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「青い夏、袖を引く。《置きロル部屋》」の過去ログ

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タグ 3L    創作  学園  青い夏、袖を引く。


2022年07月16日 20時28分 ~ 2023年06月04日 20時01分 の過去ログ
過去ログでは上から下の方向に発言を表示しています

おしらせ新規ルームを作成完了しました。(iPhone SoftBank)  (2022/7/16 20:28:52)

おしらせ八牟礼 うい/3.♀さんが入室しました♪  (2022/7/18 03:27:54)

八牟礼 うい/3.♀ミーンミンミン。意識を手放す直前まで脳内をぐるぐる支配していたのは、けたたましい求愛の鳴き声だった。言うまでもなく、ういは蝉がきらいだ。夏がきらいだから。結局のところ、" 夏の風物詩 " なんて、綺麗な言葉で閉じ込めているだけじゃないのとすら思う。こんなものを風流なんてぬかす日本人とは、とても相容れない。うるさいのは嫌いだ。この鳴き声は、生命とか本能を連想させるから、なおさら嫌いだ。力強い他人の情動をぶつけられると、案外疲れるものなのだ。窓際の後ろから2番目、窓とカーテン越しのどうしようもない騒音に耳を塞いで(ついでに英語教師の声からも耳を塞いで)、自らの身体を手繰り寄せるようにして身体を縮こませる。授業中の入眠は、この形がデフォルトのようだ。 ……学ぶ権利を捨ててまで見た夢は、それはそれは奇妙かつクレイジーなものだったけれど、敢えてここでは切り捨てよう。とにかく彼女の意識が再び覚醒したのは、授業の終わりを告げる鐘の音が蝉の声を掻き消したときであった。   (2022/7/18 03:29:03)

八牟礼 うい/3.♀クラスメイトの発する気怠げな『起立、礼』を耳の浅いところで受け止めながら、くあと野生動物を思わせる欠伸をひとつ残してみる。起き上がる気分でもないから、伏せたまま。申し訳程度に広げていた授業プリントにはダイナミックな皺がいくつも寄ってしまっていた。ただ、このプリント自体、ずっと前に行われた授業のものであるということを、八牟礼ういはまだ知らない。そして、きっとこれからも知らないままで生きてゆくのだろう。鐘の余韻に浸ることなく疎らに口を切りはじめた生徒たちの声が、放課後の色を一層濃くする。それでも彼女は顔を上げない。ただ只管、惰眠を享受する。覚醒と没入の境界をふらふらと彷徨いながら、片頬を二の腕にくっつけて、マルーンの瞳を瞼に隠している。騒音を嫌う彼女ではあったが、放課後の喧騒には慣れきっていた。今ではすっかりBGMとして切り捨てることができる。すう、と、一息めの寝息。   (2022/7/18 03:29:33)

八牟礼 うい/3.♀>綴 紫由くん   (2022/7/18 03:30:02)

おしらせ八牟礼 うい/3.♀さんが退室しました。  (2022/7/18 03:30:04)

おしらせ綴 紫由 /3年.男さんが入室しました♪  (2022/7/18 16:35:02)

綴 紫由 /3年.男アラーム音は、おれの知らぬ間に蝉声に設定されていたらしい。起きたことを何度訴えようとも止まらぬそれに痺れを切らし起き上がると、壁にかかった時の数字の羅列の前にはPMの文字が浮かんでいる。──────おれは、自分のことを真面目な人間だと思っている。根拠としては第一に、遅刻しても〝きちんと〟学校にいくところ。(これは自慢であるが)おれの通知表の出席日数の欄、欠席日数の項目には美しい0の文字が記されているのだ。そのために、おれは昼休みには学校に到着しており、数時間の授業を自席で受けていた。外を歩いてきた熱が抜けなくて、手のひらをひんやりとつめたい机の中に押し込む。青春とは躁鬱病だと言うが、それならば余りにうつだと思うし。うつだと言えば、この眠たさにだって納得がいった。   (2022/7/18 16:35:14)

綴 紫由 /3年.男夜はいつの間にか寝ているから今日の睡眠時間など知らないが、それでも朝から登校している彼らよりは量も質もずっといいはずである。はずであるが、気づけば数時間は文字通り瞬く間に過ぎ去っていった。帰りのホームルーム、窓の外のその色はまだ随分明るい。きりーつ、れい、はシ♭。床を叩く椅子の、演奏指示はオープン。指揮は下ろされ、ひとつの大粒だった雫は個々となって拡散する。座ったまま、大きな伸びをした。帰ってもすることがあるわけじゃないから、家でおれは煙草を吸いながら読みかけの本を読むだろう。長い長い24時間を、ただ削るのがおれの〝生〟である。ふと気がつくと静かになっていた教室には、スピログラフ製の秒針だけが唯一の音だった。緩慢な動作で立ち上がり、それに椅子を引く音を加えデュオにする。セレストに染まる室内、夜をみたのは、貴方のせい。「あれ」名前順の座席にすると、触れられない距離。青春を躁鬱病に例えるなら、放課後はきっとソウ。ルールも無視して、秩序もロマンも放り出した衝動が、許される。   (2022/7/18 16:35:51)

綴 紫由 /3年.男「八牟礼さん、」「もう放課後だって。ホームルーム終わったらしいよ」机の縁を叩いて、窓枠とその下の頼りないヒーターに体重を預けた。立ち入り禁止を犯せない臆病な男は、貴方に指1本とて触れることなく、ただかけられた札を無関心そうに眺めているばかりだった。   (2022/7/18 16:35:54)

綴 紫由 /3年.男> 八牟礼 ういさん   (2022/7/18 16:36:27)

おしらせ綴 紫由 /3年.男さんが退室しました。  (2022/7/18 16:36:31)

おしらせ八牟礼 うい /3.♀さんが入室しました♪  (2022/7/20 21:26:43)

八牟礼 うい /3.♀半覚醒状態の頭が、誰かに声をかけられていることを認識している。設定された温度まで下げきってからすっかり動きを止めてしまったクーラーのせいで、教室を漂う空気は鈍くぬるいものになっていた。「んん」濁音混じり、鼻にかかった呻きに近い声をひとつ。彼女にとっては返事のつもりらしい。返事のつもりでいて、それでいて、拒絶のつもり。うい今寝てるから、話したいこととかないから、察してよ。甘えたがりで他力本願の彼女は、どこまでも〝察し待ち〟の難しいお年頃である。実のところ、柔らかなテナーでなぞられた自分の名前をほんの少し心地よく感じていた。そんなこと、誰にも────もちろん同じ空間にいるであろう貴方にも──── 一生言わないつもりだろうけれど。ホームルーム終わったらしいよ。「んん、」例のうめき声を返す。それは先程より幾分か不機嫌そうな色を含んでいて、察してよ、なんて可愛らしいものではなかった。控えめに言っても、察せ!あたりが妥当である。実際、しばらくの間、ういは眠りから覚めないふりを決め込んでいた。   (2022/7/20 21:27:51)

八牟礼 うい /3.♀この時点ですっかり脳みそは概念的朝を迎えていたのだけれど、ここで顔を上げてしまうのはなんだか癪だった。年齢不相応の、小学生のような、くだらない意地。……あいも変わらない害虫の声と、遠くから聞こえる運動部の掛け声。そして、わたし以外の衣擦れの音。他者の存在を、嫌というほどわからせられる。あなたはなかなか、立ち去らない。はあ白旗。案外あっけなく、彼女はぬらりと起き上がる。黒髪を手ぐしで整えて、あなたの目をじいっと見つめた。「ひまなの?」「しゆくん。」不思議と、あなたの名前を覚えていた。新年度、ほぼ惰性の自己紹介、紫って字とドーンパープルの瞳が、やけに印象的で。しゆ、って、あんまりいない名前だし。呼び慣れないはずの名前は、意外とすんなり舌に溶ける。上体を前に倒すと、床と椅子の摩擦音が刺々しく耳に刺さった。頬杖をついて、まばたき数回。あなたの声を待つ。   (2022/7/20 21:28:03)

八牟礼 うい /3.♀>綴 紫由くん   (2022/7/20 21:28:24)

おしらせ八牟礼 うい /3.♀さんが退室しました。  (2022/7/20 21:28:32)

おしらせ花穂 桜雅 / 3.♂さんが入室しました♪  (2022/7/20 22:00:57)

花穂 桜雅 / 3.♂ いつの間にか、西の空は焼けていた。背中を燃やす太陽すら、地平線にくちづける準備をしている時刻だ。セピア色のフィルターがかけられた教室は静まり返っていて、たったひとり、夢と現実の狭間を行き来していた。 「 ……ねむ、」 藍を透かした紫や黄が、斜陽の余韻にやわらかく滲む。鮮烈な光が、この男のからだの輪郭を橙に縁取っているものだから。このまま、夢のなかへと足を踏み入れてしまおうか。 思春期特有の気持ち、環境の変化とやらで、一生続く友情を築くことは難しいことだと思う。そんななかで、ずっと傍にいてくれたひと。 数年来の付き合いである男を待っている。 友達として。そして、恋人として。《三和 貴船》のその際限がない優しさは、今までに、この男を何度も救っている。それと同時に、この男を苦しめるものでもあるのだ。    (2022/7/20 22:01:15)

花穂 桜雅 / 3.♂ 〝じゃあ、付き合う?〟 脳内に鳴り響く、あの日の言葉。 (あいつのことはすきだった。・・・今も、変わらず。) 付き合うということは、ずっと一緒にいるということ。 そうでないということに気が付いたのは、つい最近のこと。 それでも、彼の手芸部の活動が終わるまで、健気に彼のことを教室で待っているのは? (・・・すきだから。) ほんとうは、見て見ぬふりをして、いつまでもこの甘美な関係性に入り浸っていたい。そのまま、微睡みの延長線のような、安らかな眠りにつきたい。 意識が段々と遠のいていく。 下校時間に流れる音楽をBGMに、ゆら、ゆらり。 そういや、この男は《三和 貴船》の席に座っていた。その男のスクールバッグを勝手に枕にして、窓側に間抜けな顔を晒している。上体を起こしたときには、右頬にスクールバッグの痕がついていることだ。そんなことも気にせず、へにゃりと口元を緩めている。こちらへと近付いている足音には気が付いていないものだから。 彼の意識は、とっくの前に甘美な夢のなか。 夜の魔物は、だあれ。    (2022/7/20 22:01:36)

花穂 桜雅 / 3.♂>三和 貴船くん   (2022/7/20 22:02:00)

おしらせ花穂 桜雅 / 3.♂さんが退室しました。  (2022/7/20 22:02:03)

おしらせ三和 貴船 / 3.♂さんが入室しました♪  (2022/7/20 22:25:06)

三和 貴船 / 3.♂(廊下に響く足音には、焦りが滲んでいた。普段ならば『夏らしくて趣深い』だなんて褒めてやっているだろう蟋蟀の鳴き声が、頭にガンガンと響いてくる。そこは、つい五分前まで強烈に空調が効いた部室でどうにか暖を取ろうと、肩を竦めていたのが馬鹿らしくなるくらい蒸し暑かった。緩慢に滴る汗を頼りに肌に張り付いた自慢の桃色が、今だけは億劫で仕方がない。無害そうに輝いておいて、確実にジリジリと眼を焼く夕日を、呑気に綺麗だと表現したのを後悔したくなった。それでも進む足を止められなくて、さらに早く早くと己に急いてしまうのは他でもない、ただ“彼”のため──────否、単に“俺”のためだったんだろう。)   (2022/7/20 22:25:18)

三和 貴船 / 3.♂「・・・寝てるし。」(彼は言わばこの男にとっての親友というやつで、最も大切な相手だ。こうして、“大切”の二文字に収めることを厭うくらいには、彼のことが好き。──────男はあまり我慢というものが利かない性質なもので、『好き』だとか『愛してる』だとかを、人生の色々なタイミングで思うがままに伝えてきた方だった。でもそれはキャッチボールのようなもので、男はただ投げられたボールを同じ力で、同じ速さで投げ返すことしか出来ない。ひとには優しくして愛してあげたいけれど、大事なところで踏み込むのを怖がる臆病者だから。・・・だから、後にも先にも、自分から先に力いっぱい投げてみたのは、彼に対してだけだったのだろう。あの時、彼があんなバカげた提案を了承したことには驚くばかりだったけれど、男はもっとバカであったので舞い上がったし、益々好きになってしまったのである。)   (2022/7/20 22:25:31)

三和 貴船 / 3.♂「おうが、桜雅。・・・起きて。」(『俺に我慢させて、』だなんて情けない言葉は既所で飲み込んだ。・・・けれど。本当は今だって、己の鞄を枕に惰眠を貪る彼の呑気な寝顔を、滅茶苦茶にしてやりたくて堪らなかった。なけなしの理性が、悪夢のような暑さの抑止力になっていることが奇跡のようにも思えた。)   (2022/7/20 22:25:43)

三和 貴船 / 3.♂» 花穂 桜雅   (2022/7/20 22:27:18)

おしらせ三和 貴船 / 3.♂さんが退室しました。  (2022/7/20 22:27:22)

おしらせ綴 紫由 /3年.男さんが入室しました♪  (2022/7/21 16:45:19)

綴 紫由 /3年.男霞がかる春の空が、お前みたいだと思う。腐食を肯定した6時間目、現代文。国語辞典で〝あい【愛】〟をひく。続く意味が多すぎて、結局よく分からなかった。お前の求めるものが分からないから、おれは与えてやれないということにした。 黒板から視線を外すと、俯いている無数の頭が他人事のように思えてきて。形だけ握っていたシャーペンを、机に転がした。なんとなくお前も白いノートをしている気がした。ほんとうに、気のせいなのだけれど。眠るのにも飽きた昼下がりに、誘い文句が嘘にならない裏付けをする。机の下で確認すると、…ほら、やっぱり。今日、家誰もいない。コピー・アンド・ペーストの、使い古した誘い文句だけれど、お前はずっと誘われてくれるね。情熱的なキスのひとつもありはしないのに。今日は映画をみるの、本を読むの? 知らないけど。〝愛の正体は融合である〟の一文が、やけに心に残っている。郵便配達のバイクの音を、ひとつのベッドで聞くおれたちはひとつか、ふたつか。分からぬことばかりだけれど、おれたちという人格は酷く寂しいものだろうなと、指先でなぞった愛の字に思う。   (2022/7/21 16:45:29)

綴 紫由 /3年.男放課後は遊泳期間。スタートダッシュを決めなかったおれは、人がまばらになってから漸く廊下へ出る。『夏のあの日』を題名に据えたプレイリストの、一曲目は蝉声。重なる、足音。お前を迎えに行くため以外に、入ったことのない教室のドアを、何度目か引いた。「…鈴原、」逃げないと分かっている癖して、外堀を埋めるようなことばかりしてしまう。お前の返事を聞き逃さぬよう、聞き直さぬよう。蝉の一週間の命を、人間の一生に置き換えたことがある。そしたら確か、地上で暮らす時間は──────。「今日、家誰もいないけど、くる」   (2022/7/21 16:45:42)

綴 紫由 /3年.男> 鈴原 蘭さん   (2022/7/21 16:46:25)

おしらせ綴 紫由 /3年.男さんが退室しました。  (2022/7/21 16:46:27)

おしらせ終日 春子 / 2.♀さんが入室しました♪  (2022/7/21 22:11:34)

終日 春子 / 2.♀ 〝父親〟にくらっとするところ、変わらない。この男が、こんなに愛おしそうに語る相手が、アタシだったらいいのに。それが、性愛の文脈じゃない、もっとなにか、無条件のものだったらいいのに。そうやって、心のどこかが悲鳴をあげていました。 〝そういうのじゃないよね〟 昨日、パチンコ屋の前で、愛人(それは様々な意味があり、どのように受け取ってもらっても構わない)を待っていました。 事前に連絡を寄越さなかったアタシも悪いけれど、外でのアナタを見てみたかったから。炎天下のなか、日傘を差して待っていたアタシを見て、パチンコ屋から出てきた男は怪訝な顔をします。 コルセットでウエストを締め上げ、これでもかというほどふんだんにパニエを重ねたスカート、レースをあしらった姫袖に、リボンが飾られた底の高い靴。 アタシの突然のお出掛けをしようというお誘いに、そう返されることも無理はありませんでした。 けれど、そんなアナタのために着飾ったアタシのことを褒めてほしかった。 かわいいね、と。娘の頭を撫でる父親のように。それだけで良かったのです。    (2022/7/21 22:12:28)

終日 春子 / 2.♀ アイスブラストは、フィルターの部分にカプセルがあり、それを噛むとメンソールの味がするという代物です。男がカプセルを噛むと、カチッと心地よい音がしました。 八ミリというタールが重いのか軽いのかさえ、アタシには分かりませんでした。 (子どもをやれなかったアタシは、いつまでも子どものままなのです。) ですから、腹いせとも言いますか。気の迷いとも言いますが。 「 三島くん、アタシとデートをしましょう。」 アナタとの関係は、昨日の男とさして変わりません。〝そういうこと〟をするだけですから、学校で話すことも滅多にありませんし、外で会うだなんて、尚のことです。 アナタの後ろ姿を辿って、その腕を両手で引っ張って、此方へと向かせたかと思えば───。 アナタの曖昧な返事に、アタシが心底安心したような顔をしたこと。アナタは気が付いていたでしょうか。それとも。    (2022/7/21 22:13:45)

終日 春子 / 2.♀ 昨日と、それから今日の午前中にあったことを振り返っているアタシは、待ち合わせの時間の十五分前に、待ち合わせ場所である駅前に到着しました。一度家に帰り、服を着替え、ふたたび待ち合わせをすることを提案したのは、このアタシ。 《終点にある海に行こうと思います。》 行き先を提案したのも、このアタシ。 《今から、家を出ます。》 ご丁寧に、句読点までつけているのも、このアタシ。 《着きました。》 なんせ、デートですから。 よそよそしいくらいに純白のヘッドドレス。六箇所も結ばなければいけない白のブラウスに、ピンクの甘くてイノセントなジャンパースカート。レースとリボンのドーリーなハイソックスに、真っ白のお靴。 今日の装備。 乙女にとってのお守りは、ツインテールがぴったり。 「 ……はやく着きすぎたかしら。」 夏のはじまり、昼下がり。 日傘を、くるりと回してみせます。 ご機嫌斜めなお空には、中指を立ててやりたくなりました。    (2022/7/21 22:14:31)

おしらせ終日 春子 / 2.♀さんが退室しました。  (2022/7/21 22:14:51)

おしらせ終日 春子 / 2.♀さんが入室しました♪  (2022/7/21 22:14:59)

終日 春子 / 2.♀>三島 斐陽くん   (2022/7/21 22:15:21)

おしらせ終日 春子 / 2.♀さんが退室しました。  (2022/7/21 22:15:23)

おしらせ花生 猪玄/大2.♂さんが入室しました♪  (2022/7/23 21:08:11)

花生 猪玄/大2.♂( ――大学生の一日って、高校生が密かに憧れたり、社会人が「あの頃は楽しかった」と振り返るほど煌びやかなものじゃないと思う。そりゃ高校生や社会人よりは自由だけれど結局学校というものに縛られているし、空きコマ作るとダルいし友人が一人風邪を引いて休んだだけで心が沈むし、いやそれは俺の気持ちの問題なんだけれども、とにかく瞬間風速的な裁量で判断するのなら絶対に高校の時の方が楽しかった。もうこればかりは声を大にして言いたい。高校生が感じる大学生への憧れは自由を渇望しているだけだし、社会人のソレなんかただ若くて輝いていた自分を夢想しているだけだ。もう20年も生きていればガス欠起こして大学なんぞやっていられなくなるに決まっている。その点高校の頃は体力があったから無茶できたし、ある程度は若さのせいにできたし、――あとはあれだ、頼まれれば思わず何でもやってあげたくなるような、目に入れても痛くないほど可愛い後輩がいたし。 )   (2022/7/23 21:09:01)

花生 猪玄/大2.♂( 時刻は午後16時30分。4限終わりともなれば普段は口にさえしない愚痴が雪のように積もるもので、大学の正門を出るとひとつ大きな溜息を吐く。これは己の悪い癖なのだけれど、学校から一歩出ると急に気が抜ける。先程まではあれほど友人たちと騒いでいたというのに――いやそりゃ友人がいない一人きりの場でも笑顔で騒いでいたらただの変質者なのだけれど、それにしたって肩の重くなり方が尋常じゃない。これは間違いなく寝不足がたたっている。昨日飲んだ酒も抜けきっていないし、何より一番は暑さのせいだ。こんな日差しじゃまともに動きさえできないのに。) ………お、 ( と、道端にすら吐き出せない文句を飲み込んだと同時。ふと視界に見覚えのある後ろ姿が映り、ひとつ瞬き。次いで幾分か鮮明になった視野で小さな背丈とホワイトカラーを確認し、ぼうと浮かんだ推定が確信に変わった。知っている。いや知らないはずがない。春嶽るるか。高校時代、己が実の妹のように可愛がり――そして卒業の際、置いていくことを心底心配に思った後輩だ。 )   (2022/7/23 21:09:20)

花生 猪玄/大2.♂ るるか! ( 同じ敷地内に学校が存在するとはいえ、よもやこんなところで見かけるなんて思いもしなかった。思い出に浸るよりも先に名を呼び、それを認識したと同時に駆け出し、数秒後にはその肩を掴んでいる。まるで今この時だけ疲労と暑さの概念が吹っ飛んだようだった。下がりきった口角まで思わず緩んでしまうあたり、感情の出やすさは犬と同じかそれ以下といったところか。 ) 何してんだお前、送ってってやろーか?   (2022/7/23 21:09:23)

花生 猪玄/大2.♂>るるか   (2022/7/23 21:09:32)

おしらせ花生 猪玄/大2.♂さんが退室しました。  (2022/7/23 21:09:34)

おしらせ綴 紫由 /3年.男さんが入室しました♪  (2022/7/23 22:16:00)

綴 紫由 /3年.男睡眠は、死の予行練習。安らかに眠る貴方は、冬の間に丸まった命が抉じ開けられる夏という季節に反逆しているようにすら見えた。口を開いたとて弁明はなく、それはまさしく衝動であった。教室で結んだ、拙い像の貴方は怒っていたけど。本物はまだ起きそうにない。校庭をかける運動着も、教室で息をする黒と鳩羽色も等しく青春。3年目。もう終えようとしているのだけど。はじめまして。同じクラスだけど話したことがなくて。同じクラスでないときにも名前を知っていた。これは滅多にないことなのだけれど、おれはひとを起こすのが好きである。起き抜けの、ひとの睫毛の愛おしさを知っているから。朝なんて碌なもんじゃなくて、碌に気持ちよく目覚めたことなんかなくて。ずっと長い長いインソムニアのなかにいるせいで、睡眠だけがひとつの救いのように思えている18年目。セピア色にまろく溶けだす頬を、風景のように男は目を細めて見ていた。明けを感じさせぬよう。貴方にとってはどうか知らぬが、おれにとって朝は毒だから。   (2022/7/23 22:16:12)

綴 紫由 /3年.男低体温症の教室で、貴方の呻きはたった2つの生。この行為に理由なんてなく、言葉を充てるとしたらおれが合理的な生き物でないことを出生に遡り語る必要があった。──────待っていた時間と相対して、目覚めは案外呆気なかった。自身の名を呼ぶ女声。起きてすぐに動けるタイプ?いつの間にか頬杖をついていたらしい貴方と、刹那、視線が交わった。ほんの一瞬、けれど、光速だったら月にいけるね。「うん、」「実はすげーひま」男はテナーにドルチェを上乗せした。ヒーターの跡がついているだろう手に、同じ模様を場所を変えて付け直す。セピア色のフィルターは、日常を写真のワンカットに都合よく変える。「さびしくて起こしちゃった」放課後を過ごすお誘いは、遠回しだったやもしれない。「おはよう」もう、夜が近いよ。   (2022/7/23 22:16:29)

綴 紫由 /3年.男> 八牟礼 ういさん   (2022/7/23 22:16:49)

おしらせ綴 紫由 /3年.男さんが退室しました。  (2022/7/23 22:16:51)

おしらせ喫瀬 寂 / 物理.♂さんが入室しました♪  (2022/7/25 21:20:11)

喫瀬 寂 / 物理.♂( 茹だる。熱が身体中の血液に侵食している。唸る。痛みが身体中の節々に奔りゆく。─────どれくらい眠っていたのだろうか。真っ白の無機質な天井から降り注ぐのは、呪いみたいな自責の念ばかりで。男は朦朧とした意識の中、陰鬱とともにゆっくりと身を起こした。 デジタル時計を見遣ると、霞掛かった視界にPMの表記だけが明瞭に映る。然し、カーテンの閉め切られたこの部屋では、外の様子は依然わからずじまいで、今が昼なのか夜なのかは結果として不明瞭なままであった。「 あー……、 」何が原因だったのかは分からない。分からないが、ひとつ確かなことと言えば自分は今、熱風邪に身体を蝕まれていた。今年の夏の酷なことと言ったら無いことを、ふと思う。初夏の爽やかな暑気から打って変わり、突然の酷暑に襲われてバテてしまったんだろうか。ぼんやりとした頭で思ったのは、自らが三十路に差し掛かること。「 ………歳か。 」 余りに身体がだるいせいで病院には行けなかったし、市販品の常備薬じゃたかが知れているのか、病魔は一向に鎮まる気配を見せてくれない。人知れず、男は低く掠れた声で唸る。それと同時に、腹の虫がグウと情けなく鳴いた。 )   (2022/7/25 21:20:25)

喫瀬 寂 / 物理.♂メシ………、( 腹は空いているようだが、食欲は無論湧いてなど来ない。されど社会人であるのだから、何か食べて、薬を飲み、寝なくてはならないのである。不幸中の幸い、週末の出来事ではあるものの、教職に休みなど無いと言って過言ではない。その証拠に、溜まったタスクがチンケなデスクの上に鎮座している。 「 うー……、、 」ベッドから一歩踏み出そうものなら襲い来るのは天地のひっくり返るような目眩。へろへろと情けなくベッドに舞い戻ったはいいものの、男は独身のひとり暮らし。冷蔵庫の中身は貴方が想像した通りであり、頼れる人間なんて指折り数えてもゼロに等しく、要するにはかなり〝詰み〟であるのだ。 どうしたものか、どうしようか、どうすれば? 廻る視界とともに、思考も巡る。 煮えきった頭じゃマトモな答えなんて導けやしないのに。 )( 男は一頻り(というには随分短い時間だったが)考えたあと、熱の孕む手で端末を手繰り寄せた。 <たすけて> 意味ありげな4文字、間もなく付く既読の文字。<かぜひいた 飯買ってきてほしい> 宛先は、きっと回復した後にひどく頭を抱えるくせに、うら若き〝あの子〟。最低だ、わかってる。 )   (2022/7/25 21:20:37)

喫瀬 寂 / 物理.♂>日下部 真幌ちゃん   (2022/7/25 21:20:55)

おしらせ喫瀬 寂 / 物理.♂さんが退室しました。  (2022/7/25 21:20:57)

おしらせ三島 斐陽 / 2.♂さんが入室しました♪  (2022/7/27 17:12:27)

三島 斐陽 / 2.♂( ─────俺はおそらく、少し、いやかなり間抜けな顔をしていたと思う。 自慢にもならないが、校内ではそれなりに明るく振る舞う俺を何の気なしに引き止める連中は、まあ、それなりに居る。だからって〝キミ〟が、こうして俺を呼び止める (と言うにはしばしば強引さが目立ったが。)とは思ってもみなかった。それはお互い様のことで、〝キミ〟もまた、俺の腕を引っ付かみ呼び止めることになるなんて、考えてもいなかったんじゃないだろうか。 とてもじゃないが弱々しい、己の口から漏れ出すように出たかすれ声を思い出すと、余りにダサかったものだから少し笑える。 キミのそれが気まぐれなのか、俺が気まぐれだったのかは分からない。キミとの関係性に意味なんて見い出せなくても構わない。ただ、乙女的に揺れる糖度の高いツインテールが、いつもよりか少し、いたいけで可愛く見えたから。すいと目を逸らしてしまったその意味だけは、なんとなしに気掛かりであった。 )   (2022/7/27 17:12:48)

三島 斐陽 / 2.♂( 男は両の腕を組み、細い首を斜めに傾げてクローゼットの前に立っている。理由はといえば、先刻、とある女から〝デート〟に誘われたからだった。彼らの間柄、服なんてのは有って無いようなもので(彼女にとってはそうでないかもしれない)、こうして頭を悩ませてるのは、女が何を望んでいるのか男には到底理解に及ばないからである。 悩んだ末、手に取ったのはラフな白のTシャツ着、それから古着屋で買った切りっぱなしのジーンズ。「 海、…… 」徒広い部屋でシンと溶けていく男の低い声は、仄かな気だるさを纏っていた。 持ち物は男性然として最低限で、鞄のひとつすら持たず、底のすり減ったスニーカーに足を捩じ込む。すると、見計らったように臀のポケットで端末が微かに振動した。 男はそれを見て、思わず鼻の奥で笑ってしまうのだ。 《 業務連絡ですか? 》普段からたいてい愛想のないトークに、更によそよそしさと赤の他人みたいな白々しさが加わった文言が追加されていく。 トントンと軽くアスファルトを蹴って、踵を靴にしまい込み、ようやく男は待ち合わせ場所へと足を向けるのだった。 )   (2022/7/27 17:13:05)

三島 斐陽 / 2.♂暑っつい、( 夏らしい、湿気を帯びた熱気が首筋にまとわりついて嫌だ。『暑い』と口に出すと、なおさらに暑く感じられてもっと嫌だ。それでも人間は、夏に悪態をつかなくてはやっていられないらしい。誰しもが暑い暑いと夏に文句をつけているのを貴方もよく見掛けていることだろう。 街路樹の植えられた道を歩くと、傷んだ髪を撫でる木漏れ日が優しかった。影は案外にも涼しく、快適だ。 早くに到着して、俺…否、〝デート〟が来るときを待っている女は、きちんと日影に隠れているのだろうか。 )( ────まるでフランス人形か何かが佇んでいるような、というと少し大袈裟かもしれないが、それと見紛えるほどにらしく着飾った少女の姿が視界に映り込んだ。離れた場所からその姿を幾許か眺め、男はふと、砂浜に沈みゆく真白い靴の哀れな様を思い浮かべる。  丸い日傘をくるりと捻る女の背中は、しばしば小さく見えた(実際に限りなく華奢だ)。  「 春子、」男は、シンとしていながらに厭に耳に残る声をしていた。女を見つめる青白橡の薄暗いことと言ったら無く、白い罪悪の巻かれた首筋には、ぬるい汗が伝っている。   (2022/7/27 17:13:26)

三島 斐陽 / 2.♂暑っつい、( 夏らしい、湿気を帯びた熱気が首筋にまとわりついて嫌だ。『暑い』と口に出すと、なおさらに暑く感じられてもっと嫌だ。それでも人間は、夏に悪態をつかなくてはやっていられないらしい。誰しもが暑い暑いと夏に文句をつけているのを貴方もよく見掛けていることだろう。 街路樹の植えられた道を歩くと、傷んだ髪を撫でる木漏れ日が優しかった。影は案外にも涼しく、快適だ。 早くに到着して、俺…否、〝デート〟が来るときを待っている女は、きちんと日影に隠れているのだろうか。 )( ────まるでフランス人形か何かが佇んでいるような、というと少し大袈裟かもしれないが、それと見紛えるほどにらしく着飾った少女の姿が視界に映り込んだ。離れた場所からその姿を幾許か眺め、男はふと、砂浜に沈みゆく真白い靴の哀れな様を思い浮かべる。  丸い日傘をくるりと捻る女の背中は、しばしば小さく見えた(実際に限りなく華奢だ)。  「 春子、」男は、シンとしていながらに厭に耳に残る声をしていた。女を見つめる青白橡の薄暗いことと言ったら無く、白い罪悪の巻かれた首筋には、ぬるい汗が伝っている。   (2022/7/27 17:13:37)

三島 斐陽 / 2.♂>終日 春子ちゃん   (2022/7/27 17:13:50)

おしらせ三島 斐陽 / 2.♂さんが退室しました。  (2022/7/27 17:13:51)

おしらせ三島 斐陽さんが入室しました♪  (2022/7/27 17:19:58)

三島 斐陽((絶望してる、すみません ロル最後まで投下しきれてなかった   (2022/7/27 17:20:15)

三島 斐陽( ────まるでフランス人形か何かが佇んでいるような、というと少し大袈裟かもしれないが、それと見紛えるほどにらしく着飾った少女の姿が視界に映り込んだ。離れた場所からその姿を幾許か眺め、男はふと、砂浜に沈みゆく真白い靴の哀れな様を思い浮かべる。  丸い日傘をくるりと捻る女の背中は、しばしば小さく見えた(実際に限りなく華奢だ)。  「 春子、」男は、シンとしていながらに厭に耳に残る声をしていた。女を見つめる青白橡の薄暗いことと言ったら無く、白い罪悪の巻かれた首筋には、ぬるい汗が伝っている。「 お待たせ。 」女の振り向きざま、揺れるツインテールを視線が追う。男は、この女の前で滅多に表情を変えないが、今度ばかりは珍しく微笑んでいた。女がそれに気づいているかは、また別の話だが。 )   (2022/7/27 17:20:45)

三島 斐陽((重複してるとこあるので読みづらいかもしれない すみません、、、   (2022/7/27 17:20:59)

おしらせ三島 斐陽さんが退室しました。  (2022/7/27 17:21:01)

おしらせ八牟礼 うい /3.♀さんが入室しました♪  (2022/8/6 00:56:28)

八牟礼 うい /3.♀「 …… 」〝さびしい〟という言葉が、なんだか似合う男の子だった。だからこの無言に含まれているのは、無関心の類でもなく、はたまたあなたの誘いを無視したいなんて無粋な意思でもなく。彼女の頭だけじゃ見合った返事を用意できない、ただその事実のみである。また、ドーンパープルと視線をかちあわせる。そのさまを喩えてみるなら、野良猫が人間をじっと見つめて、次の動きを待っているみたい。彼女のマルーンのひとみは、数時間前よりひどく曖昧になった自然光を浴びて、少しだけ明るく見える。「 ……おはよう」   (2022/8/6 00:57:11)

八牟礼 うい /3.♀鴉がカアカアと喧しく鳴いた。その声を聞くたび、もっと上品に鳴けないものかと、椅子の上で三角座りをしながら苦情を呈すのだ。例のごとく上靴から足をすべり抜き、椅子のキワに踵をのせ、ガラス一枚隔てた上空の黒い生き物たちを忌々しそうに見ている。「 ……せめて、おいしく食べれたらいいのにね」視線をあなたに向けることなく、それでいて語尾の〝ね〟ひとつであなたへ〝同調しろ〟に似た圧力をかけて、突飛なことをつぶやいた。彼女の腹は、口よりも雄弁に彼女のことを語る。口から出た言葉よりも随分控えめに、きゅるると小さい虫が鳴いた。恥じるどころか表情ひとつ変えずに続ける。「うるさいし、食べれないし、うるさい。おこがましい」烏滸がましい。〝烏滸〟は、水辺に集まる、烏みたいに騒がしい人々のことを指すらしいね。手の届かない高度から彼女を見下すみたいに、またカアカアと羽根をばたつかせた。   (2022/8/6 00:57:15)

八牟礼 うい /3.♀>綴 紫由くん   (2022/8/6 00:58:43)

おしらせ八牟礼 うい /3.♀さんが退室しました。  (2022/8/6 00:58:46)

おしらせ悠希◇yuki.sMbM2さんが入室しました♪  (2022/8/6 01:17:48)

悠希◇yuki.sMbM2˙˚ʚ₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎ɞ˚˙˚ʚ₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎ɞ˚˙˙˚ʚ₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎ɞ˚˙˚ʚ₍ ᐢ. ̫ .ᐢ ₎ɞ˚˙   (2022/8/6 01:18:00)

おしらせ無言時間が25分を超えたため、悠希◇yuki.sMbM2さんが自動退室しました。  (2022/8/6 01:57:37)

おしらせ日下部 真幌/大3.女さんが入室しました♪  (2022/8/6 02:11:44)

日下部 真幌/大3.女物語の始まりは仰々しく綴られるけれど、現実はそう段階的には進まない。人生を変える出来事(ここでは主に、他人とのかかわり合いによるものを指す)は、住宅街の角から会いたい相手が飛び出してくるような、唐突さを持って引き起こされる。そう、貴方からのメッセージさえなければ、私の今日は単なる休日だったのだ。──どうしようもなく、夏だった。容赦なく照りつける太陽とはよく言ったもので、洗濯物を取り込もうとベランダに足を踏み出しただけで、齢20の娘は呆気なく太陽に熱された。10分にも満たない滞在時間で、背中と首すじはほんのり汗ばんでいた。鋭利な刃物なんかより、ずっと身近で殺傷性のある凶器である。うだうだ熱を冷まそうとTシャツを脱ぎ捨てて、1枚のタンクトップ越しに扇風機の風をこれでもかというほど浴びていた。それだけだったのに。「……え、 」友人の投稿を惰性でダブルタップ。ハートに色を塗る作業。ポップアップ表示されたのは、見慣れたようで、見慣れない名前。「先生……?」あの夜、身を差し出したことのほうが、ずっと特別で勇気ある行動だったのに。不意をつかれて、脈が跳ねる。   (2022/8/6 02:12:31)

日下部 真幌/大3.女既読をつけるだけの行為に、躊躇いすら覚える。のに、開かずにはいられない。「<たすけて>……?」「わ、」「……風邪、……」過ぎったのは、彼の体調を気遣う優しい心なんてものじゃあなかった。〝風邪のとき、このひとは、私を頼るのだ〟なんて、イタいほどに〝女〟である思考。恋とは、みにくいもの。恋をして、気付いた。恋をして、可愛い女の子になんてなれなかった。恋をして、私は私が思うよりずっと狡いのだと気付いた。今だって、ほら。愛しいなら、身の着のまま飛び出していけばいいのに。──ダッカールのあとがついた前髪を直して、薄くオイルをまとった指先でつまんで。後れ毛を残してゆったお団子は、ほんの少しほぐして。トーンアップの下地、明るいベージュをアイホールに、赤みのある淡いブラウンを二重幅に、ブラウン味の強いナチュラルなリップを唇に、鼻・顎・唇の山に薄くハイライトを施して。襟元の緩いオーバーサイズの白いTシャツと、灰色のスウェット生地のショートパンツに着替えて。トートバッグに財布とスマホだけ入れて、飛び出した。あの人の目に〝部屋着もかわいい女の子〟として映りたくて。   (2022/8/6 02:13:37)

日下部 真幌/大3.女スーパーを出ると、肩から下げたトートバッグはすっかり重みを増していた。容量が足りなかったのか、右手にはもうひとつ、スーパーのロゴが印刷された袋を提げている。雑炊くらいは作れるだろう、と根拠のない自信でカゴに放り込んだ卵・白だし・薄口醤油・みりん・ねぎ・かにかま。喉が渇くだろうし、青いラベルのスポーツ飲料水2L。甘いものを食べたいかもしれないから、シュークリームとプリン。冷たいものを食べたいかもしれないから、チョコレート味のお高めアイスと、ソーダ味の庶民的なアイス。念の為、冷えピタとマスク。──この調子で詰め込み続けて、たいそう大荷物となってしまったのだ。結局件のメッセージを受け取ってから彼の自宅に到着するまで、1時間半ほどかかったことになる。扉の前で深呼吸をして、それでもなお落ち着かない心臓を抱えて、インターホンに指を添えた。押し込む。機械音が鳴る。   (2022/8/6 02:17:03)

日下部 真幌/大3.女「先生、日下部です」「せんせい、……」焦りと緊張と暑さでぱさついた口を、健気に動かす。声色は強かさを隠し、純な少女に染まっている。きっと、手を握られただけで、顔を赤くして、目を逸らすような。そんな声だった。……1枚隔てた先に、彼がいる。どっくんどっくんと暴れまわるのは、穢れひとつない下心。蝉の声が、いやに頭にこだました。   (2022/8/6 02:17:07)

日下部 真幌/大3.女>喫瀬 寂先生   (2022/8/6 02:17:43)

おしらせ日下部 真幌/大3.女さんが退室しました。  (2022/8/6 02:17:46)

おしらせ喫瀬 寂 / 物理.♂さんが入室しました♪  (2022/8/17 21:51:54)

喫瀬 寂 / 物理.♂( 既読が付いてそのまま、トーク画面を睨んでいた。眩む視界に容赦なくブルーライトが攻め入り、そのおかげか否かは定かではないが、申し訳程度に意識がはっきりとしてきているのを感じられた。〝相手〟からの返信は案外に早かったように思う(実際にそうとは限らないが)。じっとりと画面を睨んでいた数十秒間、男は、頻りに襲い来る熱に苛まれていることしか出来なかったためだろう。 )( 下手にエアコンの効いた室内は夏特有の湿っぽさに包まれている。部屋は整然としていながら綺麗に片付いてはおらず、まともに異性を呼べるような状態ではない。昨晩の洗い物はシンクに放ったままだし、洗濯機の中は半日以上前に乾燥を終えた洗濯物が置いたままになっているはずだ。熱に魘されているくせ、そんなことを考えるのはやはり男の性なのだろうか。三十路来り、男は己の考えのくだらなさにふと笑いが込上げる。普通なら『突然呼び出して申し訳ない』とか『風邪を移してしまうかもしれない』とか『そもそも俺達の間柄、こんなことは頼むべきじゃない』   (2022/8/17 21:54:36)

喫瀬 寂 / 物理.♂・・・だとか、そういう、大人なら男である以前の常識を省みるべきだろう。人間はつらいときこそ他ごとを考えている方が楽になるらしい。 「 あたまいてえ……、」 無機質な天井に投げた言葉は、ひんやりとした室内にひときわ速く浸透してゆく。慰めも励ましも、肯定はおろか否定すらも無く、ただ静かに消えていく。そんな独身の男の呟きこそ惨めなものはないんじゃないだろうか。そう思うと、彼女の存在は甚だ有難かった。逆に言えば、男の曖昧な線引きは甚だ最低であった。 幾ばくかの時間を持て余した男は、まったくぼんやりとしたままの頭で考える。彼女はもしや、友人と遊んでいたんじゃなかろうか。仮にそうではなかったとして、ゆったりと休日を楽しんでいたんじゃなかろうか。そもそも彼女は迷惑に思わなかっただろうか。・・・それから、俺は、わざわざ弱っているときに彼女を呼び付けて、一体なんのつもりなんだろうか。 )   (2022/8/17 21:54:47)

喫瀬 寂 / 物理.♂( ───────目覚まし時計の代わりに、玄関のチャイムが鳴った。いつの間にか寝落ちてしまっていたようで、端末が映し出す時刻は最後に見たときから1時間と少し経っていた。 立ち上がると、横になっていたおかげか先程より目眩がマシになっている。念の為、あるいは己の自制心に働きかける為に、デスク上の箱から使い捨てのマスクを取り出して、建前のように耳にかけてみたりした。 ガチャリ。普段よりいくらか重たく感じる扉は、男が懸命に押した力を嘲笑うようにあっさりと、夏らしい熱気の侵入を許した。「 日下部、」のろのろと見下ろした女の肩には、やや重たそうな荷物が掛けられている。途端に、男は、己の軽率な行動を恥じ入った。而れども、男は女を拒むことなど出来るはずがなかった。「 …ごめん 」それは何に宛てられた謝罪なのか、自分でもわからなかった。急に呼び出してしまったことかもしれないし、もっと他の何かに対することかもしれない。 )暑かったよな、( 入って、という言葉が続かない臆病で薄情な節には、誰しもが聞いて呆れるだろう。   (2022/8/17 21:55:13)

喫瀬 寂 / 物理.♂「 ………どうぞ、上がって 」捻り出したそれは汗ばんだ声だった。もはやなんの汗かも分からなかったが。 )   (2022/8/17 21:57:17)

喫瀬 寂 / 物理.♂>日下部 真幌ちゃん   (2022/8/17 21:57:35)

おしらせ喫瀬 寂 / 物理.♂さんが退室しました。  (2022/8/17 21:57:37)

おしらせ鈴原 .2 .♀さんが入室しました♪  (2022/8/18 02:47:33)

おしらせ鈴原 .2 .♀さんが退室しました。  (2022/8/18 02:47:47)

おしらせ鈴原 蘭 .3 .♀さんが入室しました♪  (2022/8/18 02:48:52)

鈴原 蘭 .3 .♀( ” 最高傑作 ” という肩書きを得た彼女の手元には 何も無かった .───── 彼女が語った言葉には愛なんてなかった .薄っぺらい様な愛の言葉ばかり垂れ流しておきながら 心の底から愛したことは 一度もなかった .愛がなくても行動に移せては 言葉だって吐けるのだから .彼女は言う .” 愛して なんて 一言も言ってないもの .” ” それなのに 愛してくれないの? なんて バカみたい .” ” 誰も リリーに 愛し方なんて教えてくれなかったくせに .” 口角を上げ 微笑んでいるようにも 妖しく笑っていた .憂鬱に感じてしまう午後 六時間目 世界史 .教壇にたちながら 説明している 年配の男教師を眺めている .クラスメイトの複数名は 夢のなかに閉じこもっている中 女は 男教師を見つめていた .彼女は 教科書も ノートも開いておらず おまけに 教科書とノートは新品のようにと 使われた形跡が全くなかった .彼女は思う ” あの人も ノート真っ白なのかな ” なんて 子供のようなことを考えては 少しした微笑みを浮かべていた .   (2022/8/18 02:49:23)

鈴原 蘭 .3 .♀キーンコーンカーンコーン と 鳴り響いた音と 規則性を持つ [ 起立 気をつけ 礼 ] [ ありがとうございました ] なんていう 真似事を行うのみ .あわよくば迎えにこないだろうか と 彼女は期待しながら 電子端末呑みを持ち 帰路に着こうかと考えていた .───── そして 考えるのをやめた .ガラッとした扉の音に 下を向いていた瞳を ” 彼 ” に向けていた .彼女の頬は簡単に 弧を描いている .鈴原 と 彼女の苗字を呼ぶ声を鼓膜に響かせて 疑問符を感じられない 誘いの言葉に 彼女は 目を細めている .)「 綴くんだぁ .・・・お家行く .今日は何の映画みよっか〜 .」 ( 彼女は 変わらないような笑顔を浮かべていた .ゆるりとした微笑みと それから 少し高いような声のトーン .純粋のように見えているそれさえも 虚像塗れだというのに .バックを持つことも無く 女の手には 電子端末とサイフのみだった .″ いつも通り ″ の 荷物を抱えながら 彼女は 少しの鼻歌を漏らしながら 彼に近付く .するりっと 慣れたような 手つきで 彼の手の甲に触れていた .   (2022/8/18 02:49:44)

鈴原 蘭 .3 .♀ 「 最近暑いからアイス食べながら帰ろ .私あれ食べたいの .ミルクアイスキャンディーだっけ .ママたちがね ダメーって言ってたから 尚更食べたいの .ダメ? 綴くん . 」 彼女は狡猾だった .けれど 純粋なフリをしていた .他者の集まるクラスの中ではまだ 鈴蘭のようにと 生きていた .しかし花はいずれ枯れてしまう .今はまだ咲き誇っている鈴蘭も いつの日にかは枯れてしまうことだろう .その日はまだ来ないかもしれないが 明日にでも来るのかもしれない .彼女はそんなことさえ どうでもいいと吐き捨てるに違いない .ふわりと スズランの香りを纏いながら にこやかな笑みを浮かべたままだった .)   (2022/8/18 02:50:00)

鈴原 蘭 .3 .♀>> 綴 紫由くん   (2022/8/18 02:50:40)

おしらせ鈴原 蘭 .3 .♀さんが退室しました。  (2022/8/18 02:50:44)

おしらせ小野寺さんが入室しました♪  (2023/6/4 20:01:16)

小野寺小野寺   (2023/6/4 20:01:20)

おしらせ小野寺さんが退室しました。  (2023/6/4 20:01:28)

2022年07月16日 20時28分 ~ 2023年06月04日 20時01分 の過去ログ
青い夏、袖を引く。《置きロル部屋》
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