ。 | > | 正直、男の話の中で、俺はそこにだけ興味を抱いた。 (2019/9/1 17:28:44) |
まつ。 | > | 知らないやつ…まあこれから嫌でも関わっていくんだろうが、そんな奴の話に興味はない。 (2019/9/1 17:31:23) |
まつ。 | > | 「従姉妹」「死人」「思い人」って言うキーワード以外は、ずっと聞き流していた。 (2019/9/1 17:36:03) |
まつ。 | > | (キーワードじゃないな………((単語だ) (2019/9/1 17:37:28) |
まつ。 | > | 「……お前はいつか、俺を危険な目に合わせる。 (2019/9/1 17:43:33) |
まつ。 | > | 市場の子供達はそういう運命なんだよ。マジで言ってんなら、あんた随分変わり者なんだな。」 (2019/9/1 17:44:16) |
おしらせ | > | 無言時間が20分を超えたため、まつ。さんが自動退室しました。 (2019/9/1 18:39:53) |
おしらせ | > | まつ。さんが入室しました♪ (2019/9/2 21:07:51) |
まつ。 | > | 頬杖をついて、「ハッ」と軽く嘲笑った。 (2019/9/2 21:08:42) |
まつ。 | > | 少しでも、相手の気分を悪くさせてやりたかった。 (2019/9/2 21:10:46) |
まつ。 | > | この部屋にいても嫌な気分はしないのだが、この香りにはどうにも慣れなかったのだ。 (2019/9/2 21:12:32) |
まつ。 | > | 今まで感じた香りで嫌だったものは数少ない。蛆虫に食い散らかされた鼠の死体の匂い。市場の人間が吸ったタバコの匂い。 (2019/9/2 21:15:18) |
まつ。 | > | でも、こんなに気取った華美な匂いは、トップレベルで最悪に感じられた。 (2019/9/2 21:18:09) |
まつ。 | > | 「…うわっ」 (2019/9/2 21:20:04) |
まつ。 | > | 「まあまあ、これでも飲んで落ち着いてよ。」 (2019/9/2 21:22:18) |
まつ。 | > | にっこり笑みを浮かべ両手を握ってきたと思えば、その手に持っていた飲み物のカップを持たせてきた。 (2019/9/2 21:23:54) |
まつ。 | > | (うわ色) (2019/9/2 21:24:05) |
まつ。 | > | 中には、強い爽やかな匂いを放つオレンジティーが入っていた。 (2019/9/2 21:26:08) |
まつ。 | > | 俺は、その香りですぐに気づいた。 (2019/9/2 21:27:37) |
まつ。 | > | 「……この果実」 (2019/9/2 21:28:03) |
まつ。 | > | それは、クレメンタインの匂いだった。 (2019/9/2 21:28:17) |
まつ。 | > | いつも嗅ぎ慣れている、籠一杯に入ったあの匂いだった。 (2019/9/2 21:28:34) |
まつ。 | > | 「?………ああ、君と出会う前…昨日だね。果物売りをしていた女性がくれたんだ。」 (2019/9/2 21:32:26) |
まつ。 | > | 「昨日」「果物売りをしていた女性に」。 (2019/9/2 21:33:49) |
まつ。 | > | その言葉らを書かれた貼り紙が、強く心に叩きつけられたような…そんな気持ちになった。 (2019/9/2 21:34:32) |
まつ。 | > | 「そいつと………今日はあったか?」 (2019/9/2 21:38:17) |
まつ。 | > | 俺は男の話を遮って、早口でそう問いた。 (2019/9/2 21:41:18) |
まつ。 | > | 男は頭を掻きながら、また「うーん…」と唸った。 (2019/9/2 21:44:28) |
まつ。 | > | 「見たよ。いつも目に入ってきてたからね…街人達よりみすぼらしいけど、顔は美しく見えたから。 (2019/9/2 21:47:25) |
まつ。 | > | でも、もしかしたら違う人かもしれないからねェ……姿もすっかり変わっちゃってたよ。別人なんじゃあないかな。」 (2019/9/2 21:48:02) |
まつ。 | > | 「…………そ。」 (2019/9/2 21:48:51) |
まつ。 | > | 回答を聞いて、がっかりした。 (2019/9/2 21:49:00) |
まつ。 | > | 姉さんは''トランスジェンダー''だった。何年たっても変わらなかったあの姿が、しかも1日で変わるだなんて、明らかに可能性は低すぎる。 (2019/9/2 21:50:34) |
まつ。 | > | 下腹の痛みがまた起こると面倒なので、ベッドから動くことはできなかった。 (2019/9/2 21:51:27) |
まつ。 | > | 今の不自由な自分の体の現状にイラつき、俺は小さく溜息をついた。 (2019/9/2 21:53:37) |
まつ。 | > | でも、溜息ひとつで俺の感情は安定しなかった。試しに一口だけ、オレンジティーを啜る。 (2019/9/2 21:55:11) |
まつ。 | > | 「(…………気に入らねえ味。)」 (2019/9/2 21:56:26) |
まつ。 | > | 思わず顔をしかめそうになったが、人からの親切を断るのは流石に嫌だったので、キュッと唇を閉じてなんとか我慢した。 (2019/9/2 21:59:31) |
まつ。 | > | どちらにせよ、男は重そうな本に目を通していたので、俺の反応は見ていなかった。 (2019/9/2 22:02:39) |
まつ。 | > | 我慢しながら紅茶を全部飲み干し、男を横目で見る。 (2019/9/2 22:09:41) |
まつ。 | > | 「(…………こいつ、本当に変な奴だな。 (2019/9/2 22:12:01) |
まつ。 | > | いきなり俺を拾ったかと思えばずっとニコニコしてて、自分話するだの茶を出すだの……掴み所がねェ。)」 (2019/9/2 22:13:05) |
まつ。 | > | 目を細め、男の様子を後ろのベッドからじーっと見つめる。 (2019/9/2 22:15:42) |
まつ。 | > | 「(……いや……姉さんの探索では、こっちの方が都合がいいかもしれねえな。)」 (2019/9/2 22:16:10) |
まつ。 | > | そんな考えが頭をよぎった。 (2019/9/2 22:20:52) |
まつ。 | > | 正直、この男もこの香りも、全く気に入らない。 (2019/9/2 22:21:09) |
まつ。 | > | じゃあ、ここを''一時期の宿''だと思って暮らしていけばいい。 (2019/9/2 22:21:22) |
まつ。 | > | 男も、俺に自由に暮らしていいと言ったんだ。外に出たって構わないだろう。 (2019/9/2 22:21:42) |
まつ。 | > | このラッキーな状況を使っていかなくては、後々何か損する気がする。 (2019/9/2 22:23:05) |
まつ。 | > | 俺はそう決断すると、早速その作戦実行に取り掛かる。 (2019/9/2 22:32:41) |
まつ。 | > | 「…あんたの親切な気持ちはわかった。 (2019/9/2 22:32:54) |
まつ。 | > | あんたは、今まで見てきた奴らとは違う。きっと良心を持った人間って奴なんだろうよ。 (2019/9/2 22:33:27) |
まつ。 | > | …だから」 (2019/9/2 22:33:32) |
まつ。 | > | 俺はニヤリと笑う。 (2019/9/2 22:34:11) |
まつ。 | > | 「賭けに乗ることにしようじゃねえか。」 (2019/9/2 22:34:40) |
まつ。 | > | 「…賭け………僕にかける、ってことかなぁ。」 (2019/9/2 22:37:05) |
まつ。 | > | 「物分かりがいいんだな。流石大人ってこった。」 (2019/9/2 22:37:29) |
まつ。 | > | 男は混乱していない様子で、微笑みを崩さずに俺の言葉に答えた。 (2019/9/2 22:38:05) |
まつ。 | > | 「俺はこの怪我が…まあ、完治とは言わねえ。痛みをだいぶ感じなくなったら、外に1日に1回は出て行く。 (2019/9/2 22:42:15) |
まつ。 | > | 俺はな、そいつを探してんだ。果物を売ってたその女を。」 (2019/9/2 22:42:56) |
まつ。 | > | 「…家族、かい?」 (2019/9/2 22:43:43) |
まつ。 | > | …そんなこと聞いて何になるのだろうか。 (2019/9/2 22:47:34) |
まつ。 | > | 変な質問や回答を重ねる男への違和感は消えないままだ。 (2019/9/2 22:48:03) |
まつ。 | > | 「…まあ、そんなとこだ。…それよりも、あんた……あー…名前。」 (2019/9/2 22:49:18) |
まつ。 | > | 「名前?アビゲイル・クルコヴァだよ。」 (2019/9/2 22:52:39) |
まつ。 | > | 本に栞を挟めながら、男は名前を答えた。 (2019/9/2 22:55:01) |
まつ。 | > | 市場に売られていた子供(俺も含める)の名前は、殆どが電話帳などから適当に取ってきたものだった。 (2019/9/2 23:00:21) |
まつ。 | > | だから、「アビゲイル・クルコヴァ」という響きは、なんだか美美しいものだと思った。 (2019/9/2 23:00:51) |
まつ。 | > | 「…じゃあ、アビゲイル…様をつけたほうがいいなら、別に俺は言う通りにするさ。ここは自由も何も関係ねえだろ?」 (2019/9/2 23:03:03) |
まつ。 | > | アビゲイルはそう言われると、顎に指を当てる。きっとこれが、考える時の癖なんだろう。 (2019/9/2 23:05:28) |
まつ。 | > | 「……そうだなあ…じゃあ (2019/9/2 23:07:19) |
まつ。 | > | 気軽に、「アビー」って呼んでおくれよ!」 (2019/9/2 23:08:47) |
まつ。 | > | …驚いた。まさかの愛称呼びか。 (2019/9/2 23:09:49) |
まつ。 | > | 「…上下関係っていうのは望まないってことか?」 (2019/9/2 23:10:20) |
まつ。 | > | 「家族に上下関係って、そんなにいるもの?」 (2019/9/2 23:11:22) |
まつ。 | > | また、あの奥が見えない微笑みを浮かべ、首を傾げながら答える。 (2019/9/2 23:11:49) |
おしらせ | > | まつ。さんが退室しました。 (2019/9/2 23:27:35) |
おしらせ | > | まつ。さんが入室しました♪ (2019/9/3 19:08:48) |
まつ。 | > | 「…俺は正しい家族ってもんが分からないからな。」 (2019/9/3 19:10:01) |
まつ。 | > | 「…そっかぁ。」 (2019/9/3 19:10:43) |
まつ。 | > | アビーは、何枚もの栞を挟み終わり、ようやく本を閉じた。 (2019/9/3 19:11:26) |
まつ。 | > | 「…でも、面白いね。…あ、滑稽、という言葉の方が合うかなぁ。」 (2019/9/3 19:14:10) |
まつ。 | > | 「……滑稽?なんだそれ。」 (2019/9/3 19:14:21) |
まつ。 | > | 「…ああ、まあ、あまり街の人たちは使わないからね。面白くおかしいことを指すんだ。」 (2019/9/3 19:16:45) |
まつ。 | > | …こいつも街の人だろうに… (2019/9/3 19:17:41) |
まつ。 | > | 「まあ、僕達は家族になれる、ってことでいいんだよね?」 (2019/9/3 19:23:23) |
まつ。 | > | アビーは、机に置いていた自分のオレンジティーを飲もうと、カップを手に取った。オレンジティーは、きっと冷めきっているに違いない。 (2019/9/3 19:55:56) |
まつ。 | > | 「ああ。俺は、慣れるのにだいぶ時間がいるだろうが………そこは許してくれ。」 (2019/9/3 19:59:58) |
まつ。 | > | まあ心から親しくするつもりなんか、さらさらないが。 (2019/9/3 20:00:54) |
おしらせ | > | 無言時間が20分を超えたため、まつ。さんが自動退室しました。 (2019/9/3 20:30:25) |
おしらせ | > | まつ。さんが入室しました♪ (2019/9/7 14:31:51) |
まつ。 | > | 「……あ、そうそう。」 (2019/9/7 14:32:09) |
まつ。 | > | 何かを思い出したようだ。いつの間にか、彼の持っているカップは空になっていた。 (2019/9/7 14:33:29) |
まつ。 | > | 「僕、毎日22時以降になると、少し出かけるんだ。………だから、22時以降には、家を開けないでくれないかい?…あ、正式には''店''だね。」 (2019/9/7 14:40:35) |
まつ。 | > | 「………店?」 (2019/9/7 14:42:39) |
まつ。 | > | ここ、店だったのか…。 (2019/9/7 14:42:54) |
まつ。 | > | 「僕は調香師だからね。香水を作る人。結構、名は知れている方なんだよ?」 (2019/9/7 14:44:23) |
まつ。 | > | ………ああ、それで。 (2019/9/7 14:44:37) |
まつ。 | > | アビーから漂ってくるこの華美な香り…''色々な花が混ざったような''香りだったのは、きっと店の複数の香水の香りが付いてしまったせいなのだろう。 (2019/9/7 14:48:15) |
まつ。 | > | じゃあこの男……いや、街の奴ら、嗅覚イかれてるんじゃないか。 (2019/9/7 14:51:39) |
まつ。 | > | こんな奴の店、俺が''普通の''街のやつだとしたら、絶対に入らないと思う。 (2019/9/7 14:52:57) |
まつ。 | > | …いや、ここに住む事にした時点で、店に入るとかの問題じゃねえな。 (2019/9/7 14:54:02) |
まつ。 | > | 「………分かった。決めた約束は必ず守る。」 (2019/9/7 14:54:30) |
まつ。 | > | 俺の答えを聞いて、男は安心した様子だった。 (2019/9/7 14:55:32) |
まつ。 | > | そして、どこか嬉しそうだった。 (2019/9/7 14:55:38) |
まつ。 | > | 「…さて、と。お茶だけではお腹は満たされないだろう?ちょうどクロックムッシュを作ろうとしていたんだ。昨日は何も食べてなかったもんで…」 (2019/9/7 15:01:35) |
まつ。 | > | 「…くろ…む…?」 (2019/9/7 15:02:40) |
まつ。 | > | 聞いたことのない料理名を聞き返してみようとしたが、上手く言えなかった。 (2019/9/7 15:03:47) |
まつ。 | > | 「ああ………うーん。大まかに言えば、パンを使った料理さ。この街の店では、時々朝食のメニューとして出ていてね。」 (2019/9/7 15:10:56) |
まつ。 | > | パンと聞いて、俺の頭に思い浮かんだのは、市場にいた時の思い出だった。 (2019/9/7 15:11:22) |
まつ。 | > | 俺が10歳くらいの頃、俺に懐いていた、パーシーという5歳の男の子のこと。 (2019/9/7 15:16:17) |
まつ。 | > | パーシーは、市場の大人が出かけている日に市場から脱走し、俺が姉さんに頼んで連れ帰ってきてもらったことがある。 (2019/9/7 15:17:56) |
おしらせ | > | 無言時間が20分を超えたため、まつ。さんが自動退室しました。 (2019/9/7 15:49:15) |
おしらせ | > | モン族さんが入室しました♪ (2019/9/9 19:56:15) |
モン族 | > | その翌日、姉さんに聞いた話だった。 (2019/9/9 19:57:22) |
モン族 | > | 見つけた時、パーシーは河川近くに居て、そこでパンを食べていたらしい。 (2019/9/9 19:59:18) |
おしらせ | > | 無言時間が20分を超えたため、モン族さんが自動退室しました。 (2019/9/9 20:20:12) |
おしらせ | > | モン族さんが入室しました♪ (2019/9/10 19:05:12) |
モン族 | > | すっかり硬くなったパンをふやかすためだったのだろう…… (2019/9/10 19:05:54) |
モン族 | > | ………汚い川の水につけていた。 (2019/9/10 19:06:49) |
モン族 | > | 結局、パーシーは帰ってきてから間も無くなくなった。 (2019/9/10 19:07:06) |
モン族 | > | 一度脱走した子を連れ帰ってきて、しかもすぐに死んだ。いらないゴミが増えた。大人達はひどく怒っていた。 (2019/9/10 19:09:21) |
モン族 | > | 姉さんが怒られていた姿をこっそり見ていたので、よく覚えている。 (2019/9/10 19:11:38) |
モン族 | > | ズキッ (2019/9/10 19:15:28) |
モン族 | > | 「ぁ''ぅっ………クソッこの腹痛……ッ!!!」 (2019/9/10 19:16:12) |
モン族 | > | 「…………それにしても…」 (2019/9/10 19:18:40) |
モン族 | > | 確か、俺がここに連れて来られる前の、あの瞬間……… (2019/9/10 19:21:24) |
モン族 | > | 俺は、後ろにあった煉瓦の壁が崩れてきて、それに巻き添えを食らった。 (2019/9/10 19:22:41) |
おしらせ | > | 無言時間が20分を超えたため、モン族さんが自動退室しました。 (2019/9/10 19:44:55) |
おしらせ | > | モン族さんが入室しました♪ (2019/9/10 19:50:32) |
モン族 | > | だとしたら、腹をざっくり切る位じゃ済まない筈だ。 (2019/9/10 19:52:19) |
モン族 | > | 骨折もするだろうし、下敷きになったのならば頭を強打し、確実に死ぬ。 (2019/9/10 19:55:15) |
モン族 | > | なのに、今の俺は腹の負傷だけで済んでいる。 (2019/9/10 19:56:39) |
モン族 | > | 自分の現状には、不思議なところがありすぎる。 (2019/9/10 19:59:06) |
モン族 | > | 俺は、自分の服をたくし上げる。 (2019/9/10 20:02:20) |
モン族 | > | 腹は包帯でぐるぐる巻きにされていて、その包帯には真っ赤な血が滲んでいた。 (2019/9/10 20:04:28) |
モン族 | > | 「………あっ」 (2019/9/10 20:09:32) |
モン族 | > | 部屋の扉の向こうから、今まで嗅いだことがない、凄いうまそうな匂いを感じた。 (2019/9/10 20:13:15) |
モン族 | > | その匂いがどんどん近づいてきていることもすぐに気づき、アビーがクロックムッシュとかいうやつを持ってきていると、すぐにわかった。 (2019/9/10 20:17:32) |
モン族 | > | 俺は服をすぐに直し、扉から視線を逸らした。 (2019/9/10 20:20:42) |
モン族 | > | 視線を逸らしたのと同時に、部屋の扉が開いた。 (2019/9/10 20:24:54) |
モン族 | > | 「出来たよ。口に合うといいんだけど…」 (2019/9/10 20:30:06) |
モン族 | > | 「!!」 (2019/9/10 20:30:14) |
モン族 | > | アビーは、俺の寝ているベッドのすぐ横に小さな机を移動し、その上にクロックムッシュが乗った皿を置いた。 (2019/9/10 20:34:12) |
モン族 | > | クロックムッシュと呼ばれているその料理は、俺が食ってきた中で、一番うまそうで、一番不思議だった。 (2019/9/10 20:39:56) |
モン族 | > | 今まで4分の1に切り分けられて出されていた食パンが、しっかり1枚分揃っている。しかも2枚あるのだ。 (2019/9/10 20:41:59) |
モン族 | > | しかも、二枚のパンの間にはハムとチーズが挟んである。チーズは、小さい頃に一欠片だけ食べた記憶があるが、とても美味しかった。 (2019/9/10 20:45:43) |
モン族 | > | パンの上にも、チーズのようなソースがかかっていて、俺は涎が出そうになるのを抑えた。 (2019/9/10 20:47:27) |
モン族 | > | 「………いただき、ます。」 (2019/9/10 20:53:22) |
モン族 | > | 「はぁい。偉いじゃないか。マナーをしっかり守るのは良いことだ。」 (2019/9/10 20:54:07) |
モン族 | > | 「……本当は、食事前の挨拶なら1分くらいかかる。」 (2019/9/10 20:54:46) |
モン族 | > | 「わあ。」 (2019/9/10 20:55:07) |
モン族 | > | アビーは驚いてるのか、俺が自分の言葉に答えたことを喜んでいるのか…目をキラキラさせながら、そんな表情をしている。 (2019/9/10 20:56:36) |
モン族 | > | 一方、俺はクロックムッシュの匂いに少しずつ惹かれていった。 (2019/9/10 20:58:31) |
モン族 | > | そしてついに、その食事の宝物を手に取った。 (2019/9/10 20:59:43) |
モン族 | > | 食べようと口を開けた瞬間少し戸惑ったが、結果、匂いの誘惑に負け、クロックムッシュに思いっきりかぶりついた。 (2019/9/10 21:01:46) |
モン族 | > | 「あっごめん、僕フォークとナイフ出してなかったね………?どうしたの?」 (2019/9/10 21:03:31) |
モン族 | > | 「・・・ (2019/9/10 21:06:15) |
モン族 | > | 美味ェ。」 (2019/9/10 21:06:21) |
モン族 | > | 「!ふふっ、そうでしょう〜?僕が作ったんだから美味しくないわけがn…………聞いてないねぇ君…」 (2019/9/10 21:07:26) |
おしらせ | > | 無言時間が20分を超えたため、モン族さんが自動退室しました。 (2019/9/10 21:51:51) |
おしらせ | > | モン族さんが入室しました♪ (2019/9/11 09:32:50) |
モン族 | > | 俺は一心不乱に、それにかぶりつく。 (2019/9/11 09:33:50) |
モン族 | > | 手にソースがちょっとかかったけど気にしなかった。 (2019/9/11 09:34:08) |
モン族 | > | いつの間にか、俺の両手の中から、それは無くなっていた。 (2019/9/11 09:34:40) |
モン族 | > | 「ご馳走様。」 (2019/9/11 09:35:14) |
モン族 | > | 「はぁい。…そんなに気に入ってもらえるは思ってなかったなぁ…。」 (2019/9/11 09:35:55) |
モン族 | > | 彼は満足したようで、そして自慢げな笑みを浮かべて言った。 (2019/9/11 09:36:25) |
モン族 | > | 「……あんなの食べたことねえからな……あ、こいつに影響は出ないのか。」 (2019/9/11 09:38:44) |
モン族 | > | 俺は自分の腹を指して問う。 (2019/9/11 09:39:09) |
モン族 | > | 「ああ、それなら心配ないよ。君、強運の持ち主みたいだしね。」 (2019/9/11 09:41:18) |
モン族 | > | 「……だとしても、幸運すぎやしねえか?確か俺、煉瓦の下敷きになったんだよな」 (2019/9/11 09:41:49) |
モン族 | > | 「…ああ、それは」 (2019/9/11 09:42:26) |
モン族 | > | アビーが質問に答えかけた時、部屋の外から鈴の音が聞こえてきた。 (2019/9/11 09:43:19) |
モン族 | > | (間違えたベルだわ) (2019/9/11 09:43:28) |
モン族 | > | 「あ、客人が来たみたいだね……この話は、また次に。」 (2019/9/11 09:44:03) |
モン族 | > | アビーは人差し指を唇にあて、微笑んだ。 (2019/9/11 09:48:45) |
モン族 | > | 部屋から出て行ってから、香水の匂いが消えていることに気づいた。 (2019/9/11 09:49:12) |
モン族 | > | 「・・・何年かかるんだろうなァ。」 (2019/9/11 09:49:41) |
モン族 | > | 「一時期の宿」とはいっても、その一時期というのは、本当に長いと思う。 (2019/9/11 09:50:12) |
モン族 | > | 姉さんを見つけることができたらここから出て行けるが、もし見つからなかった場合には… (2019/9/11 09:50:54) |
モン族 | > | …いや、悪い方向に考えるのは、この際よそう。 (2019/9/11 09:52:10) |
モン族 | > | 俺は腹を気遣い、ゆっくりとベッドに横たわった。 (2019/9/11 09:53:10) |
モン族 | > | 流石に、もう一度寝ることはできなかった。 (2019/9/11 09:54:37) |
モン族 | > | (2019/9/11 09:54:40) |
モン族 | > | 1.月下美人の足跡追って【終】 (2019/9/11 09:54:58) |
おしらせ | > | モン族さんが退室しました。 (2019/9/11 09:55:04) |
おしらせ | > | モン族さんが入室しました♪ (2019/9/11 10:34:59) |
モン族 | > | はなちゃんの見てたら描きたくなっちゃった…((((ネタのやつ (2019/9/11 10:35:23) |
モン族 | > | (2019/9/11 10:35:32) |
モン族 | > | (といっても自キャラ多め) (2019/9/11 10:35:50) |
モン族 | > | アルヴァ「この前まで牛乳ばっか飲んでたんだけどよ…背伸びるっていうだろ」オギー「えっ伸ばそうとしてたの?」アルヴァ「どういうことだテメエ💢…………で、まあそれでなんだが (2019/9/11 10:37:06) |
モン族 | > | 身長伸びずに骨密度だけめっちゃ上がった。」 (2019/9/11 10:37:20) |
モン族 | > | エメイル「ア'''ァァァァーーーーーッッ!!!!やだーーー!!!!絶対離さないもんネーーーッッ!!!!」 (2019/9/11 10:40:31) |
モン族 | > | ライグ「HA☆NA☆SE私のお嫁さんに迷惑かかるでしょうがッッッッ!!!!!!!!!」 (2019/9/11 10:40:53) |
モン族 | > | ヨン(真顔で防犯ブザーを鳴らす) (2019/9/11 10:41:05) |
モン族 | > | (2019/9/11 10:41:28) |
モン族 | > | まつり「最近私の名前使って馬鹿みたいなこと言ってる奴がいるらしいの………誰かって?私の親よ」 (2019/9/11 10:43:19) |
モン族 | > | (2019/9/11 10:43:21) |
モン族 | > | パルディ「姉さんはいっつもそうや!!!!!面倒な話の途中で自然に話すり替えようとするのやめて!!!!!全然自然ちゃうから!!!!!」 (2019/9/11 10:46:03) |
モン族 | > | レパーニャ「風が私に囁いている_____('ω')」 (2019/9/11 10:46:31) |
モン族 | > | (2019/9/11 10:46:47) |
モン族 | > | マリー「あの…ちょっと対義語言ってみてくれません?なんでも答えますんで」 (2019/9/11 10:47:18) |
モン族 | > | アーテル「いきなり何言い出すのお前…………じゃあ…きゃりーぱみゅぱみゅ」 (2019/9/11 10:47:36) |
モン族 | > | マリー「…… (2019/9/11 10:47:40) |
モン族 | > | ジョニーゴリゴリ。」 (2019/9/11 10:47:43) |
モン族 | > | (2019/9/11 10:47:45) |
モン族 | > | レティシア(学パロ)「いやー危なかった…さっき廊下で追いかけっこしてたら先生に見つかったんだよ。どうなったと思う? (2019/9/11 10:49:41) |
モン族 | > | 怒られたよ___(凄い自慢げ)」 (2019/9/11 10:49:55) |
モン族 | > | (2019/9/11 10:49:57) |
モン族 | > | レント「話の途中でいきなり「どうなったと思う?」って聞かれた時の対応がすごい困る」 (2019/9/11 10:50:22) |
モン族 | > | (2019/9/11 10:51:28) |
モン族 | > | ジャンヌ「おなかいたい……」 (2019/9/11 10:51:55) |
モン族 | > | レント「え!?大丈夫!?!?!?トイレ一緒に行く!?!?!?!???」 (2019/9/11 10:52:19) |
モン族 | > | ジャンヌ「(´・ω・`)(そういういたみじゃない…)」 (2019/9/11 10:52:36) |
モン族 | > | (2019/9/11 10:54:36) |
モン族 | > | リュウセイ(学パロ)「一学期の頃のことなんだけどよ、ニコって奴いるだろ?あいつおでこ指でつついて「おっちょこちょいなんだから〜♪」っていう奴嫁にやりたかったらしいんだよ。 (2019/9/11 10:57:44) |
モン族 | > | そうしたらやっとその嫁にやれる時が来たらしいんだけど… (2019/9/11 10:58:14) |
モン族 | > | 何トチ狂ったか知らねえが「やだーすっとこどっこいなんだからー!!!!!!!」って言って全力で押しちまって突き指したらしいのな。 (2019/9/11 10:59:04) |
モン族 | > | その一撃で嫁はびっくりしたらしくて、周りの奴らから「秘孔をついた」って言われた挙句、一時期あだ名「北斗」になったんだぜ。じゃあそっちのクラスで、あいつよろしくな。」 (2019/9/11 11:00:07) |
モン族 | > | (2019/9/11 11:00:18) |
おしらせ | > | 無言時間が20分を超えたため、モン族さんが自動退室しました。 (2019/9/11 11:47:33) |
おしらせ | > | まっつん母さんさんが入室しました♪ (2019/9/17 20:08:06) |
まっつん母さん | > | イーヴァの過去小説も同時進行していきます((チャプターごとに交代交代で進めていきます (2019/9/17 20:09:10) |
まっつん母さん | > | (2019/9/17 20:09:12) |
まっつん母さん | > | イーヴァ・ウィッキンズ。イヴ(Ib)という愛称で親しまれていたその少女は (2019/9/17 20:11:56) |
まっつん母さん | > | 一通の手紙を開きました。 (2019/9/17 20:12:20) |
まっつん母さん | > | 『イーヴァ・ウィッキンズ様。 (2019/9/17 20:12:37) |
まっつん母さん | > | 貴方の臓器と、ミニー・メイ様の臓器が適合いたしました。』 (2019/9/17 20:14:23) |
まっつん母さん | > | 【ティーカップを落とすまで、後数日】 (2019/9/17 20:16:13) |
まっつん母さん | > | ドイツのミュンヘンにある『ひなの憩い場』と名付けられたその孤児院では、幾らか子供達の数が多くなってきていた。 (2019/9/17 20:23:22) |
まっつん母さん | > | 乳児院が存在しないドイツでは、施設に入るケースは大まかに分けて二つ。 (2019/9/17 20:26:51) |
まっつん母さん | > | 1つは、''里親の元で暮らすのが難しい、特別な事情がある''というケース。 (2019/9/17 20:27:18) |
まっつん母さん | > | もう1つは、''両親の更生が見込まれるため、短期の滞在が予測される''というケース。この二つのみに限定される。 (2019/9/17 20:28:45) |
まっつん母さん | > | イーヴァ・ウィッキンズと名付けられたその少女は、前方のケースで『ひなの憩い場』に住む『雛』となっていた。 (2019/9/17 20:29:39) |
まっつん母さん | > | (2019/9/17 20:33:11) |
まっつん母さん | > | その孤児院は、人が行き来する中心街にある駅の蒸気機関車に乗って、20分程度かかる位の距離にあった。 (2019/9/17 20:35:30) |
まっつん母さん | > | 中心街で見る洒落た景色とは程遠い拓けた草原に、どんと構えたように聳え立ち、周りには、蔓薔薇が所々に巻きついた大きな鉄柵があった。 (2019/9/17 20:39:58) |
まっつん母さん | > | 門から玄関までは、暗い色をした煉瓦の道が続いていた。 (2019/9/17 20:45:57) |
まっつん母さん | > | その道を境に広がるアネモネは、暖かな日光が注ぐのどかな草原で見られるならばそれはそれは美しいものなのだろう。 (2019/9/17 20:49:00) |
まっつん母さん | > | しかし、道と同様、暗い色の煉瓦の壁で出来た孤児院はその日光を完全に遮ってしまう。 (2019/9/17 20:51:30) |
まっつん母さん | > | まるで、鉄柵の内側に広がる光景に対し、孤児院が圧をかけているようだった。 (2019/9/17 20:53:19) |
まっつん母さん | > | (ろむさん…本ロム入ったら行くぞ…?)(( (2019/9/17 20:57:47) |
まっつん母さん | > | 日光が強く注ぎ込む世界を見たことがないまま育った孤児院の雛達の生活は、少しばかり堅すぎていた。 (2019/9/17 21:00:05) |
まっつん母さん | > | しかし、その分、食事や衣服は質素だった。 (2019/9/17 21:00:18) |
まっつん母さん | > | 当時の流行とはかけ離れた、袖がきついオレンジ、白、焦げ茶、山吹色で描かれたタータン模様の短いワンピースを、女の雛達は、全員が当たり前のように着用していた。 (2019/9/17 21:04:55) |
まっつん母さん | > | 袖には、申し訳程度の白い可愛らしいフリルがあしらわれていたが、まだ幼い3〜6歳程の子供達の場合、フリルは汚れていたり破れていたりしていた。 (2019/9/17 21:12:46) |
まっつん母さん | > | その場合は、最年長を中心として、歳上の子供達がそれを直す。院長等は孤児院の経営の為の仕事で精一杯だったし、元々の性格が厳しかったのだ。 (2019/9/17 21:14:54) |
まっつん母さん | > | 一方、朝食には''ふかしたじゃがいもと小さな白パン一個ずつ''が定番だった。 (2019/9/17 21:18:18) |
まっつん母さん | > | (間違えたライ麦パンでしたそしてろむさん本ルムにおいで) (2019/9/17 21:24:06) |
まっつん母さん | > | ライ麦パンはぼそぼそしていて硬く、街に住む華やかな服装を身にまとった人々にとっては本当に食べづらいのでしょうが、雛達はそれ以上の柔らかいパンを知らず、平気な顔をしていつもパンをゆっくり食べていた。 (2019/9/17 21:25:59) |
まっつん母さん | > | クリスマス・イブなどの特別な日だけ、比較的豪華な食事が用意された。 (2019/9/17 21:28:38) |
まっつん母さん | > | 一見サラミのように見えるソーセージが皿いっぱい用意され、パンには熱々のチーズがかけられる。 (2019/9/17 21:33:47) |
まっつん母さん | > | おまけに、カラフルなフレンチ・ボンボン(フランスの砂糖菓子の一種(ドイツだけど))もあった。 (2019/9/17 21:34:47) |
まっつん母さん | > | 雛達は、その料理達を美味しそうに口へ運ぶのだ。 (2019/9/17 21:38:10) |
まっつん母さん | > | ____イヴを除いて。 (2019/9/17 21:38:15) |
まっつん母さん | > | (一旦切ろう) (2019/9/17 21:38:24) |
おしらせ | > | まっつん母さんさんが退室しました。 (2019/9/17 21:38:28) |
おしらせ | > | まっつん母さんさんが入室しました♪ (2019/9/22 15:33:45) |
まっつん母さん | > | イーヴァ・ウィッキンズ。両親に野良犬のように扱われていて、その事実が判明して直ぐに孤児院での保護が決まった。 (2019/9/22 15:35:32) |
まっつん母さん | > | 名前も苗字も、既に自立して都会へ出ていった、孤児院の子供たちの中から抜かれた。 (2019/9/22 15:37:09) |
まっつん母さん | > | 歯に矯正の金具を付けられ過ごす辛い日々に、無意識のうちに自然と精神を病んでいったその少女は、人目につかない部屋に住んでいた。 (2019/9/22 15:42:07) |
まっつん母さん | > | かつて子供たちが寝ていた空き部屋に並ぶ大きな本棚。 (2019/9/22 15:44:10) |
まっつん母さん | > | その裏に続く、蝋燭の灯りで照らされる廊下の奥には、彼女の部屋があった。 (2019/9/22 15:45:00) |
まっつん母さん | > | 赤いカーペットが敷かれた暗い部屋。たった一つの木の丸椅子と、カーテン付きの古いベッドだけ置かれていた。 (2019/9/22 15:50:01) |
まっつん母さん | > | イヴと同じ年頃の女児には、余りにも退屈で、寂しく___牢獄のようだった。 (2019/9/22 15:54:39) |
2019年08月08日 21時40分 ~ 2019年09月22日 15時54分 の過去ログ
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