ミナコイチャット

「この街には『異常者』のみが◆ソロル部屋」の過去ログ

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2019年03月03日 21時14分 ~ 2019年03月17日 01時02分 の過去ログ
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好風/「お嬢様、どちらに?」 「お手洗いに行くだけだ。着いてこなくていい」 嫌味でも言うようにわざわざお手洗いと言ってから部屋を出て行く。常に使いが自分の周りに居るためこんな理由をつけなければ1人になれることは無い。もちろんお手洗いなんて嘘だ。廊下を進み続けるととある部屋の前に着く。その扉の前で耳を澄ませた。中からは数人の男の声と父の声…外からの客と話す時は毎回この部屋というのはわかってる。嫌味ったらしくこの部屋の前で待っていようかと考えていた時だった。   (2019/3/3 21:14:43)

好風/『………の値段で…』 『任せてください、私を誰だと思ってるんですか?』 『流石だなグリード。この前の〝全ての病を治す薬〟…“Healing”も素晴らしい』 「……へ?」 なんとも間抜けな声が口から漏れてしまった。いや…その前に自分の耳を疑った。“Healing”とは半年くらい前に父に薬の話をしたときに作り方も教えた薬のことだ。それに自分のつけた名前だったからよく覚えている。客に渡した?   (2019/3/3 21:15:16)

好風/『全て私が考え作ったものです。次の〝不死の薬〟である“kuolemattomuus”も簡単に…いえ、すぐに作ってみせましょう』 不死の薬…それは三年半前父と薬の話をした時に父に提案されたものだ…そして三年前のあの日…自分が作った〝あの薬〟であり自分が服用した〝あの薬〟だ。レウカンサはノックもせずに扉を開けた。   (2019/3/3 21:15:38)

好風/「おやおや可愛らしいお嬢ちゃんじゃないか」 「も、申し訳ございません、娘のレウカンサです。レウ、どうしたんだい?」 「父上、“Healing”とはなんのことだ?」 「レウ、お前には関係ないことd」 「私の考えた薬を影で売りさばいていたのか?」 「お嬢ちゃんが考えた?」 「こんな小さな子供が?」 「冗談に決まってる」 レウカンサの言葉に父は焦り男達は嘲笑った。だんだんと怒気を露わにしてしまう。自分が考え自分で作ろうと言っていた薬を…我が子とも言える薬を…勝手に作り自分で考えましたと言って金しか脳がないような汚い豚どもに売りさばかれていたことに…なんとも言えない感情が胃の中から湧き上がってきた。それを抑えようなんて考えられるほど冷静にはなれなかった。   (2019/3/3 21:16:03)

好風/「何のために売ったんだ?金か?栄光か?人の知識を盗んで手に入れたものの上にいるのは心地いいか?」 「メリーは何処だ!早くこいつを連れていけ!」 「父上…いやグリード、私は酷く憤慨している。“kuolemattomuus”?確かに〝不死の薬〟は成功した。私の身体はあの日以来どんな傷をつけてもすぐに治るようになった。そしてあの日から身体の成長も止まってる」 「…待て、どういうことだ?〝不老不死の薬〟を作ったのか?」 レウカンサの言葉で部屋に困惑とざわめきの声が現れた。〝不老不死〟なんて人類の夢だ。ざわめきが現れて当然だろう。 「こんな動きにくい服を着せるのもサイズの小さい靴を履かせるのも全部逃がさないためか?私はお前の金と栄光のために利用されていただけか?」 「…レウ」 「研究所に入れないのも私がお前に作り方を話さなくなると思ったからか?〝不死の薬〟のように…私は籠の中の鳥じゃないんだが」 「違う」 「そうだ私は…」 「お前は私の所有物だ!籠の中の鳥?鳥でさえないんだよお前は!」   (2019/3/3 21:16:41)

好風/レウカンサの言葉に逆上したグリードは立ち上がりレウカンサに掴みかかった。白く整えた髪を振り乱し…自分にそっくりの青い瞳には怒りが現れていた。レウカンサの右頬に痛みが走る。叩かれたのだ。じんじんと熱が出てきたからすぐに分かる。 「お前はただ黙って私が上に行くための糧になればいいんだよ!!!」 久しぶりに怒気の含んだ声で叫んだせいで相手は息を切らせていた。レウカンサは言葉が出なかった。怒りのあまりではない…もはや呆れて言葉も出せなかったんだ。   (2019/3/3 21:17:16)

好風/「お取り込み中申し訳ないがちょっといいかね?」 またも怒声を浴びせようとしたグリードを止めるように一人の男が声をかけた。 「お嬢ちゃん、その薬はいくらで買えるのかい?」 「…は?」 「は?じゃなくて…ほら、〝不老不死の薬〟だよ!いくらでも出す!」 「待て!こっちはその倍出そう!」 「いや!お嬢ちゃん!うちに来ないか!?好きなものは何でも買ってあげよう!」 脂ぎっている肥えた小汚い豚どもはレウカンサを囲みだした。グリードは用無しと思われたのか突き飛ばされ1人でポカンとしていた。だがそれさえ見ようとしない1人の男がレウカンサの手を掴む。 「!?さ、触るな!」 「いやぁ若いねぇ、こんな子があの薬を作ったなんて考えられない!」 「まさに才能の塊だ!」 「………………!!」 「……!!……………!!」 だんだんと喋り声が鳴き声に聞こえてくる。自分はこんなののために薬を考えていたんじゃない。作ろうとしていたんじゃない。こんなことをしたかったんじゃない。手を振り払って走った。セインシアが居たが胸に飛び込むことなく走る。   (2019/3/3 21:18:05)

好風/胸に溜まったなんとも言えない感情が溢れるのを抑えたい…今すぐに…。血の滲んだ靴をすぐさま脱ぎ捨てて更に走った。   (2019/3/3 21:18:37)

好風/今にも崩れ落ちそうな状態で重い扉を開け研究所に飛び込んだ。もちろん中に居た奴らが慌てながら息を切らしているレウカンサに寄ってきた。 「お嬢様、ここに来てはいけませ…」 「グ…父上に許可はとった。1人にしてくれ」 「しかし…」 「一人にしろと言ってるだろ!これは命令だ!」 自分はこんな声が出るのか…こんな悲痛に悶えたような声が…。研究所に居た1人がレウカンサに手を差し伸べる。だがレウカンサはその手を振り払い強く睨んだ。そうすれば1人…また1人と研究所から恐る恐る出て行く。父に許可を取っているのだろうとか逆らってクビにされちゃたまったもんじゃないとでも思ったのだろう。人が居ないことを確認してから鍵を閉めずんずんと奥へ進み白衣を着て薬品を手に取った。胸の奥のなんとも言えない感情を吐き出すように…このどろどろとした何かを掻き出すように…思いつくままに調合を始めた…。   (2019/3/3 21:19:49)

好風/「………様!!…嬢様!!お嬢様!!開けてください!!お嬢様!!」 何時間の時が過ぎたんだろう…研究所の扉をメリーが叩いてる音が聞こえる。そんなもの関係なかった。濃い紫色の液体の入った瓶、黒色の液体の入った瓶、赤黒い液体の入った瓶…色々な液体が出来ている。鍵を無理矢理開ける際に出る金属音が聞こえればすぐさまそれを白衣の下に隠した。鍵が開けられる音と共に重たい扉は開かれる。外から入ってきた使いの人達が彼女を囲む。だが暴れる気も逆らう気も無かった。 「……ははっそう警戒するな。素直に出て行くさ」   (2019/3/3 21:21:17)

好風/自分を囲む人達に笑いかけてから研究所を出る。大きな白衣の裾を引き摺っているのにやっと気付けばそれを引きちぎり動きやすくなるのを確認してから自らの部屋を目指した。後ろからは心配してるように暗い顔をしているメリーが着いてきている。明らかに様子のおかしい自分を心配しているのだろう。言葉を探しているらしい。 「お嬢様…あの……いったい何が…」 「メリー、お前は誰の使いだ?」 「…え?」 「誰の味方で誰の敵かを教えて欲しい」 「………」 「お前は私の味方か?」 「お嬢様…少し休みましょう」 「答えろ。これは命令だ」 「………私は旦那様の使いです。ですがレウカンサお嬢様の味方です」 「その言葉を証明してくれるか?」 「証明?」 「そう、今から私はお前に飴玉を渡す」 「飴玉…ですか?」 「そうだ。それをお前は私の目の前で食べるんだ」 「食べるだけですか?」 「食べるだけだ。だがよく考えろ」 自らの部屋に入りメリーを中に招き入れてから飴玉をその手に渡す。そして椅子に座りメリーと向かい合う形になった。   (2019/3/3 21:21:53)

好風/「私は研究所に長時間入っていた。つまり薬を作ることも毒を作ることも可能だったということだ」 「…毒……も…」 「私を信じられるならそれを口に含め」 「お嬢様…」 「別に出て行っても構わない。それが…出ていくのが普通なんだ。誰もお前を責めない。責める権利も無い」 メリーは酷く考えた。何度も唸っては腕を組んだり部屋の中を往復したりもしたし何度もレウカンサに質問した。だがレウカンサは質問を全て曖昧に返した。メリーの心を試すかのように…。そして決心したかのようにメリーはレウカンサと向き合い飴玉を包む袋を開けた。中からオレンジ色の丸い飴玉が現れる。   (2019/3/3 21:22:25)

好風/「お嬢様…私は…」 何度も深呼吸をしてからレウカンサの青い瞳を見つめる。 「お嬢様の味方です」 その言葉を合図として飴玉を口に含んだ。目をきゅっと瞑りずっと口を抑えている。死ぬかもしれないという恐怖のせいかメリーの身体が震えているようにも見えた。だがレウカンサは小さく笑った。 「それは手作りの飴だ。私じゃなくても作れる簡単なものだよ」 メリーはレウカンサの言葉に安心したかのように目を開きそして優しく微笑んだ。そして何かを言おうとしたが飴玉が入っているためもごもごと少し篭った声が聞こえただけだった。   (2019/3/3 21:22:44)

好風/「私の話を聞いてくれるか?メリー」 レウカンサの言葉にメリーは何も言わずに首を縦に振った。それを見てレウカンサは自分にしか聞こえないように小さな声でお礼を言ってから言葉を続けた…。   (2019/3/3 21:22:58)

好風/(視点切り替え)   (2019/3/3 21:23:08)

好風/レウカンサが研究所に立て篭もった日から一週間がたった。未だに使いの人達はレウカンサの動きを監視している。そのため自分…メイレーはレウカンサの顔を見なくて済み清々としていた。何故彼がここまでレウカンサを毛嫌いしてるのかには理由がある。それは酷く自分勝手な理由だと言うのも彼は自覚している。その理由は簡単、レウカンサが生まれてから何もかも上手くいかなくなったからだ。自分がどんなに努力しても…それを嘲笑うかのようにレウカンサは何もかも全て自分の上を行く。それを慰めてくれる人もいない。18の自分は使いに甘えられる歳でも無いしそれをぶちまけられる人も周りにはいない。周りは自分とレウカンサを比べるし父は自分に興味は無いし母はレウカンサを産んだ時に亡くなった。自部屋のテーブルに置いてある写真立てを手に取った。優しく笑う今は亡き母と同じく笑う父、幼い自分も写っている。幼い頃は父も母も好きだった。たくさんの愛情を受けたのは彼の名前の意味で良くわかるだろう。だが今は違う。自分を見ない父は嫌いだしあんな妹を残した母が嫌いだ。   (2019/3/3 21:23:34)

好風/「…大っ嫌いだ…」 幼い頃の自分はまるで女の子のような顔立ちだったが今は違う。背は高く体つきも男らしい。顔も凛々しくなったし綺麗な方だ。学校でも成績は常にトップだし運動も得意。完璧な文武両道だ。…なのに何故……3歳年下のレウカンサに負けるんだ…写真立てを投げようとしたが結局投げられずに少し乱暴にテーブルに置いた。それと同時に鳴り出すノック音に肩を跳ねさせてはそちらに目をやる。 「…誰だ?」   (2019/3/3 21:23:59)

好風/その声に扉が開く。ゆっくりと開くがために鳴ってしまう嫌な音が不気味に響いた。今の時刻は10時を軽く回っているから尚更だろう。扉から現れたのは長い金髪を三つ編みに縛り黒のショートパンツと黒のブーツ、更に黒のベルトを太ももに付けている少女だった。黒ずくめかと思ったが違う。上は白衣を着ていた。それ以外着ているようには見えない。豊満な胸を隠しているのは白衣だけでそれを留めているのは気休めのようなバラのピン一つ。瞳を隠すように包帯が巻かれていて顔がよく見えなかったがその金髪の髪ですぐに妹のレウカンサとわかった。 「久しぶりだな。メイレー」 「な、何で此処に居るんだ!それにその格好…」 「あまり声を荒らげるな。せっかく久しぶりに顔を合わせたんだ。プレゼントくらい受け取ってくれたまえよ」   (2019/3/3 21:24:20)

好風/レウカンサは手に持っている縦20cm、横30~35cmほどの箱を手に部屋に入ってきた。そしてそれをテーブルに置く。もちろん自分はレウカンサから逃げるようにベッドの方に移動した。 「プレゼント?…何を企んでる」 「そう警戒しないでくれ。見せたいものを持ってきただけだよ」 「爆弾じゃないだろうな?」 「ははっそんなものを作る気は無かったが…今度作ってみるかな」 「お前が開けろ。俺が開ける気は無い」   (2019/3/3 21:25:29)

好風/レウカンサのやることだ。何かあるのはわかっている。未だに近づこうとしない自分を見てはレウカンサは小さく笑った。顔を隠しているからか雰囲気が変わり全く知らない人に見える。更には上半身裸体に白衣…嫌でも調子が狂う。レウカンサは箱に手をかけ蓋を開けた。だが何も起こらない。爆発もしなければ中から何かが飛び出すことも無い。レウカンサは手招きをした。好奇心や怖いもの見たさもあるだろう。恐る恐る…ゆっくりと箱に近づき中身を見た。   (2019/3/3 21:25:44)

好風/「ヒッ…」 小さな声が漏れ出る。そこには〝何か〟が居た。その〝何か〟は赤黒い水脹れに覆われていて原型を留めていなかった。その大きさと黒い体毛のおかげで元が動物だったことはわかる。だが目は片方飛び出ていてもう片方は今にも飛び出そうだ。腹の部分がぶくぶくと膨れていて顔も歪に膨れ歪んでいる。口からは汚らしく舌が出ていて足はたまにピクピクと痙攣していた。その〝何か〟から目を逸らす自分をレウカンサは強く押し倒した。いきなりの不意打ちに自分は倒れ床に仰向けになる。レウカンサは自分の腹の上に跨り注射器を手に持ち自分の首に押し当てた。 「アレは元猫だったものだ。可愛らしい黒猫だったぞ」 「…な…何を…したんだよ…」   (2019/3/3 21:26:06)

好風/その〝何か〟は元猫だったらしい。そう言えば歪に歪んだ頭に猫のような耳があった。だがそこにもぶくぶくとした水脹れがあり猫だとは思えないくらい不気味な…歪な形になっていた。恐怖に目を見開く自分を見てレウ…いや、悪魔はクスクスと笑う。 「とあるウイルスを打っただけだ。死にはしない。まだあの猫は生きている」 「…生きてる?…アレが?」 「あぁ、だが酷い痛みを常に味わっているのだろうな。人間に試したことが無いから感想を聞けないんだ」 レウカンサの言葉に嫌な考えが頭に浮かぶ。自然と呼吸が浅くなり鼓動も早くなる。嫌な汗が身体から吹き出た。恐怖で途切れ途切れになった言葉で自分の嫌な考えを零していく。 「まさか…首に…当て…」 「ご名答。お前の首に当ててるのはアレに入れたのと同じウイルスだ。助けを呼ぶ、抵抗するなんて考えるなよ?」   (2019/3/3 21:26:37)

好風/実の妹の言葉に顔が引き攣る。自分でも顔が青く染まる感覚がわかった。 「お前には二つの選択をしてもらう。1度しか言わないからよく聞けよ?」 レウカンサの言葉に顔を小さく縦に振る。頷くことしか出来ない。もし何かしてレウカンサの気が変わったら…。変わり果てた自分の姿を想像しては身体が震える。 「私の言うことを聞くかこのウイルスを受け入れるかだ。言うことを聞くと言っても死ねとか実験に協力しろとは言わない。どちらを選んだ方がいいかは分かるだろ?」 「ゎかった…聞く、何でも聞く」 震える声で相手の言葉を受け入れた。あんな姿になるなら…悪魔の言うことを聞いた方がいい。   (2019/3/3 21:26:58)

好風/「じゃあこれを口に含んでもらおう」 「く…くt」 相手に疑問を飛ばす前に何かを口に入れられた。更には口を塞がれる。唐突なことにそれを丸飲みしてしまった。舌触りからしてそれは丸くほんのりと甘い味が口の中に広がることから飴玉か何かと察することは出来た。レウカンサは自分がそれを飲み込んだことを確認してから首から注射器を離して白衣にしまう。 「ゲホッゲホ…何を…」 「ふふっとある薬だ。私が発するとある言葉でウイルスが発症する特別なもの…頭のいいお前ならわかるだろう?」 すぐにわかる。もう二度とこの悪魔に逆らえないということが…。   (2019/3/3 21:27:20)

好風/「何で…そんな…」 「お前はいつ裏切るかわからないからな。保険だ」 「……と…とりあえず…退いてくれ…」 「わかったわかった」 レウカンサは笑いながら立ち上がり自分から一歩離れる。自分は身体を起こした。嫌な汗をかいたせいで身体が気持ち悪い…それにウイルスを飲まされたのだ…口が裂けても身も心も気分が良いとは言えない。 「さて、私の願いを聞いてもらおうか」 レウカンサは腕を組みまるで自分の物とでも言うようにベッドに腰をかけて足を組んだ。   (2019/3/3 21:27:50)

好風/「わかったが先にその包帯を外してくれないか?それと服も何とかしてくれ」 こちらも椅子に座る。向き合う形になるが目が隠されているため目を合わせることも出来ない。それに自然と視界に入る谷間が目に毒だ。 「ふふっ自分の目が見えることが嫌で嫌で堪らないんだよ。それにこれまでめんどくさい服を着せられていたせいでこういうのが楽なんだ。許してくれないか?」 何がレウカンサをそう思わせたのかが分からずため息しか出ない。仕方なく自分のタンスから上着を取り出してそちらに投げ渡す。 「百歩譲って包帯は許す。だが胸は隠せ」   (2019/3/3 21:28:30)

好風/「…ハァ…わかったわかった。隠せばいいんだろ?これだから思春期の子供って奴は…」 レウカンサは仕方がないとでも言うように上着を羽織り胸を隠すようにした。明らかに最後の言葉はおかしいと思ったが気を悪くさせる訳にもいかないため反論しないでおいた。 「そろそろ本題に入らせてくれ。まず私は一週間後この家から離れるつもりだ」 唐突に放たれたレウカンサの言葉に耳を疑った。離れる?…つまり出て行くということか?   (2019/3/3 21:28:51)

好風/「どういうことだ?お前はこの家で重宝されているだろう?」 「重宝されていた理由が理由だ。私は一度この家から離れた方がいいと判断した、それだけだ」 意味がわからない。自分より出来が良く使いがチヤホヤしていて父も自分よりレウカンサを見ている。家はそれなりに金持ちだから強請れば何でも買ってくれるだろう。肩身の狭い自分が出ていくならまだしも…何故レウカンサが出て行くんだ。 「その理由はなんだ?」 「残念ながらそれを話したくはないな。それくらい酷く屈辱的なものだったからね」 「お前にも屈辱と感じることがあるんだな」 「私だって1人の人間だぞ?笑うなら怒鳴ることも泣き喚くこともあるさ。それをあまり見せたいと思わないだけでな」 「…泣いたことがあるのか?」 「産まれた瞬間私は泣き叫んださ」 「産声とはまた違う」 「ふふっ冗談に決まってるだろ?それくらい私にだってあるさ」   (2019/3/3 21:29:13)

好風/意外だった。彼女にそんな感情があるとは思えなかったからだ。いや…見ていなかっただけかもしれない。常にヘラヘラとした笑顔や意地の悪い笑顔、父と話してる時にイキイキとした笑顔を表しているのは遠目に見てた。よく考えれば物心ついた彼女が自分の前で泣いたことは一度も無い気がする。 「お前も辛いと思うことはあるのか?」 「あるさ」 「結構すんなり答えるんだな」 「嘘をつく必要が何処にあるのか私にはわからないな」 「もっと意地を張ると思ってただけさ」 「ははっ私はそこまで子供じゃない。さて…話がズレたな。私は一週間後に出て行くのをグ…父上には話していない」 「黙って出て行くのか?」 「そのつもりだ」 「父さんはお前を愛してる。せめて挨拶の一つくらいはしてやれ」   (2019/3/3 21:29:34)

好風/よく考えればこんなにレウカンサと長く話したのも久しぶりだ。その分レウカンサのことを少し知れた気もした。だが自分の発した言葉に彼女は押し黙る。 「どうした?」 「愛してる…ね…」 「…父さんと何があったんだ?」 「私は話さない方がいいと判断している。私が言いたいのは出て行く為にお前に協力してもらいたいという事だけだよ」 「はぐらかすな」 「別に話してもいいが…お前はこれから先父上の跡を継ぐ。それにお前は父上が好きだ。自分で思う以上に…」 「…」 「話さない方がこの家にもお前にもいいんだよ」 彼女の言葉に苛立ちを覚えてしまった。何かを考えることも無く自分の思ってることが簡単に口から放たれ始める。   (2019/3/3 21:30:05)

好風/「俺のため?おいレウ、ハッキリ言うが俺はお前のことが気に入らない。そんな風に父さんが明らかに悪いという言葉を残されてお前が消息不明にでもなってみろ。俺は父さんを一生信じられなくなる。そんな状態で跡を継ぐ?馬鹿言え。そうなったらこの家を継ぐ者として堂々と胸を張れん。なら今すべてを突きつけられた方がマシだ」 彼女の言葉に思った言葉を全て吐き出した。この家の主になった時に隠されていたことを自分が繰り返すこともある。もし父が失敗したのなら自分は同じ過ちを繰り返してはいけないしそれを掻き消すほどの力を見せなければならない。もし隠されて同じ過ちを繰り返すなんて考えるだけでも屈辱だ。そのためにも彼女の言葉を聞く必要がある。彼女は少し考えるように俯いてはポツリポツリと話し出した。   (2019/3/3 21:30:52)

好風/「……父上は私の知識を自分の物と言いそれを裏で売りさばいていた…高額の金でな…」 「知識…薬のことか?」 「あぁ、幼い頃お前にも見せただろう?薬の調合法を纏めた紙を…あれで薬を作っていたらしい」 「作れたのか?」 「成功したから売れたんだろう?」 「…」 「私は自分の考えた薬を我が子だと思っている。我が子をこの手で作り出して愛でたかったさ」 片手で額を抑えるようにして俯く彼女の声は震えていた。怒りや悲しみの混ざったなんとも言えない声で…。人間らしい彼女が…自分の憎んでいる妹には見えなかった。 「だが私の考えた薬は肥えた豚共を喜ばすための餌にされていた。金と権力を振り翳すことしか出来ない豚共に…誰かを救うなんて言っていたグリードが金のために…自分の栄誉のために私の薬を利用していた…」 だんだんと悲しみが勝ってくる彼女の声を聞いてわかった。彼女も自分と同じで…父を愛していたことに…。心の底から憧れていた〝父〟という像が自分の知識や力で崩れ去ることの絶望を受け入れざるをえなかったのだ。それは何より辛いことだろう。   (2019/3/3 21:31:16)

好風/「目の前が真っ赤になったさ…思いっきり言い訳して…否定して欲しかったさ…だが…アイツは私のことを所有物と吐き捨てた…」 「…レウ…」 「グリードは私が薬の調合法を持ってこないことを恐れて私を研究所から遠ざけた…私は…自分の…手で…我が子を…産めることは…無に等しかった…」 「…もういい、やめろ…」 「私は何のために…何のために今までの…知識を使ってたんだ…私は…利用されるために…知識を使ってたわけじゃない…」 「レウ」 「こんなことをしたかった訳じゃなかったんだ…こんな筈じゃ…」 今まで見たことのない弱く震える彼女の姿に自分は立ち上がり抱きしめていた。自分の努力が無駄に終わることの辛さはよくわかっている。彼女も自分と同じだったということもわかった。   (2019/3/3 21:31:39)

好風/「私は物じゃないんだよ…」 「もういい、お前は何も悪くない」 「私は物じゃない…」 「レウ、落ち着け」 「違う…」 同じような言葉を繰り返す彼女の目を隠す包帯を外す。そこには光の無く濁った青い瞳があった。〝空〟のような色で〝空〟でもある彼女の瞳は我を失っていることを教えてくれているようだった。目線を合わせ目を見ても自分を見ていない。 「レウ、俺を見ろ」 「私は…」 「見るんだ」 「違う…」 未だ同じ言葉を繰り返そうとする彼女の唇を塞ぐ。顔を近づければ甘い香りがした。唇は温かくそして柔らかかった。少し長めのフレンチキスを終わらせて唇を離せば彼女はやっと自分と目を合わせる 「お前は物じゃない。ちゃんとした人間だ。お前にだって自由はある」 「………」 「だから落ち着け」 「………ははっすまないすまない。少し取り乱しただけだ」   (2019/3/3 21:33:14)

好風/彼女はまたも自分を隠そうとした。いつも通りのヘラヘラとした笑顔で…。 「本当にすまないな。今度こそ話を戻そう」 「…わかった」 彼女の言葉を否定することは出来なかった。落ち着かせるために咄嗟にとった行動だったが自分も何であんなことをしたのかがわからない。彼女の耳がほんのり赤くなってるのをチラリと見れば話を戻した方がいいと自分も判断した。このままじゃ危ないと察したから…。 「協力の内容は簡単だ。私が出て行く為にある程度の期間匿ってくれる人が必要…つまり…」 「俺が匿えと?」 「そうだ。父上は私を匿う前に私を捕まえて閉じ込めようとするだろうし他の国の奴らも皆同じだろうな」 「俺がお前を売らないとでも?」 「お前は脅せる」 「最悪の理由だな」 「ここから出るために1番手っ取り早いと判断したんだ。いい案だろ?」 彼女の自分に対する対応は心の何処かで違う人なんじゃ…と考える思いを消してくれた。ちょっと小生意気な言葉でやっぱり妹だと思えたのだ。それにその言葉の理由も理由…いつもみたいに怒鳴ろうと考えることは無かった。   (2019/3/3 21:33:40)

好風/「ある程度の期間なら匿うことは出来る。だけどいつかはバレる。バレたらどうするつもりなんだ?」 「そうなったらバレたことだけ私に伝えて欲しい。そこからは脅されていた被害者だと名乗れば許されるさ」 「独りで戦うつもりか?」 「そのつもりだ」 「周りは皆敵だろ?」 「そうだな」 「辛くはないのか?」 「想像してるより辛く苦しいだろうな」 なんで彼女が今笑ってそう言っていられるのかがわからない。敵が欲望を持った人間という大きなもので…誰1人に対しても素直に頼れなくて…全てに警戒して生きるなんて…。 「レウ…お前には無理だ」 「それでも行かないといけないんだよ」 「お前も人間なんだよ」 「私は人を狂わす化け物だよ」 「そんなことない」 「私は優しい父を欲望の渦に引き摺り込んだ」 「それだけじゃないか」 「私は人の欲望を叶えることが出来る。グリードのような人間を増やしてしまう」 「抗えばいい」 「そのために1人になるんだ」   (2019/3/3 21:34:07)

好風/水掛け論とわかっている。彼女が言葉を曲げないのもわかっている。彼女を自分は嫌っているのもわかっている。でもそれ以上に…家族が好きなのだ。守りたいと願ってしまうのだ。 「レウ…もっといい方法があるはずだ」 「メイレー…頭のいいお前ならわかってくれるだろう?もう手遅れなんだよ」 「直していけるだろ?これからは一緒に戦う」 「お前を深く巻き込みたくない」 「じゃあ…何で頼ったんだよ…お前だって分かってるだろ?俺は…家族が好きなんだよ…嫌いで嫌いで堪らないこの家族が…大好きなんだよ…」 「…違うだろ?メイレー」 「何が違うんだよ」 「私はお前に頼っていない。脅しているんだ」 「…」 「お前の命を使って脅しているんだよ」   (2019/3/3 21:34:31)

好風/彼女の言葉を聞けばわかる。唯一頼ることが出来る人間の今後も全て考えているのだ。ここで俺が頼られていたら…俺は父さんや周りの信用を全て投げ出す加害者となり被害者である妹を守ろうとするだろう。だけど脅されていれば…俺(被害者)は妹(加害者)から離れるという選択を取らずには居られない。最後まで被害者のままで…。加害者と被害者…これから先の人生どちらの方が生きやすいかと問われれば一目瞭然だ。彼女は俺への被害を最小限にしたかったのだ。 「俺は…お前を守ることも出来ないのか?」 彼女は何も言わずに目を逸らした。   (2019/3/3 21:35:01)

好風/「俺はお前のことを知らない…知らないまま…見ないようにしてた…でも…今なら…普通の兄妹のように…笑い合える気がするんだよ…」 「メイレー」 「だから…」 「メイレー、私はお前が傍に居ると邪魔なんだよ」 彼女は目を逸らしたまま俺にそう言った。   (2019/3/3 21:35:23)

好風/「お前が私を守る?ははっ…自意識過剰にも程があるだろう?」 「レウ…」 「お前と私の差は歴然だ。足でまといのお前が居るより私1人で行動していた方が何倍も動きやすい」 「もういい…」 「お前がどんなに家族を愛していても私はお前らのことなんて…」 彼女の言葉も聞かずに彼女をベッドに押し倒す。やっぱりそうだ。彼女の瞳は涙で潤んでいた。感情を押し殺して悪役を演じきろうとしていたがお見通しだった。   (2019/3/3 21:35:43)

好風/「なんでお前は全部独りで背負うことを選ぶんだよ…そんな泣きそうな顔して…なんでそうやって自分を追い詰めんだよ」 「欠伸しただけだ。離してくれ」 「嘘だ」 「嘘じゃない。私はお前らのことなんt」 これ以上思ってもない事を言わせたくは無かった。涙を流しながら嘘を吐き続ける彼女を見ていたくなかった。   (2019/3/3 21:36:09)

好風/「…メイレー…本日二度目の妹とのキスは美味しいか?」 「お前はこうでもしないと黙らないだろ」 「そんなに私に言わせたくないのか?」 「お前に嘘を言わせたくない」 「今更だな」 「…なぁ…レウ…」 「なんだ?」 「お前も家族が好きなんだろ?」 「…」 「答えろ」 「……ああ…」 「本当は全部捨てないといけないのが嫌なんだろ?」 「…ああ…」 「独りは怖いんだろ?」 「………ああ…」 「レウ…本当は…」 「もう何も言わないでくれ」 「…」 「これ以上…私を暴かないでくれ」 「…」 「これ以上…惨めになりたくないんだよ…」 顔を背けて涙で頬を濡らし始める彼女…本当に苦しかったのだろう…本当に悲しかったのだろう…本当に辛かったのだろう。しかも…この先更に辛い思いを続けないといけないんだ…それは誰もが想像してる以上に怖く恐ろしいことだと言うのは嫌でもわかる。   (2019/3/3 21:36:34)

好風/「メイレー…」 「なんだ?」 「私は…私が家族に向けているくらいには…愛されていただろうか…」 「…」 「私が普通の人間だったら…普通の愛を受け取って…普通の幸せを味わっていたんだろうか…」 「レウ、お前は愛されている」 「…これからは…愛されるだろうか…」 「…」 「人を狂わしてしまう化け物でも…愛してもらえるのだろうか…」 「俺はお前を愛しているよ」 俺の放った言葉に彼女は反応する。そしてゆっくりと目を合わせてから口を開いた。 「…なら…証明してくれ…」 「…え…」 「…全部教えてくれよ…」   (2019/3/3 21:37:10)

好風/彼女は自らの手で羽織っていた服をはだけさせて白衣を留める薔薇のピンを外した。もちろん白衣をずらせば形のいい胸が露になる。年齢も年齢…反応するのも仕方が無いだろう。彼女は何も言わずに首に手を回してきた。 「…お兄…ちゃん…」 何処か恥じらいのある声でそう呼ばれた。その途端何かが弾けた音が聞こえた気がした。時間は真夜中…止める人は誰も居なかった。   (2019/3/3 21:37:24)

好風/(視点切り替え)   (2019/3/3 21:37:37)

好風/雲が厚く今にも雨が降り出しそうな空…それを開け放した窓に座っては眺めていた。時間はもう真夜中…なかなかの肌寒さを感じさせる。 やる事も全てやった…部屋の中に居るメリーに目をやって一言放つ。 「ありがとうな、メリー」 ある程度の服や実験器具を用意してくれていた使いのメリーに御礼を言う。メリーには家を出て行くことも全て伝えてあった。そしてある程度の荷物に対して色々頼んでいたのだ。   (2019/3/3 21:37:51)

好風/「お嬢様…本当に…行ってしまうのですか?」 「ああ、今まで私に仕えてくれてありがとうな」 私の言葉にメリーは涙を溢れさせた。何だかんだ言って一番付き合いが長かったかもしれない。物心ついた頃からメリーは傍に居たからだ。それに自分が一番懐いていたのもメリーだった気がする。 「お嬢様…私はいつでもお嬢様の味方ですからね…だから…」 「分かってる。お前は私を裏切っていなかったのも全部な。だから泣くな」 「ですが…」 「綺麗な顔が台無しだろ?」   (2019/3/3 21:38:07)

好風/メリーに歩み寄っては背伸びをして頭を撫でてやる。こうやって頭を撫でてやることも…きっと最後になるだろうから…。メリーは私の身体を強く抱きしめた。暖かい温もりが感じられる。もし私の母が生きていたら…この温もりを感じて育つのが当たり前だったのだろうか…。 「ちゃんと…ご飯を食べるんですよ?」 「ああ」 「実験ばかりしてて寝不足にならないようにしてくださいね?ちゃんと寝るんですよ?」 「頑張るよ」 「定期的にお掃除もするんですよ?お嬢様は夢中になるとすぐにお部屋を散らかしてしまうんですから」 「大丈夫さ」 「それと…それと…」 「心配するな。お前が思う以上に私は1人でも頑張れる」 「お嬢様は…自分が思う以上に甘えん坊です」 「…」 「自分が思う以上に独りがお嫌いです」 「そうだな…」 「お嬢様…」 「何だ?」 「あの約束は…守ってくれますか?」   (2019/3/3 21:38:28)

好風/あの約束…それは彼女に全て話した時に彼女から出された条件だ。 「わかってるさ。“いつか迎えに来てやる”。安心して待ってろ」 「…絶対ですからね?」 「ああ。絶対だ」 私の言葉を聞いて彼女はやっと涙を拭って微笑んだ。そしてまたも強く抱き締める。 「さて…もう行かないとな」 その言葉を言ってから彼女から少し離れる。彼女はギュッと涙を我慢するように下唇を噛んだ。私はそれに気づいていたが彼女を慰めようとはしなかった。何も言わずに用意されたバッグを持って窓に近づく。   (2019/3/3 21:38:47)

好風/「お嬢…様…」 彼女の震える声で足を止める。荷物を窓際に置いては彼女に歩み寄り胸倉を掴んで引き寄せその唇を奪った。色恋などの経験が無かったと思われる彼女は驚きキョトンとしていた。目に溜めていた涙も引っ込んだようだ。それを見てクスッと笑っては窓に近寄りバッグを片手に彼女と向き合う。 「これからはレウセンカと名乗って生きていく。また私に仕えたらそう呼んでくれ」   (2019/3/3 21:39:04)

好風/レウセンカとはレウカンサを少し変えただけの偽名だ。レウサンカでもいいかと思っていたが隠れるつもりがあるならもう少し変えた方がいいとメイレーに言われたのだ。彼女はキョトンとした顔のまま小さく頷いた。私はそれを見て優しく微笑む。 「またな…メリー」 私は窓から飛び降りた。重力に従えば自然に地面に生えていた木に飛び込む。手を前に出せば大きな木の幹に引っかかる。なかなかの衝撃が腕に加った。腕に力を込めて自分の体重を支えてはリズム良く地面に降りた。バッグに傷はついてない。腕も肩が外れてるだけだ。太い木の幹に寄りかかるようにして脱臼を治してから木を離れた。上を見上げると窓からは安心したように胸を撫で下ろすメリーが見える。   (2019/3/3 21:39:22)

好風/「行ってくるよ」 小さく呟いてから屋敷に背を向ける。幼い頃の思い出や夢も兄との他愛ない喧嘩と愛情も父への憧れと憎悪も全て置いて行くように。何も言わずに門へと近づけば馬車が待っているのがわかった。 「レウセンカ様…ですかね?」 「頼んだつもりは無かったんだが?」「メイレー様からの御依頼です」 何処までも深く突っ込んでくる奴だ。まぁ1人で歩いていくよりはマシか…。馬車に乗り込みチラリと屋敷を見る。もう見るつもりは無かったが…自分は未だに未練があるらしい。そこまでの思い出が彼処にはあるのだ。   (2019/3/3 21:39:38)

好風/「ははっ…私はここまで涙脆いのか…」 少しばかり目に滲んできた涙に笑いを零す。だがもう遅い。今更泣き喚く必要は無い。涙は充分流した。流れていく景色に雨が降り注ぐ。まるで自分の代わりに天気が泣いてるようだ。夜の月も好きだが夜の雨も悪くないと思った。   (2019/3/3 21:39:51)

好風/(視点切り替え)   (2019/3/3 21:40:06)

好風/雨の降り出した夜空を眺めていた。眺めるしか出来無かった。自分の最愛の主人とも呼べる彼女を乗せた馬車はもう行ってしまったのだから…。何も言わずに綺麗にされた部屋を見渡す。人1人が居なくなっただけなのに…それだけなのに部屋はすごく寂しく感じられた。そしてゆっくりと自分の唇に触れる。10も下の人に…しかも女性にファーストキスを奪われるとは思わなかった。自分の唇は乾燥してなかっただろうか…何故かそんなことを考えてしまう。途端に扉が開いたと思えばそこには主人…いやレウセンカ様の兄であるメイレー様が居た。 「もう行ったのか?」 「はい…」 「…そうか…」 メイレー様は自分の他にレウセンカ様が相談した唯一の人だ。いつもの口喧嘩も仲良さげに感じられたが…ここ数日でより一層仲良くなられた気がする。   (2019/3/3 21:40:24)

好風/「…メリー…なんだその目は?」 「いえ、仲良くなられましたねと…少し感激しまして…」 「…そうだな」 少し顔を赤くして目を逸らすメイレー様に微笑みを零してしまう。だけど…その分レウカンサ様が居なくなってしまったことに悲しみを覚える。 「泣いてたらレウが呆れるぞ」 「も…申し訳…ございません…わかっているんですが…」 「ほら、行くぞ。怪しまれても困る」 「…あ、ま、待ってください」 涙を乱暴に拭いながら部屋を出て行こうとするメイレー様を引き止めた。   (2019/3/3 21:40:40)

好風/「なんだ?早く終わらしてくれ」 「レウセンカ様からこれを渡してくれと頼まれてまして…」 そう言って手渡したのは1枚の紙切れだ。まるでメモ用紙のようなものだったがちぎられた跡があるのを見る限り咄嗟の思いつきで書いたものだろう。それをメイレー様は受け取って内容を確認した…途端に顔を歪めてため息をつく。 「アイツ…最後の最後まで…」 「?…あの…なんて書いてあったんですか?」 「…『アレはただの飴玉だ』…」 「へ?」 「も…もう良いだろ?行くぞ」 「は、はい」   (2019/3/3 21:41:17)

好風/よほど屈辱的なのか赤面させながら急いで部屋を後にするメイレー様の後を追った。だが部屋から出る前にまた部屋を見る。いつもなら…あの天蓋ベッドで静かに寝息をたてていて…もし起きていたら部屋を散らかしながら薬の作り方をまとめていて…。 「メリー」 「ご、ごめんなさい」 名前を呼ばれれば急いで扉を閉めた。   (2019/3/3 21:41:33)

好風/((お、終わりです。長…なんかすみませんでした   (2019/3/3 21:41:56)

おしらせ好風/さんが退室しました。  (2019/3/3 21:41:59)

おしらせ太水/さんが入室しました♪  (2019/3/3 22:26:08)

太水/((ソロルの上に卵かけご飯してすまぬな   (2019/3/3 22:26:29)

太水/【僕はアイも皆疑わないよ】「大丈夫ですか…?」困っている人を見かけた。話を聞いていれば、どうやら足を怪我してしまって、痛くて動けないんだって。でも、その女の人には行く場所があって、でもこの足の怪我だと痛くてすぐには歩けない。だから困っている、って。そして見せてくれた右足首には、確かに大きめの切り傷ができていた。誰かがいきなり襲ってきて、必死に逃げてきたんだって。よく逃げられたなぁ…って思ったけど、危ない人から逃げるのに必死だったのかも。そんな危ない人居るのかな…って思ったけど、この街には物騒な人もいっぱい居るもんね。「それは大丈夫…ではなさそうですね。い、今っ、僕が治してあげましょうか?」『良いの?』と聞き返してくる女の人に「大丈夫です」と返して「クイックヒール」と口にした。その途端みるみるうちに女の人の傷は塞がっていく。   (2019/3/3 22:27:36)

太水/『おぉっ…痛みがあんまり無くなった。これなら動けるよ、ありがとう』お礼にと袋に入ったキャンディーを一粒くれて、その女の人は歩いていった。しばらくした後で、その場にへたり込んでしまった。「やっぱり痛いなぁ…」右足首にあったのは、女の人と同じような傷跡。じくじくそれがとても痛かった。ころころ、貰ったイチゴ味のキャンディーを口の中に転がして、僕はしばらくその場所に座っていた。__人類最後に愛を持ったって僕に居場所はないでしょうか__   (2019/3/3 22:27:55)

太水/「オメーはいつだって人のために動くんだな」夜。布団の中で瞼を閉じたら、そんな風に話しかけてくる人がいた。僕はそれが誰だか知ってる。「邪神さん。そうですよ、だってあの女の人可哀想だったじゃないですか…。怪我をして困っていました。僕は急ぎの用事はないですし…」「だからその邪神って呼ぶのをやめろっつってんだろ。俺の名前はデスファレウム。今度こそ覚えておくんだな。いいか、あれが嘘って可能性もあるだろ?怪我以外は同情誘いかも知れねぇ。飴だって毒入りの可能性もあるのにホイホイ舐めやがって」要するに、デスファレウムという彼…ミレシアのもう1人の人格…は、今日の昼のミレシアの行動に対し苛立っているのだろう。「でも、お礼なのに悪いものは入れてこないと思うし、それに…」それに対してくどくどとミレシアは言い訳を重ねていく。だってキャンディーは甘くて美味しかったもの。「あー!もうわかった。俺はオメーとは意見が合わない。それでいい」吐き捨てるようにそう言うと、デスファレウムは暗い黒い夢の中からどこかへと消えていった。   (2019/3/3 22:28:32)

太水/「人に優しくすることは、悪いことじゃないんですから…」そして、何かの歌の歌詞を口から零していく。それはリズムに乗って、一人の夢の中で舞って行く。「どうか一生淡々と生きるだけの理由をくださいドクター♪…人類最後に愛を持ったってそれを知る日はないでしょうか」(彼は僕の気持ちをわかってくれないのかな)   (2019/3/3 22:28:34)

太水/((にゃにぃ宅ミレシアさんお借りしました!…この曲スロウダウナーっていう実在する曲なので良かったら((   (2019/3/3 22:29:02)

おしらせ太水/さんが退室しました。  (2019/3/3 22:29:03)

おしらせチャイ/宗方さんが入室しました♪  (2019/3/5 01:34:10)

チャイ/宗方((日曜日完全にすっぽかしたので埋め合わせ   (2019/3/5 01:34:31)

チャイ/宗方(一概に【悪】と言っても種類は様々だ。弱い事は悪であるが、とある宗教では美徳とされる。逆に強き事は正義であるが、これまたとある宗教では異端とされる。人の尺図など脆いもの。正義なんて存在しないと言えるかもしれない)「カルト教団…か。懐かしいな。かつての国を思い出す。(宗方はそこそこ大きな建造物を見上げていた。70年前だっただろうか、新興宗教の教祖と一対一で決着をつけたのは。)俺は、もう屍のようなものだが、後世にせめて癌は残さないように頑張るとするよ。(彼は自らを使い捨ての道具と考え、世間をより良くするために奮闘している。彼の調査は凄まじく、不穏な気配一つ見せれば容赦の無い粛清が待っている。故に彼は数々の人間から「調停者」と呼ばれる。狂った世界で唯一、しっかり害を除去する単独機関である)」   (2019/3/5 01:44:36)

チャイ/宗方「推進。(ドアに手を触れれば、奇怪な奇音を奏でてドアが信者数名を巻き添えに倒れる。白無垢の装束を着た連中が武装している。噂通り、ここは異端の村であった。)さて、諸君らに問う。汝は正義なりや?(有無を言わさず攻撃に出る信者たち。相手が誰かわかった以上は自分達の村を守るために戦うのである。一階でこの騒ぎようなら、さらに上は厳戒態勢が敷かれているだろう。さて、そんな彼らを物ともせず、挙句1:17という圧倒的不利的状況で傷一つなく立ち回る宗方は遂に一階を制圧する。信者達は心臓を一瞬で止められ無痛のまま永遠の眠りに落ちるのだ)」   (2019/3/5 01:51:03)

チャイ/宗方「嗚呼、汝正義にあらずんばそれ即ち異端の徒なり。(二階で急襲を受けるも顔色一つ変えず、突き出された武器を持つ腕に自らの腕を絡めに絡め、同士討ちを起こす。さらに絡ませた腕を複雑に変形させ、相手の骨格を破壊する。無双、というよりかは、宗方自身の数珠のような戦闘スキルが導いた結果であった。)さて、俺は…まだ戦えるかな。この癌を取り除くまでは。(首筋に薬を打ち込む。にしても今日は安定剤を多く摂取しなければ気が狂いそうなほど体が痛む。大丈夫だろうか。)おや、これは。ふむ、やはり俺のカンは正しかったか。(見慣れない化学式を書き殴った小さなメモ。薬物知識のある彼はすぐに気づく。これは合成麻薬という事に)」   (2019/3/5 01:56:43)

チャイ/宗方「(いやはや、こうして戦っていると過去をどうしても思い出してしまう。あの教祖…思い出す…)ぐぅぅ…なんだこの頭痛はっ…記憶…が…(とここで宗方が敵陣のど真ん中で頭痛に襲われる。有刺鉄線が脳内で暴れてる気分だ。この機を逃さんとばかりに敵は躍り掛かる。しかし、やはり戦闘のプロであった宗方は、まともに動かないからだ全身で全てに攻撃に適した受け身を取った)ふぅ…おかしい…あの教祖のことが頭をよぎると…(思い出す…思い出せない…あいつの言葉…【選択は正義に委ねよ】ふざけるな…人間に正義は…ないっ…)ぐ…うおぉぉぉ!!!(意識は混濁しているがやるしか無い。ここでくたばれば、後世に病気を残す事になるかもしれないのだ。それだけは、彼に残っているちっぽけな正義が絶対に譲れないと告げるのだ)」   (2019/3/5 02:04:17)

チャイ/宗方「停滞…推進…(小石を投げつけ空中に停止。それら全てに程よく衝撃を与えると、小石は全方位ショットガンの様に信者達へ風穴を開けていく。しかし、倒れない奴もいる。そんな奴は独特の歩法で接近、八方の極遠にまで達する勢いで拳を打ち付ける。。」   (2019/3/5 02:07:09)

チャイ/宗方「(しかし、海藻を重ねるごとに記憶がぶり返す。過去に自分が潰したカルト教団の…まさか!)」『やぁ、また会ったね、宗方くん。元気にしてたかな?』「お生憎様、こちとら疲弊で余裕すらねぇよ。」(教団の教主はこの街にきていた過去の怨敵だった。どうりで信者達の中に見知った顔がおるわけだ。「また、あの時の様に俺に告げるか?【正義とは何か】を。」(八極の構えを取り教祖との距離を一定に保つ。あの教祖の精神遊動は恐るべきものだ。)「さて、お前はまた前回と同じことをやったのか?そうだな、脳洗いとか…さ。」『そんなものもう必要無い。私は新たに力を手に入れたからね。』(死んでいたはずの信者達が起き上がり、こちらを睨んで今にも襲ってきそうである)   (2019/3/5 02:13:52)

チャイ/宗方((海藻→階層   (2019/3/5 02:14:06)

チャイ/宗方『七つの大罪が一つ、色欲。私はその属性である融合の力を開花した。君の様に力を伝えるタイプの敵とは相性がいいのだよ。』「そうかい、とうとう頭ん中までお花畑になったかよクソ野郎。ここで殺す。貴様は癌だからな」(まず仕掛けたのは宗方、木の壁であったらたやすく砕ける破壊力の拳を打ち出す。しかし教祖はその場から動かずに拳を受け止めてみせた。)『私は色欲によって解脱したと言っても過言では無くてね。お陰様で生物に対してめっきり強くなったんだよね。』「ほう?生物には、か。」(色欲。人間の獣性の一つ。生の象徴。故にこの力を持つ者は生命に対して強い強制力を持つ…が。)「お前の誤算は毎回相手を決めつける事だ。今回でいうなら…」(容赦の無い拳が敵の頬骨を抉り飛ばす。)「悪いが俺はすでに死んでいてね。貴様の強制力は効かないのだよ。」『…そうか、とうとう君は修羅になったんだね…あの時みたいに数多くの人々を殺害して!ははは!』(辺りを見渡せば血、血、血そして死体。惨状を物語る。)「悪いが死んだ時に心もぶっ壊れてねぇ、生憎可哀想だとかもう思わねーんだ。」(頬骨を削られて痛みに悶える教祖の顔面を強靭な右足が抉り飛ばした。)   (2019/3/5 02:24:10)

チャイ/宗方「無様に死ね、今まで食い物にしてきた人間を悔やみながら逝け。」(部屋の各所に爆薬を仕込む。ここは存在してはいけない場所である。)「はっ、いい顔じゃねぇか。悪人の死に顔ってにはこうも笑えるのか。」(やがて彼が出たビルは跡形もなく消し飛ぶことになる。正義を唱えた教祖、教団は正義の名の下に消えたのだ。やはりこう考えると、正義なんてないと思えてくるのは気のせいだろうか)   (2019/3/5 02:27:12)

チャイ/宗方((ちょっと寝惚け眼で書きました。文字がおかしいです。たすけて   (2019/3/5 02:27:31)

おしらせチャイ/宗方さんが退室しました。  (2019/3/5 02:27:33)

おしらせ太水さんが入室しました♪  (2019/3/8 03:01:34)

太水((キャラは何人か変えるから名前の方は記載なしで。でも誰かは察せ()   (2019/3/8 03:02:12)

太水俺はあの時、復讐しか頭になかった。何もかもが真っ赤で憎たらしくて、だから殺した。だから喰った。悪いか。そう昔の心中を語った悪魔がいた。ゲルトという彼。何時だったか、この街に来てすぐに会った。お前は強い、だから殺してくれ。そんな言葉を聞いてあまりにも驚いて硬直した挙句に俺を殺してくれ、と言ったことは懐かしい。悪魔の人生からすればつい最近だろうが、ただの人間の人生からすればもうそれなりに前のことだ。その後はどちらも少しだけ笑ってしまった。そしてぽつりぽつり、話していくうちに今に至っている。自分より彼は遥かに尖った性格なのだろうが、どうしても悪には見えなかった。悪は殺せとは言わない。彼は意外と希望のある男だ。新しいナイフを見た時、好みのものを食べた時、彼は意外と嬉しそうだ   (2019/3/8 03:02:27)

太水そうだ、もう一人。鬼節桜雅という鬼が居る。彼の国はとっくの昔に滅んでしまった。彼も良い人だ。なんだなんだと助けてくれることもある。それに達観的で物知りで。…国が滅んだことを、彼はしっかり乗り越えている。自分にはとてもできなかった。まだまだ後悔が多くて、謝れなかった妹を思う。けれど、もう自分に乗り越える力なんてない。桜雅とは、甘い物好き仲間でもある。とはいえ、あっちが好きなのは薄味。だから自分の好きな味は濃すぎるとよく言われるけれど   (2019/3/8 03:05:55)

太水二人は、彼にとって異質な存在である。どちらも頭のネジがどこかしら外れていて。けれど、どこか同じだ。皆全部失ってここにいる。けれど、二人の方がよっぽど歳上で、よっぽど大人で。前を向けている。それは凄い事だし、何より俺にはできない。俺は疫病神でしかない。誰かの傍になんて居ちゃいけない。わかっている。だってもう誰も傷付けたくない。誰も俺のせいで傷ついて欲しくない   (2019/3/8 03:08:09)

太水でも、二人と一緒にいることは打算。そう。友情なんかじゃなくて手助けで、頼まれてるから一緒に居るだけだ。戦う相手が欲しいから、どうせいくらでも時間はあるから。せめて誰かの役に立つために使えるなら、だから一緒に居る。だから戦う。この能力は、植物を操る、暴走ばかりの力は。彼に力を与えたのだ。対等でいるための、戦うための力。…それは人の命を奪える力。命を生み出す呪いに近い、正規ルートのチート地味た力。こんなもの、持っていなければ良かったと思うことも多いけれど、この力は便利でもある事を知っている。この力があるから、彼は二人と一緒に居る理由になる。……違う、違う。理由は手助け。利害のため。そうであってこれは友情なんかじゃなくて、なくて。だってそれで傷付くなんて嫌で、でも二人が居なくなったら…嫌?わからない。けれど現実逃避。どうせろくに寝られないのに布団に入って毛布を被る。目を閉じてさぁ眠りましょう   (2019/3/8 03:12:58)

太水また夢を見る。けれど今日の夢は異質だった。『…何故、君は自分達とそばに居る?君のせいで、自分が、ゲルトが死んだらどうしてくれる』『…来るな』拒絶された。二人からの拒絶。そうされるべきなのに、じくじく、心が痛い。また幻聴を聞いた気がした。今度はかつての。泡を吹いて、苦しみながら死んだ両親。喧嘩を最後に別れた妹。蜂の巣になって死んだ親友。目の前で撃たれた従兄弟。どうして変わってあげられなかった。どうして毒を飲まなかった。どうしてあの時強引に前に行かなかった。どうして従兄弟に無理に笑わせて。従兄弟は恋人を喪ったのに。「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい許さないで許してくれないでお願い替わって替わって……置いて、いか、な…いで。一人、嫌だ……」   (2019/3/8 03:19:14)

太水「さみ、しいよ。ねぇ、俺、を…連れて、逝って」ボロボロと大粒の涙を零して、吐きながら一人で床に蹲る。本当は胃の中にほとんど入れていなくて、胃酸ばかりと微かな中身が零れるだけなのに。それは汚いが、けれどそれより辛かった。喉が焼け付くように痛くて、それで死ねたらと思った。誰かに背中をさすられた気がした。それは気の所為だろうか。どうすれば死ねて、天国の彼らに顔向けできるだろう。皆、周りは好い人。俺は、最低な奴だ   (2019/3/8 03:22:06)

太水悲愴哀歌号泣の後に、彼は目を開けた。ここでしんだらみんなにあえるかな。そうしたらおれのせいでしんでしまったことをゆるしてくれるかな。…首に輪っかに括った紐をかけて、それを天井にも付けて。けれどそこから動けなかった。きっとこれは誰かに止められてしまう、なんだかそんな気がした。そして、天井に付けるために椅子の上に乗った時、机の上の写真たてが目に入った。家族四人で笑って撮った最後の写真。その傍に、いつも身につけている片眼鏡と青緑の布。片眼鏡は従兄弟の、布は親友の遺品。それを見て彼は思わずにいられなかった   (2019/3/8 03:27:07)

太水ウィル・ヘイトを、俺から全てを奪ってめちゃくちゃにした男を殺したら、少しは許されるだろうか。少しはこの気持ちが楽になって、救われるだろうか。けれど同時に知っていた。復讐で誰かを殺しても、死んだ人間は帰ってこない事を。だからどれだけ憎くても、殺すなんてするつもりは無い。だから誰でもいい。もうこれしか終わる方法が、答えがないから。早く楽にしてくれないか【救済(出口)を】   (2019/3/8 03:30:05)

太水俺は見ているだけしかできなかった。本当は俺も毒を飲んでいれば良かったのに。そう告白した人間が居た。レイという彼。鬼からすればまるで燃える火の微かな揺らぎ程度の時間だが、人間からすれば決して短くは無いはずだ。彼は、死に希望を持てる人間だ。死んだ人達はきっと彼を待っているだろう。それを断言できるほどには彼は良い人だった。人のために、自分を壊してでも動くことが出来る。それは正しくはない。目の前しか見えていない。けれど、間違いと言えるほど、自分は素晴らしい生を歩いてはいなかった。彼を否定はできない。本当はハート・レイのように誰かの助けになるような国を作りたかった。そのために挙兵して、国の主になった。民のために、国のために。…自分の正義のために   (2019/3/8 03:36:11)

太水それからゲルトという悪魔とも最近よく会う。元は人であるらしいが、その割には長く生きている。故に付き合いもまぁ長い。彼が腕をくれる、というのは腹が減った時に良かった。欲は満たせる故に。そのための戦闘は致し方なかったし、貰うだけというのは良くない。彼は自分ではどこまでも死を!と言う。しかし、ハートとは違うのだ。彼は意外と死なない立ち回りをする。戦う時、見ていると所々で身を庇うのだ。本当は生きたいのでは、そう思わずには居られない。だが、戦い方として何よりもそれが正しいだろう。死んだって意味は無いんだ。彼ら二人とは面白いから居る。そうであろう。二人は自分より短い僅かなせいでしかないが、別の事を知っている。戦友にも、見せてやりたいと思うほど   (2019/3/8 03:40:02)

太水彼らは、同じ世界から来たらしい。自分だけが違う。それもあるのかもしれない。自分の知っていることを知らなくて、知らないことを知っている。面白い。しかし、これは友情というのかはわからない。戦友と話した時とは違う対等感。けれどどこか懐かしかった。夜、月を見ながら一人で酒を飲む。あの二人は酒に強くないが、戦友はよく付き合ってくれて。特に三目鬼なんて同じくらい飲めたものだ。懐かしさを想いながら、お猪口を傾ける。酒に微睡みうとうとと夢の中。それでも刀は手放さずに、軍服のままで。この酒は水ではなかった   (2019/3/8 03:43:19)

太水ただ、今日は夢見が悪かった。『…どう、して。国と、死な、なかった?』『…弱い。自分の国も、守れない』いつものふたりとは何か違う罵倒の声。けれど戦友を思い出した。彼は戦友二人を喰らったのだ。美味かった、美味かった。あの二人はどうだろう。喰ったらきっと美味そうだ。うっすらと夢から目を開ける。「…しかし、長く生きたことは事実だ。あの時、死にたくは無かったのだがなぁ。…せめてこのせいくらいは使い切ろうと思うたのだが」けれど、寿命は既に平均の倍。1000年は長く生きすぎの範囲だ。最後の戦場で飲んだ水酒の味を思い出す。あの時飲んだ仲間はもう自分一人。当然だ。誰も残っていないでくれ   (2019/3/8 03:46:42)

太水酒乱追想哀愁の渦で、彼は亡国を思う。彼は亡国の総帥。彼はもう背負う国はない。けれど誇りをなくしたつもりは無い。この軍服に袖を通した時、我が国の物だと喜んだものだ。初めて手にしたこの刀、今も刃こぼれはしないが、これも一級品で、嬉しかったものだ。誇らしかった、これが最後の誇りだから。…ただし弱音を吐くならば。あぁそうだなぁ。そろそろ死にたいものだなぁ。仲間はそこに居ないで欲しい。待つ必要は無い。けれど終わりなき旅も疲れるものだ【救済(終焉)を】   (2019/3/8 03:49:42)

太水以上でした。それでは!   (2019/3/8 03:49:48)

太水あっ、待って忘れもう一個ある   (2019/3/8 03:50:06)

太水人は正義をぶつけ合っていて、悪もある意味で正義だ。そんな綺麗事を語る鬼がいた。鬼節という彼。それなりに長い付き合いで、少なくともこの街に来てから今までの半分の付き合いはある。彼の人生にとって、一番かつ唯一大事な人より長いかもしれない付き合いだ。それは鬼からすればほんの少しであり、長く行き過ぎてしまった、この悪魔にとっても特段長い時間ではないが。それでも彼の人生には長い付き合いがそもそも無いのだ。誰も近寄らせない、殺すか殺されるかを要求する彼に近寄る人などほぼ居ない。そもそも鬼節桜雅という男も、打算で近寄ってきた存在だ。ただし、彼はこの関係が嫌いではない。腕はくれてやるから、同じ鍛錬相手のいる関係   (2019/3/8 03:50:20)

太水もう一人、よく会う相手がいる。珍しく、気の合うような相手だった。ハートという彼。底抜けに良い人で、だから自壊してしまった人間だ。彼のことも嫌いではない。打算がわからないが、それでも彼を貶す気には何となくなれなかった。この気持ちを表す言葉はとうの昔に失ってしまった。この二人と居ることはとても驚きが多い。故郷が違うのか、はたまた彼が無視してきた景色を知っているのか。初めて知った美味しい食べ物を食べさせてくれたり、ゲームはとても面白かった。自分で無い誰かが自分の操作で戦うこと、電気という謎の力。スイッチ一つでコロコロ動く。武器も色々なものを知っている。刀は鬼が見せてくれるまで知らなかった。それらは初めて知ったこと。二人は彼にとって酷く刺激的だった   (2019/3/8 03:50:33)

太水しかし、何故彼がそれに満足していて、恨む気持ちも起きないのか。話していて不快でないのか。彼にはどうもわからなかった。それも武器を持って誰かに対面すればすぐに吹き飛んで、無かったことになる。戦闘という波は彼にとって唯一の救済。その為だけに生きる…はずなのに。満足はそれに反している。それが酷く疑問。考えること放棄したいようなきもち。彼は世界が嫌いだ。喚き散らしてまででは無いが、ある意味彼は世界が好きになれていないのに。不思議な感覚。それを微かに腕に抱えて。木の根元で一人で眠る。いつもの事、孤独な夜へ   (2019/3/8 03:50:50)

太水けれど、その日は何かいつもと違った。それは夢か現か。ぼんやりした曖昧な景色が見せた夢かもしれない。『フラーゲ。君が戦うと言わないのは珍しい』『フラー、ゲ…早く、待っ、てる』彼の知り合いが、彼の名前を呼んでいたのだ。それも、捨てた名前の方だ。教えたわけがない。本人も普段は忘れてしまっている事なのだから。……けれどけれど、そう呼ばれることは彼にとって不快でしかない。それは!その名前は俺のものじゃない。僕のもの。人間の名前、捨てた名前だ。悪魔の名前なんかじゃあない 「その名前で呼ぶな!!」無意識に顔を上げた。それが誰かの名前だなんて、普段は覚えていないのだから、きっと記憶がぐちゃぐちゃに混ざっているだけだけれども。   (2019/3/8 03:51:14)

太水「・□◎〇は死んだ、ふらーげは死んだ!」大声で、言葉にもならない何かを喚き散らして、髪を掻きむしる。頬を少し掻き毟ってから、傍にあったナイフを手に奪い取るように持った。近くにピアノ線が置いてあって、指が切れたのだが、それは視界にすら入らない。そして、ただでさえ傷だらけの体に新しい傷を刻み込んでいく。体を壊す、壊す。けれど、彼はこれで死ぬことはできない。手が止まる。そして、懐に大切に仕舞われていた黒い刃のナイフを手に取った。それを愛おしそうに見る。流す涙は無い。なぜなら既に流した涙がある。枯れることも許されずに、右の瞼が落としていく赤い涙。傷ついて再起不可能の心が、死ぬ前にあげた悲鳴、奇声。「俺はゲルト。フラーゲなんて知らない!」   (2019/3/8 03:51:43)

太水絶叫悲鳴慟哭の中で、彼は思い出す。…俺は救われてはいけない。俺の選択は、祖父を殺した。せかいのすべてをこわした。何よりも大切な人を殺した。救われてはいけない。悪はやっぱり悪。正義なんかじゃないから。救いなんて求めない。求めるものは破滅。せめて破滅の方法を選ぶだけ。だから望みは破滅のみ。……鏡が傍に転がり落ちていた。100何十年も昔の、過ちを犯した自分から、何一つ変わらない顔、体、中身。憎い、俺は「お前が憎い。憎い、憎い」体にまとわりつくこの呪いが。体を壊す呪いが、あぁ憎い。「…殺す、殺せ」もう寝る気になんてなれない。彼は武器を手にして、それまで居た場所を去っていく。誰か戦え。そして強い誰かが俺を殺せ。【救済(破滅)を】   (2019/3/8 03:51:56)

太水ここまででしたわ。この3つで全てです。それでは   (2019/3/8 03:52:08)

おしらせ太水さんが退室しました。  (2019/3/8 03:52:10)

おしらせ有楽/秋庭 奏楓 ◆OmasqLza0Mさんが入室しました♪  (2019/3/8 03:55:26)

有楽/秋庭 奏楓 (…夢だ。その光景を見た瞬間ボクはすぐにそう理解できた。なにせその夢のボクは昔住んでいた館の中で驚きと恐怖で動けなくなってたし、目の前には忘れたい光景が広がっていたのだから。)『_ハッハァ!よえぇなぁ!竜やら吸血鬼やら言うから強いと思ってたのによぉ!俺が強すぎたのかぁ?』(聞こえるのは吸血鬼であるお母さんの胸を腕で貫く男の笑い声。竜のお父さんはボクを庇って死んだ。そんなボクは目の前の光景を認められずに力が入らない体を無理矢理動かしてもう動かないお父さんに助けを求めるだけ。…頭では無駄だって分かってた。それでもボクはお母さんとお父さんが死んだなんて認めたくなかったんだ。そしてお母さんの体を貫いていた腕を抜いた男がこっちにきていたんだ。)   (2019/3/8 03:55:52)

有楽/秋庭 奏楓『お父さん!起きてよお父さん!』『_さぁて、うるせぇガキも殺しとくかぁ』(なんて言ってボクにお母さんを貫いた腕を向けてきた。恐怖で目を閉じて…その後は覚えてないや。気づいたら男は居なくなってたしお母さんとお父さんは血を流して倒れてた。それに館の天井とかが少し吹き飛んでたりして…。その光景を見た当時のボクはこの現実から目を背ける為に公園に逃げてきた。……今見てる夢は気を失ってるところは省略して忘れたい物を全部見せてきた。……なんで逃げてきた先でみせら…れ…)   (2019/3/8 03:56:00)

有楽/秋庭 奏楓「…んぇ…」(そして目が覚めたら目の前が真っ暗だった。…それもそうか。公園のベンチの上で布団に包まれてるし…今は夜みたいだし…)「……なんで逃げた先でも見せられなきゃいけないのさ…」(なんて。夜なのを良いことに顔の上にある布団を剥いでは月を見上げて一人で呟いてみる。…館に居ると思い出してしまうと公園に逃げてきた。それなのにたまに夢に見てしまう。逃げたいハズなのに。)「……寝よう。寝て忘れよう…」(…同じ夢は連続して見ない。そんな考えがあるし、起きてると泣いてしまいそうで。またボクは現実から目を背けるようにして眠りにつくのだ…。)   (2019/3/8 03:56:10)

有楽/秋庭 奏楓((かえなんたらの過去ソロル。文才無いのはいつもの事だから見逃してね()   (2019/3/8 03:56:34)

おしらせ有楽/秋庭 奏楓 ◆OmasqLza0Mさんが退室しました。  (2019/3/8 03:56:37)

おしらせ太水さんが入室しました♪  (2019/3/8 23:11:56)

太水【力を欲し給えよ・私は平和の礎】 「こんてぃぬっすー。そこのきみ、力が欲しくない?」とある昼下がり。風が弱く、日差しの当たる場所は心地よい温度の日だった。少しばかりふざけた声、その向かう先には一人の少女が居た。小柄で肌の真っ白な少女はどことなく無生物感を醸し出す。しかし、最大の違和感は関節。彼女の関節は全て球体関節だった。それは明らかにデッサン人形などのもの。彼女が生き物でないことは明らかだ。「力、それは当機が平和を守るために必要なものか?」そんな問いかけを返されたのはまたしても小柄な少女。黒いドレス、黒い眼帯、黒い尾。そのどれもが黒く、言うなれば常闇。そして傍に控えている天使のような少女。そちらは真逆で、全てが純白だった「平和、平和ねぇ……必要だねん。力があれば世の中は平和だよん。だから、きみが平和を守りたいならぜひ私から力を貰うべきだね」少し間を開けてからの回答。それが本当か嘘かは彼女…リミティアにとって大切ではない。大切なのは、自分の力を使うかということ。「…!それなら」   (2019/3/8 23:12:41)

太水『お待ちください。彼女は本体に力を与えると言いました。しかし、なぜ力を他者に分け与えるのかが理解できません。そして、マスターでもないのになぜ力を強くすることが出来るのか、これも不思議です。』球体関節の少女、ユークの声に被せて声を上げたのはガンズ。ユークの武器であり、その声はユークにしか聞こえない。「…言われてみれば確かに。君、どうして当機に力を分け与えてくれるのだ?そして、どうやって与えてくれるというのだろうか」「どうして、どうやって…どうしてって言うのは、私がそういう神様だからだよん。人に力を与えるのが存在意義みたいなもの。ね、ノーティエル?」「はい」『ですが、力を改造以外で与える、となると彼らは相応の力を持っている、ということになります』やはりリミティア達には聞こえないのだが、ガンズが口を出した。それを踏まえて、ユークは相手に聞いてみる。「それもそうか。…君達は、誰にでもそんな事を聞くのか?」「私は力を求める人の味方だよん」リミティアは、相手の正義への思いの強さを読み違ってしまった。この返答なら、ユークの答えは一つ。   (2019/3/8 23:13:41)

太水「その答えならわかった。力は貰わない。だが平和のためだ。今ここで排除する」「ええっ。そんなぁ()じゃあしょうがない。『極限の現界』」リミティアがそう呟いた途端、どこからか赤と黒の龍が呼ばれてきた。「本性を表したな。貴様は害をなすと判断した。この世から消えてもらおうか」一触即発…その時だった。   (2019/3/8 23:13:44)

太水「ねぇノーティエル。よく考えたら機械に魂は無い?」「そうですね」「んじゃあ私にメリット無いからやめておくにゃー。のしるこすー」ちょっとした問答…それはほとんど自問自答に近いのだが。それを終えると、リミティアは勝手にどこかへ去っていった。ノーティエルもそれに続いて去っていく。「あれはなんだったんだ、ガンズ」『当機にはわかりません』呆れ声のユークに、それに動じないガンズの声がする。ユークとガンズにとって、最後まで相手は理解できないものだった。   (2019/3/8 23:13:54)

太水ユークさんとリミティアさんお借りしましたー。もしも会ったら、の二次創作だと思ってもらえれば!   (2019/3/8 23:14:14)

おしらせ太水さんが退室しました。  (2019/3/8 23:14:16)

おしらせチャイ/宗方さんが入室しました♪  (2019/3/8 23:45:17)

チャイ/宗方((前回書いたソロがネズミのクソ以下の出来栄えだったので新しく書き直します、いや、させてください   (2019/3/8 23:45:48)

チャイ/宗方((寝ぼけてたとはいえあんな出来のものを書こうとした当時の自分にデコピンしたい   (2019/3/8 23:46:18)

チャイ/宗方((「」←宗方『』←敵   (2019/3/8 23:46:55)

チャイ/宗方(その男は物陰に潜んでいた。隠れているのだ。)「能力者、その上人外ときた。道理で孔を突いても心が止まらない訳だ。」(その男は軍服に身を包み将校の出で立ちであった。老人の様な顔だがその目は未だ燦々と険しい。)『どこだァ!?出て来やがれジジィ!』(対して廃墟の壁面を蹴り飛ばしている青髪の男。名前はそんなに有名では無いが、ただならぬ気配は感じることが出来る。)「俺も若い頃はああやってキレてたな。だが、今はキレてどうにかなる年齢じゃ無い…。」(道端に小石を投げ、停滞させる。安全な位置についた後解除すれば、当然を音を立てる)『そこかァ!?ア“ァ”!?』(男の背後、その虚空から剣刃が生成され石が落ちた周辺にばら撒かれる。地面に刺さる剣刃はカミソリの様で、鋭利な切れ味を傷付けられたアスファルトが物語る)「竜人種、先の大戦では魔導兵器と戦ったが竜人種は無いな…。体の構造が分からない。爬虫類寄りなのか、哺乳類寄りなのか…」(不意打ちを受けた際、見事見切ることに成功した彼は、人間であれば一瞬で心臓に微細動が生じて心停止することになる孔をついたが通用しなかった。よって、今は負け犬の様に逃げながら勝機を伺うのである)   (2019/3/9 00:04:50)

チャイ/宗方「あの剣刃、どうも物に当たった瞬間に消失すると見た、が。ここはひとつやってみよう。」(数粒、小石を握りしめ、竜人種の前に躍り出た。)『…そっちから出てくるとはなァ?待ってたぜェ!?オォ!?』(怒号とともに射出される剣刃。背後に飛び下がり、キルゾーンを抜け出す。)「やはり、その剣刃は連続して放てないらしいな。少なくとも、今射出されたのが戻るまでは。」(足元スレスレにまで届いている剣刃は少しずつ形を崩し出す。地面に傷跡を残しながら。)『だからなんだってんだ?あと少し、もう少し攻めてやれば勝てるって分かって手加減するバカが居るかよ!?』(射出される剣刃。放射状に飛ばされた。流石に避けきれないと判断し、腕でガードするも、腕に数発、痛々しく突き刺さる。)「やはりこの切れ味…流石だな。業物だ。」(今特に夥しく剣刃が刺さった右腕は使えない。左手だけでこの状況をなんとかする。そう考えると、昔対して役に立たない計画を立案した自分を思い出した。)「そうだった、俺はいつも…ありえない策を講じて、いつも、勝ってきた。今回だってやることは一緒だ」   (2019/3/9 00:13:15)

チャイ/宗方(剣刃を腕から一粒取る。それを小石にはめ込み、空中に停滞させる。)「俺の能力は停滞。万物をその地点に固定する。その後の力の向きはある程度制御可能。さらに停止している物にエネルギーを与えると、それは蓄積されていく。こんな風にな。」(空中に浮かべた小石を指先で何度も小突く。強い力をうっかり入れてしまうと狙いが逸れるらしい)『あぁ…?それがどうしたァ!?てめーの攻撃じゃ俺の装甲鱗には傷一つつかねぇよ!』(勝ちを確信し、全力の剣刃を発生させて、攻撃態勢をとる。)「最後に老いぼれからの忠告じだ。早めに降伏するといい。地獄を見るぞ。」(停滞する小石からいよいよいびつな音が響き出す)   (2019/3/9 00:17:56)

チャイ/宗方『うるせぇ!これでヤワな人間は終わりなんだよ!』「君はもう少し、自分の能力の理解をしたまえ。」(小石が射出される…が、その弾丸は敵の頰をかすめ、奥へ消える。)『ははははは!外したな!?はははは!さて、今度は俺の総攻げk…』「全く。だから能力の理解はしておけといったのだ。私は最初から貴様なんて狙ってない。狙っていたのは。後ろの、その物体だ。」(説明を忘れていた。この廃墟周辺、以前から不処理の液体燃料が放置されていることで話題になっていた。そして、その液体燃料はまだ使えるという。故に、剣刃の様に金属製の何かが電気を帯びて入ろうものなら、爆発は間違いなし…そう。空気に摩擦+燃料タンクに入る前の微小な火花。もはや条件は十分だった。)   (2019/3/9 00:23:33)

チャイ/宗方『う、く…うぉぉぉぉ…』「攻撃に剣刃は使い切った故に防御に今は使えない。さて、攻めるか。」(とりあえず再度心臓に拳を打ち込む。確かにこれで停止するはず何だ。何故か、触れて分かる事実。二つ目の心臓がある。その心臓はまさに動物が使う強靭なものというか…大きすぎる脈動に驚いている。)「燃えて燃えて、惨たらしく死ね」『あぁぁぁぁぁぁ!!くっそ…』(燃え盛る炎の中青年は日に気をつけろと言い残し灰化消滅してしまう。断末魔はなかった。」(今回は場所に恵まれていたが、もし市街地戦だったなら。おそらく自分は死んでいた。反撃の機会を得られず串刺し。そうならなかったのはやはり東堂よろしく、彼は何かの加護の元にあると考えられるかもしれない)   (2019/3/9 00:29:48)

おしらせチャイ/宗方さんが退室しました。  (2019/3/9 00:30:35)

おしらせチャイ/東堂&宗方さんが入室しました♪  (2019/3/14 22:16:05)

チャイ/東堂&宗方((そりが合いそうなキャラを掛け合わせてみる。東堂「」宗方『』   (2019/3/14 22:16:26)

チャイ/東堂&宗方「宗方さんはどうしてここに?」(ひんやりとした静寂の中に2人。冷えたコーヒー2つを挟んで会話がなされる。)『そうだな…ん、いや…。ただ唯一の安息を求めて来たといえば大体わかってもらえるだろうか。私はここに入ってこれるほど人間性が崩壊している。うつしよは、少し疲れた。』(冷えたコーヒーに手が伸びる。かれこれ4時間弱は話している。外は少し風が強いらしく、電線が揺れている。)「平穏…ですか。貴方も。」『えぇ、まぁ。そうなりますね。』(暖色の灯りが四方まで渡るこの部屋で2人は静かであった。いや、会話はあるが、ごく短い短文で終わってしまう)   (2019/3/14 22:21:53)

チャイ/東堂&宗方(モダンな雰囲気で調律された部屋に置いて、宗方の服装はやけに溶け込むのだ。)「失礼ですが、ここに来る前は何を…?見たところ何かの軍隊のようですが。」『東方の国、かつてサムライと呼ばれたもののふ達の集う国で、百余年国に身を捧げて来た。お陰で、私はこうした見返りを受けているのだがね。』(一見朗らかに微笑んだように見えた笑顔に小さじひと匙ほどの哀愁が漂う。これ以上詮索することは自然と気が引けた。)『それはそうと、東堂くん。ここは何やら物騒な場所じゃないか。至る所に武器が掛けてある。この椅子にも暗器が仕込まれている。この部屋は何のための部屋なんだい?』「心配には及びません。何しろ私どもの会社は仕事の都合で【やむを得ない】場合がどうしても生じてしまうので…その対策、ですね。」(血の匂いこそ消せていても、血痕はまばらに、染み付いた硝煙はタバコのように鼻孔をくすぐる)『どこの世界も一緒のようで。』「貴方も苦労を積んだんでしょうね。分かります。」『いや、私はただ目の前の敵を殲滅したまで。事情なんて関係なかった。』   (2019/3/14 22:29:59)

チャイ/東堂&宗方(灯りが揺れる。2つのカップは既に中身がなかった。)『…さて、飲み終わったことだし、本題を聞かせてくれないかな。大方、いつぞやの遭遇した竜人種の男のことか?』「その通りです。近頃噂されていた通り魔の尻尾をつかんだと思えば既に死んでいた。気にならないわけがないでしょう?」(どうやら例の竜人種は各地で殺傷事件を起こし話題となっていたようで)「そこで、貴方の平穏のために、貴方の身柄をこちらで保護させていただこうかと。」『して、その利益は何がある?私は別に、向かってくる敵に対しては多少の荒事は承知しているのだがね。』「では、端的に結果のみ伝えましょう。宗方さん、我々は貴方の力を欲しています。どうか街のためにその力を振るってくれませんか」(やけに格調高い内装の理由はただ一つ、というよりそれしか無い。この場所は応接間。)『悪いが、断らせてもらおう。生憎私は正義や悪、どちらにもつかないと決めている。コーヒー、美味しかったよ。』「そうですか、分かりました。それでは我々もこの話はなかったことにさせていただきます。」『次はゆっくり、バーで飲もうじゃ無いか。一杯くらいならば奢るぞ?』   (2019/3/14 22:40:19)

チャイ/東堂&宗方「生憎私は酒は嗜む程度にしか飲みません。お身体気をつけて。」『それは此方のセリフだ。仕事柄敵が多いようだしな?この建物の横の建築物、今空き家だ。気をつけておくんだな。』(老人は部屋から出て行く。振り返りもせず。)「……………。ふっ、やはりあの方は油断ならないな。」(テーブルの下にこれ見よがしに盗聴器、触れていたカップには指紋すら残ってない。おそらくフィルムを貼っていた。)『全く、最近の若造は、コソコソやりくりするのが好きなようで。』(胸元の勲章を取り外す。その背面、シール状の発信機らしきものが。さらにブーツの裏。やはり発信機。最後に、襟裏。これは盗聴器。)「『あの男は敵に回したく無いな』」(全く同じことを全く異なった2人が呟いた頃、いよいよ街には夜の帳が下りる。老人は闇に消え、青年は薄暗い廊下の奥に消えていった。)   (2019/3/14 22:45:18)

おしらせチャイ/東堂&宗方さんが退室しました。  (2019/3/14 22:45:33)

おしらせチャイ/宗方&水澤さんが入室しました♪  (2019/3/17 00:51:55)

チャイ/宗方&水澤((宗方「」水澤『』となります。あいも変わらずソロの民ですがこれも練習です。   (2019/3/17 00:52:36)

チャイ/宗方&水澤「隠れてないで出て来たらどうだ?私は別に逃げも隠れもしない。」『あっちゃぁ、バレちゃってましたぁ?』(廃墟群の中、2人が出会う。これまた奇怪な組み合わせだ。)「3時間前から尾行していたな。で?何かわかったことはあったか?」『いやー、お爺さん凄いっすね!まるで無個性!生きているのか不安ですよ!えぇ。』(水澤のお調子者のトークが始まる。うるさいがそんな表情を宗方は一切見せない。)「おうとも、私は死んでいる。今や薬を投薬せねば今日を生きられるかわからん。どうだ?記事にはなりそうだろう?」『職も見抜かれてましたか…いや、普通は司書さんなんですけどね。記者の方がばれるとは思いませんでした。」   (2019/3/17 00:56:59)

チャイ/宗方&水澤「まず、君の右手。ペンタコがある。それも何回も潰れては治ってを繰り返した後もだ。その時点でペンを頻繁に使う職が確定、極め付けは、匂いだ。」『匂い…っすか?……そんな変な匂いはしないっすけど。』「髪の毛から微弱だが、インクと油とタバコの匂いがする。インクとペンで紙媒体に関する職業、油で機械を使う…即ち製本、製紙の仕事になる。最後にタバコ。尾行を開始した時点でタバコの匂いが付く場所は限定される。そしてこの三つの匂いが全てつくと考えられるのはあの場所から数百メートル、新聞社しかない。」『お見事っす!え?探偵の方でしたか?全部見透かされた気分っす。』「…有名な人物の弁を借りるとするなら、【初歩的なことだよ】」(何より驚くのは宗方の観察眼だろう)   (2019/3/17 01:02:26)

2019年03月03日 21時14分 ~ 2019年03月17日 01時02分 の過去ログ
この街には『異常者』のみが◆ソロル部屋
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