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「天使と悪魔と人間が(ソロル部屋)」の過去ログ

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2022年05月22日 03時00分 ~ 2023年11月26日 18時20分 の過去ログ
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(ーーーーはふわぁと大きなあくびをし天界にそびえ立つ塔の中を歩く。すると後ろからとてててと足音が聞こえ振り返ると自分の担当する若手の天使がいた。)「あ…あの!」「お、ミカエラかどうした?」(声をかけてきた彼女はラベータ=ミカエラ。青色の三つ編みツインテールの少しオドオドとした天使だった。)「ーーーーさんのお時間が良ければですけど…また私にお稽古お願いします!」(彼女は気が弱い事が弱点であるが、真の努力家であり、実は戦闘面であれば同期であるザガンとアルファを凌駕する程の剣の実力の持ち主であった。)「わ、私…!もっと強くなりたいんです!つ、強くなってア…アルファさんが無理しなくてもいいように私もわぷ!」(感情的になり早口になりつつあった彼女の頭にポンっと手を置き少し強引ではあったが黙らせる。)「ガッハッハ!わかったわかった!今日の任務が終わったらな!!お前だけじゃなくて他の2人もまとめて相手してやるよ!」   (2022/5/22 03:00:12)

(彼女は嬉しそうに頬を弛め大きな返事を残し去っていく。ーーーーの今日の任務は地上に行き新人天使達が逃した悪魔の討伐であった。討伐といっても彼の場合軽く懲らしめて魔界に帰して終わりなのだが。)(任務をこなしいつものように空を飛び空から地上を眺めていると山奥にぽつんと建つ小さな家を見つける。それは今にも崩れそうなボロボロの家だった。こういう廃墟を好み潜む悪魔はよくいる。入る前に一応ノックをしいつものように返事が無いと思い開けようとした瞬間中から小さく返事が聞こえドアノブから手を離す。)『なんだ?誰か住んでたのか?にしては声が死にかけ、いや、声に覇気がない。』(ーーーーはカチャリとドアを開け中を確かめる。)   (2022/5/22 03:00:38)

(廃墟のような家の中は崩れた本棚に、部屋中に張り巡らされた蜘蛛の巣。床に転々と広がっている赤黒い染み。まさしく家の中も廃墟同然だった。部屋の隅には薄汚れたベッドにて体を起こしこちらを見る1人の少年がいた。少年はやせ細り、今にも死んでしまいそうな齢7歳ほどにも見える。)「こんにちは。お客さんなんて久しぶりだったから最初聞き間違いかと思っちゃいました。」「お、おう。邪魔するぜ。」「ごめんなさい。ボク、体こんなんだから何もおもてなしできないです。」「気にすんな。俺も人が住んでるとは思わなかった。急に押しかけちまって悪ぃな。」(ーーーーは少年のベッドの近くまで歩きその場に腰を下ろす。部屋中を見渡すと埃だらけの部屋の中に少年と一緒に写る2人の男女の写真を見つける。)   (2022/5/22 03:00:49)

「なぁ。お前親父さんとおふくろはどうした」「おふくろ?」「…お前を産んだ人のことだよ」「あぁ…お母さん、ですか。……死にました。どっちも。」「そうか…悪ぃ事聞いちまったな。」(少年はふふっと笑いーーーーの見た写真を見る。)「お父さんは僕が産まれてすぐに。そしてお母さんはボクが5歳の時に死んじゃったんです。ボクの病気の薬を買いに行って、その日からお母さんは帰ってこないんです」「それならまだお前の母親は…!」「いいんです。ボクはもう死んだと思う事にしました。…あんな優しいお母さんに捨てられたなんて思いたくないから。」(俯きながら少年は続けた。)   (2022/5/22 03:01:09)

「バカやろ、捨てねぇよ。」(どかっとーーーーは少年のベッドに腰を下ろした)「子供ってのはな、親からしたら可愛いもんなんだよ。もっと言うと宝物なんだよ。お前に優しくしてくれたってことはお前のことが大事で、大切だったに決まってるだろ。」「大事で…大切……えへへっ、ありがとうございます。」(少し目元に涙を浮かべる少年の頭を撫でーーーーは決心する。)「よし!決めた!お前、名前は?」「えっ…?」「名前だよ名前。俺はこれからちょくちょくお前に会いに来ることにした。そんでもって名前聞いとかないと不便だからな。な?」「…ふふっ、ボクの名前はオリー・エントラおじさんの名前はなんですか?」「おじ…さん……?」(それは長らく言われることのなかった言葉。軽くダメージを受けつつ男は口を開く)「お、俺の名前は!」   (2022/5/22 03:01:27)

「んあ?」(男は自分の部屋をノックする音で目を覚ます。今日は確か非番の日で、最近人間界で仲良くなった人間の子供に会いに行く予定だった。欠伸をしながら扉を開ける)「失礼する。……フン、非番とはいえなんて自堕落な男だ。」「…んだよてめぇかよ。クソ真面目。俺に会いに来るたぁてめぇも暇人って口だろ」(男を訪ねてきたのは、大天使候補だった男であり、男の昔の若手天使時代の同期であった。)「単刀直入に言おう。最近やけに人間界に降りているだろう。何をしている?」「…別に。なんでもいいだろうが。」「ならこれだけ警告しておく。人間の運命に干渉する行動はするな。特に貴様はあの模擬戦で真に正しい天使になるべきだったザガンの運命を変えた。それがどれほどの大罪か分かっていないだろう。」   (2022/5/22 03:01:41)

(その時、ーーーーは柱を叩きつけ大きな音を鳴らしもう1人の男を無理やり黙らせた。)「運命運命うるせぇよ。俺はあいつの、ザガンの運命を変えてなんかねぇ。生き方を変えるも、信念を変えるも、ザガンがてめぇの操り人形にならなかったのも。元からそうなる運命だったってことだ。」「…それは屁理屈というものであろう。」「うるせぇ。屁理屈だろうが酷い言い訳だろうが全部俺の信念だ。分かったらとっとと失せろ。」「フッ、警告はした。お前は罪人ということを忘れるなよ。」(男は翼を展開し飛び立っていく。それを見送ることなく、服を着がえ土産物を手に持ち自分の部屋を後にする。)   (2022/5/22 03:02:06)

(少年と何度も会ってるうちに少年もすっかりーーーーに心を許し毎日毎日ーーーーが来るのを心待ちにしているほどであった。)「よ!邪魔するぜ!」オリー「はい、ゆっくりしていってくださいね。」「今日はこれだ!天使と悪魔と人間の英雄の話だ!!ほら、早く横になれ。今日も読み聞かせてやるよ。」オリー「もう…いつもいつもボクが寝てる間にご飯も作ってくれてて、部屋も掃除してくれて、ボク何もお礼返してないのに」「気にすんな!全部俺が好きでやってんだ!それと…寝る前にこの俺の特製の檸檬牛乳を飲んで寝ると快眠だぜ!!」オリー「えへへ、ボクこれ大好きなんです。ーーーーさん料理がすごく上手だからご飯屋さんの店長さんとか向いてるんじゃないですか?ボク毎日通っちゃいますよ」   (2022/5/22 03:02:28)

(いつものように他愛のない話をしていた2人だったがーーーーは部屋の隅に置いてあった血の滲んだタオルに気付く。そして玄関から入った時に見た、いつもと違う靴の位置に。)「なぁ、オリー。もしかして外に出たのか?」オリー「っ!?」「病気が悪化したらどうすんだ?出るならせめて俺がいる時に一緒に出ような。何かあってからじゃ遅いからな」オリー「ごめんなさい。ボク、いつものお礼がしたくて…街に降りたんですけどやっぱり体が言うこと聞いてくれなくて。」(オリーは体を起こし覚束無い足取りでどこから紙袋を持ってきた。)オリー「これ…いつものお礼にって思って…ーーーーさんが喜んで、くれるかな…って思って……」(段々涙を流し始めたオリーの体を苦しまない程度の力でーーーーは強く抱きしめた。)「ありがとよ。大変だったよな、街まで行って、買い物もして…こんなに優しい奴からプレゼントなんてよ。俺は間違いなく幸せ者だな。」   (2022/5/22 03:03:05)

オリー「…えへへ、暖かいです。」(ーーーーに抱きしめられたオリーはにへらと表情を緩めさせる)「中、見てもいいか?」オリー「はい。サイズとか合ってるか分からないですけど」(紙袋の中には黒のエプロンが入っていた。サイズはーーーーの体躯より少し小さいがそれでも十分使えるものだった。)「ありがとよ、オリー。よっし!早速これ着て美味いもん作ってやるからな!待っとけよ〜!」(天使として長く生きてきたーーーー。オリーから顔を背け頬を伝う一筋の男泣き。)「プレゼントのお礼だ!今日はオリーの大好きなケチャップを使ったオムライスだ!!」(出来上がった小さめのオムライスをオリーの口へ運ぶ。あむっと口にふくみ咀嚼する。ゆっくりと咀嚼したのちオリーは幸せそうに笑みを浮かべた。)   (2022/5/22 03:03:42)

オリー「すごく美味しいです!」「がっはっは!そうだろうそうだろう!このエプロンのおかげもあるからオリーのおかげで美味いオムライスが出来たのかもな!」(オリーの横で豪快に笑う。何口かオムライスを味わったオリーは両親の映る写真を見て呟く)オリー「お父さんが生きてたらこんな風に笑い合えたのかな。」(忘れていた。目の前で笑う少年は両親がいない。父は死に、母親もおそらく街中で力尽きそのまま。小さな子供が両親を失う痛みはどれほどのものだろうか、それは想像もつかないものだった。故にーーーーは残酷な選択をしてしまった。)「…オリー、お前はもう1人じゃない。俺がいる!お前に寂しい思いなんて二度とさせない!俺がお前の家族だ!俺がお前の父親代わりなんて恐れ多いが、もう俺が決めた!体が弱い?そんなの関係ねぇよ!俺がそばにいてやるから!だからもう…そんな悲しいこと言わないでくれ。」(天使と人間の寿命の差やオリーの体のことも含め長い間一緒にいられないことを理解していてもだ。彼はその言葉を言えずにはいられなかった。)   (2022/5/22 03:04:06)

オリー「家族…良いんですか…?ボク、ちっちゃいし、体も弱いし、迷惑ですよ…?」「迷惑なんか思った事ねぇ。お前は俺が守る。お前の両親は空からお前を"見守る"。俺はお前を"守る"それでいいじゃねぇか。もう、寂しさに耐える必要はねぇんだよ。」オリー「うっ……うぁ……」(ぼろぼろと涙を零す。涙の一粒一粒がオリーの頬を伝って床に落ちていく。)オリー「寂しかった…寂しかったよぉ……ずっと、ずっと…ひとりぼっちで……お母さんも、ずっと帰ってこなくて……お父さんに、お母さんを任されたのに……ボクの体が弱いせいで…結局お母さんを守れなかった…」(運命とは時に残酷なものである。小さな少年1人に背負いきれぬほどの現実を背負わせようともする。ーーーーは知っていた、運命の残酷さを。ーーーーの運命はここで動き出す。オリーが泣き止むまでーーーーはずっとオリーの傍にいた)?「……フン。くだらん」(少年の家の玄関に背を預け二人の会話を聞いていた男がいた。男は背中の翼を展開し空高く飛び立っていった)   (2022/5/22 03:04:31)

(ーーーーがオリーと出会って、しばらく経った日のこと。彼の一日は任務を終えた後は部下達の指導、そしてオリーに会いにいく。ほとんど毎日これが続いていた。)ザガン「ーーーーさん!見てください!」「ったく、こんな朝っぱらからなにを…ってなんじゃこりゃ!?」(ザガンが見せたのは腕を組み鋭い目でどこか遠くの空を見上げる男の像だった。像はーーーーに瓜二つで天界のほぼ真ん中に位置する場所に置かれていた。)ザガン「ーーーーさんにいつもの感謝と、過去の貴方の栄光やその伝説を忘れぬよう、我らで作り上げ、設置することにしたのです!」ミカエラ「ーーーーさんにはい、いつもお世話になっているので!微力ながら私もお、お手伝いさせていただきました!」アルファ「ふん、確かに世話になってるのは事実ですし。実際、私も貴方の強さだけは認めてますし。」(その他、様々な若手天使達がーーーーの元へ集まってくる。ーーーーは一人一人と話し、夕刻時にオリーの元へ向かう。そしてーーーーの伝説はアンディアの管轄に留まらず、あらゆる管轄へ広まっていき、少し変わった大天使。として有名になりつつあった。)   (2022/5/22 03:05:10)

(ある日、ーーーーは天界の上層部へと呼ばれた。呼び出された部屋は薄暗く、少し先が見えないほどであった。ーーーーはその部屋に違和感を覚えつつ、部屋に入っていく。)「おいおい、んだこれ。明かり一つ付けてないなんてどうしたんだ?」男「それはこれから話す任務が最重要かつ、極秘任務であるからである。」「うおっ!?んだよテメェかよ!脅かすんじゃねぇよ!」(暗闇の中からーーーーに声をかけたのは以前ーーーーの家を訪れた天使であった。部屋がくらいせいでよく見えないが、その声やうっすらと見える顔で昔の同期だと気づく。)「ったく…んで?その極秘任務とやらは?」男「話が早くて助かる。ーーーー、貴様には別の管轄に赴き堕天使の調査をしてほしい。」(堕天使。その言葉にーーーーはぴくりと反応する)   (2022/5/22 03:05:36)

「堕天使、だと?」男「あぁ。先日、私の元へ秘密裏に送られてきた手紙にそう記してあった。内容が内容だったため信ぴょう性が高い。故に私の信頼する天使にそれを調査してもらいたいのだ。」「信頼、ねぇ?」男「…確かに、私は今まで貴様を目の敵にしていた。だが、貴様がこの天界を変えつつある今、貴様にしか頼めぬと判断した。」(頼む。そう言い男は頭を下げる。ーーーーは仕方ないという顔をしたのち笑った。)「あいわかった!俺に任せとけ!元同期の頼みだ!今回だけ手貸してやるよ!」男「…すまない。恩に着る。……本当なら"彼女"も共にこの任務を頼むはずだったのにな」(彼女。男が呟いたその言葉にーーーーの脳裏に3つの笑顔をうかべる女の天使が思い出される。1つは初めて話しかけてきた時。もう1つは狂気的な笑みを浮かべ、襲いかかってきた時。そして最後に涙を流しながら笑みを浮かべ死んでいった時)   (2022/5/22 03:05:48)

「やめろ。もうあいつはいない。もう…俺たち元同期3人が揃うことはねぇんだよ。」男「…すまない。貴様にとって酷なことを思い出させた。今度こそ止めよう。彼女のような悲劇を起こさぬよう、我々で堕天を止めるのだ」「…おう。やろうぜ、俺とお前で。」(2人は覚悟を決め再び向かい合う。)「んで?その任務とやらにいつ向かえばいい。」男「急用だからな、すまないが今からだ。」「あ?今から、だと?おいおい、無茶言うな。俺は明日以降も任務もあるし部下達の指導もあるしそれに…!」(そこで言い留まる。大天使である自分が一人の人間に肩入れしているなど言えるはずもなかったために。)男「期間は一年間。向こうの管轄で過ごしてもらうことになる。辛い任務ではあるが貴様にしか頼めんのだ」「いやいや待てよ!いくら何でも急すぎねぇか!?もっと前もって言うべきだろうが!?それに一年だと!?別に俺がこっから行き来すりゃいいだろうが!」   (2022/5/22 03:06:08)

(急すぎる話によりつい頭に血が上ってしまったーーーーの襟首を男は掴んだ。)男「私だってこれでも精一杯やっているのだ!もう彼女のような堕天による被害者を出さぬ為に!仲間や家族を殺す苦しみを!憎しみの連鎖を生まぬために我々がいるのだろう!貴様も何のためにこの天界を変えようと動いてきた!貴様は大天使だろう!」(激昂する男に返す言葉もなく、ただただその言葉一つ一つを聞いていた。)「……分かった。今からなんだろ?行ってやるよ。ただ!」(ーーーーが聞き入れてくれたことへの安堵か男は襟首を離す。しかし、男が離した瞬間、ーーーーは男の襟首を掴み返す。)「その言葉!その想い!その覚悟!何一つ嘘はねぇんだろうな!?……俺はもう全てを背負う覚悟は出来た。だからてめぇも!その覚悟はできてんだろうなぁ!!」男「ぐっ…む、無論だ!私も貴様と同じくこの天界を変えようとする者の一人だぞ!侮るな!」   (2022/5/22 03:06:30)

(ーーーーは男から離れ男が持っていた別の管轄の場所、そして調査内容の記された紙を乱暴に奪い取り部屋を出ていく。自宅へ戻り適当な荷物と、とある薬を持ちずんずんと進んでいく。)ザガン「ーーーーさん!」「…ザガンか。」ザガン「失礼ながらどちらへ?」「…旅だよ。1年だけここを留守にする。俺がいない間、ミカエラとアルファを頼んだぞ。」ザガン「…っ。ご武運を。」(ーーーーは部下達数人に見送られ天界を後にし、人間界に降り立ちひとつのボロボロの家へと向かう。ーーーーはノックをせずに部屋に入りテーブルの上に件の薬と置き手紙を置く。その時ちらりと少年が眠るベッドの傍に行き荒い呼吸を繰り返す少年の額を軽く撫でる。撫でられた時少年の呼吸が安定してきたのを見て安堵し家を出ていく。)   (2022/5/22 03:06:42)

(空を飛びながらーーーーは目を閉じる。)『もうオリーの寿命が短いことは知っている。一年も一人ぼっちにしてしまえば半年も経たずにオリーは死ぬ。バレちまえばアウトだが見ちまったもんは仕方ねぇよな。助けたいって思っちまったもんはもうどうすることもできねぇよ。』(それは最後にオリーと出会った日のこと。能力でオリーの未来を見たーーーーは病気が悪化し一人孤独に死ぬオリーの姿を見てしまった。ーーーーは天界が所有する秘薬を持ち出しそれを置いてきてしまった。しばらく会えなくなる事と、元気になる薬とだけ記した手紙と共に。)『許せ、オリー。怪我を治す薬や、症状を遅らせる薬はあれど、孤独に打ち勝つ薬はねぇ。すまねぇ。またお前を一人ぼっちにしてしまう。すまねぇ…すまねぇ…!』   (2022/5/22 03:07:08)

(あの男が色々手をかけた為か、1年だけの特別指導員として派遣された扱いにされていた。この管轄にもーーーーの名や功績は言い伝えられていた程彼は有名人であった。そしてーーーーがこの管轄を訪れ調査を始めてから1年が経った。ーーーーは再び天界に足を踏み入れる。そして踏み入れた瞬間、元同期の男が現れ着いてくるように言い、2人は建物の中に入っていく。建物の中の部屋は1年前にこの元同期の男と互いに決意を固めたあの部屋だった)男「まず1年間の任務、ご苦労だった。だが、貴様は天界の規則に背いていた事に気づいた為ここに呼び出した。」「規則、だと?」男「貴様が天界から薬を持ち出し、現世の人間の子供に服用させた事は既に知っている。」   (2022/5/22 03:07:31)

男「更に貴様は天界の最も重大な規則にも背いている。貴様は人間の運命に干渉し、本来死ぬはずだった命を今日まで延命させた。これは処罰が必要だと判断した。」「ハァ……久々に顔を見たと思ったらまたテメェは規則規則うるせぇよ。」(元同期の男に背を向け部屋を出ていこうとするも、空間が歪み、闘技場のような場所へ飛びされる。)「…てめぇ、なんの真似だ。」男「言っただろう。処罰が必要だと。」(男は羽を展開し戦闘態勢を取る)「言っておくが、貴様がいない1年の月日を経て、私も大天使へと昇華した。大天使となり、任務を通し本気の命の削り合いを忘れた貴様など全盛期の面影もない。人間に憧れてしまった哀れな天使よ」(ーーーーは手荷物を投げ捨て拳を強く握る。)「言いたいことはそれだけか」男「何…?」「それだけで気は済んだか。俺はてめぇをぶちのめしてここを出ていく。」男「フン!罪人の貴様がどこに行くのだと言うんだ!帰る場所を自ら無くした男が!」(男は空間を何度も移動しーーーーの背後から殴りかかる。)「決まってる。家族の所だ。」(衝突する拳。大天使同士のぶつかり合いによって、男に作り出された空間がビリビリと歪んでいく。)   (2022/5/22 03:07:56)

(大天使同士の戦いは激しさを増していく。男から見てーーーーにかつての戦場での勇姿の面影も無く力を使うこともなく天使としての生涯を終えていくものに見えた。しかし男はそれを後悔することになる。はじめは明らかに男の方が優勢であったが徐々にーーーーの拳が男を捉えていく。不意をついたーーーーの蹴りが男の頭部を襲う。天使の羽を1枚も展開していないーーーーに男はほぼ一方的にやられてしまっていた。)男「な…なぜだ!!なぜ私が貴様に劣る!?大天使となり、能力も、スピードも、強さも!全てが成長した私が!なぜ!?同じ大天使の貴様と私の何が違う!!」(荒い呼吸を繰り返す男にーーーーは拳をかまえ答える)「大天使になったから強いんじゃねぇ、成長したんじゃねぇよ。」(ーーーーは男との距離をつめ腹部に強烈な一撃を繰り出す。)男「俺は信頼してくれる部下を、信じる仲間を、背負ってんだよ。大天使ってのは所詮背負うものの一部に過ぎねぇんだよ。」   (2022/5/22 03:08:15)

(男がダメージを受けすぎた為か男の能力により生み出されたこの空間も崩壊しつつあった。ーーーーは動かなくなった男を一瞥し、その場を去ろうとする。)男「……やはり、貴様相手では"天使のままでは"適わぬか。」(崩壊しかけていた空間が更に崩れていく。しかし、崩れていく空間を暗闇が覆っていく。倒れていた男は何かに引っ張られるように立ち上がる。男の胸元に小さな黒い渦が生まれ徐々に大きくなり、男の体を完全に覆ってしまう。異様な光景にーーーーは目を見開く。"それ"をーーーーは知っている。"この黒いもの"をーーーーは知っている。男を飲み込んだ渦から手が出てくる。そしてその全容を晒した。黒い羽に、紫に変化してしまった髪色。ーーーーは知っている。この胸騒ぎの正体を、過去に、同期に起こった現象を。その名は)【堕天】   (2022/5/22 03:08:30)

「な…んで、堕天が……」男「フッ、簡単なことだ。私は堕天を手に入れた。」(ショックで体を震わせる。堕天の影響か、伸びてしまった前髪をかきあげながらーーーーに男は告げた。)男「知っているだろう!?堕天だよ堕天!!貴様が殺した女と同じ堕天だよ!」「やめろ…やめてくれ……」男「貴様と私で何を止めるんだったっけなぁ?私が仕組んだ罠にまんまとかかった貴様は本当に間抜けな男だ。あの女を死なせた時と何ら変わっていない!!!」「黙れぇぇ!!!!」(地面を力強く蹴り、一瞬で男との距離を詰めーーーーの顔を殴りつけた。)男「この拳、痛くも痒くもない。貴様、信念とやらをどこに置いてきた?」(男はーーーーの腕を掴み近くの壁へ投げつける。掴んだ時に腕の骨を何本か折ったのかーーーーの腕は力なくぶらんと垂れ下がる)   (2022/5/22 03:08:51)

(ーーーーがぶつかったはずみで倒壊した壁の瓦礫をかき分けなんとか立ち上がる。その姿を見て男はニィと不気味に笑う)男「そうだ、ついでに教えてやろう。なぜ、あんなにも優しかった彼女が堕天したのか。」「…?」男「本来堕天とは彼女のように優しさの塊のような天使には絶対に起こるはずのない事象である。歪んだ天使の心から生まれるものだ。」(では、と言葉を続ける。黒い羽をしまい、スタスタとーーーーの前に歩いていく)男「なぜ彼女は堕天したのか。答えは簡単なこと。私が、彼女に堕天のエネルギーを注ぎ込んだからである。」(意味がわからなかった。なぜこの男は堕天のエネルギーを持っているか、なぜこの男は同期を堕天させたのか、なぜ堕天させたのがあんなに優しい彼女だったのか。)   (2022/5/22 03:09:18)

男「私もたまたま手に入れたこの堕天のエネルギーを自分の能力で自由に扱うことができた時には驚いたさ。何せ手の中に無限の力があるのだからな。だがしかし私は堕天した時のデータが欲しかった。そこで適当に同期を選んだのさ。私としては同期を殺した時に絶望した貴様が堕天してくれれば1番良かったがな。」(適当に選び、彼女の運命を変えたのだ。この男は、この堕天使は。)男「フフッ、ハッハッハ!!!どうした?まさか、絶望しているのか?残念!全て事実だよ。ほら、いつもの勇敢に敵に立ち向かう姿はどうした?敵に心を折られ、膝を着いたその姿はなんだ?全てを背負う覚悟とか言っていたが覚悟とはなんの事だったんだ?なぁ、【ブレイ・ヴァーテン】」   (2022/5/22 03:09:42)

(目の前で笑う男に、あらゆる事実が、今の現実に、ー-ー ̄は、ブレイ・ヴァーテンの中で何かが切れた。)「……過去も、覚悟も、今はどうでもいい。ただ今はてめぇをぶっ殺す!!!」男「来るかブレイ・ヴァーテン!!貴様には処罰ではなく処刑を執り行おう!!!」(ブレイ・ヴァーテンは2枚の羽を展開し男に向かっていく。対する男は8枚の黒い羽を展開する。)男「やはり!貴様は所詮2枚の羽しか持っていない!8枚の羽を持ち、大天使となった私より貴様の方が劣っている事実は覆らない!!」   (2022/5/22 03:10:05)

(大天使と堕天の両方の力を持つ男と大天使の力のみを持つブレイ・ヴァーテンでは力の差は歴然だった。)男「ははは!!気分がいい!昔から貴様は気に入らなかった!!くだらぬ正義と、悪を見逃すその甘さに反吐が出そうだった!」(男は漆黒の羽を飛ばしヴァーテンの体を傷つけていき、怯んだ隙に何発も拳を繰り出していく)男「私はな、堕天のエネルギーに憧れていたのだ。堕天に秘められた力に気づけばどんな天使でもここまでの力を手に入れられる!大天使となり強化された能力と共に、堕天のエネルギーを完璧に使いこなす事が出来れば私は神をも凌駕する!そうだ、運命すら私の思い通りにもできるのだよ。違うか?ブレイ・ヴァーテン!!」   (2022/5/22 03:10:44)

(空中を高速で移動しボロボロのヴァーテンを蹴り飛ばそうと襲いかかる。)「あぁ、そうだ。"違ぇよ"思い通りにならないのが運命だろうが。生きたくても死んじまうのも、くだらねぇ正義に縛られるも、全部運命ってやつなんだろうよ。思い通りにならねぇから…」(ヴァーテンは男の蹴りを視認せずに躱す。)「運命を信じるしかねぇんだよ。それと…ようやく"慣れた"」(隙だらけの男の頬をヴァーテンは殴りつけた。ただの打撃が風を生み出し、ビリビリと空間が揺れ動く。)   (2022/5/22 03:10:52)

男「ぐぁぁぁぁっ!!?」(男は吹き飛ばされ壁に激突する。その掴んだ刹那をこの男が見逃すはず無かった。ヴァーテンの瞳が真紅に輝く。大天使となった事で能力が強化される、ということは無論大天使ブレイ・ヴァーテンも例外ではなかった。ブレイ・ヴァーテンと男を過去に飛ばし、男がブレイ・ヴァーテンに殴られる瞬間に到達する。)男『こ、これは!?この男の能力は所詮過去と未来を見るだけの筈!』「悪いな、さっきの一撃ナシにしてくれ。気持ちを込めて無かったもんでな」(元同期の堕天した"彼女"の最期。現世で帰りを待つ家族。そして堕天への怒りを全て乗せていく。男の顔を殴りつけた時、先程よりも強い振動が巻き起こる。)「てめぇの未来を見る事で俺はてめぇの攻撃を多少なりとも避けることはできんだよ。」(血を吐き出しながら立ち上がる男に拳を向ける)「てめぇをぶっ飛ばして俺は出ていく。家族に会いに行くために。」   (2022/5/22 03:11:13)

(2人の戦いは丸一日かかった。戦いの勝者は、羽を全て失った敗者の額に手を添える。)「大天使になった事で成長したと言っただろう。私の能力の対象を"全天使"へ。ブレイ・ヴァーテンに関わる全てを記憶を抹消し、ブレイ・ヴァーテンに関わる全てを空白へ。」「さようなら、天使の英雄よ。他人に、自分自身に忘れられたまま現世で孤独に生きていけ。」(空間が元に戻ったと思えばそこは高い高い空の上であった。ブレイ・ヴァーテンは地上に向けて落下していく)   (2022/5/22 03:11:30)

『すまねぇ。約束を守れそうにねぇようだ。なぁ、オリー。最期は楽に逝けたか。次は生まれ変わったら夢、叶うといいな。』「ボク、いつかお腹いっぱいご飯が食べたいです。」「ボク、いつか友達と一緒にいっぱい遊びたいです。」「ボク……いつか、自由に…なり、たい」「何度生まれ変わっても、絶対貴方の事を忘れないです。」「生まれ変わったボクを見つけたら思い切り抱きしめてください。」『走馬灯、か。すまねぇなぁ…最期まで一緒にいてやれなくて』『嗚呼、残しすぎちまったなぁ……死にたくねぇ、なんて思っちまうなんてよ』『次は、必ず。』(この日天界から1人の天使が追放された。何度も心を折られても立ち上がった英雄も最後の最後で志半ばで終わってしまった。その者の記録は決して残らず、天界は"いつもの"平穏を過ごしていく。)   (2022/5/22 03:11:49)

(その記憶は家族に贈り物を買うために街へ降りた時、苦しそうに咳を繰り返しながらも店を探していた。咳をするたび白いタオルが赤く滲んでいくのを見て自分は後1年も生きられないのだと嫌でも理解させられる。自分の無力さと情けなさに涙がこぼれてくる。その時、強い風が吹きタオルが飛ばされてしまう。血の滲んだタオルを他の人に見られると不快感を与えてしまう。急いで回収しなければと歩き出すが運悪くタオルは高い木の枝に引っかかってしまう。ヒラヒラと揺れ動くタオルを見てどうすることも出来ない事実に絶望する。諦めてその場を去ろうとした時、空から声が聞こえてくる。)『よ、これお前のもんだろ。』(パサっと頭に先程のタオルが落とされる。ふと空を見上げると一人の男がふよふよと浮いていた)『それ、真っ赤じゃねぇか。体悪いならさっさと家に帰って寝とけクソガキ。』(あばよとその場を去っていく男の頭に人間に無い角が見えた。黒い髪に赤の瞳。恐らく彼は悪魔というものだろう。やさしい悪魔もいたものだと彼が去っていった方へ頭を下げる)   (2022/5/22 03:12:03)

(廃墟のような家でベッドで横たわる少年はケホケホと小さな咳を繰り返す。薬で少しだけ延命できたが病が悪化したことにより衰弱が酷く、どんどん弱っていった)(走馬灯のように流れた記憶で触れた初めて出会う悪魔という種族の優しさと、決して忘れぬ何度も支えてくれた家族の姿。瞼を開くことすら出来なくなった少年の瞳から涙がうっすらと流れ頬を伝っていく。花瓶に生けてあるお気に入りのキンセンカの花はゆらゆらと揺れている。そして少年はたった1人、静かに息を引き取り最後まで孤独のまま、天へ逝く)【正しき、清き魂は巡り巡って神の元へ帰っていく。新たな正しく、清くあるべき存在へ向かっていく。】   (2022/5/22 03:12:28)

【記録】重大任務のため現世へ降りた天使、『アルファ・フローメル』、『ラベータ=ミカエラ』『ザガン・マルケス』の3名が異常事態に見舞われ一名片腕を失う重症を負い、うち一名死亡。片腕を失った天使は新人天使達の育成の為に別の管轄へ移動を命ずる。そして遺体を遺族のもとへ【記録はここで途切れている】ーーーー1人の勇敢な天使がいなくなったことで天界は少しづつ歪んでいく。正しさと規律を重んじ悪を討つ事が正義の天界へと、その1人の天使が望まなかった未来へ進んでいく。最早原型を留めていない像が今日もまた少し崩れる。また何年も経ち、再びあの現象が起こるのだがそれは天使の英雄が消えて何百年先の未来の話ーーーー   (2022/5/22 03:12:48)

((こんな長いソロル書いたの初めてかも。いつか小説とか書いてみたいなぁなんて。では、また。ノシ   (2022/5/22 03:13:20)

おしらせさんが退室しました。  (2022/5/22 03:13:22)

おしらせさんが入室しました♪  (2022/8/24 00:14:22)

((はい。最早なんの続きかも分からないようなやつ投下しにきました   (2022/8/24 00:14:44)

(あちこちで戦いが始まる中、女はそこにたどり着いた。)アーサー「よう、待ってたぜ。」(その場にいたのは胡座をかいて座るアーサーだった。アーサーの視界の先にいた女の正体は麻薬や国そのものの売買を行う組織のボスであり、アーサーの義姉であった。)アンナ「私がここにくると分かっていたのか?」アーサー「いんや?てめぇのことだからきっと俺を力づくでも言うことを聞かせるつもりだろうと思っただけだ」(アーサーは立ち上がると剣を抜き剣先をアンナに向ける。)アーサー「てめぇは、親父の夢を、守ってきたモノたちを全部全部壊した。親父だけじゃねぇ、俺の大好きだった国も、兄貴も!」「ここでぶっ殺してやるッ!!」(アーサーは剣を構えたまま能力を全解放させる。金髪だった髪は白髪に変わり、後頭部の髪が腰元まで伸びる。この力、この姿こそアーサーが代々受け継いできた力だった。)   (2022/8/24 00:15:04)

アンナ「フフッ、やはりその力は良いな。親父殿を王にした力。ぜひとも私のモノにしたいものだ。」(アーサーが剣を構えたのを見てアンナ自身も剣を抜いた。黒と紫色が混じったような禍々しいその剣はまるで生きているようにも見えた。)アーサー「違ぇ!!親父はこの力で王になったんじゃねぇ!平和を願ったからだ!代々民を守ろうと想う優しい王様たちの願いが込められた力だ!!それと、俺達の親父を殺したてめぇが親父だなんて口にするんじゃねぇ!!」(瞬間剣と剣がぶつかり合う。ギィンという甲高い音が空間全体に響く。)アンナ「これがお前の本気、というわけだな?」アーサー「そうだ!まぁこんなもんじゃねぇけどよ!」(アーサーは剣を弾くとアンナに向かって風で作った球をぶつける。球を受けたアンナに対しアーサーは追い討ちを止めない。)   (2022/8/24 00:15:23)

(アーサーの猛攻は続く。風で作った球を無数に作り、全てをアンナに向けて放つ。マシンガンのように放たれる球にアンナは一切動くことも弾くことも出来なかった。)アーサー「んでもってこいつが!」(アーサーは攻撃をくらい続けるアンナの背後に時間を止め移動する。)「兄貴と親父の痛みを乗せた剣だ!!」(アーサーは無防備のアンナの背中を切りつける。血を吹き出しながら倒れゆくアンナを見下ろしながら、復讐を達成し小さな笑みを浮かべるアーサーの胸をアンナの剣が貫いていた。)アーサー「…はっ?」(そして抉るように剣が抜かれアーサーはおびただしい量の血を流し続ける。意識を失う瞬間にアーサーは剣で貫かれる前の無傷の状態に体の時を戻す。)アーサー『今のはあいつの剣!?馬鹿な、剣が勝手に動くはずがねぇ!!』(アーサーは混乱していた。なぜ殺した筈の敵の剣が自分の体を貫いていたのか。そしてなぜ目の前で倒れていたはずの女の体が無くなっているのか)   (2022/8/24 00:15:37)

アンナ「ふふっ、混乱しているな?混乱しているな、可愛い愚弟よ。」(アンナは無傷で立っていた。それもダメージを受けボロボロになったはずの服も何もかも元の状態に戻っていた。)アンナ「答え合わせをしてやろう。まず、前に言った私の能力は破壊と再生、では無い。正しくは【再現】【衝撃無効】だ。」アーサー「再現、と衝撃無効…?」アンナ「そうだ。私が攻撃を受けた時、お前以外の時間を巻き戻し無傷の状態の私を再現した。」「そして以前お前が使った、自爆紛いの技の衝撃は全て無効化した。さて、ここまでは理解できたかな?愚弟よ」(傷が無くなったとはいえ、満身創痍のアーサーを馬鹿にするかのように笑うアンナにアーサーは更に斬り掛かる)アーサー「あぁ理解したよ!てめぇがただの真似っこ野郎で、無効化できるのは衝撃だけだってな!」   (2022/8/24 00:15:56)

(再び剣と剣がぶつかり合う。しかし。アーサーの培った剣技でもアンナの体に傷1つ付けることができなかった。)アーサー『認めるわけねぇだろ、こんなやつに「衝撃」持ちの兄貴が負けたなんて。こんなやつに俺の復讐が止められるわけねぇ!!』アンナ「焦っているな。」アーサー「っ!?」アンナ「お前の剣を見れば分かるさ。自分の力が通じぬ相手に、自分の復讐相手に叶わぬ現実に、焦っているのだろう?いや、その感情こそ正しい。」「人間として正しい恐怖という感情だ。」(アーサーはアンナの言葉に更に苛立ち、片手で突風を巻き起こしアンナを吹き飛ばそうとする。しかしアンナは攻撃が分かっていたのか容易くかわすとアーサーに近づき、アーサーの胸元に手を添える)アンナ「お前との初めての姉弟喧嘩を記念して良いものをやろう。お前と兄との思い出だ。」   (2022/8/24 00:16:21)

(アンナがアーサーに触れた瞬間、ズンっと重たい振動がアーサーを襲う。ビリビリと体を伝うそれには覚えがあった。遠い遠い兄との記憶。)アーサー「ゲホッ……!?い、今のは…?」アンナ「私の再現の能力では私に干渉したものを一つだけなら再現する事が出来る。つまり、今の私はお前の兄の振動も使うことが出来るのだよ」(アーサーは膝を叩きなんとか立ち上がるもアーサーの目の前にアンナの剣が突きつけられる。)アンナ「理解したか、お前は私に絶対に勝てないことを。そして親父殿の風を操る力、私の再現。それらが揃えば世界を支配することも可能だ。お前は黙って私に従えば良いんだ。」(圧倒的な力の差、そしてアーサーの兄の能力、アンナは勝利を確信しアーサーを見下ろす。)   (2022/8/24 00:16:46)

アーサー「うるせぇよ。」(アーサーは自分に向けられる剣を掴みながら立ち上がる。刃を掴んだせいで掴む手から血が流れるが、アーサーは気にせずに掴み続けていた。)アーサー「世界を支配だとか、兄貴の真似っこだとかこれ以上俺の家族を侮辱するんじゃねぇ!!!」「親父は俺に王としてのあり方を教えてくれた!!兄貴は俺に優しさを教えてくれた!!」アーサー『折れるな、最後まで戦い抜け』(剣を掴んでいないもう片方の腕がアンナの頬を捉える。アンナはアーサーからの抵抗に一瞬怯む。しかしその一瞬をアーサーは逃さなかった。)アーサー「吹き飛べ。」(アーサーは両手をアンナに向け、突風を放った。風は壁や床を抉り、壁を破壊しながら吹き荒れていく。)   (2022/8/24 00:17:20)

アーサー「ハァ…ハァ……」(能力の全てを出し切ったような一撃により壁や床が崩れ、倒壊したことによって生まれた煙が晴れていく。)アンナ「素晴らしい。素晴らしい一撃だった。」(そこに憎むべき相手はいた。剣先をアーサーに向けて立っているアンナの姿は先程と違う姿になっていた。)アンナ「どれ程お前が本気の力を出しても、復讐しようと足掻こうと私には絶対に勝てない」(元々禍々しかった剣が更に禍々しさを帯びるかのような化け物の牙や角を彷彿とさせる突起に加え、剣から伸びる黒い棘のようなものがアンナの半身を覆っていた。アンナの頭にはそれらの正体を物語るかのような角が生えていた。)アンナ「この力の正体は魔剣。魔の力を秘めた剣だ。」アーサー「魔剣…だと…?」アンナ「魔剣の力は凄まじい。あまりにも膨大な力により半身を飲み込まれてしまうのが難点だな。」   (2022/8/24 00:17:41)

(姿を変えたアンナの容姿はまさに悪魔そのものだった。)アンナ「あぁ…良い気分だ。やはり力だ。力こそ何よりも価値がある。そう思わないか?弟よ。」「金も、命も名声も。何もかもが圧倒的な力の前では等しくひれ伏す。」「そう、こんな風に」(その瞬間、アーサーの体は宙を舞っていた。何が起きたか分からずただただ混乱する。混乱するアーサーの視界に悪魔が現れる。その時アーサーは気づく。目の前の悪魔は目にも止まらぬ程のスピードで自分を攻撃したのだと。そして目の前で更に拳を構える悪魔は悪魔のような姿をした、自分の復讐相手であった。)アンナ「はははは!何勝手に宙を舞っている?足元がおぼつかなくなったか!?」(アーサーは狂気的に笑うアンナを見て気づく。自分が無意識に防御する姿勢をしていたことに。本能的にアンナを恐れていることを。)   (2022/8/24 00:18:04)

(両腕を交差し少しでも衝撃を抑えようとしたアーサーをアンナの一撃が襲う。拳だけの衝撃ではなく、アーサーの兄の能力を再現し振動を加えた一撃はアーサーを吹き飛ばすには十分すぎた。)アンナ「すまないな、先程お前が勝手に宙を舞っていると言ったがどうやら私の適当に放った一撃によるものだったようだな。」「いやすまない、力を持て余すとこういうことが起こる。」(アーサーは吹き飛ばされた先で瓦礫をかき分け立ち上がる。悪態のひとつでも吐いてやろうとしたアーサーは込み上げるものを吐き出す。それは悪態でも、不屈の闘志でもなく、真っ赤な鮮血だった。滝のように流れるそれを理解する前に体が悲鳴をあげた。)(両膝をつき、身を包む英雄達の力の結晶もいつの間にか解けてしまっていた。)アーサー『スキルも……俺の今までの努力も…何もかもが通じない……。じゃあ…俺の復讐は、なんだったんだ?』   (2022/8/24 00:18:35)

(アルトリウス・フォン・アーサーは惑う。父を殺され、兄を失った日から心に宿した復讐という生きがいの為に手に入れた力も、何もかも無駄だった。友にさえ隠し通した怒りはどこへ向かうのだろうか。)(絶望するアーサーの目の前にカツンと足音を鳴らしアンナが現れる。両手をぶら下げ焦点の定まらぬ瞳を揺らし今も尚口から血を流すアーサーを見て嬉しそうにアンナは笑みを浮かべた。)アンナ「力とは、優劣を決めるに一番分かりやすい手段だと私は思う。さて、私たちの場合はどちらが劣っているんだろうなぁ?」アンナ「しかし私は支配者。劣等人にも慈悲を与える者だ。私の靴を舐めろ、そして私に生涯を捧げ、忠誠を誓え。そうしたら助けてやろう。」(目の前に助かる道が開かれたアーサー。力の差を痛いほど思い知らされ、絶望するアーサーの道はひとつだった。)   (2022/8/24 00:19:00)

アーサー「お、俺は……」【忘れるな】アーサー「俺の、道は……」【迷うな】アーサー「………」【迷うな、正義を忘れるな】アーサー「悪ぃな、俺の道は兄貴と同じ道だ。いずれ兄貴を追い抜いて王になる道だ。」(アーサーは笑う。何度自分に死が襲おうとも、絶望に苛まれ惑うことがあれども、幼き頃に誓った復讐すら霞む幸せをくれた友に恥じぬ生き方のために。最期までアーサーは笑うことにした。)アンナ「消えろ愚弟。来世こそ私に全てを捧げろ」(急所を狙うアンナの剣を最後にアーサーは目を閉じる。最後の最後までアーサーは友の幸せとここから逃げて無事生き延びることを)   (2022/8/24 00:19:24)

「やれやれ。」(振るわれた赤紫の禍々しい剣は白い真っ直ぐな剣に弾かれる。)「最後まで俺は手を出さないつもりだったんだが。」(『両者』の放った衝撃は互いへダメージを与えた。アンナの悪魔を模した角を砕き、アーサーの前に現れた男の頭部を包む甲冑を砕き、その素顔を晒す)アンナ「貴様…やはり意識があったか…」「あぁ。魂を遺体の記憶の中に隠しておいたからな」(アーサーはその声に聞き覚えがあった。以前聞いた時は限界状態だったからか気づくことは無かったが、今こうして改めて聞くことで気づけた。甲冑に隠された長い金色の髪に、振動の能力。)「大切な弟を痛めつけられて黙っているほど俺は温厚では無かったようだ。」アンナ「アルトリウス・フォン・アルザッ!」(その時再びアーサーの運命は動き出していた。)   (2022/8/24 00:19:48)

((正直ここまで書くなら小説で1から書きたいなぁ……1から…!?ようやく書きたかったとこまで書けそうです。では、また。ノシ   (2022/8/24 00:20:37)

おしらせさんが退室しました。  (2022/8/24 00:20:41)

おしらせ渚@悪魔さんが入室しました♪  (2023/1/23 22:54:44)

渚@悪魔((こんにちわこんばんはこんにちわ   (2023/1/23 22:54:57)

渚@悪魔悪魔とは。   (2023/1/23 22:55:45)

渚@悪魔元来明確な行動理念を持たざる生物である。敢えてあげるとするならば欲望。生きるために、強くあるために自他の欲望を糧に身を振るう。その触媒として『人間』というのは格好の餌だった。老若男女、善悪を問わず欲望を掲げており、その先の未来を示唆してやれば喜んでその身を捧げ、「思った未来と違う」等と宣い、自ら捧げた身が消失していくのを感じながらそれでも尚「生きたい」と欲望を吐き散らかす。悪魔はその全てを平らげ、自らの糧とする。それが自己の存在意義だと本能が告げるから。だから新たな餌を見つけては食す。食しては新たな餌を探す。その繰り返しだ。   (2023/1/23 22:56:03)

渚@悪魔故に、『異端』の話は否が応でも耳にする。群れるわけではなくとも顔を合わせれば最低限の情報共有くらいはする。その中で幾度もその話を耳にする。「人間と共に生き、人間のために行動し、時には人間のために同胞ですら手にかける」そんな悪魔がいる、と。   (2023/1/23 22:56:46)

渚@悪魔「彼」もまた、その話を聞きこの街へやってきた。明確な自我すら怪しい下級すらランク外の低級悪魔。しかし、意志は持っていた。「我々が人間に屈するなど論外である。きっと件の悪魔は人間に縋り生きている。ならば我が力を持って屠るが幸だろう」もちろん、相手の力量なんて視野に入っていない。それを考える理性なんてものは彼の思考回路には備わっていないのだから。「人間に屈した悪魔より自分の方が強い」と。彼はそう信じて疑わなかった。さて、標的がいるという街まで来たが中々どうして人間が大量だ。正確には人間以外も散見されるが、格好の餌場として申し分ない。なるほど、ここを自らの領地としているのか?そんな考えが頭をよぎる。ここを件の悪魔の領地とした場合、それだけの力量があるのだと理解すれば自身との力量差も量れそうなものだが、彼にそんな思考回路は備わっていない。彼が考えたのは「こんな餌場を独占するのは許されざるべきだ」という至極当然浅はかなる考えだった。   (2023/1/23 22:57:25)

渚@悪魔──生物が寝静まった深夜。人間に擬態した彼は行動を開始する。恨み合いで殺されかけている輩。精神を病み死のうとする女。自らの欲を満たそうとするだけの低俗者。思った通り、彼はこの街に着いてから食事に事欠かない数日を送っていた。「しかし、この街は奇怪だ」聞いていた話以上に人間と共生する悪魔が多い。手頃な悪魔を捕まえて話を聞くと家族だ等と嘯いたので半殺しにした上で目の前で人間を喰らった日もあった。何がここまで腑抜けにしているのか。そんなことを考えながらも彼は次の獲物を探す。   (2023/1/23 22:58:12)

渚@悪魔獲物が見つかりやすい薄暗い裏路地をヒタヒタと歩いていると月光が照らす一本の細い路地に出る。日光よりはマシだが月光も好むわけではない彼は早く通ってしまおうと少し足を早めると、不意に影が落ちる。なんだ、と足元を見てその影がどうやら人間に似た影であると認識すると影の持ち主を視認するため視線を上げる。「自殺でも試みようとしているならついでに貰っていってしまおう」そう考えた彼の目に飛び込んできたのは夜空に揺らめく赤い炎と、自殺とは程遠いようなニタリとした笑顔を浮かべた人物だった。   (2023/1/23 22:58:37)

渚@悪魔「見つけた」   (2023/1/23 22:58:46)

渚@悪魔聞こえてきた声音は男のものだ。彼の前に飛び降りてきた男は体から炎を出し音もなく着地した。高身長であり、炎を扱う。赤と黒の服装に身を包んだ男。そして嫌でも感じる同種であるという感覚。(コイツだ…)この赤い悪魔が噂に聞いた『異端』だと彼は理解する。それと同時に彼は攻撃を開始した。擬態していた人間の体を内から破るように本来の姿に戻り、加速し、腕を振るう。   (2023/1/23 22:59:11)

渚@悪魔──振るったはずだ。彼の腕は赤い悪魔に直撃し致命傷とは言わずとも痛手になった。それが彼の見たビジョンだった。現実はどうだ?加速しようと足を踏み込み後ろに傾けた腕が…赤い悪魔にピタリと止められていた。腕どころか足も動かない。何をした、いつ動いた、何故動かない!そんな彼の思考を遮るように赤い悪魔はヘラリと笑う。「困るんだよなぁ。あんまり荒らされると。事大きくしたくねぇんだわ、お前みたいな低級に」理性や知覚が薄くとも尊厳はある。同種に、それも人間といるような奴に見下された。その事実は彼にとって許し難いものである。無理矢理体を動かすと大きく距離を取り、咆哮と共に再び突進を仕掛ける。「一度ならず二度も同じ攻撃。魔力は全ツッパ。考えもない攻撃。気合いだけの声。うーん、これぞまさしく低級だな」赤い悪魔は変わらずヘラヘラと笑い避ける素振りすら見せず正面から受けたが、彼の攻撃は薄い炎の膜で防がれていた。赤い悪魔が炎と共に腕をあげた時、彼は思わずその身を退いていた。   (2023/1/23 22:59:44)

渚@悪魔恐怖?畏怖?そんなもの我々が感じるわけが無い。そんなこと……。   (2023/1/23 23:00:17)

渚@悪魔「同種の力量差も量れない奴が……食べた人間は美味かったか?殺した悪魔は弱かったか?」赤い悪魔がゆっくりと歩き出した途端、彼は全速力で逃げ出した。このままでは殺される。人間と共生するような悪魔に。負けるわけがない。擬態した時間が長かったから本調子でなかっただけだ。   (2023/1/23 23:00:35)

渚@悪魔頭の中でグルグルと思考を回しながら街を抜け、平野を駆け、森に入る。ガサガサと草木を掻き分けながら進み、幹に手を着いて肩で息をする。   (2023/1/23 23:00:57)

渚@悪魔「こ、ここまで来れば……大丈夫だろう」思わず口に出していた。次は負けないという彼の意地は、肩に置かれた手に砕かれた。「うんうん、わかるわかる。さすがにここまでは来ないよな〜」体中が震え上がり飛び退くが足がもつれ地に手をつく。立ち上がる間もなく見上げると赤い悪魔がニコリと笑みを浮かべていた。月夜に浮かぶ赤い瞳は彼の逃げようとする気力すら打ち砕いた。『逃げれない、殺される、負ける、俺が、我が、私が!』彼の心を恐怖が支配した時、赤い悪魔はより一層口角を上げる。「そんな顔するなよ。」   (2023/1/23 23:01:20)

渚@悪魔「虐めたくなるだろ」彼が最後視たものは黒い炎と『悪魔のような笑み』だった。   (2023/1/23 23:01:36)

渚@悪魔((たまには『悪魔』目線をば   (2023/1/23 23:02:00)

おしらせ渚@悪魔さんが退室しました。  (2023/1/23 23:02:55)

おしらせ渚@黒崎家さんが入室しました♪  (2023/1/24 22:28:03)

渚@黒崎家((昨日の今日で私です   (2023/1/24 22:28:13)

渚@黒崎家((タイムリーな話題だっていいじゃない   (2023/1/24 22:28:21)

渚@黒崎家某日某所。この街にしては珍しく雪が積もった日。黒崎家の面々は浮かれていた。「渚!渚!雪っスよ!」「うるせー見たらわかるから滑るなよ」年相応にはしゃぐ希羅は「はーい!」と元気良く返事し勢いよく足を滑らし豪快に顔から積雪へ突っ込んだ。「んばぁ!?」「あーあーだから言ったのに…」「積雪で良かったな。怪我したら大変だ」元気に滑った希羅を見て微笑みながら忍が歩き出す。「どっか行くのか?」「折角の雪景色だからな。レンと出掛けてくる」デートかよ、と小さく呟きその背中を見送る。その目の端に袋を持ったライズが家から現れる。「お前もお出かけ?」「ん?いやぁまぁ、天気とか後先とか考えずに仕事行きそうなのを一人知ってるからな。届けに行こうと思って」「ほーん?まぁ気をつけてな」「おうよ。遥はどうするんだ?」ライズが振り返って開けたままの玄関へ声をかけると防寒具に身を包んだ遥が顔を見せる。「僕は…特に行く宛も無いしこの辺で…」話してる最中の遥の横顔にバスッ、と雪玉がぶつけられる。「遥くーん!雪合戦しましょーよ!」   (2023/1/24 22:29:59)

渚@黒崎家見れば希羅がウキウキで雪玉を装填している。遥は一度困ったように渚を見ると「相手してやれ」と目で指示される。「よーし、手加減無しですからね!」「望むところっスよ!」キャーキャーと騒ぎ出した二人を横目にライズが歩き出し、最後に凛が玄関から現れ扉を閉める。「雷と同等くらいに動ける希羅ちゃんと反射神経で避けるって意味では最速の遥くん…決着つくのかな?」「確かに……銀は?」「この程度見慣れてるってさ」「面白くない奴…」「…フフ。照れ隠しかもよ」凛が小さく笑った頃、既に家には人の気配がないことは凛だけが察していた。「…渚、遊ぶ?」「俺の仕事は夜でしょ。昼間は姉ちゃんに任せるよ」「そうだね」パン、と手を叩くと氷で様々な動物を形作り、そこら中に散りばめる。チラホラと街に人影が見え始めた頃、渚が元気良く叫ぶ。「ほらほら!老若男女人間人外関係ねぇぞ!雪祭りだ祭りだ祭りぃ!」ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲じゃねぇか完成度たけーなオイ。   (2023/1/24 22:30:20)

渚@黒崎家((ここから幕間   (2023/1/24 22:30:50)

渚@黒崎家遠くに聞こえる家族達の声を聞きながらサクサクと新雪を踏み固めながら歩く。特に何処に行けば良いなどわかっちゃいないがなんとなく進めばいるだろう。彼は根拠もなくそう信じ、彼女はそこにいた。「よう。何してんだ」彼はいつも通り声をかける。彼女は振り向くなりあからさまに嫌な顔を向ける。「そんな顔すんなよ。仕事だろ?付き合わせろよ」ケラケラと笑い当たり前のように隣に立つ。彼女は拒否するが、やがて諦めたように歩き出す。ついでのように彼の持つ袋について言及する。「これ?単なる防寒具セット。予報じゃこの後も吹雪く可能性あるらしいからよ」彼は自分の気持ちに気付かない。彼女がどう捉えるかも視野では無い。しかし彼はそうすることが正しいと感じたから行動した。たったそれだけの幕間の物語。   (2023/1/24 22:30:54)

渚@黒崎家((もう1つ幕間   (2023/1/24 22:31:04)

渚@黒崎家雪化粧に包まれる街を見ながら待ち合わせ場所まで歩く。「お待たせ」そう声をかけると、彼女は嬉しそうに駆け寄って来て転びそうなとこを咄嗟に支えられる。「ギリギリセーフだな」先程と同じような景色を見ることにならずに済んだと笑い、彼女は恥ずかしさからか少し頬を膨らませる。「悪かったよ。ほら」ソッと手を差し出すと彼女はまだ頬を膨らませたまま手を取り、二人一緒に歩き出す。何処まで行こうか。何を食べようか。何をしようか。そんな他愛ない話をしながら隣を歩く。その程度の日常の話。   (2023/1/24 22:31:16)

渚@黒崎家((皆雪でもはしゃぎすぎないようにな   (2023/1/24 22:31:35)

おしらせ渚@黒崎家さんが退室しました。  (2023/1/24 22:31:38)

おしらせ渚@黒と白と刀さんが入室しました♪  (2023/3/20 04:07:09)

渚@黒と白と刀((フフフ   (2023/3/20 04:07:17)

渚@黒と白と刀 生き物の寝静まった時間。月もとっくに頂点を超え沈み始めた頃。甲高い金属音が静かな街に響く。一度や二度ではなく、何度も何度も。音がする方へと歩を進めると二人の男女が優雅に刀を合わせていた。いや、全力の嘘だ。男女の得物を振るう動きでわかる。優雅どころか殺意を持って殺し合っている。さて、二人の会話に耳を傾けてみよう。   (2023/3/20 04:07:24)

渚@黒と白と刀「いつまでこんなことを続けるつもりだ!」先に声を荒らげたのは男の方。衛宮忍。褐色に白い髪が映える。高身長の上に顔も良いので異性…主に叔母様方に人気な主夫。持つ刀は模造刀に近い刃がない刀。しかし彼の傑作。人間以外に対しては凶器以外の何物でもない。まぁ、今の相手は人間なのだが。人間だよな?   (2023/3/20 04:07:39)

渚@黒と白と刀「話の通じない男ね。私の刀を返せと、そう言っているだけでしょう」続いて女が不敵に笑う。白蓮梓。"白"と名前に入っているがその身は黒ずくめ。愛刀──彼女に「人斬り」と呼ばれるその刀も合わせるように刀身は黒く、淡い月明かりに反射しているから金属であろうことを確認できる。彼女の呼び名通り人を斬ることに特化した刀。彼女の癖のせいで本来の用途で使われることは少ないのだが。   (2023/3/20 04:07:54)

渚@黒と白と刀「貴方には必要のない代物なのでしよう。そんな贋作まで使って」忍の使っている刀。傑作、と言ったが真作ではない。『彼の能力で造り出した贋作の中で傑作』という意味である。刃がないことに対して比喩として模造刀という言葉を使ったがあながち間違いでもない。彼の今使っている刀は元々存在する刀を模倣して造った刀だから。その模倣先の刀の持ち主が梓ということらしい。   (2023/3/20 04:08:20)

渚@黒と白と刀「俺が使わないからと言ってお前に渡す道理はない!」何故彼の傑作なのか。それは彼の模倣品の中で不必要な要素を削りながらも求めた要素を限りなく真作に近付けることができたから、と彼は言っていた。では、彼の言う『不必要な要素』と『求めた要素』とは一体何であったか。それは『人を斬る力』と『人以外を斬る力』。   (2023/3/20 04:08:39)

渚@黒と白と刀「私の刀を私が使って何の問題があると言うの」ここで視線を移して彼女の癖の話をしよう。声を大にして言える彼女の悪癖。それは『斬りたい』という欲を抑えようともせず自分以外の外界へ盛大に発散していること。特に人外は個体によって斬る感触が違うらしく、人外を見ればすぐに刀を抜いている。依頼請負人という形でコミュニティに属しているのも手っ取り早く人外を斬れるからだということも知っている。   (2023/3/20 04:09:07)

渚@黒と白と刀そんな彼女が真作を持っていた場合を考えてほしい。もちろん、分かりきっている結末が待つ。人を斬れて人外もサクサク。そんな凶器を彼女が持てば狂気に溢れ狂喜することだろう。いや、していたというのが正しいのか。だからこそ彼女からその真作は奪われた。そして忍に渡され、贋作として彼が活用しているという構図。奪われた上に使われてすらいないし偽物まで造られる始末。彼女としては憤りどころではないことは容易に想像できる。   (2023/3/20 04:09:38)

渚@黒と白と刀「お前が使うから問題なんだろ!刀は自分の快楽のために振るう物じゃない!」「いつもそうやって綺麗事ばかり。あれだけ人を斬っておきながら」剣撃の打ち合いは続く。街が寝静まった真夜中に金属がぶつかる甲高い音が幾度と無く響く。どちらが正しいのだろう。どちらが正義なのだろう。きっと正解は勝った方、なのだろう。「お前は自分の欲望ばかり!」「結局は貴方も自分の意見以外が気に食わないのでしょう!」だから。   (2023/3/20 04:09:55)

渚@黒と白と刀「俺の勝ち」渾身の一手だった両者の刀はぶつからず、暗い街並みに瞬間的に炎が灯る。「なっ…渚!?」「黒いの…」驚きに手を止めた二人が二言目を発する前に二人の頭部に拳骨が落ちる。「うるせぇよお前ら」「っ…!!」「…った…」二人とも刀を手放し殴られた頭を抑えて屈んだまま俺の事見上げてら。「真夜中に何度も何度もキンコンカンコン。喧嘩なら昼にやれ」溜め息を吐いてパーカーのポケットに手を突っ込む。「これ以上やりたきゃ俺が相手だ。二人とも刀無くなるまで溶かしきってやるから覚悟しろ」フン、と鼻を鳴らし両者の反応を見るが、既に梓は此方を見ていなかった。「……興醒めよ」   (2023/3/20 04:10:24)

渚@黒と白と刀気の入らない声で落とした刀を拾い立ち上がると鞘に納め背を向ける。「……けど諦めたわけじゃないわよ、忍。その為ならあの小娘だって……」「…っ!レンは関係ないないだろ!」忍が立ち上がる前に梓の体は闇に溶けその姿を消した。   (2023/3/20 04:10:48)

渚@黒と白と刀「……お前らそんな確執大きかったっけ」「……色々あったんだよ」「元カノ?」「……だったらもっと分かりやすかったのにな」「そりゃそうか。そもそも朴念仁に元カノなんているわけないし」「なんか今ものすごい悪口言われた気分なんだが」「ハッハ。いつも思ってる事さ」「どういうことだ?!」「うるさいって」パン、と鼻頭を叩き家の方へと歩き出す。「実際問題お前らの過去に興味なんかないけどよ。レンレン含め他所に迷惑かけたらめんどくさいお兄ちゃん出てくるのわかってんだろ」「……身に染みてな」「だったらさっさと解決しとけよ」歩きながらチラりと忍を見る。鼻を擦りながら俯く彼が何を考えてるかは分からないし、興味もない。ここから先は二人の過去に興味がある奴が首を突っ込めばいい。   (2023/3/20 04:11:10)

渚@黒と白と刀((コピペは便利ですね。なんでこんな時間に出してるんですかね?   (2023/3/20 04:11:38)

おしらせ渚@黒と白と刀さんが退室しました。  (2023/3/20 04:12:10)

おしらせ小野寺さんが入室しました♪  (2023/3/22 15:04:51)

小野寺小野寺   (2023/3/22 15:04:57)

おしらせ小野寺さんが退室しました。  (2023/3/22 15:05:03)

おしらせ赤い人さんが入室しました♪  (2023/5/14 22:58:02)

赤い人早朝。一枚の紙を手に希羅が渚の部屋に入る。「渚ー。仕事っス…何してんスか」「ん。遊んでる」「見たらわかるっスけど…」此方も見ずに答える渚はベッドに座り両手に繋がれた炎で遊んでいた。端を口に咥えて離されそうなゴムパッチン、希羅が思い浮かべたのはあんなイメージ。…そんな事はどうでもいい。「仕事っス」「はいはい」「この前のとこと同じ猪退治っスね」「またぁ?!山駆け回るのめんどくせぇって…」文句を言いながら炎を消して項垂れるが、すぐに顔を上げ立ち上がる。「誰か連れてくっスか?」「どうせまた詳しくは調査するなとか余計なことするなとか言われるんだろ。ただの猪狩なら1人でいいよ」ジャージの上からパーカーを着て、希羅の横を通る。一度持ち物を探るように自分のポケットを触ってから頷いて。「じゃ、行ってくる」「猪肉はいらないっス」「何も言ってねぇだろ…」そう言って階段を降りる渚の背中を見送り、部屋を振り返って手元の依頼書に目を落とす。「……紙持って行かなかったっスね」どうしたものかと顔を上げ、部屋に散乱した紙を見て、溜め息を吐く。「今日は掃除っスね…」   (2023/5/14 22:58:10)

おしらせ赤い人さんが退室しました。  (2023/5/14 22:58:16)

おしらせ赤い人さんが入室しました♪  (2023/5/22 00:33:12)

赤い人拠点からそう遠くない位置に座する山。仕事で渚が来るのは二度目だった。あの時も猪を追いかけていた。「……あの時は…なんだっけ」幾月か前の記憶を思い出し、顔を歪める。「そうだ…」あの時は天使と邂逅し、彼女の能力で思い出したくないものを思い出した。見たくないものを見せられた。3度。能力を警戒せずに掛かる方が悪い。しかし相手の意地も悪い。渚は嫌そうに唾を吐き捨てた。「今度の猪は焼いて食ってやる」八つ当たりとも呼べる敵意を持たれた魔猪は餌しかいなかった縄張りで悪魔に出会い、捕食される側の気持ちを死ぬ間際まで味わった。   (2023/5/22 00:33:19)

おしらせ赤い人さんが退室しました。  (2023/5/22 00:33:31)

おしらせ赤い人さんが入室しました♪  (2023/6/12 21:03:22)

赤い人いつもなら野生動物の鳴き声しか聞こえない山に魔猪の足音と悪魔の咆哮が轟く。木々が薙ぎ倒される騒音が何度か続いた後、火柱が噴き上がった。「さっさと止まれ畜生め」体を火柱に貫かれて尚未だ逃げようとする気配を見せる猪の首に炎刀を刺しこみトドメを入れる。勢い良く噴き出した血液を被らないように避けながら首を切り落とし傍に転がす。さて何処から食べてやろうか等と考えていたのに、視線は猪ではなく上空へと向けられている。「あれ、気付かれてる?」「隠す気無いだろ。テンシサマ」渚の視線の先にいるのは夕日に照らされた天使の姿。魔力も姿も正体を隠そうという気概は感じられず、渚は痛いほどその魔力を感じていた。「楽しそうだから見てたの」「そっか〜。俺はデジャブ感じて頭痛が痛い〜。天使って猪と関わり深いの〜?」「何のことかわからないけど、そんなこと無いと思うよ」苦い顔で首を振る悪魔とケラケラと笑う天使。やがて、不本意だと呟きながらニッコリと笑顔を向ける。「……渚。悪魔。どうせ殺るんだろ」「……?…あぁ。私、燐音。天使。まぁ目と目が合えばって言うしね」そんな軽いノリで天使と悪魔の戦い…とも呼び難い殴り合いは始まった。   (2023/6/12 21:04:17)

おしらせ赤い人さんが退室しました。  (2023/6/12 21:04:34)

おしらせさんが入室しました♪  (2023/11/26 18:20:01)

((更新   (2023/11/26 18:20:07)

おしらせさんが退室しました。  (2023/11/26 18:20:30)

2022年05月22日 03時00分 ~ 2023年11月26日 18時20分 の過去ログ
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