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2015年06月11日 01時42分 ~ 2015年06月15日 02時08分 の過去ログ
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おしらせしんじさんが入室しました♪  (2015/6/11 01:42:00)

しんじ『物語シリーズ//茨姫』//『おはようございます』遠野の家に迎えに寄ると『トーマ、おはよう。平気なのか?』今朝は支度を終えた真矢が出てきて熊谷冬馬を出迎えた。『あぁ。昨日少し寝苦しかったけど今朝はもう平気だよ。行きますか?』『あ、うん。』二人で登校。途中で北条と根岸も待っていて『おはよう♪』『おはようございます~』と声をかけてくる。『トーマ、鞄貸して。私が持ってく。』北条が鞄を預かり、『で、怪我はどうなの?』『あ、右手中指骨折で全治3週間だって。』ギブスで固定された手を見せる。『利き手じゃ大変だね~。ノート、私が取ろうか?』根岸明子が提案してくれるが、『昨日左手で書いてみたけど、平気そうだ。ありがとう。無理そうな時は頼むよ。』『うん、いつでも言って?』『トーマ、ナツから電話あった?』遠野が尋ねる。『うん。明日来る迄に調べておいてくれるって。それと、風呂の心配されたよ(苦笑)』『やっぱりか(笑)アイツ、私の時も言ってたよ、それ…って、トーマは駄目だろ!』『うん?マヤ、トーマ、何が?』   (2015/6/11 01:56:51)

しんじ『ナツが体洗ってあげよっか?って言ってた話だ。』遠野と熊谷が同時に言い、『なに?…トーマ、私が…い、いや…やっぱり無理…で、でも…』『姫~?!』『姫さん無理するな(笑)』『いや、北条、平気だって(苦笑)』今度は三人同時に突っ込む。『大体、どうしても無理ならレイに頼むよ、そこは。』熊谷の至極当然の発言は『それも駄目だろ(苦笑)』『それだけはダメ!』『トーマ君、それはちょっと…』女性陣に速攻で却下された。『ん…はい。自分でなんとかするよ、うん。』熊谷自身そんな気は全然無かったので早々に引っ込める。学校が近付くにつれ、生徒の数が増えていくが『視線…いつもより集中してますね』根岸が最初に言い出す。『私に姫にトーマだからな(苦笑)ナツとエリが居ないだけ、まだマシと思わないと。』『マヤ、だね~特にナツな(笑)アイツ、無意味に視線を集める悪い癖があるからな~』北条と遠野も賛成する。やがて学校に到着し、『それじゃあ』と遠野は3組、他は5組の教室へと別れた。   (2015/6/11 02:10:17)

しんじ『遠野さん、おはよ♪』昨日と同じ席で小山内縁が小さく手を振る。(気付いていると報せるべきかどうか…)昨日から考えてたが答えは出ていないまま『姉さん、おはようございます。』(あっ!しまった…)ポロッと口を滑らせ『姉さん?』案の定、突っ込まれる。小山内縁の目付きが一瞬鋭くなり(うわっ…眉間にシワがよってる…)『ご、ごめんなさい!』(ここはもう、謝るしかない!)頭を下げると…『そっか…私の事、知ってるのか…』ふぅっと溜め息を1つついて、『いつから?』聞き返される。『すいません…昨日、名前聞く前から、もしやって…』遠野は頭を下げたまま小声で呟く。『座りなよ?目立つから、さ。』『はい…』席に着いても、顔をあげられない。『…誰に聞いたの?あ、怒って無いから、顔を上げて?』優しく声をかけられ、『はい…。入江君、知り合いなんです、私達。』『ふぅん?私の事、話した?』『いいえ!』『そうか…何処まで聞いたの?』『えっと…入学早々噂を聞かなくなったって。それで、入江君、こないだのテストを見て、確かめて欲しいって言い出して。』   (2015/6/11 02:24:15)

しんじ『教えないの?なんで?』その質問に遠野は顔を上げ、小山内縁の顔を正面から見る。『何故?貴方が名乗らないのに、私に何を言え、と?』『貴方に名乗ったでしょ?』『それは私が貴方を知らないと思ったから、でしょ?でも、私は聞いてしまってる。ちっ…先生来ちゃったね…』教師が教室に入って来るのを見た瞬間、『先生!遠野さんが目眩がするそうなので、保健室に連れて行きます。』小山内がいきなり席を立つと教師に声をかけ『ほら、遠野さん大丈夫?』遠野の腕を取り、『保健室に行こ?』有無を言わさず教室を連れ出した。『………で、どうするんです?』『………どうする?』教室を出た処で顔を見合わせ、『プッ…』『同じ事言ってますね(苦笑)』笑い出してしまった。『…とと。ここじゃまずいわ。食堂に行く?』『そうですね。何か飲みましょう』二人で肩を組んで食堂へ。其々に飲み物を買い、目立たない外れの席に着く。   (2015/6/11 02:36:38)

しんじ『さて…赤頭巾さん、何処まで知ってるか教えて?』さっきまでの敵意こそ無いものの、小山内縁の目付きは厳しい。『そっちも知ってましたか。まぁ、私の場合は隠してませんからね。知ってる事は、入江君の先輩で、去年の春以降噂を聞かなくなったという事だけ。』小山内がうんうんと頷き『それで?』『気付いた事は、貴方が何かしらの事情で入学して直ぐに登校拒否になり、摂食障害…というか、拒食症?更に鬱病ですか?になり、引き込もってしまった事。それと、リスカの後ですよね、それ。』遠野が小山内の左手を指さす。『貴方何者?いつ気付いたのよ。』『小山内縁は才色兼備、姫と比較される程の方と聞きました。あ、中2の時、ナツが記録会で記録を出した時の前の記録保持者でもありますよね?それが、あまりにやり過ぎの格好に長袖。右手に時計はめていれば、容易に想像は付きます。多分トーマ…熊谷なら私以上に。』『ん~…貴方を見くびり過ぎたわ。好奇心は猫を殺す、か。』   (2015/6/11 02:49:53)

しんじ『それはどうも。というか、姉さん、もしかして私を見に来たんですか?』『姉さんって(苦笑)…そう、貴方を見に、出て来たのよ。わざわざ見つかる危険を犯して迄、ね。勿論眼鏡は伊達だよ?私、両目1.5あるからね。』小山内縁の少し表情が緩む。『貴方の想像通り、私は入学して3日で不登校だよ。そこから、ノイローゼから鬱病、親の理解が得られずリスカに拒食書のお決まりのパターン。貴方の事は前から知ってたからさ、なんでノホホンと歩き廻っていられるのか知りたくなったって訳よ。私は外に出る迄9か月かかった。受験もギリギリ。入学後も人目を極力避けているってのに、貴方はなに?北条の姫に一中の王子、あの清水夏巳?まるでそれって、私を見てって言ってるのと同じでしょ!終いには二中の王様殴って怪我?どれだけ非常識なのよ?』   (2015/6/11 03:03:44)

しんじ『非常識ですか?』『デタラメもいいとこでしょ!晒し者だよ?街中が貴方を指さして「あれが赤頭巾だよ」と言ってんだよ?それとも何?みんなの同情を引きたいの?…ごめん、それは無いね。昨日貴方を見てて、そうじゃないって事だけはわかった。だから、貴方を知りたくて今日も来たんだよ。だからさ…こうしてノコノコ正体がばれる危険を犯してまで出てきた私の勇気に免じて教えてよ。貴方は何故普通の顔を…違う、か…普通じゃ無いよね…そんなに細いんだもの。今でも悪夢は続いているんでしょ?なら、尚更教えてよ!私は…もう、嫌なんだよ…』最後の方は殆ど呻き声に近かった。(魂を搾ったら、こんな声がするのかな…)遠野真矢はふとそんな考えに囚われ、(いや…この人も必死なんだ)それが痛い程解ったから。『姉さん、少し話していい?』話をしよう、そう決心した。   (2015/6/11 03:16:27)

しんじ『うん…何か話して?』『うん。私は確かに一度はボロボロになってたんだ。あの日、事件を目撃した後ね。血塗れの男が立ち上がって手を伸ばしてくる夢を何度も。あるときはバットが私めがけて振り降ろされりとか。眠れないし、何が現実かも解らない。食事も取れない。本当に悪夢の中をさまよっている感じでさ。ただね、いつもナツが居てくれたから。ある日彼女が私を抱き締めてくれてさ?その日は何も考えずに眠る事が出来てね…それをナツに話したらさ~アイツ、一ヶ月以上毎日通ってきてさ(笑)。退院してからも、毎朝必ず迎えに来るんだ。散歩をねだる犬みたいだなって。それで、いつも最後は根負けして付き合う羽目になってさ。』小山内縁は黙って聞いている。   (2015/6/11 03:26:46)

しんじ『学校に行けば嫌な思いはしたよ?誰かが事件の事を聞けば私は倒れて意識不明。給食を見れば吐いて嫌がられ、気付くとナツ以外誰もそばに居なくてさ?保健室で一日中ボーッとしてたり…それでもナツが迎えに来るんだ、懲りずに。『何故?』と聞いたら、『転校してきたときマヤが側に居てくれたから』、だって。『優しくしてくれたからお返し』とか言われたらさ、ナツから逃げられないじゃん。それで、少しずつ他の女子も受け入れてくれる様になってさ。男子は私をゴミ扱いしたけど、ナツがそいつらを追っかけ回してさ(笑)コイツに全部押し付けちゃ駄目だなって。自分で立ち向かわないと駄目だと思える様になって。そしたら勇気が出たんだ。それにさ…』小山内が頷くのを見て続ける。『前に姫…北条にも聞かれたんだ、何で赤頭巾と言われて否定しないの?ってさ。誤魔化せば楽だよね、確かに。』『…私もそれを聞きたかったんだ。』『そっか。じゃ、教えるけど、笑わないでね?』(前に姫には笑われたしな…)『笑わないよ。』小山内縁は真剣な面持ちで先を促す。   (2015/6/11 03:38:42)

しんじ『一つはね、私が赤頭巾と呼ばれていれば、本当の被害者…白頭巾が白いままでいられる様な気がしてね。いつか彼女が赤頭巾事件を耳にした時、赤頭巾と呼ばれる人が他に居たなら、彼女は事件を忘れられる、そんな気がしてさ。それが、白頭巾なんてアダ名をつけた自分への戒めでも在るかな。それと…本当に笑わないでよね?』『しつこいなぁ…泣く所で笑う訳無いでしょ!』『どうかな…もうひとつはね?私が赤頭巾と呼ばれていれば、彼は私を忘れないだろうって…』『彼って…事件を起こした子?』『うん。私の初恋だったんだよ。まぁ、もうそれはどうでも良くなって来たけどね(苦笑)』『ちょいまち!どうでもいいって…』『うん。ずっと忘れられ無くて、彼に似た面影の少年に彼を重ねて見てたんだけど、ね?』『あぁ…それが王子様か。うん、それで?』『それが、さぁ…トーマの存在が強烈過ぎて(笑)』   (2015/6/11 03:48:27)

しんじ『…そんなに?』『そんなに。もうね、あれはちょっと想像を越えてるわ。姫も私と同じでアイツに嵌まったしね(苦笑)聞きたい?』『聞かせてよ。何やらかしたの?』『まずは、ねえ…』そこから白雪姫事件を、シンデレラの舞台とその裏話を、人魚姫騒動を、ネズミとライオンのエピソードを、ヒナギクの迷推理を遠野真矢は小山内縁に話して聞かせ…チャイムが鳴り、二人を現実の時間へ引き戻し『やばっ!保健室に行って無いわ』『そだね(苦笑)貴方、単位危ないんじゃない?』『う~ん…よし!姉さん、責任取ってよ。』『はあっ?私にどうしろって言うのよ』『あ、うん。つまりさ…私が9組に行けば、この忌まわしい補習から解放されるかなって』『おいおい。そんなに簡単に決めていいのかぁ?』さすがにこの提案には小山内縁も呆れてしまった。最初から思ってたけど…何処まで非常識なんだ!コイツは。   (2015/6/11 04:00:59)

しんじ『そうかなぁ?私は姉さんが気に入ったし、普通クラスじゃ補習からは逃れられないし。しかもさ、いい事思い付いたんだ。』『待て!気に入って貰えたのは嬉しいよ?でもそれは、私の話を聞いてからの方が良くないかい?』『うん?姉さんが聞いて欲しいなら聞く。私の考えってのは、私の都合だから、姉さんの話は関係無いし。』『ふぅん?じゃ、聞いてあげるよ』『私さぁ、トーマとナツ、二人に置いていかれるの嫌でさ。姉さん、勉強教えてよ?』『は、はぁ?!』『同じクラスならちょうどいいでしょ?どうかな?』…遠野真矢が手を合わせて小山内縁を拝む。『あのさ…貴方が思っている程、私は大した者じゃ無いよ?貴方はさっきから私が不登校になった理由、聞かないじゃん。聞いたら幻滅するよ?』   (2015/6/11 04:10:57)

しんじ『うん?私は今目の前にいる姉さんを気に入ったんだもの。関係ないでしょ、それ。』『貴方ねぇ…私はさ、入学式の日から痴漢に会って、それが嫌で学校止めたんだよ?』『そうなの?』『うん…初日は触られただけ。で、二日目はまさかと思ってたから普通に同じ時間に乗ってさ…触られた後にスカートに…かけられて…』『えっ?!そんな事されたの?』『うん…しかも、それを写真に撮られていてね?3日目、時間も車両も変えたのに、ソイツがまた来てさ…触りながら、写真ばら蒔かれたく無ければ言うこと聞けって…もう、速攻で電車降りて逃げたわ。で、それ以来外に出られなくなったって訳よ。情けない話だよね。中学の時、もてはやされていい気になってたのを思い知らされたよ。ところが、さ?親は全然理解してくれないんだよね。世間体だの、それくらい我慢しろ、だの。後はお決まりのパターンさ。』   (2015/6/11 04:22:07)

しんじ『姉さん…やっぱり苦労したんだね。うん。』『おいおい。貴方や北条の姫さん程じゃ無いよ?貴方達に比べるのも失礼な位、いま考えると下らない理由だよ。』首を横に振る小山内縁に『そんな事無い!それを言うなら、私なんてただの傍観者だよ?姉さんみたいに実際に被害にあった訳じゃ無い。自力で立ち直った姉さんはやっぱり凄いよ。尊敬出来る。』遠野真矢は真剣に答える。『汚されそうになるって、そんな簡単に片付けちゃ駄目だよ!姉さんは逃げたんじゃない、自分を守ったんだ。うん、私も逃げるの止めるわ』『貴方、逃げて無いじゃないの』『ううん。この学校に入学する時、最初9組を薦められたんだ。たださ、それをなんとなく偏見が怖くて断ったんだ。周囲の目が怖くないとか言いながら、結局逃げてた。だからさ、私も姉さんを見習う。置いてけぼりも流されるのも嫌だから、自分の境遇に正面から向き合う。姉さん、これからも宜しく頼む。』   (2015/6/11 04:36:06)

しんじ小山内縁は自分の目の前で手を会わせている色白の少女を眺めながら…(なんか妙な展開になったぞ?)と首を捻ってしまった。赤頭巾に興味があった。自分の弱さを克服したくて、彼女の話が聞きたかった。それが何故か、赤頭巾…遠野真矢に姉さんと呼ばれ、なつかれてしまうとは!?しかも、9組に来る、だと?(私、それじゃ登校しなきゃ駄目じゃん)…そう考えながら、心の何処かで切っ掛けを探していた自分に気付いてもいた。そう、元々活発な小山内縁は、いじけている自分に我慢が出来なかったのだ。(ふぅん?私をそれでも姉さんと呼んでくれるんだ)遠野真矢は止まっていた時間を動かしに来てくれたんだな…そんな事を彼女に言ったら、「姉さんが自力で動き始めたんだろ」と突っ込まれるのは確実だとも解ってはいたが。『よし!勉強を見てあげるよ。その代わりに条件を飲んで?』遠野真矢を探してたのだろう、北条結紀達が手を振って歩いて来るのを横目に見ながら『私と友達になってくれるなら、ね?』小山内縁は今、長い呪縛から解放された事を実感していた。 『茨姫//完』   (2015/6/11 04:54:18)

おしらせしんじさんが退室しました。  (2015/6/11 04:54:22)

おしらせしんじさんが入室しました♪  (2015/6/11 05:38:17)

しんじ『茨姫』完結!小山内縁のストーリー。何故「茨姫」なのか?それは「美しさ故に惨めな死を迎えると妖精に呪いをかけられ、それが別の妖精により100年の眠りに変えられ…」つまり茨姫は、時が来れば勝手に目覚める、「王子様が目覚めさせるパターンでは無い物語」だから、なのです。だから今回はマヤの謎解き…というか、例えも登場して来ない。マヤは最後迄呪いを知らなかったから、例え様が無いというね?今回はそう言えば、ほぼ「遠野真矢の物語」になってるなぁ…後、清水夏巳か~。さて?この後物語が何処へ向かうのか?小山内縁は誰と絡む…って、真矢とかwトーマに嵌まらないで欲しいな…入江君もいるな…加藤もいい味出してるし。さてさて、次の物語を紡ぎますか~   (2015/6/11 05:51:01)

おしらせしんじさんが退室しました。  (2015/6/11 05:51:05)

おしらせあやかさんが入室しました♪  (2015/6/11 06:50:03)

あやかそうなんだ~知らなかった…   (2015/6/11 06:50:20)

あやか行ってきます。朝早いと眠いわw日本のに帰ってこれるといいな   (2015/6/11 06:51:16)

あやか日本に   (2015/6/11 06:51:27)

おしらせあやかさんが退室しました。  (2015/6/11 06:51:31)

おしらせしんじさんが入室しました♪  (2015/6/12 00:15:07)

しんじ『物語シリーズ//卑怯なコウモリ』//夏季講習2日め終了。北条結紀と根岸明子はこの後テニス部の活動に参加予定で、食堂で食事を取る。遠野真矢と熊谷冬馬も帰りを急ぐ訳でも無いので、お茶に付き合う。『猫、めっちゃ嬉しそうだね(笑)』今日は弁当が無かった為、念願のカップラーメンの自販機を利用して、根岸明子はご機嫌だった。『うん♪家でもカップラーメンなんて食べ無いから。試してみたかったんだ~♪』『ま、猫は放っておいて~、マヤ!詳しく説明して貰おうか?』『うん?』『え~?!放っておかないで~』北条の言葉に各々の反応。『小山内縁、探さないんじゃ無かったのか?それが、チャッカリ友達になってるとか…説明しろ。』『あれは、私が探して来たんじゃない。向こうから寄って来たんだ。私だってビックリしたよ。』遠野が北条、ついで熊谷の顔を見て『まぁ、さ。焦らず急がずやろう?姉さんだって急には無理だろ。』   (2015/6/12 00:30:21)

しんじ『俺は今回は何も追究しないと決めてるから。ただ、涼にどう話すか、だよな。』熊谷は遠野に「探さないで」と頼まれた本当の意味を聞いているから、本人と知り合った今も、彼女の背景には踏み込まないと決めていた。それは、北条結紀と根岸明子も同じで、それ故に入江涼にどう報告するか、いい考えは浮かばなかった。『ん~、そこは明日、私から姉さんに聞くよ。』遠野の言葉に皆頷いて賛成を示す。『あ、そうだ~。マヤ、トーマのノート見たか?』北条が切り出し、『そう、ビックリしました。トーマ君って変な特技があったんですね』『あ、逆文字の話?トーマ、見せて~?』『ん…何故知ってる。』『昨日レイちゃんに聞いたんだ(笑)どれどれ~……はい?』ひらがなと片仮名で流暢に書き込まれた…「鏡文字」。『漢字の部分は片仮名表記にしておいたんだ。後で清書するのに分かりやすいからな。』   (2015/6/12 00:45:16)

しんじ『これ…ちゃんと読めるのか?』遠野はマジマジと熊谷の顔を見る。『うん。脳内で反転させるだけだから、そんなに不自由はしないよ。遠野も試す?』『丁重に辞退させて頂きます。さて、帰りますか?』壁の時計に目をやり、遠野が熊谷を促す。『明日はナツも来るんで、姉さんも帰りの会に参加するそうだ。じゃ、二人共部活頑張ってね』『マヤ、トーマ、またね~』『お二人もお気を付けて♪』熊谷と遠野は挨拶をして席を後にした。『トーマ、ありがとう』遠野が体をぶつけながらお礼を言う。『うん?』『姉さんの事、そっとしておいてくれてさ。』『あ、うん。聞けば気になるなら、聞かない方がいい。気にし出すとアチコチに目が行くからね。』(やっぱり気付いてるな…私が気付く位だから当然か)遠野はその言葉も飲み込んだ。熊谷の好意を素直に受ける為に。   (2015/6/12 00:56:49)

しんじ遠野を家迄送ってから帰宅。妹の玲羅は部活で作った物を昼に試食するとかで、この日は一人だから急ぐ必要も無かったのだが、つい普段夕飯の支度をしていた癖で、そのまま帰って来てしまった。(ま、何か簡単な物を探すか)と台所に行くと、冷蔵庫にラップしてすぐに食べれる様に支度してあった。「お兄、食べてね♪」とメモが乗ってる。有り難く頂く事にしてお茶を淹れる為に、お湯を沸かしていると電話が鳴った。火を消してから電話に出る。『あ、あの~第一中で熊谷君と一緒でした、相原と言いますが…冬馬君はいますでしょうか?』『俺です。相原…えっと?』咄嗟に思い出せない。『冬馬君?あ、2年の時同級生だった相原恵美です。いま、時間平気ですか?』相原恵美…2年の時に確かに同じクラスだったが、殆ど話をした記憶は無い。『あ、いいよ。結構長い話になる?』『あ…う、うん。やっぱり迷惑?』『いや、長くなるなら電話より会って話した方が早いかなって。勿論君の都合が良ければだけど。』『ホント?じゃ、じゃあ~一中の前でいい?時間どうしよ?』『30分後だと都合がいいかな。』『あ、はい。じゃ、30分後に。ありがとうございます。またあとでね。』   (2015/6/12 01:14:23)

しんじ電話を切り、時計を見て…お茶は冷たい麦茶で済ます事にした。食事を済ませ、洗い物は諦め、『ごちそうさま。少し出掛けて来る』とメモを残す。話の内容が解らないから、何時に帰宅になるか不明だから。戸締まりをして歩いて一中に向かう。途中で缶ジュースを買っていく、二本。待ち合わせ場所には、白いTシャツにミニのジーンズのスカートを履いた少女が立っていた。『お久しぶりです。私の事、覚えてます?』肩にかかる髪、少し茶目っ気のある可愛い顔立ち。『髪、ショート止めたんだね。バトミントン、続けてるの?』熊谷が声をかけると『うわ~覚えててくれたんだ。うん、髪は部活引退してから伸ばし初めてね。高校では部活やって無いんだ。』『そう。ところで、どこで話す?聞かれたく無い話?』『あ、うん、ちょっとね。いい場所ある?』『近くに公園あるから、そこに行こう。ほい。』缶ジュースを一本放り投げ、のんびりと歩き出す。彼女は後ろからついて来た。   (2015/6/12 01:29:53)

しんじキャラクターメモ:『相原 恵美』(通称エミ。)第一中時代の熊谷冬馬の2年時の同級生。ショートの似合う健康的で明るい少女として男子の人気を集めていた(足が綺麗なのが理由)。中学時代はバトミントン部に所属。深津高校に進学し、現在は帰宅部。3歳下の妹がいる。   (2015/6/12 01:35:27)

おしらせしんじさんが退室しました。  (2015/6/12 01:35:32)

おしらせしんじさんが入室しました♪  (2015/6/12 07:52:34)

しんじ『えっ…ここって「恋人の隠れ家」じゃん。熊谷君、ここ、よく使うの?』熊谷が相原と一緒に公園の奥、遠野とたまに来るベンチに辿り着くと『あ、そうか~。ねぇ、熊谷君は誰と付き合ってるの?北条さん?清水さん?遠野さん?』『そんな風に呼ばれてるんだ、此処。三人とも仲良いよ?最近は遠野と一緒に居る事が多いけど、北条とは同じクラスだしね。』『へ、へぇ…熊谷君って、やっぱりモテるんだね、ヘヘッ』相原は微妙に照れた笑いを浮かべてベンチに腰を降ろしながら、『あ、私、熊谷君にナンパされに来た訳じゃ無い…から、ね?』『あ、うん。電話で話そうとしてたのを呼び出したのは俺だから、変な誤解は…あっ!俺が、か。うん(苦笑)、話があるんでしょ?』熊谷も相原が何を言おうとしたのか了解した。今の状況は熊谷が相原をナンパしようとしているとも思える状況なのだ、今は。   (2015/6/12 08:09:02)

しんじ『あ、うん(笑)えっと、ですね…実は、友達の事で相談したくてね。私の知り合いに、相談出来そうな人居なくてさ~。それでさ、最近話題の王子様に思いきって電話してみたんだ。あっ、手、大丈夫?』『あぁ、これ?うん、ありがとう。大丈夫だよ。ところで相談って?』『そっか…ええっとぉ…ドコから話そ?あ、相談したいコって、私が高校入って友達になった人なんだけどね?うん~話しずらいなぁ…』相原は困った顔をしている。『女の子特有の事?ソレなら遠野を呼び出してもいいけど。』『あっ!違うちがう~えっとぉ…熊谷君、深津高校の高橋って人の噂、聞いた事ある?』言い難そうな相原の態度、公園に着いた時の反応、殆ど話した事の無い熊谷に相談を求めた事…前提には熊谷が「遠野達の誰かと付き合っているという誤った前提」があるにしろ、いや、それだけに?そして、高橋の噂って…   (2015/6/12 08:24:27)

しんじ『相原さんの友達って、もしかして高橋さんが妊娠させた相手?』熊谷の方から切り出す。『えっ!…そ、そう。凄いなぁ…良くわかったね。あ、高橋さんの噂、聞いていたんだね。』『たまたまね。こないだその件でちょっと問題があって…あ、言い方が正しく無いな。高橋さん個人の事を探してたんだ。話を聞こうかなって。ほら、亡くなったって噂の真相を聞きたくて。』『ふ~ん…イロイロとやってるんだね~。流石清陵のホームズ?』『だから、たまたまだって(苦笑)。探偵やってる訳じゃ無いからね?あ、相談にはのるよ、勿論。元同級生だもの。』『あ、ありがとう…熊谷君って、本当に好い人だね。モテる訳だ。』   (2015/6/12 08:34:53)

しんじ二人で話している間に少しずつ緊張も溶けて来たのか、たまに体をぶつけるような仕草をしながら、『じゃ、話すね~?実はね…その、妊娠したコね…他の人とも付き合ってたんだわ…私も知らなかったんだけどね、それは。』高校一年なら、交遊関係の盛んな人なら驚かないかも知れないが、異性関係の皆無な人も当然多い。相原もモテたとはいえ、誰かと深い関係になったという話は無かったし、熊谷に相談する辺り、今も特定の相手は居ないのだろう。『それでね?最初子供の親が高橋さん、と言ってたんだけどね~どうも、ね?実は、他の人らしいんだよ…それで困っちゃってさぁ…』夏とはいえ、木陰に居ると薄着なだけに、風が汗を乾かす時、肌寒く感じる時がある。そのせいなのか、相原の剥き出しの腕が触れるのも不快とは思わず、むしろ心地良かった。   (2015/6/12 08:51:07)

おしらせしんじさんが退室しました。  (2015/6/12 08:53:09)

おしらせしんじさんが入室しました♪  (2015/6/12 13:07:16)

しんじ『相原、それでさ。そのA子さんは、相手の事を何か言ってたの?』『A子?あ、あぁ、そういう事か…熊谷君やっぱり優しいんだ。迂闊に私も名前言うところでした(苦笑)…ありがとうございます。えっと…それがね?そのもう一人の事を教えてくれなくてね?もう降ろす事も出来ないし、高橋さん、こないだ新聞に載ってたけど~、捕まっちゃったんでしょ?それで、父親が居なくなっちゃった、という事なんです。』(あれ?何か引っ掛かったぞ?)『あ、うん。相手に連絡はつかないの本当の父親…あれ?』『うん?どうかした?』『いや…あ、相手に連絡着かないのかなって。』『それがね…引っ越したって。ほら、その時は高橋さんが父親だって言ってたから。多分それで、だと思う。』『でも、本当は違った訳だね?』『うん。A子が言ってたんだけど、父親を間違える筈無いんだって。私は…良く解んないから、そうなの?って聞き返しただけ。そんな、ねぇ…経験無いのにわかるかって…あ、な、何でも無いっ!』相原が手をブンブンと振って慌てて否定している。『うん?まぁ解るっていうのは、さすが母親って事だよね。経験?』『だから!わ、忘れて!』『あ、はい。』   (2015/6/12 13:25:09)

しんじ(何故相原が真っ赤になってるかは…ま、忘れてと言うから追求しないでおこう)『A子さんが最初、「父親が高橋さん」と言ったのなら、本当の相手はばれちゃいけない相手って事だよね。』『ばれちゃいけない相手?』『うん。学校の先生とか、相手が浮気…あれ?』『あ、成る程…熊谷君、どうかした?』『い、いや…さっきから何か引っ掛かっているんだけどね。ま、後で考えてみよう。』   (2015/6/12 13:31:57)

おしらせしんじさんが退室しました。  (2015/6/12 13:32:26)

おしらせしんじさんが入室しました♪  (2015/6/12 16:54:51)

しんじ時計に目をやる。午後3時…行動するには充分な時間がある。ただ…問題を整理する必要があるし…『ねぇ、相原。この話は、内密に進めた方がいいの?それとも、俺の仲間に相談して、いろんな人を巻き込んでも構わない?』さっき何か不味い事を(何をかは解らないが)言ったらしく、相原は下を向いてスカートの端を握り、その手を見つめていたが…『あっ!うん、と…熊谷君、誰に相談するの?』『取り合えずは遠野に、かな?俺一人だと、結構無神経な事とかあってさ(苦笑)。アイツと話すと問題整理にもなるし、後はほら、誰には言わない方が良いとか教えてくれるしね。』『遠野さんかぁ…アユちゃんとも仲良いよね、確か。ね、私も一緒でいいかな?私、遠野さんと話した事無いんだよね。』『あ、構わないよ?これから電話入れて、都合が良ければ訪ねるつもりだけど。取り合えず電話して都合を聞いてみる?』『あ、はい、お願いします。じゃ、電話しにいく?』『うん。学校の公衆電話借りよう。』二人で立ち上がり…『ありがとう♪』相原は軽く熊谷に腕をぶつけるようにしてから、『お邪魔じゃ無い?』今更の質問をしてきた。   (2015/6/12 17:09:46)

しんじ『何が?』(そういえば、よく遠野もこういう風にしてくるな。後でレイに聞いてみるか)『ううん。何でも。』学校の事務所から公衆電話で遠野に連絡を入れる。『はい、遠野です…って、トーマか。どうした?』『遠野、相談があるんだ。今一中に居るんだけど、そっちに行ってもいい?他でもいいけど。』『いいよ♪…ちょいまち?トーマ、誰かと一緒?』『うん。中2の時一緒だった相原恵美に相談受けてさ。俺一人だと、余計な事やらかしそうなんで。』『ねぇ、今そこに相原さん居るの?』『一緒。俺の後ろに居るよ?』『じゃあ、さ?歩を呼んで良いか聞いてみて?』『あ、ちょっとまってね。相原、遠野が今からで構わないと言ってくれたんだけど、鈴木も呼んで良いか聞いてくれって。』『アユちゃん?あ、うん。私もその方が気が楽だわ。呼んで下さいって。』『わかった。遠野、鈴木を呼んでくれって。で、時間どうする?』『そのまままっすぐに来ていいよ?途中で冷たい飲み物…歩も入れて3人分買って…あ、お金持ってる?』『それくらいなら。じゃ、これから行くね。』『うん。後で。』   (2015/6/12 17:23:15)

しんじ『相原は時間平気?帰り遅くなるなら送るけどさ。』『あ、全然平気。』『そうか。のんびり歩きながら話そう。鈴木と相原、仲良いの?』『アユちゃんとは小学校一緒だから。あのね…熊谷君に電話したのも、実はアユちゃんに勧められて、なんだ。私ほら、全然話して無かったでしょ?熊谷君の噂聞いてたから相談したいなって思ったんだけどぉ…いきなり電話するのも怖くてさ。それで、アユちゃんに電話したら、大丈夫だから電話しなって言ってくれてさ。』『成る程ね。というと、北条とも一緒なのか。』『うん…私、お姫様は少し苦手で。彼女、この手の…性の話とか嫌いそうだから。あ、北条さんの事嫌いって意味じゃ無いからね?ただ、何話していいか分からなくて…』『そうだね、北条は性の話になると結構ムキになるからなぁ…なんでだろう?』怪我した手を見つつ、原因もそれだったな…と思い返す。『別に北条さんが特別って訳でも無いよ?私も学校の中じゃ遅れてるとか、堅すぎとか言われてるし。たまに、他の子に着いていけない時あるしね。』   (2015/6/12 17:36:07)

しんじ『そうなんだ。俺は恋愛とか全然解んないから。付き合うとか別れるとか、俺のクラスでもあるけど、別れる位なら付き合わなきゃいいのに、とか思うしね。』『いや、熊谷君モテてるじゃん?あ、私もそれは同じ~。なんですぐにくっついたり離れたりするんだろうね?』『相原も思う?そうそう。』『でも、ほら、見た目じゃ解らない事もあるからね。やっぱり付き合わなきゃ判らない事もあるんだろうね…どんな人なのか、さ。』『うん、それもあるかもね。一人と相手がいる時とは、確かに違うものね。俺も高校入ってつくづく思ったよ。遠野や清水、北条と話してたりするとね。あ、俺ってそういう人間だったのかって、再認識する感じ?』『再認識って(笑)大袈裟だなぁ~でも、そうかもね。でさ、さっきも聞いたけど~』『うん。』『熊谷君って、三人で、誰が一番好きなの?』『えっ?比べた事無いな。俺、目の前の事しか考えられない処があるんでさ。誰かと誰かを比べるって、単純な比較とか共通項探しみたいになるんだよね。気持ちとか入る余地全然無しで(苦笑)』『熊谷君、やっぱり面白いね。』   (2015/6/12 17:49:12)

しんじ『という事は?今は私が一番なのかな?目の前に居るから…』(あ、また腕をぶつけてきた)『そうなるのかな?うーん、どうだろ』『もうっ!熊谷君っ正直過ぎ!(笑)そんなんじゃ、女の子口説けないよ?』『それ、遠野にも言われたな。そうなの?』『やっぱり言われてるのか(笑)ふーん、そうか…うん、だよね…やっぱりさ。』雑談しつつ遠野の家に辿り着く。呼び鈴を押すと、『いらっしゃいませ。家族はあいにくと出掛けておりまして、大したお構いも出来ませんが…どうぞ、御上がり下さいませ。』黒のロングのワンピースに身を包んだ遠野真矢が出迎えてくれた。『これはご丁寧な挨拶、恐れ入ります。本日は急な申し出を快く承けて戴きまして、誠に感謝しております…って、おい(笑)』『なんだ、もう終わりか?』『やっぱりワザとか。遠野、相原恵美、俺の中2の時の同級生。』『こ、こんにちは!』『相原さん、年一緒だから(笑)脅かしてごめんなさい。トーマをからかうと面白くて、つい、ね?』『あ、はい。』『やっぱりからかってたのか。』『正確にはちょっと違うな。あ、あがって?』膝ついて二人にスリッパを勧めてから再び立ち上がる。   (2015/6/12 18:05:10)

しんじ『からかってるというより、試してる?かな。今度平安時代のノリでやってみたいな…源氏物語調とかも面白そうだし。』『待て!それは流石に事前に言って貰わないと、アドリブで合わせるには難易度が高過ぎるぞ。』遠野と熊谷がそこまで言って、顔を見合わせて笑い出す。(この人達、いつもこんな感じ…なの?ていうか、絶対付き合ってるよね、これ…)相原恵美は心の中で呟きつつ、勧められた居間のソファーに腰を下ろす。『私が冷房、苦手なもので。扇風機で申し訳ない。冷たい麦茶と豆乳ならあるが?』『お構いなく。俺も一人なら扇風機だよ。』『あ、大丈夫です…』『相原さん、本当にごめんなさい。ちょっと威嚇みたいになっちゃったよね?本当は「何やってるの?この人達」と、呆れて笑って貰うつもりだったんだけどね…トーマがやり過ぎなのが悪い!』『おーい、って、まぁ、やり過ぎ…なのか?』『そうだ!いや、違うけど…』『どっちだ(笑)』『うん~、相原さん、話は歩が来てからの方がいいよね?』『あ、はい…』   (2015/6/12 18:16:32)

しんじ遠野真矢は目の前にいる同じ歳の少女をさりげなく観察していた…(相手も私を見てるだろうな)と思いつつ。清水夏巳に近い、健康的な少女。体つきも雰囲気もいかにも年頃の女の子全開で、そのくせいやらしさは全然感じられないから、まだ、本当の恋もしてない、というところか。(多分松田君の好きなタイプだな…)以前「普通の子がいい」と言われた事を思い出してきしまった。(癖が無く、可愛いけど…きっとトーマには物足りない筈!)勝手に決めつけて納得する。さっき出迎えた時即座に乗って来たので、なんとなくだが、間違ってはいないだろうと思えた。一方、相原恵美はと云うと…(この人…何者?ていうか、本当に同じ歳?)黒い服装のせいもあるだろうが、年齢不詳、理解不能、影に入るとそのまま消えてしまいそうな儚さと裏腹に圧倒的な存在感。(お姫様と張り合えるのは、やっぱりこういう人だから、だよねぇ…)相原自身は鈴木歩が中学に入学した当初から「赤頭巾さん、噂と全然違う!なんか凄い!うん、あの人に認められたいなぁ~」と、歩にしては珍しく興奮しながら話してたので、それ以来何となくは知っている…つもりだったのだが。   (2015/6/12 18:32:43)

しんじ(噂って、つくづくアテにならないなぁ~)遠野真矢もこうして向き合ってみないと、決して理解出来ないだろうな…そして、熊谷冬馬も。『お、歩が来たか。トーマ、ちょっと迎えに出て貰っていい?』『 あ、いいよ。』スッと立ち上がり玄関に向かう熊谷を見送りつつ『相原さん、私達別に付き合ってないからね?というより、トーマは恋愛音痴で全然気付かないニブチンだから。変な遠慮はしないでね? 』熊谷の居ないうちに素早くそれだけを伝える。玄関では『王子様、ご機嫌麗しゅう~』と、鈴木歩が芝居がかった挨拶をし、熊谷が律儀にそれに合わせていた。   (2015/6/12 18:39:56)

おしらせしんじさんが退室しました。  (2015/6/12 18:40:00)

おしらせしんじさんが入室しました♪  (2015/6/12 19:29:59)

しんじ『マヤさん、お招きありがとう。恵美ちゃんお久しぶり~昨日電話で話したけど。』特徴のあるクスクス笑いで旧知の二人それぞれに挨拶をしながら、鈴木歩が熊谷と一緒に部屋に入って来た。『相原さん、歩と仲良かった筈だと思って呼んだんだけど~?歩、やっぱり何か仕組んだ?』『マヤさん鋭い。少し思考をヤスリで削って鈍らせた方が良いよ?』『いやいや、それ、研ぎ澄ますトコでしょ?』『これ以上研いだら折れるよ。今でさえ細すぎなのに。夏になってまた痩せたでしょ?よく落ちるトコ残ってたね。胸、抉れた?』『え、抉れて無いっ!…た、たぶん?トーマ、ちょっと確かめてみてくれ。不安になってきた…』『王子、駄目だよ?!マヤさん、ドサクサに紛れ過ぎだよ。』『ちっ…呼ぶんじゃ無かったか…』『いやいや。恵美居る時点で駄目でしょ、既に。』『なるほど…じゃ、二人の時に確かめて貰うか、うん。』『私が確かめてあげるよ、ほい。』『きゃっ!?』『大丈夫、未だあった。マヤさんでもそんな声出すことあるんだ。女の子だと再認識。』『あ、歩~』『………(笑)』二人のやり取りを見ている相原が思わず吹き出す。(こういうのは歩は旨いな…)   (2015/6/12 19:44:36)

しんじ鈴木歩の登場で空気が一変したのを感じ、遠野真矢は感心していた。(まるで歩く高性能レーダーだな、コイツ)眼鏡以外に特徴らしい特徴もない、平凡の更に平均点を地で行く少女…外見と学校の成績は。その中味は北条結紀も遠野真矢も一目置く独特の感性と鋭敏な感覚、鋭利な思考を秘めた不思議な存在だ。流石は北条の姫の初代長靴を履いた猫と言うしかない。『恵美、マヤさんは私も信用出来る人。この二人ならきっと何とかしてくれるよ。この二人で無理なら、多分誰にも無理。』『鈴木、それは流石に無いだろ』熊谷は(苦笑)してるが(そうだな)と遠野は思う。歩が言うなら、その通りだろう。『相原さん、話してくれる?必ず力になると約束するから』遠野が言い、『恵美、話して?』相原恵美は鈴木歩に促されて、最初から説明し始めた。   (2015/6/12 19:57:49)

しんじ『ふぅん?コウモリの話…またイソップか。裏を読む必要ないね、これは。』相原恵美が一通り話終えると、遠野が口を開く。『私もそう思う。あれ?マヤさん少し口調変わった?』『うん?あ、ふぅん?って言い方か(笑)姉さんの言い方が格好良くてさ、ちょっと真似してみた(笑)…似合わない?』『うん。マヤさんぽく無い。』『そ、そか(苦笑)…やっぱり真似じゃ駄目か…』『うん。似合わないから辞めておきな?ところで王子、何か気付いてる?もしかして。』熊谷は話を聞くのが2回目なので、その間に頭の中を整理していたのだが…『あ、うん。最初に聞いた時から引っ掛かっている事があってね。』『さすが王子、話して?私とマヤさんで突っ込むから。』鈴木歩が遠野真矢に目配せする。『トーマ、聞くよ?』『そうか。じゃ、話がずれたら頼む。最初に聞いた時から違和感があったのは、妊娠騒動と高橋さんの退学のタイミング、なんだ。多分問題の本質がそこにある気がしてね?』一同頷いて先を促す。口を挟むには、まだ早い。   (2015/6/12 20:12:04)

しんじ『高橋さんは確か5月に妊娠騒動が発覚して退学、だったよね?でもさ、以前、入江先輩達に確認した時、高橋さんは『親父のせいで中退して働かなきゃいけなくなった」と、友達に漏らしていたと聞いた。という事は、妊娠騒動と退学自体は本来別の筈、なんだ。退学は親の離婚により、学費が払えず働かなきゃいけなくなったから、だよね?』話を切り、みんなの顔を見回す。皆が頷くのを待って再び話を続ける。『高橋さんは3年だろ?後1年位なら、公立高校だもの、何とかなるんじゃ無いかな?お兄さんは働いている訳だし、加藤の会社、給料は良いらしい。つまりさ、退学はお金でも妊娠でも無くなる訳だ。じゃ、何かなって。』『加藤の会社、給料良いの?』遠野が尋ねる。『佐伯さん、鈴木と同じ学校だろ?あそこは学費高いので有名だし。それに、小学校の時点で一時学費も払えない程困窮したのが、数年でお嬢様学校なら、相当待遇が良くないと無理だろ。貯えが無いんだから。』『なるほどね…確かに学費って貯蓄しておくもんな…』   (2015/6/12 20:24:26)

しんじ『話をもどすね。親の離婚の原因が浮気ってらしくて。高橋さんは母親の名字を名乗ったというから、原因は父親だよね。でもさ、高橋さん自身が過去に何度も女性問題を起こしてるんだよ?そんな、普通に浮気で父親と縁を切るかなぁ。援助も断る位だから、相当だよね。清水が前に言ってたけど、援助を受けないって『もう二度と関わりたく無い』くらいな訳でしょ。で、中退して働かなきゃいけない理由…これは恐らく妊娠の事だよね。ところがその後に死んだと噂が流れ、消息不明。高橋さんは女性には優しいと聞いてるから、妊娠した子を捨てるのはイメージと合わない。だからこの場合、妊娠した子の責任を取る為に働こうとした、が正解な気がする。なのに、それも放棄したのは…父親が自分じゃ無いと知ったから。それで、自棄を起こして事件に関わり、名字が変わったのをいい事に過去を清算する為に死んだと噂を流した。ここまでいいかな?』   (2015/6/12 20:35:04)

おしらせしんじさんが退室しました。  (2015/6/12 20:35:15)

おしらせしんじさんが入室しました♪  (2015/6/13 09:32:46)

しんじみんなの顔を見回した後、『あくまでコレは推理だから。』と念を押して。『高橋さんが親と揉めて中退を決めたのは、恐らく妊娠が解った時に父親に下ろせと言われたから、じゃ無いかな。高橋さんは女性に優しいから、それを断って喧嘩になった。で、それをA子さんに話した時、或いはその後、相手が違う事が判る。相手は…高橋さんの父親じゃ無いかなと。』『えっ?』『おいおい…』『王子…』三人同時に声を出すが、皆先が続かないようだ。『A子さん、相手が引っ越したと言ってるじゃん。高幡さんの父親も離婚直後に引っ越している。まぁこれは、離婚の慰謝料を払う為だと思うんだけどね。裏付けを取らないと何も解らないから、俺は家に戻って高橋さんのお兄さんの住所をもって、夜にでも訪ねて話を聞いて来ようと思う。それで、さ?』   (2015/6/13 09:43:29)

しんじ『鈴木、佐野先輩に高橋さんから何か聞いてないか、確認してくれないかな。相原は、A子さんに確認を取って?後で三人の情報を照らし合わせれば、多分真実が浮かび上がる筈。あ、俺の推理はあくまで話の切っ掛けに過ぎないから、それを忘れないでね?「もしかしてA子さんの相手って、高橋さんの父親?」って感じで聞けば、流石に其処までとんでもない話で無い限り、否定する為に本当の事を話してくれるだろうからさ。』そこで遠野の方を向き、『どうだろう、こんな感じで。』と尋ねる。『そうだな。最悪を想定して望むのは悪くない考え方だよね。それより酷い状況は中々無いから、まぁ普通なら話して貰えそうだね。其処まで言われたらさ。』同意を示した後に『良く其処まで考えるね。というか…記憶力、凄いな…』遠野はしみじみと熊谷の顔を見詰め、『耳にした過去の話の矛盾から紡ぐのだから、感心するよ、本当に。トーマ、何時に相手に電話するつもり?』『そうだな…6時には多分帰宅してると思うので、6時に先方に電話してみるよ。』熊谷は相原と鈴木に向かい、『鈴木、明るい内に相原を送ってくれる?方向同じでしょ。一中迄の道、解らないだろうから。』   (2015/6/13 10:04:22)

おしらせしんじさんが退室しました。  (2015/6/13 10:04:26)

おしらせしんじさんが入室しました♪  (2015/6/13 13:57:25)

しんじ鈴木歩と相原恵美を送り出し、『遠野、ありがとう。じゃ、俺も一旦帰るよ。』遠野の家を後にする。三人を送り見送りながら『ん~、トーマ一人で行かせるのも心配だしな…そうだ、ちょっと話を聞いて貰うとしよう。』鞄から手帳を取り出し、電話番号を確認してダイヤルする。『もしもし~、小山内さんのお宅でしょうか?私、清陵高校の遠野と申します…あ、姉さん?急にごめん!ちょっとさ、話を聞いて欲しくって。実はさ、さっき…』遠野はさっきまでの話を小山内縁に話し、『で、トーマを一人で行かせるの、何か不安で…え?私の住所?あ、うん。いいよ?えっと………そう。目印?周りみんな二階建ての中の平屋だからね~すぐ判るよ。近所で赤頭巾の家を聞けば、誰でも知ってるしね(苦笑)…これから?うん、判りました。はい、お待ちしてます。』(姉さん、これから家に来るっていうけど…大丈夫か?)小山内縁は痴漢被害が元で引き籠った過去がある。それに、人目に触れるのも嫌がっていた筈…皆の帰った後片付けをし、一息していると…聞き慣れないバイクの音が家の前で止まり、呼び鈴がなる。『はーい。』玄関に向かい扉を開けると小山内縁が立っていた。   (2015/6/13 14:16:48)

しんじ紺のGパンに白のパーカー、中には黒いTシャツ。手にはフルフェイスのヘルメットを持っている。『バイク、そこに停めといて平気?』『………』『おーい、赤頭巾!起立性貧血でも起こしたかぁ?』『あ、はい!い、いやいやいや…姉さん、バイク…乗れたんだ…』意外過ぎ…でも、さまになってる。というか、格好良い!『バスも電車も乗れないからね。受験勉強は心配要らなかったから、さっさと講習通って中型取った。原付や小型じゃ、高速に乗れないしね。ところで、さ?』『あ、うん。』『私を家に入れてくれると嬉しいんだけど?』『あっ!ど、どうぞ、おかあり…じゃ無い!おあがり下さい』『うん♪…噛んでるよ?』何かゴツイ靴を脱いで家に上がる。『姉さん…この靴、登山靴?』『それな~安全靴と言うんだよ。爪先と甲の部分に鉛が入ってる。底も、だね。蹴ると痛いよ?』『もしかして…蹴るの前提?』『そだよ♪変態見掛けたら蹴っ飛ばす為ね~♪』   (2015/6/13 14:29:46)

おしらせしんじさんが退室しました。  (2015/6/13 14:29:57)

おしらせしんじさんが入室しました♪  (2015/6/13 14:35:10)

しんじ『姉さん…その革手袋…何か金具着いてない?』『これ?ビスと言え(笑)格好良いでしょ?通販で買った。殴ると痛いよ。』『あの…殴るの前提?』『うん。変態見たら殴るの。』『姉さん…脇に、何か仕込んでる?』『おっ?良く気付いたね~モデルガンのホルスターを改造してさ~ジャジャーンッ!』『あの…その手に持っている物は何でしょう…?』小山内縁の手に握られた2本の短いアンテナ(?)の様な物が付いたトランシーバーの様な形状の物。『スタンガンというのさ。防犯グッズだよ。やや出力の高い輸入物だけどね~♪洒落にならない威力だよ~♪あ、これも通販で買ったんだ~♪』凄く嬉しそうに見せるその姿に、病んで引き込もっていた面影は微塵も無い。清流のマドンナと呼ばれた生徒会副会長の面影も、だが。『まさか、刃物は持って無い…ですよね?』『当たり前でしょ!そんなの携帯してたら、ただの不審者で職務質問されるよ。』(いや…既に不審者です…)遠野真矢は、その言葉を飲み込んだ。小山内縁も性犯罪の被害者なのだ…直ぐに加害者になりそうではあるが。   (2015/6/13 14:50:13)

しんじ『あ、さっきのバイクの音。何かその辺の新聞屋さんとかと違いますよね。』冷たい麦茶を出しつつ尋ねる。『おっ?なかなか鋭いね!オフロード仕様の250cc、車体は通常のバイクより一回り大きいよ?馴れないと女性じゃもて余すけど、アレなら車に紛れる事無いからね。視界が良いし、悪路も走れる。砂浜で練習したから、運転はバッチリだよ~どこでも走るよ~♪』   (2015/6/13 14:55:57)

しんじ『…そ、そう?あ、でもわざわざ出向いて貰ってすいません。話をするのに…』『うん?いや、王子様を送るんでしょ?その為にこれ持ってきたんだし。いざって時の為に。』何を今更といった顔をして、小山内縁は出された麦茶を美味しそうに飲む。『は、はい?』『だからさ?貴方は王子様の心配してるけど、貴方は一緒に着いて行けないでしょ?私が貴方の代わりに付いていってあげる、って言ってんだよ?了解?』『は、はい?』『もう…貴方にもちゃんと大事な用事を用意してあげるからさ。あ、王子様の家、知ってるよね?』『あ、はい。』『ちゃんと予備のメットも積んで来てるから。ま、貴方にはブカブカだろうけど我慢してね?王子様用だからさ。』『あ、あのぉ…何故私がヘルメットを被るのでしょう?』『案内いるでしょ(笑)後、王子様の妹の相手。心配させない為に、さ♪』『…それは…確定事項?』『選択の余地無し!うぅん?まさか…全部冗談でした、とか?』『い、いえいえ!』(何か目が据わってる…)『おし!じゃ、一息着いたら行こ?先方さんもいきなりじゃびっくりするだろうし、私も道を確認したいしね。あ、王子様に表敬訪問するって連絡入れといて?』   (2015/6/13 15:09:41)

おしらせしんじさんが退室しました。  (2015/6/13 15:10:39)

おしらせしんじさんが入室しました♪  (2015/6/13 18:07:33)

しんじまもなく時計の針が5時を指す頃。『こんばんは…』バイクの音が止み、インターフォンから力の無い声と『おーい、マヤ!』聞き慣れない声。『遠野、どうした?!』ドアを開けると、見慣れぬ少女…私服の小山内縁に支えられた遠野真矢が辛うじて立っていた。『…あ、小山内さんか。いらっしゃいませ。遠野…は、平気じゃ無いな。どれ、』『おおっ』『ふぁあ?!』ひょいっと遠野を抱えあげて『あ、小山内さん、遠野の靴脱がせて下さい』『はいよ。中々良いな、うん。』何かしきりに感心している小山内は無視して、遠野を抱えたまま居間に行き、『レイ、来てくれ。』遠野をソファーにそっと下ろす。『は~い、って遠野さん平気!?』遠慮して顔を出さずにいた玲羅が飛んできて『あ、待ってて?お兄、扇風機こっち!直接風が当たらないようにね?!』パタパタと奥に引っ込み、手にタオルケットを持ってきて遠野にかける。クッションの位置をずらし、居心地の良い体制を整え、『あ、待っててね~』再び奥に消える。『ふぅん?君達兄妹は凄いな、うん』腕組みしながら見ていた小山内が誰にともなく呟いた。   (2015/6/13 18:24:14)

しんじ『馴れない道だったもので、少々運転が雑でごめん。普段二人乗りなどしないし、ここまでひ弱だとは思わなかったんだ。』横たわる遠野に、頭を下げると『…いや、いいっすよ…』どうやら意識はしっかりしてるらしく、遠野が答える。『そうか。あ~、王子様、目的地の住所と、地図ある?道路地図なら一番いいんだけと、なければ市内のやつかな。』『あります、ちょっと待ってて下さい。』熊谷冬馬の出ていくのを横目に(マヤ、私に感謝してもいいよ?)耳元で囁く。(は、はい?)(お姫様抱っこされて、王子様の家に上がって、妹を手なつかせる機会まで用意したんだ。拝んでいいよ?)(あの~…)(遠慮すんな。)(………)『お待たせしました。地図と、コレが住所を書いたメモです。』『うん。ちょっと借りる。』遠野から離れてメモと地図を受け取った小山内が、テーブルに向かい、目的地を探し始めた。   (2015/6/13 18:34:41)

おしらせしんじさんが退室しました。  (2015/6/13 18:36:39)

おしらせしんじさんが入室しました♪  (2015/6/13 20:27:42)

しんじ5時半になる頃。『熊谷君、少しゲームをしよう。』小山内縁はどうやら道を頭に入れ終わったようで、熊谷冬馬を見据えて『私に、君を見せて欲しい。マヤは君を評価しているが、私は君を知らない。そこで、問題だ。入江姉弟、マヤの知らない私の情報を当ててみてくれ。』『姉さん、それ、難易度高く無い?』『私は君達が何を話しているのか知らない。これくらいハンデがあってもいいだろ?』熊谷から視線を逸らさずに遠野に言う。『判りました。先に言っておきます。遠野に貴方の過去を探るなと釘を刺されていますので、それを承知しておいて下さい。』『言い訳はいい。君を見せてくれ。』『身長156cm、体重56kg。見た目より体重があるのは、極端に体脂肪率が低く筋肉を付けている為ですね。家にトレーニングマシン、多分ランニングとベンチプレス、購入はこの一年以内。外に出ない間、屋内でトレーニングしてたのでしょう。』   (2015/6/13 20:40:38)

しんじ『ほ、ほぉ?』『性格は負けず嫌いで思い込みが強く凝り性。形から入る傾向があり、防犯グッズに嵌まってますね?脇にスタンガンか改造モデルガン、足首に催涙スプレー、ウェストポーチに手錠ですか?多分そこにもスプレー。服で見えませんがベルトにはバックルナイフ。背中に折り畳みの警棒。バイクにも何か積んでいそうですね…捕まらない範囲だと、発煙筒?それに…スリングショット。変装用にも色々と揃えていそうですね。バイクは自宅には置いてないでしょうから、購入先の店の駐車場を利用してると推測します。ここまでの正解率は?』『う~ん…マヤ!こいつはなんだ!』熊谷から視線はそらさぬまま、遠野に声をかける。遠野真矢は笑いを堪えていた。『姉さん、言っておいた筈ですよ?トーマなら私より気付くだろうって。』『い、いや!だ、だって!防犯グッズだのトレーニングマシンだの…判る筈無いじゃないか!』『えっと…まだやります?』『や、やめろ!私を丸裸にする気か!』『姉さん、もしかして当たってるの?』『あ、当たってる!まさか…隠しカメラと仕掛けてるのか!』   (2015/6/13 20:55:31)

しんじ『余計な事を言ってすいません。』熊谷に頭を下げられ、『わ、私がい、言い出した事、事だか…ら…あ、謝らなくていい…』視線から挑戦的な色が消え、そして、視線を逸らす。『多分…他にも気付いているんだろ?』ボソッと、小さい声で。『推測は出来ます。あくまで仮定の話、ですが。』『いい…私を見ないでくれ。マヤ、貴方が彼を評価する意味が理解出来た。確かに彼は、姫さんとも加藤とも魔女とも違うユニークな存在だ。』『姉さん、魔女って?』『うん?知らないのか?熊谷君なら知ってるだろ?仲良いようだし。』『仲の良い魔女?坂井さんの事ですか?』遠野と熊谷が顔を見合わせる。『いや、入江先輩の事だ…知らなかったのか?本当に?』『魔女…ですか?』『魔女でなければメドゥーサだな、あれは。私が今まで興味を持ったのは3人、赤頭巾と清水夏巳、そして、あの魔女だけだ…熊谷君は魔女に匹敵してるな…』   (2015/6/13 21:10:14)

しんじ『入江先輩、何したんです?』遠野が興味津々で尋ねる。この小山内縁が怯える存在って、どんなだ?『今彼がやったのと同じ事さ。中2の時、中学の生徒会の交流で二中を尋ねた時さ。プロファイリングとか言って、ガンガン人の内面を暴き立てて!う~思い出しただけで寒気がする。なるほど…魔女が王子様を気に入ったのは、似た者だったからか、うん。』『加藤とかには興味は?』『うん?二中の王様も北条の姫も、私と同じタイプだろ?魔女と赤頭巾、そして王子、君らは私には異質な存在なのだよ。理解不能。』(歩を見たら、どうなんだろ?)遠野は会わせてみたい誘惑に駈られたが…『遠野、何考えたか知らないけど止めろ。』熊谷に却下された。そして、時計の針が6時を指す。『ちょっと電話して来ます。』熊谷はそう言って廊下に出た。   (2015/6/13 21:22:28)

おしらせしんじさんが退室しました。  (2015/6/13 21:22:34)

おしらせしんじさんが入室しました♪  (2015/6/13 23:51:49)

しんじ訂正…小山内縁の身長を『164cm』に設定するつもりが、誤って『156cm』と打ってしまいました。『164cm/56kg』が正解です。失礼しました。   (2015/6/13 23:54:11)

おしらせしんじさんが退室しました。  (2015/6/13 23:54:25)

おしらせしんじさんが入室しました♪  (2015/6/14 00:17:31)

しんじ『物語シリーズ//卑怯なコウモリ』//『高橋さんのお兄さんに連絡取れました。これからで構わないそうです。』熊谷冬馬が居間に戻り、『レイ、ちょっと出掛けてくる。遠野の事、頼むね。』妹の玲羅に声をかける。『あ、うん。お兄、無茶しないでよね?小山内さん、宜しくお願いします。』深々とお辞儀をする。『うん!レイちゃん、マヤ、任せておいて!』『トーマ、人選ミス、悪かった(苦笑)ま、ほどほどにな』『マヤ、人選ミスってなんだ!』『だって、どうみても姉さんの方が危なそうだよ?』『う、うるさい!王子、行くよ。』バイクの所まで行き、熊谷にヘルメットを渡す。『しっかり掴まって!ただし、変なとこ触ったら落とすからね?』『あ、はい…どこを掴まれば?』『あ…お腹に手を回して。』『わかりました。』『行くよ!』バルルッという音と共に、まだ明るい中、二人は目的地目指して走りだした。   (2015/6/14 00:29:22)

しんじ『レイちゃん、姉さんは少々変わってる処もあるけど、私よりは常識人だから、安心していいよ?…多分』『あ、はい~…あ、そうだ!遠野さん、さっき手作りの豆乳作って冷やしておきましたから、今持ってきますね?』『ふぇ?そんなの作れるの?』『あ、はい。ただ、そんなに美味しくないかも知れないですけど。』『いやいや!もう、全然!そうだ、何か聞きたい事ある?お礼になんでも教えちゃうよ?』『あ、有り難うございます。それでは、ですね~』二人は不安を紛らす為に、雑談して帰りを待つ事にした。   (2015/6/14 00:39:07)

しんじ目的のアパートは割りと直ぐに見付かった。駐車場に黒塗りのピックアップトラックが停まっている。『202号室か。さて、行きましょう。』心無し頬が赤い小山内縁を促して、熊谷冬馬は階段を上がり、ドアをノックする。直ぐにドアは開き、茶髪の体格のいい男が顔を出した。『上がりな。』二人に声をかけ、奥に引っ込む。二人は顔を見合わせて頷き、玄関で靴を脱いだ。『あんたら、弟の何を聞きに来たんだ?』『あ、はじめまして。熊谷です。此方は小山内さん。今日は、弟さんの妊娠騒動について、お話を伺いに来ました。』ふんっと鼻を鳴らして『誰に頼まれた?』ジロッと睨む。『僕の友人の友人が、その妊娠相手なんです。僕自身は直接の面識は無いのですが。彼女…A子さんが、下ろす事も出来ず父親も居ない状況に難儀してると聞きまして、高橋さんのお兄さんなら、何か心当たりは有るかと思いまして。』『うん?優子のヤツ、下ろして無かったのか?』無愛想な表情が一変する。『優子さん、と言うのですか?すいません、その人の名前を知らなくて。』『なんだそれ?知らないヤツの心配して、わざわざ俺の所まで来たのか?』   (2015/6/14 00:56:00)

おしらせしんじさんが退室しました。  (2015/6/14 00:56:10)

おしらせしんじさんが入室しました♪  (2015/6/14 00:59:09)

しんじ『はい。友達がその優子さんの事を心配してたので、何とかしてあげたくて。子供の本当の父親の事を話さないらしくて。それで、何か裕太さんからお話を伺っていないかと、お兄さんの元を訪ねに来ました。』再びふんっと鼻を鳴らし…『優子はな、自業自得なんだ。放って置いた方がいいよ。』突き放した言い方。『お兄さんは、全てご存知、なんですね?』熊谷が正面から視線を合わせると、一瞬敵意に近い光が相手の目に浮かび、すぐにそれも消え、視線をそらす。『裕太はさ、優子の事を確かに遊び相手の一人と見てたよ。だけどな、妊娠したって相談された時、俺の所にさ、「俺も年貢の納め時かな」って、まんざらでも無い顔をして報告に来たんだよ。うちはよぉ、親父が女癖が悪くて、俺らのちっちゃい頃からしょっちゅう夫婦喧嘩してたからな、俺も親父に反抗して族に入ったり、裕太も問題起こしてたけどよ。それでも、女の子を泣かすつもりは無かったんだぜ?ホントにさ。』   (2015/6/14 01:11:30)

しんじ『はい。以前佐伯さんという方に、裕太さんは優しい方と伺いました。』『ああ、女の子、ここにも来たな。裕太に「もし愛梨が来たら、死んだ事にしといてくれ」と言われてたから。あの子、元気か?』『はい。加藤大介が面倒を見るといってました。』『若旦那か。ならいいか。で、まあ、裕太は学校辞めて俺と一緒に働いて優子と子供の面倒をみるつもりだったんだ。それをな?優子が断ったのさ。本当の子供の親は裕太じゃ無いと言い出してな?』(やっぱり…)と、小山内が熊谷の横顔を見る。熊谷は表情を変えず『子供の父親は、裕太さんのお父さん、ですか?』『聞いて来たのか?』『いえ、裕太さんが親と喧嘩して、母親と一緒に出て行かれたと伺いまして。もしかしたら、と。』『そうか…。そうさ、親父が優子を誘い、優子も乗った訳だ。妊娠したって、血液型が一緒だからばれる訳無い、そんな考えでな。ところがお袋にばれて、離婚だ。さすがに息子の彼女は駄目だろ。』   (2015/6/14 01:23:35)

しんじ熊谷と小山内は頷くだけに留める。『でな?親父が離婚すると知ったら、優子のヤツ、親父に乗り換えようとしたのさ。子供までいるんだ、結婚出来ると思ったんだろ?でもよぉ、親父は最初からそんなつもりは無いから、家を処分して、さっさとケツ巻くって知らんぷりさ。優子も最初「裕太の子供」と言ったからな。今更違いますと言っても、誰も信用しないよ。』目の前の男性は淡々と話していたが、父親も弟さんも嫌ってはいないのだろう、何処か二人に好意的な感じがした。『ありがとうございます。さて…どうしよう?』熊谷は首を捻ってしまった。予想は的中していた。問題はその後だ。目の前の男性、高橋裕太の兄の言う様に、優子さんの自業自得としか言い様が無い。『もし、もしな?優子がどうしても困ったら、俺が子供の面倒は見てやると、そう伝えてくれや。』『はい?』『いいんですか?』小山内と熊谷は正面の男性の言葉に正直驚いた。『そんなに意外か?親父の子にしろ裕太の子にしろ、俺と血が繋がってるのは確かだろ?子供には罪はねえだろうが。親の都合で子供を捨てるなって話さ。そういうヤツをいっぱい見てるからよ』   (2015/6/14 01:36:21)

しんじ『ありがとうございます。』今度は心の底からお礼を言う。『ま、優子が決める事さ。俺のトコで面倒見ても、多分アイツは子供を捨てるだろうがな。そんな女だ。だが、子供だけは助けてやりてえ…俺が引き取って、しばらくは施設かも知れないけど、俺が結婚したら、俺の子供にしてもいいさ。血は繋がってんだ、うん。』熊谷は目の前の男性に畏敬の念を感じていた。『それでは、優子さんの方の話も聞いて、改めて伺います。』『うん?アンタらがわざわざ来なくてもいいぞ?優子がやらかした事だ、ヤツに責任取らせな。でないと、懲りずにまたやらかすからな。ま、ありがとうな。俺も気にはなってたんだが、誰も教えてくれなかったから。』最後は笑顔で見送ってくれた。『帰りますか?』『……送る。』小山内縁は全く納得がいって無いようだが、熊谷は解決の糸口を見付けた事に満足していた。   (2015/6/14 01:46:45)

おしらせしんじさんが退室しました。  (2015/6/14 01:46:54)

おしらせしんじさんが入室しました♪  (2015/6/14 01:56:27)

おしらせしんじさんが退室しました。  (2015/6/14 01:56:46)

おしらせしんじさんが入室しました♪  (2015/6/14 02:30:48)

しんじキャラクターメモ:『高橋 啓太』(通称ケイタ。愛称ケイちゃん。)東(旧姓高橋)裕太の2歳歳上の兄。深津高校進学後暴走族に入り、その後高校中退。現在は族を卒業し、加藤土木に勤めている。強面の外見と裏腹に、意外と優しい家族思いの一面を持つ。独身。   (2015/6/14 02:35:46)

おしらせ無言時間が20分を超えたため、しんじさんが自動退室しました。  (2015/6/14 02:58:32)

おしらせしんじさんが入室しました♪  (2015/6/14 02:59:27)

しんじ熊谷家に帰宅すると、相原と鈴木から電話があったと連絡を受け。熊谷冬馬は遠野への報告は小山内縁に任せ、二人に電話を入れ、それぞれの話を聞き、律儀に同じ話を2回繰り返して報告を終えた。『熊谷君、本当にありがとう…まさか一日で終わるとは思わなかった。優子の方は私が後は話しておくね?あ、それとさぁ…』『うん?』『また、電話してもいい?』『いいよ?夜は殆ど家に居るから。』『ありがとうございました。お休みなさい~♪』相原の声が耳に残る。『私達も帰ろう。マヤ、送る?』『姉さん、遠慮する。トーマ、送って?』小山内縁はジロッと熊谷を一瞥し、『送り狼になるなよ?』捨て台詞を残して退散しようとして…『姉さん、それ、使い方間違ってるって知ってる?』遠野に逆に突っ込まれてしまった。   (2015/6/14 03:08:27)

しんじ『うん?』『本来狼は、ね?自分より弱い者を群れに送り届ける習性を持つ、家族思いの生き物なんだ。だから、家に無事に送り届けるのが、本来の意味。赤頭巾のイメージで、いつしか狼は悪役になってしまったけど、古来日本では大きな神と表記される程神聖視された生き物なんだよ?一夫一妻を貫き、誇り高い。シートン動物記の狼王ロボの方が、よっぽど本質を良く表してる。その意味じゃ、トーマは送り狼そのものだ。手を出してくれないからね。了解?』『………お休み。』小山内縁は複雑な表情を浮かべて帰って行った。『くれないって、なにを?』遠野を送る為に玄関に共に来ていた熊谷が、小山内を見送った後に突っ込む。『あ、忘れて?』遠野がすっとぼけて『さて、帰りますかぁ。今日は私にしては、よく動いたな(笑)ぐっすりと眠れそうだ。』   (2015/6/14 03:18:31)

しんじ帰り道、『姉さんに抱きついた感想、どうだった?』遠野が体をぶつけるようにして聞いてくる。(あ、まただ。後でレイに聞いてみよう)『予想通りの筋肉質だったね。腹筋固い。俺よりありそうだね、あの腹筋は。』『腹筋…そこかっ!(笑)(姉さんも可愛そうに…)』『うん?』『い、いや~?あ、そう言えば私の抱き心地はどうだった?』『遠野、軽いな、本当。手を怪我してても全然気にならなかったよ。』『そこかいっ?!…ふぅん?それじゃ、さ。』『うん。』『家まで抱いて連れて行って?』『無理!おんぶで我慢しろ。』『えっ?おんぶしてってくれるんだ♪やりぃ~さ、はやくはやく~』『あれ?何か…ま、いいか。じゃ、ほい。』『やった~♪これはラクだ、うん。トーマ、寄り道して、いい?』『駄目!真っ直ぐ送る。』『ケチっ…ま、いっか♪じゃ、家まで宜しくね?』『はいはい。』   『卑怯なコウモリ//完』   (2015/6/14 03:29:31)

おしらせしんじさんが退室しました。  (2015/6/14 03:29:36)

おしらせしんじさんが入室しました♪  (2015/6/14 14:38:26)

しんじ『物語シリーズ//モミの木とイバラ』//遠野真矢を家まで送り届け、熊谷冬馬は帰宅した。『お兄、お帰り~、マヤさん、平気だった?』妹の玲羅がパタパタと玄関まで走って来て兄を出迎える。『うん。今日はぐっすり眠れそうだってさ。あ、レイに豆乳のお礼言ってたよ。凄く美味しかったって。』遠野真矢の為に作った手作りの豆乳が喜んで貰えたと聞いて、玲羅は凄く喜んだ。『昨日お兄の事でマヤさんにお世話になったでしょ?それで昨日大豆買ってきて水に浸けて置いたんだ~。まさか今日来てくれるとは思わなかったけど、ご馳走出来て良かった~♪』居間に移動し、『お兄も飲む?まだ残ってるよ。持って来ようか?』『うん。飲みたい。』『じや、持ってくるね~』そして、玲羅の差し出した冷えた豆乳に口をつけ、『本当に飲みやすいな、これ。美味しいよ。あ、そうだ。』『ありがとう~♪また大豆買っとこ~って、なになに?』『レイ、聞きたい事があってさ。』『いいよ~?豆乳の作り方?』   (2015/6/14 14:50:41)

しんじ『違うよ。よく女の子ってさ、腕とか体とかぶつけて来る事あるでしょ?北条と根岸なんかもよくそうやってじゃれてるけど、あれってどういう意味があるの?』『ああ、それ?う~んと、ね…「ねぇねぇ」とか「ほら」とか「気付いて?」とか~言葉にすると、そんな感じ?』『へぇ。』『直接言えない時とか~言葉の裏の意味を察して?とか、そんな時に使うかな。どしたの?』『いや、気になっただけ。レイはやらないよね。』『うん?私も友達にはやるよ?お兄にやっても気付かないから、お兄にはやらないだけだよ~』『あ、なるほど。確かに気付かないな、うん。』(遠野も相原も、何が言いたかったんだろ?)『うん~?何か怪しいぞぉ?』『明日はお祭りか。清水も明日からしばらく学校に来ると言ってたし、祭りも来そうだな。』   (2015/6/14 14:59:08)

しんじ『お兄、ごまかしたね?ま、いっか~。それにしても、さぁ、小山内さんだっけ?綺麗な人だったね~それに、なにか格好良いし。アクション映画のヒロインみたい…こう、銃とか構えて~パンッとか悪い人倒してさぁ~』『あの人ならやりそうだよ。凄く鍛えてるし、腹筋凄いしな。』『うん?お兄…見たの?』『いや、ほら、バイク乗せて貰うのに、お腹に手を回したからさ。腹筋固いなぁ~って…イタッ!』熊谷が言い終わらない内に顔面にスリッパが直撃していた。『変態!スケベ!無神経!!』玲羅はドスドスと歩き去って行った…扉を壊さんばかりに力いっぱい閉めて。   (2015/6/14 15:07:31)

おしらせしんじさんが退室しました。  (2015/6/14 15:07:36)

おしらせしんじさんが入室しました♪  (2015/6/14 19:30:56)

しんじ夜も9時になろうかという頃。遠野真矢の家の電話が鳴る。『真矢、小山内さんていう方から電話よ。』部屋で本を読むでもなく、なんとなくペラペラと習慣で弄んでいたが、『あ、はい。』電話に出ると、『マヤ?こんな時間にごめん。何かさ、色々とあったでしょ?一人で居ても落ち着かなくて…』『姉さんもか。私もぼけっとしてたよ。』『あ、あのさ?私、強引だから…迷惑じゃ無かった?昨日知り合ったばかりで、今日も図々しく押し掛けて…私さ、友達居ないから、嬉しくて、つい、やり過ぎたかな~とか、考えてて…そしたら、もう…』『らしくないなぁ~私もさぁ、ナツと初めて会った時、そんな感じだったなぁ…懐かしいなぁ~』『へぇ~マヤにもそんな時があったんだ…ちょっと安心したわ。』『そう?あ、今日は本当にありがとうございました。来てくれて、凄く嬉しかった。ホントだよ?』『ありがと。明日ほら、みんなと顔会わすでしょ?今日は挨拶だけだったし…不安もあったんだ。』   (2015/6/14 19:44:19)

しんじ『だろうね、姉さんの気持ちもわかるよ、うん。』『それで、電話貰った時、王子様を知るいい機会だと思ってさ…何か彼に聞いた?』『うん?』『いや…私の事。多分貴方以上に彼は気付いているだろうから…』『トーマは、さ、余計な事は言わない子だよ。仮に気付いていても、知らない振りしてくれるよ?』『そ、そか…あれだけズバッと言われるとね…だ、だってさ、絶対おかしいだろって事が一杯あるでしょ?』『うん?トーマの頭の中?』『違う~…ほら、私の事…彼、今日色々と言ってたでしょ…でさ、…お金どっから出てくるんだ?とか、普通思うじゃない。それで…気付いてるんだろうなって…』『あ~そうだね。相当使ってるよね?聞いて欲しい?そこ。』『あ…うん…貴方には話しておくね?彼は気付いてると思うし。私ねぇ…少し、荒れた時期があってさ…家でね。もう、親も一時は私が怖くて腫れ物扱いされてね?』   (2015/6/14 19:56:06)

しんじ『なるほど~、親を脅して金出させてたのか。納得。』『う、うん…あっ!免許とバイクは、さぁ~高校受験と合格を条件に出してもらったんだよ?脅してじゃ無いから!…ま、他は…偉そうに言えない、か…』『いやいや。立ち直ったんだから、いいでしょ、そんなに卑屈にならなくてさ。でも、よく立ち直ったね。』『坂井先生の舞台を見たから、かな。特にモミの木、あれ観たとき泣いた…私に話し掛けているみたいな気がして。それで、赤頭巾を探しに出たんだ~、良かった、貴方に会えて。』『モミの木、かぁ。あ、そう言えばさ。モミの木とイバラって話がイソップ童話にあったな~。姉さんにピッタリの話かもね。』『うん?何それ?』『知らない?じゃ、教えてあげる。』   (2015/6/14 20:03:54)

おしらせしんじさんが退室しました。  (2015/6/14 20:04:00)

おしらせしんじさんが入室しました♪  (2015/6/14 20:27:35)

しんじ『モミの木は立派にすくすくと育って、イバラがそれを羨ましいと言ったら、ね?モミの木がイバラに向かって、私は貴方の方が羨ましい。私は切り倒されるけど、貴方は誰も触ろうとしないから、長生き出来るでしょ?という話。』『私はイバラか!…うん…トゲトゲしてるな…』『トーマは触ってくれたじゃん。』『う、うん…あんな風にさ、ギュッとされたの、初めてだよ、私…』『ドキドキした?姉さん、可愛いなぁ~』『う、うるさい!あ~でも、ドキドキしたわ、うん。あ、そ、それでさ!』『うん?』『彼…何か言ってた?』『あ~、うん。腹筋凄いって』『へっ?』『姉さんの腹筋凄いな~って感心してたよ~』『ふ、ふ、ふふ…腹筋!?そこっ?!』『うん♪トーマの中の姉さんのイメージ、腹筋女で決まりだね。』『あ、貴方だって鳥ガラじゃないか!』『あ、前は、ね。それも姉さんに感謝しないとね~』『な、なにを!』   (2015/6/14 20:38:12)

しんじ『姉さんのお陰で、今日抱っこして貰えたでしょ?私の事、羽毛の様に軽いって♪姉さんは腹筋、私は羽毛~♪』『あ、貴方ねぇ~』『姉さん、トゲトゲし。な、い、の、♪』『くっ…』『あ、茨と云えば…姉さんを茨姫と呼ぼう、うん。』『そんなにトゲトゲしてるか?私は…』『あ、違うよ。茨姫の物語は、ね。他の童話と少し違うんだ~。あれ?知らない?』『知らないよ!教えてよ、それ。』『あのね、茨姫が生まれた時に、妖精を招待して、招待された妖精がお礼にお祝いをするんだけどね?妖精は13人居たのに、席が12しか無くて、12人しか招待しなかったんだ。で、13人目が怒って「惨めな死を迎える!」と、呪いをかける。さて、12人目の妖精がまだ贈り物をしてなかったので、「では、私はその呪いを死では無くて100年の眠りに変えよう」という。で、絶世の美女茨姫は、その絶頂期に眠りに落ちて、茨に覆われてしまうんだ。』   (2015/6/14 20:48:51)

しんじ『ふぅん?絶世の美女は嬉しいけど…どうなるの?それで。』『うん。100年経って呪いが解ける時が来て、そこに王子様が通りかかり、二人はめでたく結ばれるんだけどね。茨姫は、誰かが起こすのでは無くて、勝手に一人で起き出すという~童話では変わりだねの話なんだ。姉さんにぴったりでしょ?勝手にノコノコ出てくる所が。』『そこかいっ?!ついでに、トゲトゲしてるし?』『うん♪』『…ハハッ、ありがとう。話してたらスッキリした。緊張してたのかなぁ~』『しなかつんたら、それこそ変だよ?うん、私も話せて良かった。明日、また、学校でね?』『うん!お休み~…マヤ、ありがとう♪』『お休み、姉さん。此方こそ♪』そして、電話は切れた。(茨姫…姉さんに似合いだろ…姉さん、トーマはトゲなんか気にしないから、さ)一つ歳上の新しい友達に心の中で話しかけ、(うん?歳上…ヤバくね?それ)熊谷冬馬が小山内縁の好みで無いことを祈る遠野真矢なのであった。『モミの木とイバラ//完』   (2015/6/14 21:02:23)

おしらせしんじさんが退室しました。  (2015/6/14 21:02:28)

おしらせしんじさんが入室しました♪  (2015/6/15 01:05:44)

しんじ『物語シリーズ//がらくた』//『おはようございます。』今朝も時間に正確に、熊谷冬馬は遠野真矢を迎えに訪ね、『お、おはよう』普段より体調が良いのか、うっすらと赤みの差した顔で遠野真矢が顔を出した。『昨日は良く眠れたみたいだね。』『うん?』『今朝は珍しく顔色が良いなって、そう思って…うん?』遠野がドンッとぶつかり、『悪い、足元がよろめいた。』舌を出し、故意だと告げつつ平然と言う。『おいおい…あ、そうだ。コレをさ、小山内さんに渡しておいてくれる?』熊谷が鞄から、小さな袋を取り出して遠野に渡す。『自分で渡せば良いだろ?何かヤマシイ物でも入ってるのか?』『いや…ただのリストバンドだよ。あの格好じゃ、突っ込まれるの確定だろ?コレなら不自然じゃ無いかなって思ってさ。』立ち止まり、マジマジと熊谷の顔を見る。『やっぱり気付いてたのか…うん、渡しておく。ところでさぁ…』『遠野、ありがとな。うん?』『トーマは姉さんみたいな人、どう思う?』『いい人だと思うよ。』その返答を聞いて、『はぁ…』と遠野が溜め息をつくと、『さ、行きますか~(姉さん、昨日は寝れたのかな…)』『遠野、何か言った?』『いーえ!ほら、行くよ。』   (2015/6/15 01:24:49)

しんじ学校に着き、『じゃ、またあとで。』熊谷が5組の教室に向かうのを確認して、遠野は3組の教室に入ると…小山内縁が昨日と同じ席で、小さく手を振っていた。『おはよ♪』『姉さん、おはようございます。』ペコッと頭を下げてから席に着く。『あ、これ…今朝、トーマに預かったよ。』と小山内に袋を渡すと、『えっ?まさか…恋文?』頬にすっと赤みが差すのを、遠野は見逃さない。『さあ?開けてみれば?』『あ、うん…なんだろ?…あっ…』テニス選手とかがよく身に付けている、白いタオル地のリストバンド。中にはメモが…『ちょっと待て!コレは暗号かっ?!』(あっ…トーマめ、左手で書いたな?)『姉さん、それ鏡文字(笑)あ、その格好だとばれるよって、トーマからの伝言。』『ふぅん?どうやって読むんだよ(苦笑)』『鏡で反転させるんだよ。もしくは~こうやって透かして裏から見ると?』「きのうはたすかりました。ありがとうのきもちです。」『ほぉ…お洒落な事をするなぁ…惚れそう…』『駄目っ!』ガタッと立ち上がり(しまった!)『アハ?ど、どうも~』振り返って此方を見る人に、小さく手を振り、席に座る。小山内縁はお腹を抱えて笑っていた。   (2015/6/15 01:44:02)

しんじ『うん、早速使わせて貰おうかな?』カーディガンを脱ぎ、長袖シャツの袖を捲る。左手首に5本の赤い条…小山内縁はリストバンドで傷後を隠し、『うん。涼しくなった。』脱いだカーディガンを腰に巻く。『これで少しは普通に見える?』遠野に尋ね、『そのやり過ぎ眼鏡を辞めればね?』と返されて苦笑した。『そっか…じゃ、これならどう?』鞄から眼鏡ケースを出すと、中に入っていた銀縁の眼鏡と代えて『どうかな?』ニコッと笑ってみせる。(うっ…か、可愛い…)『姉さん、眼鏡っ子路線で行くの?似合ってるよ。』『ありがとう♪おっと、先生来たね。さて…』挨拶をし、配られたプリントに視線を移す。その横顔を見詰めながら(綺麗な人って、何着けても似合うなぁ…)遠野真矢は、心の中で呟いた。   (2015/6/15 01:56:01)

しんじ一方、5組の教室。『トーマ、おはよう~♪』『トーマ君、おはようございます♪』北条結紀と根岸明子が手を振って熊谷冬馬を迎えてくれた。『おはよう…そっか、昨日の今日か、まだ。』『うん?トーマ、どーした。』『いや、今日お祭りの日だなってさ。』『そだね~って、私には関係無いんだけどぉ…』『人、多いものね~姫もマヤさんも大変。』『俺はレイの付き添いだからな~。ほら、レイちっちゃいから、目印無いとすぐ迷子になるだろ?』『ちっちゃいよね~、いま、何センチあるの?』『142cmだったかな?小学4年生位だろ。最近少し伸び始めたみたいだけどね。』『へぇ~。うん、まだまだコレからだよ。ね?』北条の言葉に根岸明子が凄く頷いている。『おっとぉ?先生来たな。じゃ、後でね~♪』二人は自分の席に向かい、授業開始となった。   (2015/6/15 02:08:31)

2015年06月11日 01時42分 ~ 2015年06月15日 02時08分 の過去ログ
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